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最初の町 出会い

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あれから、装備屋の店主さんと意気投合して何着か服を買った。
結局、使った金額としては金貨3枚で収まってしまった。これも、店主が割引してくれたのもあるし、ギルドマスターさんのおかけでもある。

「人間の事を信用していないが、ちゃんとしたやつもいるんだな」
「そうだね、ギルドに戻って依頼を受けてこないと、 せっかく期待してくれてるらしいし」
「今日は調子良さそうだな、いいことだ」

そんなこんなで、昨日見た依頼を受ける。

スライムの出すゼリーの素材採集
数 25
報酬 銅貨8枚
期間は1週間以内
難易度 スライム級

昨日見たのと変わっていないから、これとポーションの薬草収集の依頼を受ける。

「こんにちは、オトハちゃん。これから依頼ですか?装備も似合ってますよ」
「はい。ありがとうございます。これから、森に向かいます」

いってらっしゃいませとカズヤさんの声を聞き門に向かう。
ちなみに、スライムってどんな感じなのかな?生前、よくスライムが弱いとかかわいい、なんて聞いたけど

「スライムは基本的に何でも食べる雑食系でお前と似たようなもんだな」
「そうなんだ、強いの?」
「酸性の体液で武器や防具を腐食させる事が出来るな、迂闊に殴りにでも行ったら大変な事になるぜ」

全然、強いじゃん!何それ、コワ!誰だよ弱いって、言った奴!
でも、ギルドの一番下の階級がスライム級なんだから、やっぱり弱いのか?

「別に、討伐する訳じゃないんだ。ゼリーを出して貰えればいい。」
「どうするの?頼めば出してくれる?」
「似たようなもんだな。スライムに大量の水を飲ませて、吐かせれば良いんだ。よく、スライム一匹、一匹倒して残ったゼリーを採集しているらしいが、効率が悪いし、人間達は魔物達の観察が足らない」

そうなんだ。スライムのゼリーって、スライムが飲んだ水という事か。それなら一匹で良いらし、凄く楽だ!

門に出る際、私の代わりにお金を払ってくれた門番さんに会釈をする。今は仕事中だったから、帰ってきた時にでも挨拶しに行こう。

「なんか、森のが落ち着く。」
「町みたいに、ガヤガヤしていないからな。」

森に居た時間のが多かった性なのか、帰ってきた感がある。深く深呼吸をして、森の空気が肺に満ちていく。

「スライムって何処にいるの?なんか特殊な所にいたりするの?」
「いや、適当に歩いてれば出てくるだろ。どこにでもいるし」

虫感覚じゃん。触ると溶けるとか言ってるのに、虫みたいにあちこちいて大丈夫なの?

「早速いたぞ。丁度、一匹だ。」

エプレの言った場所を見る。茂みの奥にサッカーボールぐらいの大きさの薄い桃色のスライムがいた。
本当にスライムだ!洗濯のりとホウ素で出来るあのスライムのでっかいバージョン!

「メスだな、あれは」
「スライムってオス、メスあるの?」
「稀にあるらしいぞ。だから、レアって事だ」

運がいいな。まさかのレアスライムなんて、普通のスライムは何色なんだろ?メスが桃色なんだから、オスは水色かな?

「どうする?アレからゼリー取るか?」
「あのスライムは、依頼どうりのゼリー出すの?」
「そこまでは知らない。レアなんだから、もしかしたら違う物だしたりするかもな?」

だったら、普通のスライムを探しに行く。やっぱり、依頼どうりのがいい。
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