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ep3
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「一葉さんっ!今日は僕!!」
「えー俺も一葉さんがいい!」
一葉の姿を確認するなりわっと2人のSubが駆け寄ってきた。
彼らは予め調教で脱ぎやすいよう、裸の上に店で貸し出されるワンピースタイプのルームウェアをまとっている。
わらわらと周りに集まる姿は、まるでゲームに群がる子供のようで…。
愛らしい光景に、圧しかかるストレスが少しだけ和らいだ気がした。さっきのことも、今だけは忘れよう。
「じゃあ、順番ね。先に綾人から。友里は前にしたから2番目。」
「「やった!」」
これから調教を受けるというのに、2人は無邪気な表情で笑う。先に綾人の手を取って、一葉は優しく問いかけた。
「体調は?」
「元気だよー!ていうかそんなこと聞くの一葉さんくらい!!」
「それは良かった。」
大切に頭を撫でてやれば、綾人は目を細め心地好さそうに喉を鳴らす。
SubはDomの宝物。自分に全てを預けるSubを、一葉は決して傷つけてはならない。
ぺたん、と綾人がカーペットにおすわりすると、短い裾越しに小さな雄がのぞく。
期待と羞恥に潤んだ瞳がシャンデリアの光を乱反射して煌いて。
「…じゃあ、始めるよ。」
ワントーン一葉が声を下げれば、2人の間に主従関係が生まれる。
「Strip, and roll.」
ガチャリ。
一葉の冷たい声に重なるように、店のドアが一気に開かれた。
調教中にドアが開くことなどざらである。
しかし一瞬で凍りついた店内の空気に、服の裾に手をかけた綾人が震えていて。
「綾人、wait。」
優しい声でそう告げれば、綾人はほっとしたように脱ぐのをやめた。
ごめんなさい、と小さく漏らした唇は、微笑みながら人差し指でそっと塞いでやる。
綾人の頭を撫でながら、視線をドアの方へと移動させ…
こつこつと聞き覚えのある足音が近づいてきて、その姿を見て凍りついたのは一葉の方だった。
「偶然だな。」
きりっと引き締まった低い声の主は、明日から一葉の主人となる人だった。
なぜ彼がここにいるのか、理由ははっきりしている。この辺りで会員制の安全なクラブといえばここしかない。
彼は目前まで迫ってきたが、目が合えば取り返しがつかなくなるとわかっていたから、失礼とわかっていながら敢えて少し視線をそらす。
「一葉さん、知り合い?」
綾人が不思議そうに問いかけてきて、一葉は綾人の方に視線を移動させようとした。
しかしその過程で紅司と視線が交錯し、身体が反応し熱くなる。
「…うん、まあ。」
平然を装って答えたが、わずかな声の振動は消えることができない。
綾人は首を傾げてにっこり笑うとぎゅっと一葉の腕に抱きついて、やけに明るい声で話してきた。
「ごめん、僕、急用思い出しちゃった。ね、友里もそうだよね?」
「あっ…、そうそう!俺ら明日提出の課題があって!一葉さん、またね。」
…気を使われたとわかっていても、用事があると言われては止めることができない。
彼らが帰って少し経った後、もうそんな気分にもなれなくて、一葉は会計を済ませ外へ出た。
その後から、紅司が付いてくる。
ほぼ同時に店の外に出て、一葉は紅司には何も告げなかった。別に彼とプレイをしたわけでもないし、今はプライベートの時間だから。
なんだか身体が火照っているし、速やかに帰ろう…
しかし。
家路につこうとした一葉の腕は、いきなりがしっと掴まれた。
「なに?」
振り向いた先にあったのは紅司の姿。
「その表情で一人で帰る気か?行き先は同じだろう。乗っていけ。」
「…仰る意味がわかりません。私のことはお構いなく。」
目を合わせないように努めながらやんわりとその手を剥がそうとすると、より強い力で引っ張られて。
「えっ、ちょっと待って…!?なに!?」
ぐいぐいと手を引かれ、連れて行かれた先には運転手の乗ったロールス・ロイス。その中に一葉は無理やり押し込められた。
「自宅まで頼む。」
「待って、ほんと、なに!?いいって!!」
一葉の言葉になど御構い無しに、紅司の指示通り車は進む。
静かな車内に流れるモーツァルトは、やけに大きく感じられた。
身体が熱くてたまらない。
…息が上手くできないほどに。
「えー俺も一葉さんがいい!」
一葉の姿を確認するなりわっと2人のSubが駆け寄ってきた。
彼らは予め調教で脱ぎやすいよう、裸の上に店で貸し出されるワンピースタイプのルームウェアをまとっている。
わらわらと周りに集まる姿は、まるでゲームに群がる子供のようで…。
愛らしい光景に、圧しかかるストレスが少しだけ和らいだ気がした。さっきのことも、今だけは忘れよう。
「じゃあ、順番ね。先に綾人から。友里は前にしたから2番目。」
「「やった!」」
これから調教を受けるというのに、2人は無邪気な表情で笑う。先に綾人の手を取って、一葉は優しく問いかけた。
「体調は?」
「元気だよー!ていうかそんなこと聞くの一葉さんくらい!!」
「それは良かった。」
大切に頭を撫でてやれば、綾人は目を細め心地好さそうに喉を鳴らす。
SubはDomの宝物。自分に全てを預けるSubを、一葉は決して傷つけてはならない。
ぺたん、と綾人がカーペットにおすわりすると、短い裾越しに小さな雄がのぞく。
期待と羞恥に潤んだ瞳がシャンデリアの光を乱反射して煌いて。
「…じゃあ、始めるよ。」
ワントーン一葉が声を下げれば、2人の間に主従関係が生まれる。
「Strip, and roll.」
ガチャリ。
一葉の冷たい声に重なるように、店のドアが一気に開かれた。
調教中にドアが開くことなどざらである。
しかし一瞬で凍りついた店内の空気に、服の裾に手をかけた綾人が震えていて。
「綾人、wait。」
優しい声でそう告げれば、綾人はほっとしたように脱ぐのをやめた。
ごめんなさい、と小さく漏らした唇は、微笑みながら人差し指でそっと塞いでやる。
綾人の頭を撫でながら、視線をドアの方へと移動させ…
こつこつと聞き覚えのある足音が近づいてきて、その姿を見て凍りついたのは一葉の方だった。
「偶然だな。」
きりっと引き締まった低い声の主は、明日から一葉の主人となる人だった。
なぜ彼がここにいるのか、理由ははっきりしている。この辺りで会員制の安全なクラブといえばここしかない。
彼は目前まで迫ってきたが、目が合えば取り返しがつかなくなるとわかっていたから、失礼とわかっていながら敢えて少し視線をそらす。
「一葉さん、知り合い?」
綾人が不思議そうに問いかけてきて、一葉は綾人の方に視線を移動させようとした。
しかしその過程で紅司と視線が交錯し、身体が反応し熱くなる。
「…うん、まあ。」
平然を装って答えたが、わずかな声の振動は消えることができない。
綾人は首を傾げてにっこり笑うとぎゅっと一葉の腕に抱きついて、やけに明るい声で話してきた。
「ごめん、僕、急用思い出しちゃった。ね、友里もそうだよね?」
「あっ…、そうそう!俺ら明日提出の課題があって!一葉さん、またね。」
…気を使われたとわかっていても、用事があると言われては止めることができない。
彼らが帰って少し経った後、もうそんな気分にもなれなくて、一葉は会計を済ませ外へ出た。
その後から、紅司が付いてくる。
ほぼ同時に店の外に出て、一葉は紅司には何も告げなかった。別に彼とプレイをしたわけでもないし、今はプライベートの時間だから。
なんだか身体が火照っているし、速やかに帰ろう…
しかし。
家路につこうとした一葉の腕は、いきなりがしっと掴まれた。
「なに?」
振り向いた先にあったのは紅司の姿。
「その表情で一人で帰る気か?行き先は同じだろう。乗っていけ。」
「…仰る意味がわかりません。私のことはお構いなく。」
目を合わせないように努めながらやんわりとその手を剥がそうとすると、より強い力で引っ張られて。
「えっ、ちょっと待って…!?なに!?」
ぐいぐいと手を引かれ、連れて行かれた先には運転手の乗ったロールス・ロイス。その中に一葉は無理やり押し込められた。
「自宅まで頼む。」
「待って、ほんと、なに!?いいって!!」
一葉の言葉になど御構い無しに、紅司の指示通り車は進む。
静かな車内に流れるモーツァルトは、やけに大きく感じられた。
身体が熱くてたまらない。
…息が上手くできないほどに。
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