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流石にこれを弁護するのは難しいのではないだろうか?その理由というのは、幾ら、俺があのゲームをやり込んでいても、殆ど攻略サイト頼りだったので…

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某有名裁判ゲームは最初の三部作はストーリーも練られており、また主人公の成長物語として人気が高い。
その反面、謎を解くのが難しく、俺は三周をしても攻略サイトを頼らなければ解けなかった。
だからこそ、今の状況を危機的に感じているのだ。今、明らかに俺を殺そうとした人間を俺一人で弁護しなければならないから。
しかも、検察側の立ち位置にいるのは、あの完璧王子。
そこから、勝利をもぎ取るのは至難の業かもしれない。
だが、やるしかない。俺は腹を括り、彼女の弁護をする事にした。
無論、完全無罪ではない。少なくとも、牢に閉じ込められる事だけは避けさせてやりたかったのだ。
貴族の地位の剥奪は恐らく免れないだろうが、それでも、牢屋に閉じ込められるよりかはマシだろう。
なので、懸命に弁護を試みた結果、俺は彼女の頬を叩く事になった。
俺が彼女の頬を叩く事にして、彼女の罪は不問となった。
当初は俺の弁護は無茶苦茶で、弁護を受ける側の彼女からも怪訝な目で見られるほどであった。
そして、ようやく完全無罪とも言える判決を掴み取ったのだが、それはお世辞にも自分の手で掴み取ったものではなく、向こうから提案してきたものを俺が受け入れたからに過ぎない。
「では、あなたが気の済む処断にしたらどうです?ぼくらはそれに従いますから」
そこで、俺は前世で読んだ某有名二次創作サイトで読んだ有名悪役令嬢ものの作品で、主人公の悪役令嬢が本来の主人公を狙った相手を狙ったものではなく、運悪く自分にナイフが突き刺さったという事件を機に、彼女がそれまで裏で本来の主人公を虐めていた事が発覚し、貴族の地位の剥奪と国外追放を言い渡された時に、先程の俺と同じ様に、「異議あり!」と叫んで、俺と同じ様に襲った女の頬を叩いて、貴族の地位の剥奪だけで済ませた事を思い出す。
そして、それを今回にも適用したのだ。
彼女の罪は王宮で刃物を振り回したという罪のみで収まり、彼女は暫くの間、自宅謹慎を命じられた。
貴族の地位の剥奪も投獄も俺のビンタ一発でなくなったのだ。
彼女は涙を流しながら、俺に感謝の言葉を述べてから、集まった兵士たちに連れられていく。
これで、彼女も改心してくれるだろう。
そう考えたら、気も緩んだのだろう。なぜか、ヘタレ込んでしまい、地面の上に尻餅をつく。
すると、サミュエル王子が手を伸ばす。
「こんな事がありましたからね。あなたも大変でしたでしょう?どうです?今日はこのままお開きという事で?」
とんでもない。舞踏会の食事を食べられないまま帰ってたまるものか。
俺は慌てて首を横に振って、サミュエルの考えを否定する。
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