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第十七話 地震かと思ったら……
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「緊急避難命令!緊急避難命令!ラグナロク全体にて超大型地震発生!ラグナロクに住む住人全員今すぐ高台に避難しなさーい!」
緊急サイレンと住人の皆さんによる悲鳴がラグナロク全域に鳴り響く。
ラグナロクは今、超大型地震が起こり、揺れが止まらない状態になっているのです。
「テト!このままでは住人の皆さんが危険よ!なんとかできないの?!」
「自然現象の全てを僕が止めれれるわけではない!雨を止めれたのはイシスの魔法を一時的に引き出し借りたから!雷を止めれたのもトールに借りたからだ!地震はさすがに止める者はいない!」
「そんな!でもこの揺れの酷さは人間界の震度七を通り越している。ラグナロクは壊れるわ……」
「初めてだ、ラグナロクが地震にあうなんて……。ラグナロクに地中内プレートはないはずなんだ、それなのになぜ地震がおきる……」
「テト……」
そう、ラグナロクの地中にはプレートはなく、地震が起きることが絶対にない世界のはず。
それなのに、ラグナロクが誕生してから5万年のもの間起きたことのない地震が今目の前でおきたことにテトは焦っていた。
住人の皆さんは高台を目指し揺れの中、街を走っている状態。
私は使用人さんに声をかけ、地面に触れずに浮いているこの屋敷の門をあけ、住人の皆さんにはいるようにアナウンスを流すように促した。
「住人の皆さん、アリア様の指示です!今すぐ、ラグナロク中央屋敷に向かって避難経路を変更してください!屋敷の門をあけ、仮階段を下ろしてあるのでそこから屋敷内に!住人すべてが入れるだけの土地を付け加え確保しましたので早く行動を!」
使用人のミランちゃんが率先してアナウンスの呼びかけを行ってくれたおかげで、住人の皆さんは素早く屋敷に向かって経路を変更することができた。
私はミランちゃんにお礼を言うと屋敷の外にでて、仮階段を上がってくる皆さんに水の配給を行う。
「はいこれお水です!ここは安全ですから、しっかり休んでくださいね!」
「アリア様!本当にすいません!ありがとうございます!テト様にもお伝えください!」
お水を配り声をかけると皆さん揃って、感謝を口にしてくれるので私ももっとできることを!と思い、使用人さんが行ってくれている、食べ物の配給のを手伝ったりと動き回った。
その間、テトは親族である神を人間界の世界各地から呼び寄せ緊急会議を開き原因解明に力を尽していた。
夜になってもなお、揺れは止まらない。
揺れが起きてからもう半日は揺れが続いているため、ラグナロク中のいたるところで家屋の倒壊や、地割れなどが起きていた。
その光景を眺めて悲しい気持ちになっていた私のところに、大慌てでテトが走ってきた。
「アリア!怪我人の報告がでている!ステルス……使えないか?!ラグナロクのために!」
「本当は使いたくないわ……。使えば私は体力を大量にしょうもする。けど、ラグナロクのためなら仕方ないわね」
私はテトに返答し、走って怪我人がいるところへ向かった。
着くとそこには頭から血が出ている人や、足を引きずっている人がざっと百人ほどいた。
「こんなに多くの人が怪我を……。でも、私の体力では……三日はかかる……」
「アリアちゃん、何を弱気になっているの?あなた一人の体力と能力量ではだめかもしれないけど……」
「私達もついています!」
「みんなで、協力して、助ける」
私が弱音をはいたときにそう声をかけてくれたのは、イシス様、アヌビス様、トール様だった。
私一人の力では足りないけれど、神様三人がいれば二時間ほどで助けることができる。そう思った矢先、まさかの怪我人が続々と運ばれてきて、気づけば500人を超えていた。
これでは私達の力があっても治癒に使う能力量は尋常じゃないから、二日かかるわね。とイシス様が呟く。
その通りで治癒に使う能力量は尋常ではない。
重症で危ない怪我人の人も多くいたため、時間はかけられない。
私達はどうしようかと頭を悩ませていると、
「私達も力を貸そう」
「テト様の頼みだ!親族だしな!」
「アリアちゃんは家族!助けるの当たり前ー!」
と神様がぞろぞろと集まりだし、神様全員協力体制での治療となった。
私が怪我人の方を一つの円の中にまとめてもらい、そこの前にあった登り台に登った。
神様全員が私に大量の力を注いでくれているため、王都での治療時とは違い、一人づつが限界だった私の力が、500人全員を、まとめて治療できるほどに治癒範囲が膨らんだ。
そして、二時間で500人もの怪我人を治した私は体力を使い切ったのか、登り台から落下して記憶がなくなった。
「アリア!アリア!……あ!目を覚した!」
「あれ?テト……私。気を失っていたのね……」
「そうだよ!本当によくやってくれた!アリア!」
「そうだ!地震は?!どうなったの?!」
「地震は止まったのと街も復活したよ!まさか、うちの身内のせいだったとは思いにもよらなかったけど……」
テト達神様は、地震の原因を私が気を失ったあとに解明したという。
その原因は、親族である、七福神のうちの布袋さんが、お酒の飲み過ぎでラグナロクに来たはいいものの結界の抜け方を思い出せず物理的に壊そうとしたのが原因で起きたことらしい。
「あの爺さんはホンマにやらかしてくれる!住人が死んでいたらどうするつもりだったあの人は!」
「でも、原因がわかってよかったじゃない?しかも、地震ではなかったとわかったし!」
「それもそうだな!あと、君もよくやっくれたね!感謝してるよ!」
チュッ……。
テトは私に感謝を言いながらキスをした。
ラグナロクの地震事件は、布袋さんの酔った行動が原因だったため、テトがラグナロク全体に謝罪した。
こうして、ラグナロク地震事件は何事も無く終わり、またラグナロクに平和が戻ったのでした。
緊急サイレンと住人の皆さんによる悲鳴がラグナロク全域に鳴り響く。
ラグナロクは今、超大型地震が起こり、揺れが止まらない状態になっているのです。
「テト!このままでは住人の皆さんが危険よ!なんとかできないの?!」
「自然現象の全てを僕が止めれれるわけではない!雨を止めれたのはイシスの魔法を一時的に引き出し借りたから!雷を止めれたのもトールに借りたからだ!地震はさすがに止める者はいない!」
「そんな!でもこの揺れの酷さは人間界の震度七を通り越している。ラグナロクは壊れるわ……」
「初めてだ、ラグナロクが地震にあうなんて……。ラグナロクに地中内プレートはないはずなんだ、それなのになぜ地震がおきる……」
「テト……」
そう、ラグナロクの地中にはプレートはなく、地震が起きることが絶対にない世界のはず。
それなのに、ラグナロクが誕生してから5万年のもの間起きたことのない地震が今目の前でおきたことにテトは焦っていた。
住人の皆さんは高台を目指し揺れの中、街を走っている状態。
私は使用人さんに声をかけ、地面に触れずに浮いているこの屋敷の門をあけ、住人の皆さんにはいるようにアナウンスを流すように促した。
「住人の皆さん、アリア様の指示です!今すぐ、ラグナロク中央屋敷に向かって避難経路を変更してください!屋敷の門をあけ、仮階段を下ろしてあるのでそこから屋敷内に!住人すべてが入れるだけの土地を付け加え確保しましたので早く行動を!」
使用人のミランちゃんが率先してアナウンスの呼びかけを行ってくれたおかげで、住人の皆さんは素早く屋敷に向かって経路を変更することができた。
私はミランちゃんにお礼を言うと屋敷の外にでて、仮階段を上がってくる皆さんに水の配給を行う。
「はいこれお水です!ここは安全ですから、しっかり休んでくださいね!」
「アリア様!本当にすいません!ありがとうございます!テト様にもお伝えください!」
お水を配り声をかけると皆さん揃って、感謝を口にしてくれるので私ももっとできることを!と思い、使用人さんが行ってくれている、食べ物の配給のを手伝ったりと動き回った。
その間、テトは親族である神を人間界の世界各地から呼び寄せ緊急会議を開き原因解明に力を尽していた。
夜になってもなお、揺れは止まらない。
揺れが起きてからもう半日は揺れが続いているため、ラグナロク中のいたるところで家屋の倒壊や、地割れなどが起きていた。
その光景を眺めて悲しい気持ちになっていた私のところに、大慌てでテトが走ってきた。
「アリア!怪我人の報告がでている!ステルス……使えないか?!ラグナロクのために!」
「本当は使いたくないわ……。使えば私は体力を大量にしょうもする。けど、ラグナロクのためなら仕方ないわね」
私はテトに返答し、走って怪我人がいるところへ向かった。
着くとそこには頭から血が出ている人や、足を引きずっている人がざっと百人ほどいた。
「こんなに多くの人が怪我を……。でも、私の体力では……三日はかかる……」
「アリアちゃん、何を弱気になっているの?あなた一人の体力と能力量ではだめかもしれないけど……」
「私達もついています!」
「みんなで、協力して、助ける」
私が弱音をはいたときにそう声をかけてくれたのは、イシス様、アヌビス様、トール様だった。
私一人の力では足りないけれど、神様三人がいれば二時間ほどで助けることができる。そう思った矢先、まさかの怪我人が続々と運ばれてきて、気づけば500人を超えていた。
これでは私達の力があっても治癒に使う能力量は尋常じゃないから、二日かかるわね。とイシス様が呟く。
その通りで治癒に使う能力量は尋常ではない。
重症で危ない怪我人の人も多くいたため、時間はかけられない。
私達はどうしようかと頭を悩ませていると、
「私達も力を貸そう」
「テト様の頼みだ!親族だしな!」
「アリアちゃんは家族!助けるの当たり前ー!」
と神様がぞろぞろと集まりだし、神様全員協力体制での治療となった。
私が怪我人の方を一つの円の中にまとめてもらい、そこの前にあった登り台に登った。
神様全員が私に大量の力を注いでくれているため、王都での治療時とは違い、一人づつが限界だった私の力が、500人全員を、まとめて治療できるほどに治癒範囲が膨らんだ。
そして、二時間で500人もの怪我人を治した私は体力を使い切ったのか、登り台から落下して記憶がなくなった。
「アリア!アリア!……あ!目を覚した!」
「あれ?テト……私。気を失っていたのね……」
「そうだよ!本当によくやってくれた!アリア!」
「そうだ!地震は?!どうなったの?!」
「地震は止まったのと街も復活したよ!まさか、うちの身内のせいだったとは思いにもよらなかったけど……」
テト達神様は、地震の原因を私が気を失ったあとに解明したという。
その原因は、親族である、七福神のうちの布袋さんが、お酒の飲み過ぎでラグナロクに来たはいいものの結界の抜け方を思い出せず物理的に壊そうとしたのが原因で起きたことらしい。
「あの爺さんはホンマにやらかしてくれる!住人が死んでいたらどうするつもりだったあの人は!」
「でも、原因がわかってよかったじゃない?しかも、地震ではなかったとわかったし!」
「それもそうだな!あと、君もよくやっくれたね!感謝してるよ!」
チュッ……。
テトは私に感謝を言いながらキスをした。
ラグナロクの地震事件は、布袋さんの酔った行動が原因だったため、テトがラグナロク全体に謝罪した。
こうして、ラグナロク地震事件は何事も無く終わり、またラグナロクに平和が戻ったのでした。
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