127 / 261
第2部
大学院の日々②
しおりを挟む
「そういえば研究の方はどう?東弥はデータ解析のプログラミングだっけ?」
教室に着き、このままいくと夜の頻度やプレイ内容の話になりそうなので、ひとまず話を逸らしてみる。
「うん。データのフィッティングとかがメインかな。ずっとパソコンに向かってるけど、結構複雑で。
…あと後輩が全然来なくて困ってる…。あ、いただきます。」
きちんと手を合わせ、東弥が食べ始めたのはコンビニのおにぎり。
教室じゃなくて学食に行ったほうがよかったかな、とその簡素な食事を見ておもう。今後悔しても意味がないけれど。
「いただきます。…そっか、後輩…。」
そしてそういえば、東弥の話を聞いて、嫌なことを思い出した。
「何かあった?俺で良ければ話は聞くよ。」
「それが… 」
研究室にはいくつかのプロジェクトがあって、大抵一つのプロジェクトに一学年一人が配属される。つまり院一年生の俺には一人4年生の後輩がついたわけなのだが、彼はSubを見下すタイプのDomで、俺の話を嫌そうに聞く。
それを話すと東弥はあからさまに顔をしかめた。
「…まだそんな考えの人がいるんだ。Subとプレイしないと暴力性が抑えきれなくなるし身体に不調はきたすし、お互いに助け合う関係なのにね。
もし本当にヤバそうだったら相談して。俺が牽制しとくから。」
「ありがと。本当に大変になったら、頼らせてね。」
「うん。一人で抱え込むのはだめだよ。」
「…うん…。」
世の中にはいろいろな考え方の人がいる。
SubをDomの犬だと言って見下すDom、Domを必要以上に恐れるSub。
今はそんな差別的な考え方はほとんどなくなっているが、稀にいるのだ。昔はもっと酷かったらしい。
流石に由良さんに大学内でのことについて助けを求めることはできないから、東弥に協力すると言ってもらえて心強く感じる。
「あっ、そろそろ始まる。」
「いけない。急がなきゃ。」
話し込んでしまい、お互い食事の大半を残した状態で予鈴が鳴った。
授業前に寝ないようにM◯Xコーヒーを一気飲みして、“そんなに甘いの一気飲みして大丈夫?”と東弥に苦笑いされるのは、学部時代からのお決まりの光景である。
教室に着き、このままいくと夜の頻度やプレイ内容の話になりそうなので、ひとまず話を逸らしてみる。
「うん。データのフィッティングとかがメインかな。ずっとパソコンに向かってるけど、結構複雑で。
…あと後輩が全然来なくて困ってる…。あ、いただきます。」
きちんと手を合わせ、東弥が食べ始めたのはコンビニのおにぎり。
教室じゃなくて学食に行ったほうがよかったかな、とその簡素な食事を見ておもう。今後悔しても意味がないけれど。
「いただきます。…そっか、後輩…。」
そしてそういえば、東弥の話を聞いて、嫌なことを思い出した。
「何かあった?俺で良ければ話は聞くよ。」
「それが… 」
研究室にはいくつかのプロジェクトがあって、大抵一つのプロジェクトに一学年一人が配属される。つまり院一年生の俺には一人4年生の後輩がついたわけなのだが、彼はSubを見下すタイプのDomで、俺の話を嫌そうに聞く。
それを話すと東弥はあからさまに顔をしかめた。
「…まだそんな考えの人がいるんだ。Subとプレイしないと暴力性が抑えきれなくなるし身体に不調はきたすし、お互いに助け合う関係なのにね。
もし本当にヤバそうだったら相談して。俺が牽制しとくから。」
「ありがと。本当に大変になったら、頼らせてね。」
「うん。一人で抱え込むのはだめだよ。」
「…うん…。」
世の中にはいろいろな考え方の人がいる。
SubをDomの犬だと言って見下すDom、Domを必要以上に恐れるSub。
今はそんな差別的な考え方はほとんどなくなっているが、稀にいるのだ。昔はもっと酷かったらしい。
流石に由良さんに大学内でのことについて助けを求めることはできないから、東弥に協力すると言ってもらえて心強く感じる。
「あっ、そろそろ始まる。」
「いけない。急がなきゃ。」
話し込んでしまい、お互い食事の大半を残した状態で予鈴が鳴った。
授業前に寝ないようにM◯Xコーヒーを一気飲みして、“そんなに甘いの一気飲みして大丈夫?”と東弥に苦笑いされるのは、学部時代からのお決まりの光景である。
1
お気に入りに追加
695
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる