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緊急──チーターとの戦い(アキラ視点)1
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「本当にチーターは来るのか?」
「カイト君が来るならここを通ってくるって言ってたんだから信じてあげなって!」
「でもなんとなく気持ち分かるよ? こんな城跡だと……ね」
辺りは基本何も無い城跡。
どこかの誰かさんが暴れたことで壊れたのだろう城と、ネズミだけが残る崖の先。
まず、こんなところにわざわざ城を建てるじゃねーよ運営も。
「こんなところに城を建てるとか、バカでしかないよな」
「バカで悪いわね、バカで」
「あ? 誰だお前」
俺の独り言に返してきたのは、見知らぬ女。
ピンクの髪の毛に宝石で輝くティアラか。
ならコイツは、ここに住んでいたお嬢様と言ったところだろう。
だが──なんだこのプレイヤーとは違う雰囲気。気味が悪い。
「あんたは……アキラって言う男ね」
「あぁ……それよりお前は誰だ」
「メデューサと、言っておくわね。それで……こんなところに何か?」
何か? じゃないんだよな。
ここに来るチーターを、俺達は倒さなきゃいけない。
いや、まず倒せるのかすら分からない。HP無限自動回復、攻撃無効などのベタな不正は攻撃しても相手はやられない。
つまり、結局はベタな不正が一番強いんだな。
「チーターか? それともプレイヤーか?」
「愚問ね。プレイヤーネームを消しているあなたの名前を、私が言い当てているのだから──チーターでしょ?」
「夜に笑う無数の蛇……ってところだな、アイツ」
「同感だねー。アイツ……ヤバイよ」
真っ赤な赤月から舞い降りてきたかのように、メデューサはゆっくりと赤月をバックに俺達の方へ歩いてくる。
見ると、メデューサが歩いて踏んだところが石化し、草やネズミが固まっていく。
まんまメデューサ……ではないな。目を見たらじゃなく、触れられたら──最悪だな。
「触られたら俺達は石だぞ」
「みたいだな……。どうする?」
「リミアちゃんの解石ポーションを使いながらなら楽々だったんだけど──今、リミアちゃんはオフライン。リリーミも合わせて……」
何? 鼎と金髪ガングロギャル幼女がオフラインだと?
2人の抜けている状態……つまり、墓地では高音さんしかいねーのか!?
カイトの話では──あそこが一番ヤバイんじゃ。
こうなったら、ここは俺とマスターで潰すしかない。
俺はテリヌを高音さんのところに送ることにした。
「高音さんのところに行ってくれテリヌ。ここは俺とマスターでやる」
「りょーかい! ……チーターの不正ウイルス攻撃には気をつけてね?」
「それはお互いにだ。負けたら死ぬか生きるか……どっちかなんだからよ。いいから行け!」
俺が叫ぶと、テリヌは瞬間移動をして消えた。
俺からすれば、瞬間移動を使えるテリヌもチーターのようにも思えるが──そこはまぁいい。
それより、地面を石化しながら歩いてくるメデューサとどう戦うかが大事だ。
俺は得意ではない、頭を使う戦い方へ切り替える。
メデューサの苦手な物……なんて、見せても苦しまないで済むように目格ししているんだよな。
メデューサは、自分の弱点を隠すかのように目隠しを巻いている。
何かを見ることで攻撃を受ける以上のダメージを負うことになるのはそこから見れば分かる。が、目隠しを外さない限り効かないのなら、目隠しを取るのは危険すぎる。
石化をすれば、一撃で体を破壊される。
「変なことを考えない方がいいですよ? アキラさん。私達は日本人ではないが、日本のローカルチャンネルに侵入している。これの意味はわかりますか? ……運営よりも我々は進んでいるプレイヤーなのですよ」
「不正ツールでローカルチャンネルを無理にでも入り口をこじ開けて入ったんだろ? PB-アクションバットツールとスキッドレスションの掛け合わせでいくらでもローカルチャンネルへ行き来できるんだろ?」
「よくご存で。ですが……」
ですが……なんだって言うんだ?
「チートを引き継ぐにはバイオアクションダークオプションを追加しないといけないのだよ!」
と、律儀に俺の知らないツールを教えてくれた。
だが、メデューサはそれと同時に無数の髪の毛の蛇をこちらに飛ばしてきた。
一気に蹴散らすには……
「悪魔の鎌……ダークネスホーリー。死の余興! ここは日本だから英語に技名は直さないぜ」
死の余興……悪魔の鎌からのみ出すことのできる即死の霧。
当たれば確実に燃焼される。
俺の放った霧に飲まれ、蛇達が燃えて消えていく。
「私の可愛い蛇達をやってくれましたね? ですがここからですよ。今からが本番……最高の勝負にしましょう! 蛇の狼!」
メデューサの足元からニュルニュルと生えてきた蛇が、集合しては狼に形を変えた。
その大きさ──4メートルほど。
これは俺の分野ではないと見て一瞬にして分かった。
ここはバトンタッチで、マスターの分野だろう。
「マスター!」
「任せろ! 巨神の壁!」
マスターほ巨神の壁により、蛇でできた狼とマスターがほぼ同じ目線に立った。
これで俺は──メデューサを殺るのみとなったわけだ。
「カイト君が来るならここを通ってくるって言ってたんだから信じてあげなって!」
「でもなんとなく気持ち分かるよ? こんな城跡だと……ね」
辺りは基本何も無い城跡。
どこかの誰かさんが暴れたことで壊れたのだろう城と、ネズミだけが残る崖の先。
まず、こんなところにわざわざ城を建てるじゃねーよ運営も。
「こんなところに城を建てるとか、バカでしかないよな」
「バカで悪いわね、バカで」
「あ? 誰だお前」
俺の独り言に返してきたのは、見知らぬ女。
ピンクの髪の毛に宝石で輝くティアラか。
ならコイツは、ここに住んでいたお嬢様と言ったところだろう。
だが──なんだこのプレイヤーとは違う雰囲気。気味が悪い。
「あんたは……アキラって言う男ね」
「あぁ……それよりお前は誰だ」
「メデューサと、言っておくわね。それで……こんなところに何か?」
何か? じゃないんだよな。
ここに来るチーターを、俺達は倒さなきゃいけない。
いや、まず倒せるのかすら分からない。HP無限自動回復、攻撃無効などのベタな不正は攻撃しても相手はやられない。
つまり、結局はベタな不正が一番強いんだな。
「チーターか? それともプレイヤーか?」
「愚問ね。プレイヤーネームを消しているあなたの名前を、私が言い当てているのだから──チーターでしょ?」
「夜に笑う無数の蛇……ってところだな、アイツ」
「同感だねー。アイツ……ヤバイよ」
真っ赤な赤月から舞い降りてきたかのように、メデューサはゆっくりと赤月をバックに俺達の方へ歩いてくる。
見ると、メデューサが歩いて踏んだところが石化し、草やネズミが固まっていく。
まんまメデューサ……ではないな。目を見たらじゃなく、触れられたら──最悪だな。
「触られたら俺達は石だぞ」
「みたいだな……。どうする?」
「リミアちゃんの解石ポーションを使いながらなら楽々だったんだけど──今、リミアちゃんはオフライン。リリーミも合わせて……」
何? 鼎と金髪ガングロギャル幼女がオフラインだと?
2人の抜けている状態……つまり、墓地では高音さんしかいねーのか!?
カイトの話では──あそこが一番ヤバイんじゃ。
こうなったら、ここは俺とマスターで潰すしかない。
俺はテリヌを高音さんのところに送ることにした。
「高音さんのところに行ってくれテリヌ。ここは俺とマスターでやる」
「りょーかい! ……チーターの不正ウイルス攻撃には気をつけてね?」
「それはお互いにだ。負けたら死ぬか生きるか……どっちかなんだからよ。いいから行け!」
俺が叫ぶと、テリヌは瞬間移動をして消えた。
俺からすれば、瞬間移動を使えるテリヌもチーターのようにも思えるが──そこはまぁいい。
それより、地面を石化しながら歩いてくるメデューサとどう戦うかが大事だ。
俺は得意ではない、頭を使う戦い方へ切り替える。
メデューサの苦手な物……なんて、見せても苦しまないで済むように目格ししているんだよな。
メデューサは、自分の弱点を隠すかのように目隠しを巻いている。
何かを見ることで攻撃を受ける以上のダメージを負うことになるのはそこから見れば分かる。が、目隠しを外さない限り効かないのなら、目隠しを取るのは危険すぎる。
石化をすれば、一撃で体を破壊される。
「変なことを考えない方がいいですよ? アキラさん。私達は日本人ではないが、日本のローカルチャンネルに侵入している。これの意味はわかりますか? ……運営よりも我々は進んでいるプレイヤーなのですよ」
「不正ツールでローカルチャンネルを無理にでも入り口をこじ開けて入ったんだろ? PB-アクションバットツールとスキッドレスションの掛け合わせでいくらでもローカルチャンネルへ行き来できるんだろ?」
「よくご存で。ですが……」
ですが……なんだって言うんだ?
「チートを引き継ぐにはバイオアクションダークオプションを追加しないといけないのだよ!」
と、律儀に俺の知らないツールを教えてくれた。
だが、メデューサはそれと同時に無数の髪の毛の蛇をこちらに飛ばしてきた。
一気に蹴散らすには……
「悪魔の鎌……ダークネスホーリー。死の余興! ここは日本だから英語に技名は直さないぜ」
死の余興……悪魔の鎌からのみ出すことのできる即死の霧。
当たれば確実に燃焼される。
俺の放った霧に飲まれ、蛇達が燃えて消えていく。
「私の可愛い蛇達をやってくれましたね? ですがここからですよ。今からが本番……最高の勝負にしましょう! 蛇の狼!」
メデューサの足元からニュルニュルと生えてきた蛇が、集合しては狼に形を変えた。
その大きさ──4メートルほど。
これは俺の分野ではないと見て一瞬にして分かった。
ここはバトンタッチで、マスターの分野だろう。
「マスター!」
「任せろ! 巨神の壁!」
マスターほ巨神の壁により、蛇でできた狼とマスターがほぼ同じ目線に立った。
これで俺は──メデューサを殺るのみとなったわけだ。
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