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番外編 〜2人の夏休み〜

異国の地で⑨

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山奥の洞窟で土ボタルというプラネタリウムのような景色を観光した後、今度は天体観測で本当の星空を眺めツアーは終了した。

先ほどバスから降りて、今はやっとホテルの部屋に戻りシャワーを浴びている。

飛行機から降りて、入国審査をして、ホテルに行って、ご飯を食べて、昼寝をしようとして失敗して、ツアーに行って…

浴びながら今日を順番に振り返るとそれと同時に由良さんに言われたことやしてもらったことを思い出し身体が熱を帯びた。

例えば朝飛行機の着陸が怖かった時に由良さんに頭を撫でながら話を聞いてもらったこと、一緒にご飯を食べた時に彼に笑われてしまったこと、彼が寝ている間に口づけをしようとして失敗した上に抱きしめられてしまったこと…。

どの時の由良さんを取ったって、格好いいと大好き以外の感想が出てこない。

さっきまでずっと一緒にいたのに無性に会いたくなってしまう。

それと同時に下腹部が疼き、まさかと思い自分の下半身を見るとすでにそこは大きく主張を始めていた。

…明日もあるし、由良さんも疲れてるのにどうしよう…。

このまま俺がバスルームから出たら由良さんはこのことに気がつくに違いない。

由良さんがもし俺に気を遣って処理をしてくれようとしたらどうしよう。

そもそも気が付かれる時点で恥ずかしいし…。

ぐるぐると頭で考えた結果、自分で処理する以外に方法がないことを悟る。

自分でするのは本当に久しぶりだが、この際仕方がない。

ひとまず筋の部分を親指で擦ってみる。

こんなにも熱くなっているのならすぐに達することができるはずだ。

「…んっ…。」

声が漏れないよう片手で口を塞ぎ、少しずつ指を早めていく。

罪悪感を覚えながらも由良さんの顔を頭に浮かべた。

そうしないと全く気持ちよくなれない。

しかし由良さんの顔を頭に浮かべてもなお達することはできなかった。

一向に治らない熱はむしろ敏感になり過ぎて触れるともはや痛い。

…うそ、そんなはず……どうしよう…。

想定外の事態に思考がフリーズし、身体が固まる。

由良さんも疲れているだろうから、早く出なくてはいけないのに。

「幹斗君、大じょ…どうしたの?」

そんなことを考えている間に突然がちゃり、とバスルームのドアが開き、由良さんが中に入ってきた。
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