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第3章謎の少女とダンジョン革命

128・アトランティスの遺跡

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「まるでSFですね」
「何それ? しかし変な建物ね」

まぁ私にはSFみたく映っているが、
エドナ達には奇妙なものに見えただろう。

「植え込みに花がありますね。
あれ、これ造花ですね」

綺麗だから1本もらっておこう。

「水の中で見えたのはこの街灯の明かりだったのね」

しかしどうしてこんな近代的な建物がここにあるんだ。

「ここがアトランティスの遺跡です」
「え、アトランティス?」

意外な所で意外な名前が出てきてびっくりだ。
アトランティスって私の世界では、
四大文明が栄えるより前にあった超古代文明として有名だ。

「アトランティスは本当にあるんですか?」
「ええ、今より1万年前に存在したと言われる超古代文明です。
今より発展した文明を持っていたみたいです」
「へぇそうなんですか」
「こういう場所には、
オーパーツと呼ばれる魔道具が眠っていることが多いんですよ」
「そうですか」

ワシントンさんの説明を聞きながら、私はわくわくした。
異世界とはいえアトランティスだよ。アトランティス。
色んな作品のモデルにもなった超古代文明。
わくわくしてきたぜ。

「あれここに文字がありますね。
ちょっと解読してみます」

建物のドアの横には石碑が立っていた。
それを見てワシントンさんは辞書のような物を取り出した。

「ああ、それならギギーゴ兵器制作所って書いてありますよ」
「え、読めるの?」
「すごいです!
まだ完全に解読されていないアトランティス語を解読するなんて…!
一体どんな魔法を使ったんですか」

いや、これは魔法でも何でもなく、
地獄神に与えられたスキルのおかげなのだが、
まぁ黙っておこう。

「それより中に入りましょう」
「そうですね。あ、その前に」

そう言うと私はアイテムボックスからカメラを取り出す。
カメラといってもポラロイドカメラだ。
取った瞬間に写真が出る特殊なカメラだ。
スマホの中にあった科学の本にカメラの原理が載っていて、
それを見ながら創造スキルで作ってみた。
パシャと辺りが光るとカメラから遺跡の写真が出てきた。
うん、カラーで綺麗に撮れてる。

「それ何ですか、絵が出てきましたが…」
「私のオーパーツみたいなものです」
「あ、ダメじゃないですか。
オーパーツは全て国に寄贈しないといけませんよ」
「え、そうなんですか?」
「ええ、危険なオーパーツも中にはありますからね。
特別に遺跡の絵を撮ることは許しますが、
後で国に寄贈してくださいね」
「はい、分かりました」

まぁこのカメラ、フィルムがないと撮影出来ないので、
永遠に使えるわけではない。
フィルムを作れるのは私だけなので。
国に寄贈してもいずれ使えなくなるだろう。
しかし実を言うとスマホでも写真は撮れるのだが、
見せて色々聞かれるのも嫌だったので、カメラにしたが、
異世界の物品であるスマホもオーパーツということにされるかもしれない。
こりゃうかつに人に見せられないな…。

「まぁとにかく中に入りましょう」

そうしてドアの所に行くと、自動でドアが開いた。

「え、何これ、勝手に開いたわよ」
「すごいです! さすがアトランティスです!」

ワシントンさんは自動ドアに感動している様子だったが、
日本で見たことのある私にはいまいち感動出来ない。
まぁ一応カメラで撮っておく。

「まぁそれより進みましょう」

そうして中を進んでいくと、
一万年も前の建物とは思えないぐらい中は綺麗だった。
床なんてホコリ一つない。
一応遺跡の内部も写真を撮っておく。

「それにしてもここが一万年も前の建物なら、
どうしてこんなに綺麗なんでしょう。
もっと劣化しててもおかしくないんじゃないですか」
「ああ、こういった場所は古代の魔法が残っていることが多いんです」
「古代の魔法?」
「アトランティスは僕達の文明より高度な文明を持ってました。
魔法も今の魔法とは違って、強力なものも多かったそうです。
その多くは失われましたが、
こういった遺跡には古い魔法が残っていることが多いんです」

うーん、破損した建物を元に戻すことは私にも出来るから、
アトランティス人も使えたのかもしれない。
でも1万年も経っているのに残っているなんてかけた本人もびっくりだろう。

「一応言っておきますけど、
こういった遺跡にはトラップやガーディアンがいることが多いんです。
別れて進まず、まとまって移動しましょう」
「そうですね。気を付けた方がいいでしょう」

そうして遺跡の中を進んでいると、奇妙な物体を見つけた。
見た感じはSF映画に出そうなロボット。
ただし体は透明なガラスのようなもので出来ていて、中が透けて見える。
体の胸の部分に赤く光る玉があった。

「なんですか、これ」

カメラを撮るために私が近づくとロボットの目が開いた。

『侵入者発見。侵入者発見』

ロボットが喋ると動き出した。

『顔認証開始、……データ一致せず、
侵入者と認識。排除いたします』
「え、動いた?」

その時ロボットの目から光線が飛び出た。

「セツナ危ない!」

エドナがそう言ったので、
後ろに飛び退くと私がさっき立っていた地面が溶けていた。
ヤバイ、冷や汗が出た。
カメラはアイテムボックスに仕舞っておこう。

『侵入者は排除いたします』

そう言うとロボットの右腕が変形し、チェンソーのような形になる。

「セツナ!! 戦うわよ!」

エドナはそう言うと背負っていた大剣を構えた。
フォルトゥーナもイオも戦闘準備に入る。

「ワシントンさんは危ないので下がってください!」
「はい! 分かりました!」

ワシントンさんはそう言うと下がってくれた。

「くらえ、《火炎弾(ファイヤー・ボール)》」

私は炎の玉をぶつける。

「やったか!?」
『侵入者は排除いたします』

だがあまり効いていなかった。

「はぁ!」

イオが思いっきり、ロボットを殴りつけた。

「痛いのだ!」

だが、イオの怪力を受けてもロボットにへこみ一つ出来なかった。
それどころかイオの方がダメージを受けてしまった。

「ならこれはどう!」

エドナが大剣で斬りかかるが、
イオの時と同じでロボットにはほとんど効いていない。

「《聖槍(ホーリーランス)》」

フォルトゥーナが光魔法をロボットにぶつける。
だがそれにひるむことなく、ロボットはチェンソーを振り回した。

「《焔熱砲(バーニング・カノン!!)》」

初級魔法が効かないなら上級魔法ならどうだ。
だがロボットは体が溶けることもなく、
私に向かってチェンソーを振り下ろした。

ガッキン! と音がして結界魔道具が攻撃を防いでくれたが、
パキッと音がしたので、見るとブローチにヒビが入っていた。

「セツナ!」
「くっそ、《暴風刃(トルネード!!)》」

私は風魔法でロボットを切り裂いた。

「これでどうだ!」

さすがにこれは効いただろう。
だが、風が収まると、全く傷一つなくそこに立っていた。
おいおい、どういうことだよ。
私はただ善行を積んでカルマを消したいだけなのに、
どうして次から次へと強敵が現れるんだよ。
強敵を前にそうぼやきたくなる私だった。
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