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『転生者』だとバレたので、緊急脳内評議会を招集し、破滅フラグを回避しようと思います!!
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「では、各委員並びに元の人格であるお二方が揃われている様なので、第二回脳内最高評議会会議を始めようと思います!各々方、意見があるならば、述べる様にお願いします!」
議長俺の言葉に従い、娯楽担当委員の俺が手を挙げる。
「議長閣下!我々の正体が知られてしまった以上は、断罪イベントが起こるのは明白だと思われます!そこで、娯楽担当委員である私としては、この断罪イベントが起きた際に逃れる方法として、芸を挙げさせていただきます!」
「娯楽担当委員、芸と申しますと?」
議長俺が顎をさすりながら尋ねる。娯楽担当委員俺は手元に用意された紙を持って立ち上がると、それに目をやりつつ、芸の定義を述べていく。
最高評議会に集まった全員がうむうむと首を頷かせながら、娯楽担当委員俺の解説を聞いていく。
説明が終わると同時に、娯楽担当委員俺は胸を張りながら、
「ここは歌であります!断罪イベントが起きた際には『グレースのお歌を聴かせてあげるよ!グレース上手くってごめんね~』と舌を出しながら、軽く自分の頭を叩いて、『ドラゴンロー○』なり、『ハレ晴レユ○イ』なりを歌うのが得策なのではないでしょうか?」
会議に集まった俺が一同に娯楽担当委員俺を褒めそやす。
何故ならば、どちらの曲も前世で俺がカラオケで90点以上を取った数少ない曲であるからだ。
断罪イベントの際にこの歌を披露すれば、王子もオリビア嬢も我々の歌声に感涙の声を漏らし、我々を許す事は間違いないだろう。
最高脳内会議の面々がお互いにお互いを賞賛していると、たった一人、元の性悪ヒロインの人格が抗議の声を上げる。
「さっきから黙って聞いていれば、おうた?バッカじゃないの?そんなんで、サミュエルが逃がしてくれるとでも思ってるの?むしろ、愚弄したとか、なんとか言われて、その場で斬り殺されるのが筋なんじゃあないの?」
最高脳内会議の面々は思いもよらない反論に言葉を失ってしまう。
お互いに顔を見合わせながら、この案の是非を問いていると、今度は本来の人格が手を挙げる。
本来のグレース・ベンフォールは先程の俺の意見に付け足したい様で、モジモジと恥ずかしそうに、
「あの、オリビア様とサミュエル王子殿下が結ばれるのは間違いないんですよね?なら、前の会議に出た嫌がらせしない路線のまま、もし、断罪されそうになったら、二人の祝福の歌を歌うというのはどうでしょうか?」
本来のグレースの提案は誰もが傷付かない最高とも言える提案であった。
性悪女の人格を除く、全員がハイタッチをしながら、会議を締め括った。
議長俺の言葉に従い、娯楽担当委員の俺が手を挙げる。
「議長閣下!我々の正体が知られてしまった以上は、断罪イベントが起こるのは明白だと思われます!そこで、娯楽担当委員である私としては、この断罪イベントが起きた際に逃れる方法として、芸を挙げさせていただきます!」
「娯楽担当委員、芸と申しますと?」
議長俺が顎をさすりながら尋ねる。娯楽担当委員俺は手元に用意された紙を持って立ち上がると、それに目をやりつつ、芸の定義を述べていく。
最高評議会に集まった全員がうむうむと首を頷かせながら、娯楽担当委員俺の解説を聞いていく。
説明が終わると同時に、娯楽担当委員俺は胸を張りながら、
「ここは歌であります!断罪イベントが起きた際には『グレースのお歌を聴かせてあげるよ!グレース上手くってごめんね~』と舌を出しながら、軽く自分の頭を叩いて、『ドラゴンロー○』なり、『ハレ晴レユ○イ』なりを歌うのが得策なのではないでしょうか?」
会議に集まった俺が一同に娯楽担当委員俺を褒めそやす。
何故ならば、どちらの曲も前世で俺がカラオケで90点以上を取った数少ない曲であるからだ。
断罪イベントの際にこの歌を披露すれば、王子もオリビア嬢も我々の歌声に感涙の声を漏らし、我々を許す事は間違いないだろう。
最高脳内会議の面々がお互いにお互いを賞賛していると、たった一人、元の性悪ヒロインの人格が抗議の声を上げる。
「さっきから黙って聞いていれば、おうた?バッカじゃないの?そんなんで、サミュエルが逃がしてくれるとでも思ってるの?むしろ、愚弄したとか、なんとか言われて、その場で斬り殺されるのが筋なんじゃあないの?」
最高脳内会議の面々は思いもよらない反論に言葉を失ってしまう。
お互いに顔を見合わせながら、この案の是非を問いていると、今度は本来の人格が手を挙げる。
本来のグレース・ベンフォールは先程の俺の意見に付け足したい様で、モジモジと恥ずかしそうに、
「あの、オリビア様とサミュエル王子殿下が結ばれるのは間違いないんですよね?なら、前の会議に出た嫌がらせしない路線のまま、もし、断罪されそうになったら、二人の祝福の歌を歌うというのはどうでしょうか?」
本来のグレースの提案は誰もが傷付かない最高とも言える提案であった。
性悪女の人格を除く、全員がハイタッチをしながら、会議を締め括った。
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