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緊急脳内最高評議会の場合
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「さて、委員の方々並びに元の人格の面々が揃われたので、今回も脳内最高評議会を始めようと思います」
議長俺が木槌を叩くのと同時に、脳内俺で構成される脳内最高評議会の面々と元の人格の二人が席に着く。
最も、例の性悪女は少し前に暴れそうになったという前科があるので、背後に警備員俺が待機しているという状態であるのだが……。
何やら、不穏そうな空気を漂わせており、厳重な警戒体制が敷かれている。
せめて、緊張感を和らげるために、頭の中で俺が生前に好きだった曲がリピートされてかかっているが、逆にそれが彼女の怒りに火を点けてしまっているらしい。
例えば、俺が一番好きな特撮ヒーローの主題歌をかけると、彼女は不機嫌そうな顔で机を叩いて、
「なんでポケ○ンの主題歌が流れてるんだよ!おかしいじゃん!」
と、曲を選んだ我々を詰っていく。いや、これは世界的有名なアニメ作品の主題歌ではないのだ。歌っている人はそのアニメの主人公の人だけれど、断じて違う。
俺は性悪女の人格に流れている曲の説明をつとめて丁寧に行い、なんとか納得してもらえた。
そして、終わるのと同時に全員が席に着き、会議を行う。
今回の議題は言うまでもあるまい。それは、突然、我々の住む環境に現れた謎の少女、クロエ・セダカの事である。
クロエは本当に美しい少女だ。炎の様に真っ赤な髪に、そこら辺の舞台女優も裸足で逃げ出す程の美貌、そして、気丈に振る舞いつつも、見えないところでは弱さを見せるというギャップ。そして、誰にでも優しい性格。
最も、性格は殆どが俺の推察に過ぎないが、あの騒動を教師に訴えていない事や、団長に俺を庇ってくれた事から、殆ど俺の推論は間違いないと思う。
見た目も性格も申し分がない。むしろ、本来のヒロインである筈の俺よりも輝いて見える。
だが、ここで謎が一つ。どうして、そんな彼女が現れたのかという事だ。
「議長閣下!」
副議長俺はたまらずに手を挙げて、自分の考えを叫ぶ。
「副議長俺であります。私が考えるところ、彼女は恐らく、世界の修正力なのではないでしょうか?」
「と、申しますのは?副議長?」
「はっ、我々が知る世界的有名悪役令嬢作品の物語は我々もご存知の通り、過去にダメージを受けた事がきっかけで、前世の記憶を思い出した少女がその天然の力で人々をたらして、世界を優しいものに作り替えるという物語です。当然、彼女にたらし込まれた者の中には本来の主人公だけではなく、彼女の代理として現れた悪役も居ました!」
「続けてください」
議長俺は真剣な顔で続きを促す。会議に参加していた全員も何も言わずに、固唾を飲んで、副議長俺を見つめていた。
議長俺が木槌を叩くのと同時に、脳内俺で構成される脳内最高評議会の面々と元の人格の二人が席に着く。
最も、例の性悪女は少し前に暴れそうになったという前科があるので、背後に警備員俺が待機しているという状態であるのだが……。
何やら、不穏そうな空気を漂わせており、厳重な警戒体制が敷かれている。
せめて、緊張感を和らげるために、頭の中で俺が生前に好きだった曲がリピートされてかかっているが、逆にそれが彼女の怒りに火を点けてしまっているらしい。
例えば、俺が一番好きな特撮ヒーローの主題歌をかけると、彼女は不機嫌そうな顔で机を叩いて、
「なんでポケ○ンの主題歌が流れてるんだよ!おかしいじゃん!」
と、曲を選んだ我々を詰っていく。いや、これは世界的有名なアニメ作品の主題歌ではないのだ。歌っている人はそのアニメの主人公の人だけれど、断じて違う。
俺は性悪女の人格に流れている曲の説明をつとめて丁寧に行い、なんとか納得してもらえた。
そして、終わるのと同時に全員が席に着き、会議を行う。
今回の議題は言うまでもあるまい。それは、突然、我々の住む環境に現れた謎の少女、クロエ・セダカの事である。
クロエは本当に美しい少女だ。炎の様に真っ赤な髪に、そこら辺の舞台女優も裸足で逃げ出す程の美貌、そして、気丈に振る舞いつつも、見えないところでは弱さを見せるというギャップ。そして、誰にでも優しい性格。
最も、性格は殆どが俺の推察に過ぎないが、あの騒動を教師に訴えていない事や、団長に俺を庇ってくれた事から、殆ど俺の推論は間違いないと思う。
見た目も性格も申し分がない。むしろ、本来のヒロインである筈の俺よりも輝いて見える。
だが、ここで謎が一つ。どうして、そんな彼女が現れたのかという事だ。
「議長閣下!」
副議長俺はたまらずに手を挙げて、自分の考えを叫ぶ。
「副議長俺であります。私が考えるところ、彼女は恐らく、世界の修正力なのではないでしょうか?」
「と、申しますのは?副議長?」
「はっ、我々が知る世界的有名悪役令嬢作品の物語は我々もご存知の通り、過去にダメージを受けた事がきっかけで、前世の記憶を思い出した少女がその天然の力で人々をたらして、世界を優しいものに作り替えるという物語です。当然、彼女にたらし込まれた者の中には本来の主人公だけではなく、彼女の代理として現れた悪役も居ました!」
「続けてください」
議長俺は真剣な顔で続きを促す。会議に参加していた全員も何も言わずに、固唾を飲んで、副議長俺を見つめていた。
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