2 / 45
次の日にお店を建てた
しおりを挟む
「薬師なら……薬屋開こうよ!」
「薬局的なやつですか?」
「そうそう! リミアちゃんと私達で薬剤師したら多分儲かるよ? 色々と体張るけどね!」
「「稼ぐというか──それ違う!」」
昨日にこの今私のいるVRMMORPG【ディーヴェルクオンライン】をやり始め、カリーシェさんとルルさんに出会った。
そして今日、フレンドになってくれた二人と私の三人でお店を始めようとしている。
「とりあえず資金は100万ロト。なら私は全額出すから──ルルは内装代全額いける?」
「余裕余裕!」
「じゃあリミアちゃんが機材や家具お願いできる? ログインボーナスで20万ロト入ってると思うから!」
ロト……ディーヴェルクオンライン内での仮想通貨。
日本円で1ロト=1.8円。
そして、カリーシェさんとルルさんは私の為にお店の資金援助をしてくれた。
「とりあえず運営にはロトをしっかりとタブレットで払ったから待つのみだね! 5分位でできる話を──」
「私! 今日たまたま学内でリミアちゃんに似た人見た!」
「そう言えば見た見た! リミアちゃんってどこ大!?」
「早稲田大学です! て、言ってもそれだけなんですけどね?」
「「同じ大学だったやっぱり──!」」
そう、カリーシェさんとルルさんは同じ19歳で、毎日一緒にいるカレカノに近い存在らしく……たまたま学内のファミレスやコンビニで見かけたから気になっていたらしい。
ゲーム内で大学の先輩と知り合う……ネットが年々恐ろしさを増している気がしてきた。
「本当にまんまだったからビックリだったよ!」
「本当その通りだよ!」
「明日にでも学内で喋りたいです! ──ルルさんって学内で有名な……幼女戦姫ですか?」
体育全般最強で、大学では珍しい体育祭ではどの競技においても最強のちびっ子天才生と呼ばれる幼女戦姫。
キャラクター容姿が幼女だから気になってしまって聞いたけど、もしそうだったら私は凄い人達と関わっていることになる。
「そうそう! 私が戦姫!」
「コイツ凄いんだよ!? この間チア部が全国行ったじゃん!? あれ助っ人で入って練習無しで完璧に踊りきってきててさ!」
「凄いです! 尊敬します本当に! ──お店できてますね」
家やお店などの建造物が建つのにかかる時間は5分。
建物のアップグレードは、する度に時間が増えていくから、ある程度の冒険で時間を潰せるようになってからじゃないとお店のアップグレードはできないから不便だと思う最近のゲーム。
「じゃあ内装を僕がお金払っておいたからいい感じだね!」
「素敵です! 海外旅行で雑貨屋さんに入った気分です!」
「これはいい雰囲気で好きだよ私も!」
ロンドンなんかに行くとありそうな雑貨屋さんに似ているとても落ち着く素敵な内装。
ゲルニカの木をワックスでむらなくコーティングされた木材の匂いがなんとも言えなくいい匂いで気に入った。
ルルさんのセンスは凄いものを感じる。
「じゃあ家具は全部空間転送で送り届けて貰ってあるので置いていきますね。薬師って……他のゲームでは見ない職業ですよね?」
「それ思った思った! 見たことないから私もどんなか思ってて」
「なら試してみよう!? ここに薬師がいるからポーション術を目にしておこうよ!」
「じゃあ秘薬を作ってもらうとしよう! アムルバの角と鷹の爪に……マグル草をはい、リミアちゃん生成生成!」
確かに、薬師になったのに昨日も特に何もせずに終わっていたから生成してみよう。
秘薬だから、一定時間能力を全般上げる粉だったはず。
MHとかでもそんな感じだったけど──いざ自分でとなると失敗の危険が……。
「じゃあさっそく──」
「その前に! 爆発してもいいように魔法で内から防衛をしておくね!」
「やめたほうが良くないですかそれ!?」
「大丈夫大丈夫! 僕の言うとおりにして?」
『生産の手順』
準備する物
ビーカー×1 フラスコ×1 すり鉢×1 ニードルスピア×1
手順1
ビーカーにお湯を入れ、鷹の爪から辛子を抽出する。
抽出した辛汁をすり鉢に移す。
手順2
マグル草を水の入ったフラスコに漬けて沸騰するまで待つ。
沸騰したお湯とマグル草をすり鉢へ。
手順3
ニードルスピアで粉にしたアムルバ角粉をすり鉢に入れてニードルスピアの刃を回転させながら混ぜる。
「さぁ、最終だよ! ポーション術を唱えて!」
「我は薬を操る者! 魔力の全てをここに結集させて秘薬のポーションへと変えたまえ! ポーションジェネレーション!」
ボフンッ……と煙を上げて、すり鉢内のドス黒かった液体が透明な炭酸水の様な液体へと変わった。
初めての生成で、成功した。
嬉しいけど……結構な疲労を伴う作業だった。
魔力が全くないのが原因なのは分かっているけど、レベルが上がらなければ魔力は増えない。
──レベル1固定スキル……侮れない。
「成功だよ! これで頑張れば明後日にはお店開業だよ!?」
「一発で成功とは……やっぱりステータス凄いね!」
「やり方間違えてたらどうなってたんですか?」
「「ドカーン!」」
──ちゃんと成功してくれて良かったと……思わず胸を撫で下ろしてしまった。
「薬局的なやつですか?」
「そうそう! リミアちゃんと私達で薬剤師したら多分儲かるよ? 色々と体張るけどね!」
「「稼ぐというか──それ違う!」」
昨日にこの今私のいるVRMMORPG【ディーヴェルクオンライン】をやり始め、カリーシェさんとルルさんに出会った。
そして今日、フレンドになってくれた二人と私の三人でお店を始めようとしている。
「とりあえず資金は100万ロト。なら私は全額出すから──ルルは内装代全額いける?」
「余裕余裕!」
「じゃあリミアちゃんが機材や家具お願いできる? ログインボーナスで20万ロト入ってると思うから!」
ロト……ディーヴェルクオンライン内での仮想通貨。
日本円で1ロト=1.8円。
そして、カリーシェさんとルルさんは私の為にお店の資金援助をしてくれた。
「とりあえず運営にはロトをしっかりとタブレットで払ったから待つのみだね! 5分位でできる話を──」
「私! 今日たまたま学内でリミアちゃんに似た人見た!」
「そう言えば見た見た! リミアちゃんってどこ大!?」
「早稲田大学です! て、言ってもそれだけなんですけどね?」
「「同じ大学だったやっぱり──!」」
そう、カリーシェさんとルルさんは同じ19歳で、毎日一緒にいるカレカノに近い存在らしく……たまたま学内のファミレスやコンビニで見かけたから気になっていたらしい。
ゲーム内で大学の先輩と知り合う……ネットが年々恐ろしさを増している気がしてきた。
「本当にまんまだったからビックリだったよ!」
「本当その通りだよ!」
「明日にでも学内で喋りたいです! ──ルルさんって学内で有名な……幼女戦姫ですか?」
体育全般最強で、大学では珍しい体育祭ではどの競技においても最強のちびっ子天才生と呼ばれる幼女戦姫。
キャラクター容姿が幼女だから気になってしまって聞いたけど、もしそうだったら私は凄い人達と関わっていることになる。
「そうそう! 私が戦姫!」
「コイツ凄いんだよ!? この間チア部が全国行ったじゃん!? あれ助っ人で入って練習無しで完璧に踊りきってきててさ!」
「凄いです! 尊敬します本当に! ──お店できてますね」
家やお店などの建造物が建つのにかかる時間は5分。
建物のアップグレードは、する度に時間が増えていくから、ある程度の冒険で時間を潰せるようになってからじゃないとお店のアップグレードはできないから不便だと思う最近のゲーム。
「じゃあ内装を僕がお金払っておいたからいい感じだね!」
「素敵です! 海外旅行で雑貨屋さんに入った気分です!」
「これはいい雰囲気で好きだよ私も!」
ロンドンなんかに行くとありそうな雑貨屋さんに似ているとても落ち着く素敵な内装。
ゲルニカの木をワックスでむらなくコーティングされた木材の匂いがなんとも言えなくいい匂いで気に入った。
ルルさんのセンスは凄いものを感じる。
「じゃあ家具は全部空間転送で送り届けて貰ってあるので置いていきますね。薬師って……他のゲームでは見ない職業ですよね?」
「それ思った思った! 見たことないから私もどんなか思ってて」
「なら試してみよう!? ここに薬師がいるからポーション術を目にしておこうよ!」
「じゃあ秘薬を作ってもらうとしよう! アムルバの角と鷹の爪に……マグル草をはい、リミアちゃん生成生成!」
確かに、薬師になったのに昨日も特に何もせずに終わっていたから生成してみよう。
秘薬だから、一定時間能力を全般上げる粉だったはず。
MHとかでもそんな感じだったけど──いざ自分でとなると失敗の危険が……。
「じゃあさっそく──」
「その前に! 爆発してもいいように魔法で内から防衛をしておくね!」
「やめたほうが良くないですかそれ!?」
「大丈夫大丈夫! 僕の言うとおりにして?」
『生産の手順』
準備する物
ビーカー×1 フラスコ×1 すり鉢×1 ニードルスピア×1
手順1
ビーカーにお湯を入れ、鷹の爪から辛子を抽出する。
抽出した辛汁をすり鉢に移す。
手順2
マグル草を水の入ったフラスコに漬けて沸騰するまで待つ。
沸騰したお湯とマグル草をすり鉢へ。
手順3
ニードルスピアで粉にしたアムルバ角粉をすり鉢に入れてニードルスピアの刃を回転させながら混ぜる。
「さぁ、最終だよ! ポーション術を唱えて!」
「我は薬を操る者! 魔力の全てをここに結集させて秘薬のポーションへと変えたまえ! ポーションジェネレーション!」
ボフンッ……と煙を上げて、すり鉢内のドス黒かった液体が透明な炭酸水の様な液体へと変わった。
初めての生成で、成功した。
嬉しいけど……結構な疲労を伴う作業だった。
魔力が全くないのが原因なのは分かっているけど、レベルが上がらなければ魔力は増えない。
──レベル1固定スキル……侮れない。
「成功だよ! これで頑張れば明後日にはお店開業だよ!?」
「一発で成功とは……やっぱりステータス凄いね!」
「やり方間違えてたらどうなってたんですか?」
「「ドカーン!」」
──ちゃんと成功してくれて良かったと……思わず胸を撫で下ろしてしまった。
1
お気に入りに追加
1,064
あなたにおすすめの小説
World of Fantasia
神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。
世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。
圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。
そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。
現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。
2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。
世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
春空VRオンライン ~島から出ない採取生産職ののんびり体験記~
滝川 海老郎
SF
新作のフルダイブVRMMOが発売になる。 最初の舞台は「チュートリ島」という小島で正式リリースまではこの島で過ごすことになっていた。
島で釣りをしたり、スライム狩りをしたり、探険したり、干物のアルバイトをしたり、宝探しトレジャーハントをしたり、のんびり、のほほんと、過ごしていく。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる