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「…挿れるね。」

抱きしめた状態のまま、切羽詰まったような声で囁きながら、由良さんが屹立を入り口に押しつける。

ぐっ、と入ってきたそれは、たまらなく熱く、硬く、けれどそれでいて滑らかで。

先ほどまで広げられていたそこは特に抵抗なく雄を飲み込み、内壁が擦れる感覚を直ちに快楽へと変換した。

そのままゆっくりとストロークが開始される。

「んっ…んぅ… 」

たまらず漏れてしまいそうな甘い声が、溢れてしまわないように唇を噛む。すると後ろから由良さんの手が伸びてきて、親指で唇を割り、口内へと侵入してきた。

「噛むなら僕の指にすればいい。」

由良さんが囁く。余裕のない低い声。

…こんな声を出しながらも、彼は俺を気遣ってくれるのだ。

その甘やかな言葉と行動が、俺をたまらなく虜にして、わがままにすることを知っているのだろうか。

「ああっ…、んぅっ…、、ぁっ…、// 」

指が入ることによってできた隙間から、止めどなく声があふれる。

いつのまにか加速した律動は、さらなる快楽を生み出して。

「ああ、もうっ…、イきそう。

気持ちいいよ、幹斗君。」

密着した背中から、由良さんの体温が伝わってくる。熱くて、じっとりと汗ばんでいた。

「ぁっ…、俺もっ…、なん、かっ…、きそっ…っ… 、ぁっ… 」

急に由良さんの顔が見たくなった。

もちろん始めから顔が見えないのは寂しかったけれど、自分の中で感じてくれる由良さんとつながっていることを感じたくて。

この体勢では叶わないから、ベッドについた両手でシーツを握り締めて、生理的な涙をこぼしながらただ快楽に耐えた。

いくっ、と由良さんが短く発して、中に熱いものを注ぐ。

同じタイミングで、吐精とはまた違う感覚が下腹部を出発して俺の身体中を駆け巡った。

…おそらく後ろでイったのだろう。

ずるり、とゆっくり雄が引き抜かれていく。

振り返ってキスを強請ろうとしたが、それより先に由良さんが俺の身体を起こし、深く口付けをしてくれた。

…俺の思っていることを悟ったのだろうか。

奥まで舌を挿れ、角度を変えながら何度も何度も俺のそれと絡ませてくる。

「ぷはっ…!」

唇が離れ、目を開けると、まだ由良さんの顔が目の前にあった。

「さっきの体勢、ちょっと困るね。」

そう言って彼は、少し恥ずかしそうに笑う。

「…?」

「幹斗君にキスできない。」

「…俺も同じです。」

しばらくの間、2人で黙って見つめあった後、俺たちは揃って大笑いしてしまった。

こんなに笑ったのは、いつぶりだろうか。

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