75 / 77
明日の君が笑顔なら 16
しおりを挟む
そこからは驚きの連続だった。
まず、これからの行為とそれに使う器官について限りなく丁寧に説明された。
そのあとで、身体が硬直してしまうのを柔らかな声に何度も宥められながら、これから使うその器官に慎重に指を入れられた。
はじめは異物感に襲われて泣きそうになった。
でも、しばらくそうされているとだんだん指で中を広げられる感覚が快感になってきて、今度は擦られるたびに嬌声をあげてしまうのが恥ずかしくて泣きそうになった。
どれだけそうされていただろう。
はじめは1本だった中の指が3本に増えて、何とか中を滑ることができるようになったとき、“あや”、と、真剣な表情をした北瀬にじっと見つめられた。
「あや、そろそろあやの中、入ってもいい?」
綺麗な白い額に汗を浮かべながら、ひどく艶を帯びた低い声で囁かれる。
「んっ…ぅ… 」
すでに中で暴れ回っている熱を彼の声でさらに加速させられて、小さく声が漏れた。
その傍らで、考える。
北瀬とその部分で繋がるなんて、本当にできるのだろうかと少し怖い。
礼人だって男だから、屹立した性器の大きさは知っている。あれが、本当にこんな小さな場所に入るのだろうか、と甚だ疑問だ。
でも、考えた末に行き着いたのは北瀬となら大丈夫だという根拠のない自信で。
それに、北瀬が礼人を傷つけるわけがない、とも思った。きっと、上手くいく。
不安げなシトリンの瞳を覗きながら、こくりと頷いた。
瞬間、その瞳が泣きそうに優しく細められて、同時にあまい口づけを落とされて。
長い指が中から抜かれ、下をくつろげた北瀬がそっと覆い被さってきた。
彼との距離の近さに、どうしようもなく身体を熱くさせられる。
「あや、綺麗。」
いよいよかと思って目を閉じ身構えたら、唐突に綿菓子のように柔らかな声と共に頭を撫でられた。
「そんな、こと… 」
戸惑いながら、必死に言葉を返す。これ以上大切そうにしないでほしい、と思った。ときめきと愛おしさで心臓が壊れて、再起不能になってしまうから。
「本当に、綺麗だよ。本当にずっと前から、こうしたかった。…って言ったら、引かれちゃうかな。」
礼人の心のうちなど知らない北瀬が照れ臭そうに笑って、その様子にもまた胸が切なくぎゅっと締め付けられる。
本当に、どうしようもない。どうしようもなく、彼が好きだ。
「…りとさん、もう、したい…。」
たまらず紡げば、余裕のなさげに眉を顰めた北瀬が、礼人の開かれた足の間にそっと熱欲の先端を押し付けた。
まず、これからの行為とそれに使う器官について限りなく丁寧に説明された。
そのあとで、身体が硬直してしまうのを柔らかな声に何度も宥められながら、これから使うその器官に慎重に指を入れられた。
はじめは異物感に襲われて泣きそうになった。
でも、しばらくそうされているとだんだん指で中を広げられる感覚が快感になってきて、今度は擦られるたびに嬌声をあげてしまうのが恥ずかしくて泣きそうになった。
どれだけそうされていただろう。
はじめは1本だった中の指が3本に増えて、何とか中を滑ることができるようになったとき、“あや”、と、真剣な表情をした北瀬にじっと見つめられた。
「あや、そろそろあやの中、入ってもいい?」
綺麗な白い額に汗を浮かべながら、ひどく艶を帯びた低い声で囁かれる。
「んっ…ぅ… 」
すでに中で暴れ回っている熱を彼の声でさらに加速させられて、小さく声が漏れた。
その傍らで、考える。
北瀬とその部分で繋がるなんて、本当にできるのだろうかと少し怖い。
礼人だって男だから、屹立した性器の大きさは知っている。あれが、本当にこんな小さな場所に入るのだろうか、と甚だ疑問だ。
でも、考えた末に行き着いたのは北瀬となら大丈夫だという根拠のない自信で。
それに、北瀬が礼人を傷つけるわけがない、とも思った。きっと、上手くいく。
不安げなシトリンの瞳を覗きながら、こくりと頷いた。
瞬間、その瞳が泣きそうに優しく細められて、同時にあまい口づけを落とされて。
長い指が中から抜かれ、下をくつろげた北瀬がそっと覆い被さってきた。
彼との距離の近さに、どうしようもなく身体を熱くさせられる。
「あや、綺麗。」
いよいよかと思って目を閉じ身構えたら、唐突に綿菓子のように柔らかな声と共に頭を撫でられた。
「そんな、こと… 」
戸惑いながら、必死に言葉を返す。これ以上大切そうにしないでほしい、と思った。ときめきと愛おしさで心臓が壊れて、再起不能になってしまうから。
「本当に、綺麗だよ。本当にずっと前から、こうしたかった。…って言ったら、引かれちゃうかな。」
礼人の心のうちなど知らない北瀬が照れ臭そうに笑って、その様子にもまた胸が切なくぎゅっと締め付けられる。
本当に、どうしようもない。どうしようもなく、彼が好きだ。
「…りとさん、もう、したい…。」
たまらず紡げば、余裕のなさげに眉を顰めた北瀬が、礼人の開かれた足の間にそっと熱欲の先端を押し付けた。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
ツンデレ彼氏が記憶を喪失したら、デレ甘にキャラ変して戸惑っています。
切羽未依
BL
「好き」という感情より速く、先走る欲望。
君の甘い蜜を吸い尽くしたい、俺の中で。
2024年・春。日本で大流行した記憶喪失になってしまった恋人。
俺を好きだったことなんて全て忘れているはずなのに、甘く誘惑して来るのは、カラダは忘れてないから?
えっちな話には、#付き。
ツンデレ彼氏×おバカ男子の番外編。
パラレル設定なので、本編を読んでなくても、ゼンゼンだいじょ~ぶ。
(本編は外部URL登録してます)
ブルーム*バースについて、もっと詳しく知りたい方は『ブルーム*バース』をお読み下さい。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
進学できないので就職口として機械娘戦闘員になりましたが、適正は最高だそうです。
ジャン・幸田
SF
銀河系の星間国家連合の保護下に入った地球社会の時代。高校卒業を控えた青砥朱音は就職指導室に貼られていたポスターが目に入った。
それは、地球人の身体と機械服を融合させた戦闘員の募集だった。そんなの優秀な者しか選ばれないとの進路指導官の声を無視し応募したところ、トントン拍子に話が進み・・・
思い付きで人生を変えてしまった一人の少女の物語である!
【短編集】リアル・ラブドールの憂鬱
ジャン・幸田
SF
ラブドールに中の人はいない! はずだが、実は我がキジネコ・サービスが提供するサービスは本物の女の子が入っている。そんな、中の人にされた女の子の苦悩とは?
*小説家になろうのアダルトコンテンツに同名で連載している作品と同じです。
僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────
ひろいひろわれ こいこわれ
九條 連
BL
母を突然の事故で喪い、天涯孤独となった莉音は、ある夜、道端で暴漢に襲われかけたところをひとりの男に助けられる。
莉音を庇って頭を殴られ、救急搬送された男は青い瞳が印象的な外国人で、一時的な記憶喪失に陥っていた。
身元が判明するまでのあいだ、莉音がその身柄を引き受けることになったが……。
道端で拾ったのは、超ハイスペックなイケメン社長でした――
黄色と緑色の調~王家に伝わる鏡の物語
香野ジャスミン
BL
この国には、昔から受け継がれてきた鏡がある。鏡に選ばれた者は次の国王となる。その鏡をめぐり、王家の者はある判断を下す・・・職人の父の元、一人前になるために日々、上達を目指すミル。明日、独り立ちと言う日の夜、彼の身に起こる出来事。幼いころから、鏡を通して親交を深めたあの人に・・・もう会えなくなる。彼の行動がその運命を動き出す・・
鏡を通して通じ合った二人が、王家の決まりにより、婚約者となる。だが、この世には存在しない容姿は、狙われる原因となっていった。同時期に起る不運な出来事。それにより、王が下した決断が二人を再び結びつけることとなる。時の流れは同じ、だけど住んでいる環境は違うという設定となっています。
※「ムーンライトノベルズ」にて別名にて公開している物を一部編集しております。内容は変わりません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる