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第2章翼蛇の杖と世界の危機
80・アアルにて
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私の名前は海道刹那。
ごく普通のどこにでもいるような女子高生だ。
ちょっと人と変わったことがあるとすれば、
何の因果か異世界に来てしまい、その国の皇帝にカルマを移され、
18年近く幽閉され、アーウィンという男性に助けられたものの、
結局逃げられずに彼を殺されてしまい、
最後に何もかもに絶望して命を断ったものの、
このままでは地獄に行くと地獄の神様に言われてしまい、
その救済策として生き返って善行を積めと言われたが、
私はそれを辛い記憶を一時的に封印することを条件に生き返り、
その恩恵として、
最強魔力と様々なスキルと膨大な所持金を手に入れたと言う、
ごく普通の女子高生だ。
…………普通じゃねぇなこれ。
まあ普通じゃないにしても、これは現実に起きたことだ。
ごく普通だったはずの女子高生の私が普通じゃなくなってしまった。
というか異世界に来た時点で普通じゃない。
そもそも私の実際の年齢は35歳らしいからもう女子高生でもなんでもない。
あ、でも生き返る時に新しい肉体に魂を入れてもらったので、
肉体年齢は17歳だから……ああ、ややこしいっ。
まぁ、とにかく1度死んだけど生き返ったのが私ってことです。
「はぁ……」
そんな私は今猛烈にため息をはいていた。
と言うのも今現在私は――――。
「あ、セツナ様」
「これ家で作ったお菓子です。食べてください!」
ちょっと路地を歩いていただけなのに、すぐに私は人に囲まれた。
みんながみんなキラキラとした瞳で私を見ている。
「あの……急いでるんで」
そう言って、彼らの横を通り過ぎようとするが、また人に阻まれてしまう。
「セツナ様ー」
「こっち向いてくださいー!」
「《飛翔!》」
あっという間に人に取り囲まれてしまい、私は魔法を使って空に逃げる。
「ちょっと外に出ただけで何であんなに……」
「そりゃお前は有名人だからだろう」
私の肩に座っている妖精のガイがそう言う。
ひょんなことから私の旅に同行することになった手のひらサイズの妖精だ。
「そうなんですけど…やっぱり魔族を倒したからでしょうか」
眼下に見える町は酷い有様だったがそれでも活気に満ちていた。
この商業都市アアルはつい2週間程前は酷い有様だった。
突如襲来してきた災厄とも言える存在――魔族によって破壊されてしまったのだ。
だが魔族は私と仲間であるエドナの力を借りて、
何とか倒せたが、被害は甚大だった。
まず広大な敷地面積に雪を振らされまくったので、その後処理が大変だった。
それに雪の重みで倒壊してしまった建物も数多くあるし、
その損害だけでも、かなりかかるだろう。
だけどこの町の領主の妻である伯爵夫人はとても優秀な人なので、
すぐに復興出来るだろう。
私もその手伝いをしている最中だった。
その時、空を飛んでいる私の目に見知った人物の歩く姿が目に入った。
私はすぐにその人物の近くに降りる。
「あれ、どうしたの?」
特に驚いた様子もなく彼女はそう言った。
腰まである赤い髪に、
とんがり帽子とローブと言う典型的魔法使いの格好したその女性の名前はエドナ。
私の仲間で、同じ冒険者で、
そして私を助けようとしてくれた唯一の人であるアーウィンの生まれ変わりだ。
「見かけたので声をかけただけです。エドナさんはどうしてここに?」
「何って体が鈍っているから散歩しているだけよ。
でももう帰るところなの」
そういえば魔女みたいな格好しているので、つい忘れてしまいそうになるが、
エドナは元々優れた才能を持った剣士で、
でも怪我が原因で右手が使えなくなり、
剣士を続けられなくなって魔法使いに転職した経歴を持つ人だ。
でも私のおかげ…と言うのもなんだが、
ちゃんと右手が動くようになったので、最近はどこか活き活きとしている。
やっぱり腕がちゃんと動くって、
当たり前のようだけど、エドナにとってはすごく嬉しい事みたいだ。
「そうなんですか。
あ、そういえばさっき町を散歩していたら人に囲まれちゃったんですよ」
「ああ…それは仕方ないでしょうね」
私は聖眼という類い希な金色の瞳を持っている。
金色の瞳や紫の瞳は、神に愛されし者しか現れないのだという。
そしてその全員が特殊能力や強い魔力を持っているというおまけつきだ。
そのため、聖眼は神の使徒とも呼ばれ、信仰対象となることもある。
「私だってこの前歩いていたら囲まれたわよ」
ちなみにエドナも聖眼持ちだ。といっても右目だけだが…。
これは1度死んだ彼女を私が生き返らせた影響らしい。
そのせいでエドナは左目が緑色で、
右目が金色と言う変わった瞳になってしまった。
「しかし聖眼って本当に珍しいですね」
「珍しいも何も国内では、
私達を除けば確かに4人ぐらいしかいなかったような…」
「え? そんなに少ないんですか」
「そうよ。少ないから皆が崇めるんじゃないの?」
「確かに滅多に現れないものって、吉兆とか凶兆にされがちですよね」
そんなことを話しながら歩いていると、
私達が現在寝泊まりしている領主邸が見えてきた。
町に人が戻ってきたとは言え、
以前私が宿泊していた宿屋の再開のめどは立っていない。
というわけで泊まる所が無い私達をこの町の領主が受け入れてくれたのだ。
まぁ私達は魔族を倒すという功績を果たしたので、
この頼み事は普通に受け入れられた。
「そういえばみんなどうしているんでしょうか」
「みんな?」
「ギルドのみんなです」
町に魔族が来るという知らせを聞いて、この町を去った知り合いは多い。
その人達のことがふと気になった。
「まぁほとぼりが冷めれば帰ってくるんじゃないのかしら。
決めるのは本人だし、私達が決めることではないでしょう」
「そうですね…」
◆
領主邸に帰るとまず迎えてくれたのは執事のセバスチャンだった。
この町の領主で貴族である伯爵夫人が呼んでいるというので、
すぐに向かうことにした。
「お前に報告しておかないといけないことがある」
そして扉を開けると、開口一番にそう言われた。
そしてこちらを見ることも無く、黙々と机の上で報告書を書いている。
そんな黒髪の女性の名はマティルダさん。
この町の領主の妻で伯爵夫人だ。
そしてこの町の真の領主でもあるがそれは秘密だ。
何で隠しているかというと、この世界では女性に対する風当たりがキツく、
女性が領主をしていると色々言われるので、
表向きには伯爵夫人ではなく、
その旦那さんが領主ということになっている。
久しぶりに会ったが、
相変わらず美人で実年齢が37歳には見えない。
どうみても20代ぐらいに見える。
だが激務のあまり寝ていないのか、目の下にくっきりとクマが出来ていた。
「実は王都から、町の被害情報を確認するために視察団が来る。
ひょっとしたら確認のためにお前達に会いたいと言うかもしれない」
「確かに聖眼持ちが2人も居たらそうなりそうね」
そうエドナが言う。ちなみに彼女も私と一緒に呼び出されている。
「そうだ。というか確実にお前達に会いたがるだろうな」
「そうなるとちょっとまずいですね。
また権力者に目をつけられるのはさすがに嫌です」
私はこうして生き返る前は長いこと権力者に幽閉されていた。
またあんな目に遭うのは正直ごめんだった。
「だからそうなる前にお前達は視察団が来る前に、一端町を出てほしい」
「え? でもそうなると復興に時間がかかりますよ」
ここのところ私は運搬業の仕事ばかりしていた。
町がこんな状況なので、遠く離れた町で食料の買い付けをしたり、
衣料品や木材と石材とかを買ってそれを運ぶことばかりしていた、
私のアイテムボックスは容量無制限に物がしまえるので、
こういう時に役に立つのだ。
「いいや、お前に頼らなくても、
一段落ついたしもう大丈夫だ。心配しなくてもいい。
と言うよりお前は最近働きすぎだったからな。
これを機会に羽を伸ばしてくればいい」
「それで私達が出かけた後、視察団が来たらどうするんですか?」
「その時はお前達が勝手に居なくなったと伝える。
どこに出かけたのかは知らないし、むしろ聞きたいのはこっちだと」
「え? でもそれだと町の人の心証を悪くしませんか」
「「は?」」
私がそう言うとエドナと伯爵夫人が同時に声を出した。
2人とも何で?って顔をしている。
「いやだって、こんな大変な時に勝手にどこに行くんだって…」
「おい。お前、周りの目を気にしすぎだぞ。
そんなこと言われれば、
魔族が来る時にここから出て行った奴はどうなるんだ?」
「でも…」
「わかった。ならお前の評判を落とさないように私が手配しておく。
心配しなくてもいい。
行き先についてはお前達に任せる。好きな場所に行ってこい」
「でも視察団に行き先を聞かれたらどうするんですか?」
「そんなもの肝心の行き先を聞くの忘れていたということにすればいいだろう」
「え? それだと伯爵夫人が責められませんか?」
「あのな…そんなことぐらい私にとっては大したことじゃないんだ。
むしろここ20年間で起こった出来事に比べれば、大した事じゃない。
もっと信用してくれ」
「そうですね…」
確かに私は人を信用する気持ちが足りていなかったかもしれない。
それは多分伯爵夫人が権力者だから、
警戒心があったのかもしれない。
そんな自分にどこか自己嫌悪を感じてしまう。
これだけ良い人なのに私はどうしても心を許すことが出来ない。
「…?」
その時、エドナの手が肩に当たる。
その温かな温度に不安定な心は静まった。
「それで話はわかったけど、その後具体的にどうするの?」
「視察団が帰ったら、伝書鳥でお前に知らせる」
「その後で何食わぬ顔でアアルに帰れば良いんですね」
「そうだ」
なるほどそれなら上手くいくかもしれない。
「それともう一つお前に聞いておきたいことがあるんだが、
お前の暮らしていた場所は確か四季の国だったな」
「そうですよ」
「お前の国では大雪が降った時どうしていた?」
そう聞かれて私は言葉に詰まった。
このアアルの周辺には、
魔族が広範囲に渡って降らせた雪がまだ大部分が残っている。
どうも魔力で作られた雪であるせいか、
普通の雪より溶けにくいみたいだった。
「お前の世界に、雪をいっぺんに無くす方法は無いのか?」
「うーん、魔法で一気に溶かすとか」
「おい…液状化でとんでもないことになるぞ…」
我ながらいい方法だと思ったけど、そうだよな。溶けた水が残るんだよな。
「それか溝に流すとか」
「あれだけの量の雪をか?」
「除雪車を使うとか」
「何だそれ?」
あ、そうか。自動車も存在しないこの世界には除雪車も当然無いらしい。
というかあっても南の国だからほとんど使わないか。
「うーん、私の住んでいた場所は豪雪地帯ではありませんでしたからね。
こういう場合の対処法もよくわからないです」
そう言うと伯爵夫人はため息を吐いた。
「このままだと自然に溶けるのを待つしかなさそうだな」
何か別の形で有効活用出来たら良いんだけど、
あいにく思いつきそうにもなかった。
そういえば、私が最初に来た国であるヒョウム国は雪深いところだったけど、
あの国はどうやっていたんだったっけ。
そう考えてみたが、私はあの国についてほとんど何も知らないのだ。
ほとんどの時間を監禁されて過ごしていたので、情報も何もない。
「そうですね。今日はちょっと疲れたのでもう休みます」
ヒョウム国に居た時のことを思い出し気分が悪くなったので、
そこで伯爵夫人と別れ、自分の部屋に戻った。
◆
私は最近よく夢を見る。日本の夢やヒョウム国のことをよく夢に見た。
その日も同じように夢を見た。
といっても、それは悪夢だったのだけど。
「はぁ…」
深夜にまた目が覚めて、私はため息を吐いた。
ここの所、最近悪夢ばかり見る。
夢の内容はよく覚えていないが、いつも飛び起きるようにして目が覚める。
机に置いていた水差しを手に取ると、コップに水を注ぐ。
そしてそれを一気に飲みほした。すると気分が少し落ち着いた。
それからまたベッドに入ると、何の予告も無く、その空間に辿り着いた。
「やぁ」
そう言って、真っ暗闇の空間の中に現れたのは、
王座に腰掛けた一人の少年だった。
銀髪金目のその少年の名前は地獄神アビス。
私を生き返らせ、最強魔力を与えた張本人だ。
「久しぶりですね」
彼にいきなり呼び出されるのは、
いつものことなので、私は落ち着いてそう言う。
「順調に善行を積んでいるようで何よりだよ」
そう言うと地獄神はにっこりと笑った。
その笑顔にうっかり見取れてしまうのは仕方が無いことだろう。
だって彼は絶世と言っても差し支えのない程の美少年なのだから。
「あのそれなんですけど…聞きたいことがあるんですけど」
「何故、魔族を倒したにも関わらず、善行を積んだ知らせが来なかったかだって?」
私が言うより先に地獄神がそう言う。
彼には人の心が読めるという超能力みたいな力があるのだ。
最初は非常に驚いたが、今はもう慣れた。
「そうです。ステータス画面を見ても特に変化した感じもしなくて…、
知らせも無かったですし、気になって」
私が善行…つまり良いことをすれば、少し遅れて知らせが来るはずなのである。
それが今回はいくら待っても現れることは無かった。
「君さ。少し忘れてるかも知れないけど、
魔族を倒したのは君じゃなくて、エドナ・オーウェンなんだよ」
「あ」
言われてみればそうだった。
私も戦ったけど最終的に魔族を倒したのはエドナだった。
「でもその手伝いはしましたよね?」
「そうだね。
でも魔族や魔物を倒した善行はとどめを刺した本人に行くものなんだよ。
チームや軍隊で討伐すれば、全員に行くけど、
あの時は君と彼女は正式にチームを組んでいたわけじゃなかった。
だから魔族を倒しても君には何の変化も無かったんだろうね」
「それ最初に言ってくださいよ」
まさか人助けにそんな落とし穴があるとは思わなかった。
だから思わずそうぼやいてしまう。
「まぁでもかえってそれで良かったかもね。
あのレイラという魔族は多くの人間を殺しすぎていた。
あそこでエドナ・オーウェンが止めなければ、
多くの人間の命が危なくなっていた。
だから彼女はまだ見ぬ多くの人間の命を救ったということになる。
それは過去世のカルマを全て帳消しにして、
報酬を貰ったとしてもおつりがでるぐらいだから、
これからはきっと良いことがあるよ」
確かにエドナは不幸な生い立ちを持っていた。
それはエドナが過去世でやった罪のせいだったのだけど、
今の彼女は何も悪いことをしていないのに、
実家から勘当されたり、男の人に酷いことをされたりした。
私は例え自分が善行を積むチャンスを逃したとしても、
エドナがもうそんな不幸な目に遭わないなら、
それで良いと心から思えた。
「そうなんですか、ところでさっき報酬を貰ってもって言いましたよね。
まだ何か落とし穴でもあるんですか?」
これ以上、何かあっても困る。
地獄神は神様だけど、要所要所で、
重要なことを隠したり、言い忘れたりすることがよくある。
後で困らないためには、
多少ウザがられても、疑問に思ったことは聞いて置かないといけない。
「落とし穴というか、世の道理というか、
善行というのは、本来は報酬を要求してはいけないんだ」
「え?」
「というか報酬を要求するものでは無いと言った方がいいか。
人助けというのは、
相手のために何かしてやりたいという感情から来るものだ。
それは無償の愛の一つではあるのだけど、
愛から来るものにお金を欲してはダメなんだよ」
「でも、仕事してお金を受け取らないと生活出来ませんよね」
そう言ったら、はぁとこれ見よがしにため息をつかれた。
「君、どうしてボクが大金を渡したのか分かって無いみたいだね」
そう言われてハッとした。
確かに私は多すぎるぐらいの所持金を持って居る。
その理由が分からなかったけど、今分かった。
あれは、人助けをしても私が報酬を受け取れないからだったんだ。
「なるほど分かりました。
でも報酬を貰うと何でダメなんですか?」
「それは説明すると難しいね。
ただ例えるなら、君がもし百の善行を積んだとする。
そして善行と同じ額の金額を相手に要求すると、
善行が無かったことになるんだよ。
だけどもしその金額が七十であれば、
三十の善行を積んだということにはなるね」
「つまり最小限の報酬なら良いわけですか」
「それと相手の予想より良い結果を出して、
相手を喜ばせたりしても善行は積んだことになるよ。
一番いけないのは、報酬をふっかけることだね。
魔物を倒した見返りに法外な金額を相手に要求したり、
村を守ってやる代わりにそこで好き放題したり、
そういう事をすれば逆にカルマを積むことになるよ」
そういう悪質な冒険者が居る事は聞いていたので私は頷く。
「…わかりました。気をつけます。でも」
私はため息を吐いた。
「タダでやれって酷すぎません……?」
思った以上に長い道のりになりそうで私はため息をついた。
ごく普通のどこにでもいるような女子高生だ。
ちょっと人と変わったことがあるとすれば、
何の因果か異世界に来てしまい、その国の皇帝にカルマを移され、
18年近く幽閉され、アーウィンという男性に助けられたものの、
結局逃げられずに彼を殺されてしまい、
最後に何もかもに絶望して命を断ったものの、
このままでは地獄に行くと地獄の神様に言われてしまい、
その救済策として生き返って善行を積めと言われたが、
私はそれを辛い記憶を一時的に封印することを条件に生き返り、
その恩恵として、
最強魔力と様々なスキルと膨大な所持金を手に入れたと言う、
ごく普通の女子高生だ。
…………普通じゃねぇなこれ。
まあ普通じゃないにしても、これは現実に起きたことだ。
ごく普通だったはずの女子高生の私が普通じゃなくなってしまった。
というか異世界に来た時点で普通じゃない。
そもそも私の実際の年齢は35歳らしいからもう女子高生でもなんでもない。
あ、でも生き返る時に新しい肉体に魂を入れてもらったので、
肉体年齢は17歳だから……ああ、ややこしいっ。
まぁ、とにかく1度死んだけど生き返ったのが私ってことです。
「はぁ……」
そんな私は今猛烈にため息をはいていた。
と言うのも今現在私は――――。
「あ、セツナ様」
「これ家で作ったお菓子です。食べてください!」
ちょっと路地を歩いていただけなのに、すぐに私は人に囲まれた。
みんながみんなキラキラとした瞳で私を見ている。
「あの……急いでるんで」
そう言って、彼らの横を通り過ぎようとするが、また人に阻まれてしまう。
「セツナ様ー」
「こっち向いてくださいー!」
「《飛翔!》」
あっという間に人に取り囲まれてしまい、私は魔法を使って空に逃げる。
「ちょっと外に出ただけで何であんなに……」
「そりゃお前は有名人だからだろう」
私の肩に座っている妖精のガイがそう言う。
ひょんなことから私の旅に同行することになった手のひらサイズの妖精だ。
「そうなんですけど…やっぱり魔族を倒したからでしょうか」
眼下に見える町は酷い有様だったがそれでも活気に満ちていた。
この商業都市アアルはつい2週間程前は酷い有様だった。
突如襲来してきた災厄とも言える存在――魔族によって破壊されてしまったのだ。
だが魔族は私と仲間であるエドナの力を借りて、
何とか倒せたが、被害は甚大だった。
まず広大な敷地面積に雪を振らされまくったので、その後処理が大変だった。
それに雪の重みで倒壊してしまった建物も数多くあるし、
その損害だけでも、かなりかかるだろう。
だけどこの町の領主の妻である伯爵夫人はとても優秀な人なので、
すぐに復興出来るだろう。
私もその手伝いをしている最中だった。
その時、空を飛んでいる私の目に見知った人物の歩く姿が目に入った。
私はすぐにその人物の近くに降りる。
「あれ、どうしたの?」
特に驚いた様子もなく彼女はそう言った。
腰まである赤い髪に、
とんがり帽子とローブと言う典型的魔法使いの格好したその女性の名前はエドナ。
私の仲間で、同じ冒険者で、
そして私を助けようとしてくれた唯一の人であるアーウィンの生まれ変わりだ。
「見かけたので声をかけただけです。エドナさんはどうしてここに?」
「何って体が鈍っているから散歩しているだけよ。
でももう帰るところなの」
そういえば魔女みたいな格好しているので、つい忘れてしまいそうになるが、
エドナは元々優れた才能を持った剣士で、
でも怪我が原因で右手が使えなくなり、
剣士を続けられなくなって魔法使いに転職した経歴を持つ人だ。
でも私のおかげ…と言うのもなんだが、
ちゃんと右手が動くようになったので、最近はどこか活き活きとしている。
やっぱり腕がちゃんと動くって、
当たり前のようだけど、エドナにとってはすごく嬉しい事みたいだ。
「そうなんですか。
あ、そういえばさっき町を散歩していたら人に囲まれちゃったんですよ」
「ああ…それは仕方ないでしょうね」
私は聖眼という類い希な金色の瞳を持っている。
金色の瞳や紫の瞳は、神に愛されし者しか現れないのだという。
そしてその全員が特殊能力や強い魔力を持っているというおまけつきだ。
そのため、聖眼は神の使徒とも呼ばれ、信仰対象となることもある。
「私だってこの前歩いていたら囲まれたわよ」
ちなみにエドナも聖眼持ちだ。といっても右目だけだが…。
これは1度死んだ彼女を私が生き返らせた影響らしい。
そのせいでエドナは左目が緑色で、
右目が金色と言う変わった瞳になってしまった。
「しかし聖眼って本当に珍しいですね」
「珍しいも何も国内では、
私達を除けば確かに4人ぐらいしかいなかったような…」
「え? そんなに少ないんですか」
「そうよ。少ないから皆が崇めるんじゃないの?」
「確かに滅多に現れないものって、吉兆とか凶兆にされがちですよね」
そんなことを話しながら歩いていると、
私達が現在寝泊まりしている領主邸が見えてきた。
町に人が戻ってきたとは言え、
以前私が宿泊していた宿屋の再開のめどは立っていない。
というわけで泊まる所が無い私達をこの町の領主が受け入れてくれたのだ。
まぁ私達は魔族を倒すという功績を果たしたので、
この頼み事は普通に受け入れられた。
「そういえばみんなどうしているんでしょうか」
「みんな?」
「ギルドのみんなです」
町に魔族が来るという知らせを聞いて、この町を去った知り合いは多い。
その人達のことがふと気になった。
「まぁほとぼりが冷めれば帰ってくるんじゃないのかしら。
決めるのは本人だし、私達が決めることではないでしょう」
「そうですね…」
◆
領主邸に帰るとまず迎えてくれたのは執事のセバスチャンだった。
この町の領主で貴族である伯爵夫人が呼んでいるというので、
すぐに向かうことにした。
「お前に報告しておかないといけないことがある」
そして扉を開けると、開口一番にそう言われた。
そしてこちらを見ることも無く、黙々と机の上で報告書を書いている。
そんな黒髪の女性の名はマティルダさん。
この町の領主の妻で伯爵夫人だ。
そしてこの町の真の領主でもあるがそれは秘密だ。
何で隠しているかというと、この世界では女性に対する風当たりがキツく、
女性が領主をしていると色々言われるので、
表向きには伯爵夫人ではなく、
その旦那さんが領主ということになっている。
久しぶりに会ったが、
相変わらず美人で実年齢が37歳には見えない。
どうみても20代ぐらいに見える。
だが激務のあまり寝ていないのか、目の下にくっきりとクマが出来ていた。
「実は王都から、町の被害情報を確認するために視察団が来る。
ひょっとしたら確認のためにお前達に会いたいと言うかもしれない」
「確かに聖眼持ちが2人も居たらそうなりそうね」
そうエドナが言う。ちなみに彼女も私と一緒に呼び出されている。
「そうだ。というか確実にお前達に会いたがるだろうな」
「そうなるとちょっとまずいですね。
また権力者に目をつけられるのはさすがに嫌です」
私はこうして生き返る前は長いこと権力者に幽閉されていた。
またあんな目に遭うのは正直ごめんだった。
「だからそうなる前にお前達は視察団が来る前に、一端町を出てほしい」
「え? でもそうなると復興に時間がかかりますよ」
ここのところ私は運搬業の仕事ばかりしていた。
町がこんな状況なので、遠く離れた町で食料の買い付けをしたり、
衣料品や木材と石材とかを買ってそれを運ぶことばかりしていた、
私のアイテムボックスは容量無制限に物がしまえるので、
こういう時に役に立つのだ。
「いいや、お前に頼らなくても、
一段落ついたしもう大丈夫だ。心配しなくてもいい。
と言うよりお前は最近働きすぎだったからな。
これを機会に羽を伸ばしてくればいい」
「それで私達が出かけた後、視察団が来たらどうするんですか?」
「その時はお前達が勝手に居なくなったと伝える。
どこに出かけたのかは知らないし、むしろ聞きたいのはこっちだと」
「え? でもそれだと町の人の心証を悪くしませんか」
「「は?」」
私がそう言うとエドナと伯爵夫人が同時に声を出した。
2人とも何で?って顔をしている。
「いやだって、こんな大変な時に勝手にどこに行くんだって…」
「おい。お前、周りの目を気にしすぎだぞ。
そんなこと言われれば、
魔族が来る時にここから出て行った奴はどうなるんだ?」
「でも…」
「わかった。ならお前の評判を落とさないように私が手配しておく。
心配しなくてもいい。
行き先についてはお前達に任せる。好きな場所に行ってこい」
「でも視察団に行き先を聞かれたらどうするんですか?」
「そんなもの肝心の行き先を聞くの忘れていたということにすればいいだろう」
「え? それだと伯爵夫人が責められませんか?」
「あのな…そんなことぐらい私にとっては大したことじゃないんだ。
むしろここ20年間で起こった出来事に比べれば、大した事じゃない。
もっと信用してくれ」
「そうですね…」
確かに私は人を信用する気持ちが足りていなかったかもしれない。
それは多分伯爵夫人が権力者だから、
警戒心があったのかもしれない。
そんな自分にどこか自己嫌悪を感じてしまう。
これだけ良い人なのに私はどうしても心を許すことが出来ない。
「…?」
その時、エドナの手が肩に当たる。
その温かな温度に不安定な心は静まった。
「それで話はわかったけど、その後具体的にどうするの?」
「視察団が帰ったら、伝書鳥でお前に知らせる」
「その後で何食わぬ顔でアアルに帰れば良いんですね」
「そうだ」
なるほどそれなら上手くいくかもしれない。
「それともう一つお前に聞いておきたいことがあるんだが、
お前の暮らしていた場所は確か四季の国だったな」
「そうですよ」
「お前の国では大雪が降った時どうしていた?」
そう聞かれて私は言葉に詰まった。
このアアルの周辺には、
魔族が広範囲に渡って降らせた雪がまだ大部分が残っている。
どうも魔力で作られた雪であるせいか、
普通の雪より溶けにくいみたいだった。
「お前の世界に、雪をいっぺんに無くす方法は無いのか?」
「うーん、魔法で一気に溶かすとか」
「おい…液状化でとんでもないことになるぞ…」
我ながらいい方法だと思ったけど、そうだよな。溶けた水が残るんだよな。
「それか溝に流すとか」
「あれだけの量の雪をか?」
「除雪車を使うとか」
「何だそれ?」
あ、そうか。自動車も存在しないこの世界には除雪車も当然無いらしい。
というかあっても南の国だからほとんど使わないか。
「うーん、私の住んでいた場所は豪雪地帯ではありませんでしたからね。
こういう場合の対処法もよくわからないです」
そう言うと伯爵夫人はため息を吐いた。
「このままだと自然に溶けるのを待つしかなさそうだな」
何か別の形で有効活用出来たら良いんだけど、
あいにく思いつきそうにもなかった。
そういえば、私が最初に来た国であるヒョウム国は雪深いところだったけど、
あの国はどうやっていたんだったっけ。
そう考えてみたが、私はあの国についてほとんど何も知らないのだ。
ほとんどの時間を監禁されて過ごしていたので、情報も何もない。
「そうですね。今日はちょっと疲れたのでもう休みます」
ヒョウム国に居た時のことを思い出し気分が悪くなったので、
そこで伯爵夫人と別れ、自分の部屋に戻った。
◆
私は最近よく夢を見る。日本の夢やヒョウム国のことをよく夢に見た。
その日も同じように夢を見た。
といっても、それは悪夢だったのだけど。
「はぁ…」
深夜にまた目が覚めて、私はため息を吐いた。
ここの所、最近悪夢ばかり見る。
夢の内容はよく覚えていないが、いつも飛び起きるようにして目が覚める。
机に置いていた水差しを手に取ると、コップに水を注ぐ。
そしてそれを一気に飲みほした。すると気分が少し落ち着いた。
それからまたベッドに入ると、何の予告も無く、その空間に辿り着いた。
「やぁ」
そう言って、真っ暗闇の空間の中に現れたのは、
王座に腰掛けた一人の少年だった。
銀髪金目のその少年の名前は地獄神アビス。
私を生き返らせ、最強魔力を与えた張本人だ。
「久しぶりですね」
彼にいきなり呼び出されるのは、
いつものことなので、私は落ち着いてそう言う。
「順調に善行を積んでいるようで何よりだよ」
そう言うと地獄神はにっこりと笑った。
その笑顔にうっかり見取れてしまうのは仕方が無いことだろう。
だって彼は絶世と言っても差し支えのない程の美少年なのだから。
「あのそれなんですけど…聞きたいことがあるんですけど」
「何故、魔族を倒したにも関わらず、善行を積んだ知らせが来なかったかだって?」
私が言うより先に地獄神がそう言う。
彼には人の心が読めるという超能力みたいな力があるのだ。
最初は非常に驚いたが、今はもう慣れた。
「そうです。ステータス画面を見ても特に変化した感じもしなくて…、
知らせも無かったですし、気になって」
私が善行…つまり良いことをすれば、少し遅れて知らせが来るはずなのである。
それが今回はいくら待っても現れることは無かった。
「君さ。少し忘れてるかも知れないけど、
魔族を倒したのは君じゃなくて、エドナ・オーウェンなんだよ」
「あ」
言われてみればそうだった。
私も戦ったけど最終的に魔族を倒したのはエドナだった。
「でもその手伝いはしましたよね?」
「そうだね。
でも魔族や魔物を倒した善行はとどめを刺した本人に行くものなんだよ。
チームや軍隊で討伐すれば、全員に行くけど、
あの時は君と彼女は正式にチームを組んでいたわけじゃなかった。
だから魔族を倒しても君には何の変化も無かったんだろうね」
「それ最初に言ってくださいよ」
まさか人助けにそんな落とし穴があるとは思わなかった。
だから思わずそうぼやいてしまう。
「まぁでもかえってそれで良かったかもね。
あのレイラという魔族は多くの人間を殺しすぎていた。
あそこでエドナ・オーウェンが止めなければ、
多くの人間の命が危なくなっていた。
だから彼女はまだ見ぬ多くの人間の命を救ったということになる。
それは過去世のカルマを全て帳消しにして、
報酬を貰ったとしてもおつりがでるぐらいだから、
これからはきっと良いことがあるよ」
確かにエドナは不幸な生い立ちを持っていた。
それはエドナが過去世でやった罪のせいだったのだけど、
今の彼女は何も悪いことをしていないのに、
実家から勘当されたり、男の人に酷いことをされたりした。
私は例え自分が善行を積むチャンスを逃したとしても、
エドナがもうそんな不幸な目に遭わないなら、
それで良いと心から思えた。
「そうなんですか、ところでさっき報酬を貰ってもって言いましたよね。
まだ何か落とし穴でもあるんですか?」
これ以上、何かあっても困る。
地獄神は神様だけど、要所要所で、
重要なことを隠したり、言い忘れたりすることがよくある。
後で困らないためには、
多少ウザがられても、疑問に思ったことは聞いて置かないといけない。
「落とし穴というか、世の道理というか、
善行というのは、本来は報酬を要求してはいけないんだ」
「え?」
「というか報酬を要求するものでは無いと言った方がいいか。
人助けというのは、
相手のために何かしてやりたいという感情から来るものだ。
それは無償の愛の一つではあるのだけど、
愛から来るものにお金を欲してはダメなんだよ」
「でも、仕事してお金を受け取らないと生活出来ませんよね」
そう言ったら、はぁとこれ見よがしにため息をつかれた。
「君、どうしてボクが大金を渡したのか分かって無いみたいだね」
そう言われてハッとした。
確かに私は多すぎるぐらいの所持金を持って居る。
その理由が分からなかったけど、今分かった。
あれは、人助けをしても私が報酬を受け取れないからだったんだ。
「なるほど分かりました。
でも報酬を貰うと何でダメなんですか?」
「それは説明すると難しいね。
ただ例えるなら、君がもし百の善行を積んだとする。
そして善行と同じ額の金額を相手に要求すると、
善行が無かったことになるんだよ。
だけどもしその金額が七十であれば、
三十の善行を積んだということにはなるね」
「つまり最小限の報酬なら良いわけですか」
「それと相手の予想より良い結果を出して、
相手を喜ばせたりしても善行は積んだことになるよ。
一番いけないのは、報酬をふっかけることだね。
魔物を倒した見返りに法外な金額を相手に要求したり、
村を守ってやる代わりにそこで好き放題したり、
そういう事をすれば逆にカルマを積むことになるよ」
そういう悪質な冒険者が居る事は聞いていたので私は頷く。
「…わかりました。気をつけます。でも」
私はため息を吐いた。
「タダでやれって酷すぎません……?」
思った以上に長い道のりになりそうで私はため息をついた。
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