メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~

アンジェロ岩井

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漂流する惑星『サ・ザ・ランド』

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「早く行くんだ。そう長くはもたないぞ」

 コブラ男は自分がもたれかかっている動力部の門の前へと止まった宇宙船を見つめながら言った。その目線を宇宙船に向けることで麗俐を宇宙船に乗せようと促しているのだ。

 既に修也と悠介は宇宙船の中へと乗り込んでおり、この場に残っているのは麗俐だけ。彼女さえ乗って宇宙船を発進させていけば作戦は無事に遂行される。

 だが、麗俐は2人とは対照的にその場を動こうとしない。あたかも石膏で固められたように。

 固まったままの麗俐を不審に思ったのか、これまでロクな反応を示してこなかったはずのコブラ男が初めて人間らしい表情を見せた。彼は片眉を上げて麗俐へと問い掛けた。

「どうした乗らないのか?」

 麗俐は答えない。黙って視線を下へ向けている。

「安心しろ、乗り方は音声操縦に切り替えさせるように指示を出した。キミたちも迷うことなく戻れるだろう」

「違うの。あなたを放っておくことがどうしてもできなくて……」

 麗俐の目尻には悲しみが宿っているように思えた。ここで怒らせては不味いと判断したのか、はたまたコンピュータが配慮するように仕向けたのか、どこか穏やかな口調で諭す。

「助からぬ者を助けようとするのは偽善に過ぎない。無駄なことをして損害を増やしてしまうのは絶対に避けなくてはならんことだが、違うかね?」

 絶対に助からないと理解しているからこそ自らの手で時限爆弾を作動させるつもりなのだろう。わざわざ古いSF小説の名言にも似たような言葉を口にしていることから彼がその気であることは間違いない。

 麗俐はコブラ男が握り締めているピアスを横目で見ながら考えた。

 だが、考えても考えても結論は出てこない。

 麗俐が回答に窮していると、コブラ男は先を続けた。

「私がこうしてピアスを握り締めていれば、奴らは手出しができない。最後に『マザー』を破壊する時も私の手でやるからこそ確実に破壊できるのだ。何も無駄なことではない」

 ーー違う! そういうことじゃあない。

 麗俐は心の中で強く叫んだ。麗俐がコブラ男に対して感じたことは疑念の感情だった。

 回復不能の傷を負ったとはいえ自ら自爆を選ぶ選択肢が理解できない。

 進んで退却戦の殿を務める必要などない。金ヶ崎の戦いであれば殿を務めるメリットはあるだろうが、この場においては死を意味する。メリットなどどこにもない。

 それ故に麗俐は偽善者と呼ばれることを覚悟して、なんとしてでも彼を連れ出そうとしたが、彼は頑なに首を真横に振って動こうとしない。

 麗俐がフェイスヘルメットの下でいかに困惑した表情を浮かべていようとも彼の決意は変わらないようだ。
 麗俐が赤いピアスをなんの感慨もなく握り締めているコブラ男の姿を見つめていた時のことだ。

「麗俐! 早くしなさい!! このままだと奴らもそろそろ動いてくるぞ!!」

 と、円盤から修也の怒鳴る声が届いてくる。わかっている。このままでは間に合わないことも。コブラ男に付き合っていては自らの体も木っ端微塵に破壊されてしまうことも。

 それでも体は言うことを聞かない。脳の命令を無視してもその場に止まろうと目論む。

 麗俐が必死になって足を動かそうとしていた時のことだ。

「まだ、行かないのか? キミはよほど、自分が善人と呼ばれたいようだ」

 と、コブラ男が優柔不断な自分をなじるように問い掛ける。強い言葉を麗俐は正面から浴びせられる羽目になったわけだが、言われなきことだとは決して思わない。

 それどころか、コブラ男の説教に同調している自分さえいた。こんな時はどうすればいいのだろうか。

 悩んだ麗俐の脳裏に自身の気持ちに決着を付けるための最上の策を思い付く。
 全ての悩み事を一変に解決する強力な掃除機のような便利な解決方法。今更、躊躇素ことなどしなかった。

 麗俐はリアクターの前に蹲っているコブラ男の前へと駆け寄り、人工皮膚でできた顔を持ち上げるのと同時に自身の唇を重ねていく。唇と唇を合わせても感じるのは冷たい機械の感触だけが唇に残る。

 凍った鉄の資材を舐めているかのような感触だ。

 しばらくの間は黙って口を吸い続けていた麗俐であったが、やがて肝心のコブラ男本人から突き飛ばされて引き離されてしまった。

「なんのつもりだ?」

 と、問い掛けているのは怒りの感情からではない。純粋な疑問からきたものだ。
 問い掛ける声色は極めて穏やかなのがその証拠であるといえるだろう。

「……これはあたしなりの感謝の印。ありがとう、あなたのおかげであたしたちは生きられる」

「……もういい、早く行け」

 コブラ男は仮にも口付けを与えられた身でありながらも麗俐を手で払うように追い出す。麗俐はどこまでも冷たい様子に唖然としたような顔を浮かべていたが、すぐに背中を向け、用意された宇宙船へ足早な様子で向かっていく。

 麗俐はそのまま宇宙船へと乗り込み、父親や弟と共にその場を去っていった。

 もう彼女と会うことは金輪際ないだろう。いや、そもそも自分と彼女とはなんの縁もない。今回の作戦でたまたま長く話していただけの間柄に過ぎない。名残り惜しむ必要などないはずだ。

 理論ではわかっている。しかしどうして胸にぽっかりと大きな穴が空いてしまったような感覚に陥るのだろうか。

 コブラ男は微笑を浮かべていく。

「……それか、これが『感情』という奴だな。悪くはない」

 彼にとってこれは単なる微笑みではない。彼にとっては確信を得たという笑み。その証明であるといえたはずだ。

 コブラ男はプラズマライフルやビームライフルを構えながら自身の元へと迫ってくるホーテンス星人たちを見つめる。
 だが、今更攻めてきたとしても無駄なことだ。決意の表明とばかりに既に時限爆弾へと形を変えた赤いピアスを強く握り締めていく。

 コブラ男は両目を瞑りながら察した。一斉に向けられた銃口はあっさりと自分の機能を停止させるだろう。

 だが、仮に命を奪えたとしてもアンドロイドの強靭な力で握り締められたピアスを抜き取るには苦労するに違いない。

 なんとかして、ピアスを手に入れようと手間取っているうちに赤いピアスは作動してリアクターを爆発へと追い込む。

 そのエネルギーのまま『マザー』は大破。計画は順調に進む。

 コブラ男はもう一度微笑む。今度は勝利を確信した太々しい笑い。人間であれば不快感を持って銃を乱射するような不快な笑みだ。それを顔いっぱいに押し出す。

 同時に熱線がコブラ男を貫いていく。メインカメラの前に浮かんでくるのは『機能低下』や緊急信号を告げる赤いフラッシュ。

 だが、コブラ男は恐怖は感じなかった。

 結局のところ、彼はそこまでの『感情』を抱いてはいなかったということになる。或いは麗俐への思いがそれを砕いていくのかもしれない。
 いずれにしろ満足感を抱いたままあの世へ旅立てたのは賞賛に値するべきだろう。

『マザー』全体に火の手が上がり、爆風が上がったものの、修也たちが操る宇宙船は爆風に押し出され、勢いを上げて『マザー』の外へと向かっていった。

 上手くいけば爆風が自分たちを極めて不愉快な宇宙人たちの母艦から希望という名の光に満ち溢れた外部へと押し出してくれるだろう。

 修也たちが安堵感を抱いていたのも束の間。迎撃のためか、修也たちの前に同じタイプの宇宙船が立ち塞がる。

「クソッ、どうしたらいいんだ」

 悠介が壁を強く叩きつつ、悪態を吐く。憎悪に溢れた視線の先に映っていたのは進行を妨害する2隻の宇宙船。

 この2隻が前に立ち塞がっている限りは宇宙船からの脱出は困難だろう。

 悠介の顔にも修也の顔にも絶望の色が浮かぶ。その時、唯一両目を開いて目の前で待ち伏せする宇宙船を睨んでいたのは麗俐のみ。

 彼女は父と弟が絶望の淵へと追いやられる中、ただ1人冷静さを捨てず、自身が唇を重ねたコブラ男の指示に従って口で宇宙船を動かしていく。

 麗俐は宇宙船に備え付けられているレーザー砲や素粒子砲といった武器を用いて、正確に2隻の宇宙船を落としていく。ウサギを狙う猟師のように正確に。

 修也も悠介も麗俐の予想だにしない才能を前にして目を見張らせずにはいられない。この後は爆風の勢いに乗って『マザー』から脱出したのだが、2人とも始終、予想外のリーダーシップを見せた麗俐に釘付けとなっていた。

 3人を乗せた宇宙船が外へ出ていくのと『マザー』から爆発音が轟き、『マザー』の母艦そのものが爆炎に包み込まれていくのはほとんど同時であった。

 その様子を見るため麗俐はプロジェクターを出したのだが、そこに映る光景を見て修也たちは何も言えずに立ち尽くしていた。

 しばしの沈黙の後に口を開いたのは修也である。

「呆気ないものだな。あの強力な母艦がこんなすぐに消えてなくなってしまうなんて……」

「だよね。けど、これでもう当分、奴らがあたしたちに手を出すことはないでしょ?」

「あぁ、本当によくやった。特に麗俐……お前がいなければ『マザー』の動力部を破壊することはできなかっただろうな」

「やめてよ、お礼ならあのにいって……」

 この時に麗俐の口から出た言葉は哀れみが混じったものであった。例のコブラ男をわざわざ『人』と強調して呼んだのも思いがあってのことだろう。修也は何かを察したのか、何も言わずに後方、『マザー』が聳えているはずの方向へと向かい、宇宙船の壁を見つめた後にゆっくりと頭を下げていく。黙祷でも捧げるかのように。

 悠介は理解できなかったらしい。訳のわからない態度を取る父親を見て首を傾げていたが、首根っこを掴まれるのと共に頭を下げさせられた。

 こうして3人を乗せた宇宙船は無事にスコーピオン号の元へと帰還したのである。

「ふぅ、あとは商品と仲間を乗せて帰るだけかな」

 修也が宇宙船のタラップを降りながら言った。

「そうだね。おれもそろそろ地球が恋しいよ」

「あたしも」

 修也たちは事件が解決したということもあって、ゆっくりと雑談を交わしながらスコーピオン号の元へと向かう。

 あとはスコーピオン号にいるジョウジとカエデが自分たちを引き上げてくれる筈だった。

 だが、修也たちに掛けられたのは労いの言葉でも歓迎の意思でもなかった。投げ掛けられたのは容赦のない熱線。レーザーガンから放たれたものだ。

 修也がスコーピオン号を見上げた時のことだ。そこにはレーザーガンを構えた長い髪の男の姿、そしてその男に腕を掴まれたジョウジの姿。

 絶望的な状況を前にして修也は大きく目を見開きながらガタガタと顎を震わす。その姿はさながら蛇に睨まれた蛙の姿といっていい。

 このままなす術もなく生身の体へとレーザーを浴びせられて天国へと旅立つ。そんなありきたりの未来を変えたのは息子の存在。

 悠介は背後から修也に向かって覆い被さるように飛び掛かり、そのまま2人同時に地面の上を転がっていったのである。

「……逃したか」

「どういうつもりですか?」

 修也はスコーピオン号から少し離れた場所でレーザーガンを構えながら長い髪のアンドロイドへと問う。修也は信じられなかったのだ。最初は剣呑な間柄であったとはいえ共に手を取り合ってホーテンス星人へと立ち向かった間柄。

 短い付き合いとはいえども共に肩を並べて戦った相手から武器を向けられるとは夢にも思わなかったのだ。

 だから修也は聞きたかった。肩を並べて戦った相手に銃を向けた理由を。

 そんな献身的ともいえる修也の疑問に対する回答は攻撃という最悪のもの。彼は躊躇うこともなくレーザーガンから熱線を放つ。

 修也は慌てて身を翻して熱戦を避けなくてはならなかった。

「ちくしょう……どうしてだ? どうして?」

 修也は自分に問い掛けるかのように弱々しい声で呟いていた。どこか弱気な修也を現実へと引き戻したのは悠介だった。

「父さん! あの野郎が暴れた理由ワケなんて後でいいだろ!? 今大事なのはあの裏切り者をどうやって始末してやろうかということじゃあないのか!?」

 その問い掛けに修也は小さく首を縦に動かす。同時にメトロイドスーツのカプセルを押し、もう一度強力なパワードスーツへと身を包む。

 準備は万端。あとは立ち向かうだけだ。修也は宇宙船の上に立つ裏切り者のアンドロイドを強く睨み付けた。
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