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第3章謎の少女とダンジョン革命
150・ダンジョン革命
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そして翌日、私達はダンジョンに来ていた。
ダンジョンがどう生まれ変わったのか確かめに来たのだ。
ダンジョンの中に入るとみんなとはバラバラにならなかった。
そのままダンジョンを歩いていたら、魔物が現れた。
確かホワイトナイトという魔物だっただろうか、
持っている武器が剣でなく、木剣に変わっていた。
攻撃も基本的に武器で殴るだけで、
手加減してくれているのが分かる。
「ふーむ本当に変わっていますね」
「これで人が来るの?」
魔物を倒すとラプラスが現れた。
「ええ、たくさんの人が来るでしょう」
「楽しみだわ。
あ、外に出られるワープポイントは全ての階に設置しておいたわ」
「どこにあるんですか」
「こっちよ」
ラプラスについて行くと、
地面に魔法陣が描かれた小部屋を見つけた。
魔法陣の上に立つと気が付いたら外に出ていた。
「うーむ、本当に外に出られましたね」
「それはいいけど、このことを町の住民に伝えないといけないわよ」
「あ、そうですね。ギルドマスターと伯爵夫人に会いに行きましょう」
そうして私達はアアルに戻った。
◆
「というわけでダンジョンは気軽に入れるようになりました」
「「「……」」」
領主邸の居間で伯爵夫人と領主のオリヴァーさんとギルドマスターに、
ダンジョンのことを報告した。
するとみんな黙り込んだ。
伯爵夫人に至っては頭が痛いのか頭を抑えている。
「みんなどうして黙っているんですか?」
「嬢ちゃんがわりととんでもないのは知っていたがここまでとは…」
「もう凄すぎて何も言えない…」
「お前という奴は本当に…」
みんな重たいため息をついた。
「何でため息をつくんですか?」
「セツナ、お前は自覚してないみたいだが、
これはとんでもないことだぞ。
…よりにもよってダンジョンに気軽に入れるようになっただと?
もしそれが本当ならどういうことになるのか予想出来るか?」
「えーと人がたくさん来るようになるとか?」
「いやたくさんじゃない。とてつもなく人が来るだろう。
ダンジョンで取れるアイテムは一つでも出回れば、
市場が変わると言われている。
それが気軽に入れるようになったら、
それがどんな経済効果を生むのか、分かるか?」
伯爵夫人は疲れ切った顔でそう言った。
「えーとやばいんですか」
「とてつもなくヤバイ。
ちなみにダンジョンではどんなアイテムが取れるんだ?」
「えーとそういえばラプラスにダンジョンの資料を作ってもらったんです」
それは古代アトランティス語で書かれていたので、
口頭でどんなアイテムが取れるのか伝えた。
基本的にダンジョンは奥の階層に行く程、
敵も強くなり、レアなアイテムが手に入る。
白のダンジョンで手に入るアイテムは、
失った手足をすら再生し、どんな傷や病気も治せる回復薬や、
どんな疲労もたちどころに回復する疲労回復薬や、
飲めば魔力が全回復する魔力回復薬や、
魔物が落とす素材や魔石が2倍になるネックレスや、
運命の人を映す鏡や、
どんな災難からも一度だけ守ってくれるお守りや、
付けていればあらゆる毒を無効化する指輪など多岐にわたる。
全部伝えるとみんな頭を抱えた。
「一つでも出回れば、
市場が変わる聞いていたがここまでとは…」
「えーとそんなにレアなんですか?」
「特にオリハルコンがヤバイ。
あれをもしヌシが落とすとしたら市場がヤバいことになる」
「心配しなくても私達でも苦戦したからきっと誰も勝てませんよ」
「ならいいんだが…。
はぁ、私はひょっとして歴史的瞬間に立ち会っているのか?」
「え、そこまで?」
「嬢ちゃん、お前がやったのはとてつもなくすごいことなんだ。
例えば毒無効の指輪がダンジョンにはあるな。
ここからはるか北東にカサイという町があるんだが、
その町の近くに毒の沼があるんだ。
そこに生息する魔物は毒を持っていて、
魔物と戦うなら毒に注意しないといけないんだが、
そこに住む冒険者なら、その指輪を大金を払ってでも欲しがるだろう」
ギルドマスターはそう渋い顔でそう言った。
「それにどんな傷も癒やす回復薬はどこの金持ちも欲しがるだろうな。
多分だが、神殿の仕事が減るだろうな」
「そんなにヤバイとは知りませんでした」
「というか自覚無しによくこんな大それたことが出来るな。
まぁそれもお前らしいと言えばそうだが…。
しかし気軽にダンジョンに入れるようになったが、
死者が増えないかが心配だな」
「ああ、それは大丈夫です。
基本的に魔物の攻撃は殴るだけですし、
気絶したら所持金の半分と、
ダンジョンで得たアイテムは全て失いますけど、
死にはしません。
ちなみにダンジョンの中に居る魔物は、
基本的にダンジョンの外には出ないので、危険はないです」
「ならいいんだが、
正直ダンジョンが与える経済効果を考えるだけで、震えが止まらない…」
「そんなにヤバイんですか?」
伯爵夫人がここまで言うとは、
自分のやったことがどれだけ凄いのか思い知った。
「なんかごめんなさい。迷惑ですよね」
「いいや、迷惑どころか、逆だ。
すさまじい利益をダンジョンは生むんだ。
魔族のせいで受けた経済的打撃を挽回できるかもしれない。
お前がやったことは素晴らしいことなんだ」
「そうですか、ならいいんですけど」
「こんなすごいこと何の相談もなくやったのもすごいがな。
すぐにアアルに居る冒険者に今回の事を伝えよう。
それと嬢ちゃん。お前がダンジョンを変えたことも伝えよう。
『金色の黎明』はダンジョンを変えた英雄だと、
町の人間に伝えないとな」
そうギルドマスターが言った。
「えーと私目立つのはあまり好きじゃ無いんですが…」
「ダンジョンを変えた冒険者がお前ということになれば、
周りの見る目も変わる。
結果余計なトラブルは減ると思うぞ」
「そうだぞ嬢ちゃん。
ここは言う通りにしておけ」
「そうですか、分かりました」
そうしてダンジョンが生まれ変わったことは、
アアルどころかバーン王国中のギルドに伝わった。
気軽にダンジョンに入れるようになったおかげで、
ダンジョンのアイテムは市場を流通するようになり、
特に儲かったのが銀行と服屋だ。
ダンジョンで気絶すると所持金が半分になるので、
銀行にお金を入金する人が増えた。
そして白のダンジョンの中は寒いので、
防寒着が飛ぶように売れた。
ダンジョンには毎日のように冒険者が訪れ、
ラプラスも魔力の調達を心配することは無くなり、
笑顔を見せてくれるようになった。
まさかたった一つのダンジョンの革命がこれほどの人に影響を持たせるとは、
私も想定外だったが、
今回のことで『金色の黎明』は凄いチームだと分かってもらえたので、
それはまぁいいかなと思った私だった。
ダンジョンがどう生まれ変わったのか確かめに来たのだ。
ダンジョンの中に入るとみんなとはバラバラにならなかった。
そのままダンジョンを歩いていたら、魔物が現れた。
確かホワイトナイトという魔物だっただろうか、
持っている武器が剣でなく、木剣に変わっていた。
攻撃も基本的に武器で殴るだけで、
手加減してくれているのが分かる。
「ふーむ本当に変わっていますね」
「これで人が来るの?」
魔物を倒すとラプラスが現れた。
「ええ、たくさんの人が来るでしょう」
「楽しみだわ。
あ、外に出られるワープポイントは全ての階に設置しておいたわ」
「どこにあるんですか」
「こっちよ」
ラプラスについて行くと、
地面に魔法陣が描かれた小部屋を見つけた。
魔法陣の上に立つと気が付いたら外に出ていた。
「うーむ、本当に外に出られましたね」
「それはいいけど、このことを町の住民に伝えないといけないわよ」
「あ、そうですね。ギルドマスターと伯爵夫人に会いに行きましょう」
そうして私達はアアルに戻った。
◆
「というわけでダンジョンは気軽に入れるようになりました」
「「「……」」」
領主邸の居間で伯爵夫人と領主のオリヴァーさんとギルドマスターに、
ダンジョンのことを報告した。
するとみんな黙り込んだ。
伯爵夫人に至っては頭が痛いのか頭を抑えている。
「みんなどうして黙っているんですか?」
「嬢ちゃんがわりととんでもないのは知っていたがここまでとは…」
「もう凄すぎて何も言えない…」
「お前という奴は本当に…」
みんな重たいため息をついた。
「何でため息をつくんですか?」
「セツナ、お前は自覚してないみたいだが、
これはとんでもないことだぞ。
…よりにもよってダンジョンに気軽に入れるようになっただと?
もしそれが本当ならどういうことになるのか予想出来るか?」
「えーと人がたくさん来るようになるとか?」
「いやたくさんじゃない。とてつもなく人が来るだろう。
ダンジョンで取れるアイテムは一つでも出回れば、
市場が変わると言われている。
それが気軽に入れるようになったら、
それがどんな経済効果を生むのか、分かるか?」
伯爵夫人は疲れ切った顔でそう言った。
「えーとやばいんですか」
「とてつもなくヤバイ。
ちなみにダンジョンではどんなアイテムが取れるんだ?」
「えーとそういえばラプラスにダンジョンの資料を作ってもらったんです」
それは古代アトランティス語で書かれていたので、
口頭でどんなアイテムが取れるのか伝えた。
基本的にダンジョンは奥の階層に行く程、
敵も強くなり、レアなアイテムが手に入る。
白のダンジョンで手に入るアイテムは、
失った手足をすら再生し、どんな傷や病気も治せる回復薬や、
どんな疲労もたちどころに回復する疲労回復薬や、
飲めば魔力が全回復する魔力回復薬や、
魔物が落とす素材や魔石が2倍になるネックレスや、
運命の人を映す鏡や、
どんな災難からも一度だけ守ってくれるお守りや、
付けていればあらゆる毒を無効化する指輪など多岐にわたる。
全部伝えるとみんな頭を抱えた。
「一つでも出回れば、
市場が変わる聞いていたがここまでとは…」
「えーとそんなにレアなんですか?」
「特にオリハルコンがヤバイ。
あれをもしヌシが落とすとしたら市場がヤバいことになる」
「心配しなくても私達でも苦戦したからきっと誰も勝てませんよ」
「ならいいんだが…。
はぁ、私はひょっとして歴史的瞬間に立ち会っているのか?」
「え、そこまで?」
「嬢ちゃん、お前がやったのはとてつもなくすごいことなんだ。
例えば毒無効の指輪がダンジョンにはあるな。
ここからはるか北東にカサイという町があるんだが、
その町の近くに毒の沼があるんだ。
そこに生息する魔物は毒を持っていて、
魔物と戦うなら毒に注意しないといけないんだが、
そこに住む冒険者なら、その指輪を大金を払ってでも欲しがるだろう」
ギルドマスターはそう渋い顔でそう言った。
「それにどんな傷も癒やす回復薬はどこの金持ちも欲しがるだろうな。
多分だが、神殿の仕事が減るだろうな」
「そんなにヤバイとは知りませんでした」
「というか自覚無しによくこんな大それたことが出来るな。
まぁそれもお前らしいと言えばそうだが…。
しかし気軽にダンジョンに入れるようになったが、
死者が増えないかが心配だな」
「ああ、それは大丈夫です。
基本的に魔物の攻撃は殴るだけですし、
気絶したら所持金の半分と、
ダンジョンで得たアイテムは全て失いますけど、
死にはしません。
ちなみにダンジョンの中に居る魔物は、
基本的にダンジョンの外には出ないので、危険はないです」
「ならいいんだが、
正直ダンジョンが与える経済効果を考えるだけで、震えが止まらない…」
「そんなにヤバイんですか?」
伯爵夫人がここまで言うとは、
自分のやったことがどれだけ凄いのか思い知った。
「なんかごめんなさい。迷惑ですよね」
「いいや、迷惑どころか、逆だ。
すさまじい利益をダンジョンは生むんだ。
魔族のせいで受けた経済的打撃を挽回できるかもしれない。
お前がやったことは素晴らしいことなんだ」
「そうですか、ならいいんですけど」
「こんなすごいこと何の相談もなくやったのもすごいがな。
すぐにアアルに居る冒険者に今回の事を伝えよう。
それと嬢ちゃん。お前がダンジョンを変えたことも伝えよう。
『金色の黎明』はダンジョンを変えた英雄だと、
町の人間に伝えないとな」
そうギルドマスターが言った。
「えーと私目立つのはあまり好きじゃ無いんですが…」
「ダンジョンを変えた冒険者がお前ということになれば、
周りの見る目も変わる。
結果余計なトラブルは減ると思うぞ」
「そうだぞ嬢ちゃん。
ここは言う通りにしておけ」
「そうですか、分かりました」
そうしてダンジョンが生まれ変わったことは、
アアルどころかバーン王国中のギルドに伝わった。
気軽にダンジョンに入れるようになったおかげで、
ダンジョンのアイテムは市場を流通するようになり、
特に儲かったのが銀行と服屋だ。
ダンジョンで気絶すると所持金が半分になるので、
銀行にお金を入金する人が増えた。
そして白のダンジョンの中は寒いので、
防寒着が飛ぶように売れた。
ダンジョンには毎日のように冒険者が訪れ、
ラプラスも魔力の調達を心配することは無くなり、
笑顔を見せてくれるようになった。
まさかたった一つのダンジョンの革命がこれほどの人に影響を持たせるとは、
私も想定外だったが、
今回のことで『金色の黎明』は凄いチームだと分かってもらえたので、
それはまぁいいかなと思った私だった。
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