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友人と遊園地④

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「ん…?」

「北瀬先輩と何かあった?」

「…うん…。」

三澤からあまりに自然に聞かれたから、嘘をつく気にもなれなくて頷く。

「その話、俺にしてくれる?少し気になることがあるんだ。」

「…うん。でも、長くなっちゃうよ…?」

「いいよ。」

気になること、というのはなんだろうか。

疑問に思いながら、礼人は三澤に自分の話をした。

昔記憶を失っていたこと。その記憶の中に北瀬がいたこと。一緒にいてはいけないと北瀬に振られたこと。

なるべく簡単に話しているつもりでも、礼人自身もまだ整理しきれていないから変に長くなってしまう。

全て聞き終えた三澤は、空を向かって不自然なほど長く息を吐き出した。

長い長いため息がひと段落つくと、また彼は礼人の方へ向き直る。

「礼人が夜の誘い断る理由って、それだったんだな。気づかずに誘ってごめん。」

「…ううん、僕が隠してたことだから。隠しててごめんなさい。」

「そんな、事情があったんだろ。それより葵がさ、ちょうど礼人が別れた前日に先輩について聞いてきたんだよ。なんかすごく追い詰められた様子でさ。…あいつも最近元気ないし、もしかしたらなんか関わってるかも。」

「えっ…?…ううん、葵のことはわからないけど、先輩は僕たちが一緒にいるべきじゃなかったって、はっきり言った…。」

「それがおかしい。そもそもそれなら先輩には記憶があるのになんで礼人と付き合ったんだよ。」

「それは……あれ?なんで、だろう…?」

言われてみれば確かに不思議だ。

そもそも、礼人と一緒にいて苦しいのなら、どうしてあの時レポートの答えを書いたりしたのだろう。

「なになに、何の話??」

首を傾げていると、戻ってきたらしい翔がいきなり後ろから大きな声で割り込んできて、驚いた礼人は転びかけた。

それを慣れた手つきで三澤が支えてくれる。

少しの間考えた後、礼人は口を開いた。

「…ごはん、食べながら話さない…?」

嘘も隠し事も苦手だから、いっそもう翔にも聞いてもらおう。
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