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職人の惑星『ヒッポタス』
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これまでの流れを見るに決闘へ至るまでの流儀などは存在しないが、もし今この場で繰り広げていることが決闘だと言うのならば先に言っておかなければならない。修也は声を震わせながら問いかけた。
「その子を離せ。その子はもういいだろう?」
「そうはいかん。この子を捕まえておかないとお前がどう出るか分からんからな。この子はお前を殺すまでの大事な人質だ」
ヘンリーはニヤニヤと陰湿な笑みを浮かべながら言った。どうやら目の前にいる男は『卑劣漢』という地球の言葉がそっくりそのまま当て嵌まるような性格をしているようだ。
修也はヘンリーの良心に期待することは辞めた。最初こそ失望の色のようなものを浮かべたものの、すぐに怒りの赤い色で両頬を染めていった。
それからそのまま互いにレーザーガンを突き合わせたままピクリとも動かないという特殊な状態が続いた。その間にも風が枯れ木や砂埃を飛ばし、そのまま両者の頬を風が撫でていく。そればかりではない。決闘を見守るギャラリーの視線が突き刺さっていく。
緊張の一瞬が途切れることなく続いている状態にあったが、不思議と修也は疲れを感じなかった。
というのも一刻も早くイブリンをヘンリーなら男の手から解放しなくてはならない。睨み合いを続ける中で修也の中へと降りてきた使命感が緊張を打ち消していたのだ。
だが、修也の中に存在していたのは緊張の念ばかりではない。もう一つ別の使命感が修也を突き動かしていた。幼い少女の前で平然と人を殺し、あまつさえは人質にするその心が気に食わなかった。ここで生かしておいても碌な人間にはなるまい。それならばここで悪の芽を摘んでいくというのが当然のことだ。
修也は子どもの時分に観た大昔の時代劇に登場する殺し屋の心境だった。
表向きは八丁堀の同心すなわち警察官だという殺し屋は人々を害する存在であれば相手がどんな人物であっても決して容赦することはなかったが、今の修也も同じ気持ちだ。
先に動くのはどちらだ。修也が歯を軋ませながらヘンリーを見つめていると、突然それまで決闘を見守っていたはずのギャラリーの一人が動いた。
いや、正確にいえば人質にされているイブリンの父親だった。彼の中で撃たれる恐怖と自らの娘を失うかもしれないという恐怖のうち自らの娘を失うという恐怖心の方が勝ったのだろう。少なくともそれは賞賛に値する勇気だった。
ヘンリーに飛び掛かり、イブリンをヘンリーの悪魔のように汚い左手から逃したのだった。
倒す瞬間は今しかあるまい。修也は人質を失った怒りをその父親にぶつけて発散させようとして修也のことをすっかりと忘れてしまったヘンリーに向けて躊躇うこともなく引き金を引いた。
しかし往々にして悪党というのは悪運が強いものだ。ヘンリーは父親を苛立ち紛れに突き飛ばし、身を翻すことでレーザー光線という死神の鎌を紙一重で交わしたのだった。それから二発目を放とうとする修也に対してもう一度レーザーガンを構えて牽制していった。
こうして睨み合いが行われることになったのだった。修也は自身の運の悪さを呪ったものの、幸運であったのは父親が人質になっていたイブリンを抱きしめられたことだろう。
修也は自身の脇で繰り広げられる感動の場面を見て決意した。必ずやこの邪智暴虐なる男をこの町から排除し、この二人の笑顔を守ってみせよう、と。
しばらくの間両者は息もせぬかのように睨み合っていたが、ヘンリーは自身の身の上にのしかかってくるプレッシャーに耐え切れなくなったのか、人差し指を仕切りに引き金へと伸ばそうとしていた。
相手を倒すのならば相手の精神が弱っているこの瞬間しかあるまい。修也は決意を固めた。男が引き金に手をかけるよりも先にレーザー光線を発射してヘンリーの息の根を止めようとしたのだ。
結論からいえば引き金を撃つのが早かったのは修也の方だった。西部劇の映画であれば修也は確実に決闘に勝利していたに違いなかった。
だが、ここは開拓時代の西部というわかりきった世界ではなく惑星ヒッポタス。すなわち未知の世界なのだ。何が起こるか分からない世界といってもいい。
そのことを証明するかのように修也のレーザー光線が直撃するよりも先に男の体に対して青白い光が直撃した。修也のレーザー光線が弾き返されるのと同時に辺り一帯を地震が発生したかのような震動が走っていく。震動に耐え切れず、修也は地面の上を転がっていった。
やっとの思いで地面の上から起き上がると、目の前にはシンプルな飾り一つないシンプルな銀色のパワードスーツを身に纏った男の姿が見えた。
なんの変哲もないパワードスーツであったが、唯一特徴といえたのはそのヘルメットであった。ヘルメットは地球で見るイカの姿そっくりだったのだ。いや、イカがそのまま頭の上に載っていると評してもいい。
イカに足が生えたような不気味な姿に唖然としていた時だ。ヘンリーが指を鳴らし、無からエネルギーを発生させて例の鎧を作り出していった。
やはりあの男の話通り鎧は外部の知的生命たちによって意図的に作られた天敵であったのだ。答え合わせの場面が見れて修也は嬉しい気持ちだった。
「やれ! お前たち!!」
ヘンリーはヒッポタスの言葉で自分が作り出した鎧に向かって指示を出していく。修也も麗俐も言葉の意味を介してはいなかったが、男が勢いよく腕を振り上げたことやその後で鎧たちが襲い掛かってきた様子からなんとなくではあるが、二人は言葉の意味を理解した。
そのため戦闘体制に入って鎧たちを正面から迎え撃つことに決めた。
だが、戦闘にあって罪のない人々を巻き込むわけにはいかない。
「ジョウジさん! みなさんの避難誘導をお願い致します!」
修也は背後にいたジョウジに大きな声で指示を出す。ジョウジもそれに対して何も言うことをせずに黙って周囲にいた人々の避難誘導を行なっていった。
これで周りにいる人々を気にすることなく戦うことができる。修也はレーザーガンをしまい、ビームソードを握り締めて迫ってくる鎧たちを相手にしていった。
弱点は既にジョウジから宇宙船の中で聞いている。鎧はあくまでも囮。本体は剣。それだけを意識して戦えばいいのだ。
修也と麗俐は互いに背中を預け合いながら迫り来る鎧たちを相手にしていった。
やはり背中を任せられる相手がいるというのは戦闘においては大きいものだ。
10体ほどの相手だが、そのうちの半分を相手にするというのならば楽なものだ。
正面から迫り来る相手の剣を受け流し、鎧ではなくその剣に向かって攻撃を繰り出す。その際に繰り出す攻撃は剣道における『突き』の動きだ。これによって相手の剣にビームソードの先端が突き刺さり、小さな稲妻を生じさせた後で小規模の爆発を起こしていくのが見えた。
自分たちの天敵がなす術もなく破れていく姿を見た人々は遠くからではあったが、喝采の音頭を取った。
まるで、祭りの最中であるかのように盛り上がる人々を見たヘンリーはヘルメットの下で忌々しげな顔を浮かべていた。
「クソッタレ!」
ヘンリーは忌々しげに吐き捨ててから頭上へと手を伸ばした。するとヘンリーの声に答えかのように自身の頭上から落ちてきたビームサーベルが落ちてきたのだ。
ヘンリーはビームサーベルを構えながら修也の元へと違法な速度で走るダンプカーのように無謀な格好で突っ込んでいった。
猪突猛進ともいえる行動であったが、今の修也にとっては大きな的が現れたようにしか思えなかったのだ。
修也はすれ違いざまにビームソードを振り払い、ヘンリーのパワードスーツの装甲へと突き立てたのだった。
修也にとってヘンリーは外道。生かしておいてはためにならぬ相手なのだ。
そのため容赦などするはずがなかった。ヘンリーの腹部にビームソードが突き刺さり、青い火花を立ててバチバチという不穏な音を立てていくのが聞こえた。
修也はそれから一気にヘンリーの装甲から自身のビームソードを引き抜いていく。同時にヘンリーの体を覆っていた装甲が粉々に砕け、小規模の爆発が生じていった。
今の一撃でヘンリーは完全に倒れた。だが、修也にとって予想外であったのは地面の上に転がっているヘンリーの体が無傷であったことだ。あれだけの戦闘を繰り広げたというのにヘンリーの体には傷一つ見えなかった。
「どういうことだ?」
修也がヘンリーの元へと近付こうとした時のことだ。既に物言わぬ体となったヘンリーを先ほどの光が回収していったのだ。ヘンリーの体は引っ張り上げられるように空の上へと回収されていった。
宇宙船の姿は見えない。ただそこに例の男もとい惑星連合の陰があるのだけは確かだった。
「その子を離せ。その子はもういいだろう?」
「そうはいかん。この子を捕まえておかないとお前がどう出るか分からんからな。この子はお前を殺すまでの大事な人質だ」
ヘンリーはニヤニヤと陰湿な笑みを浮かべながら言った。どうやら目の前にいる男は『卑劣漢』という地球の言葉がそっくりそのまま当て嵌まるような性格をしているようだ。
修也はヘンリーの良心に期待することは辞めた。最初こそ失望の色のようなものを浮かべたものの、すぐに怒りの赤い色で両頬を染めていった。
それからそのまま互いにレーザーガンを突き合わせたままピクリとも動かないという特殊な状態が続いた。その間にも風が枯れ木や砂埃を飛ばし、そのまま両者の頬を風が撫でていく。そればかりではない。決闘を見守るギャラリーの視線が突き刺さっていく。
緊張の一瞬が途切れることなく続いている状態にあったが、不思議と修也は疲れを感じなかった。
というのも一刻も早くイブリンをヘンリーなら男の手から解放しなくてはならない。睨み合いを続ける中で修也の中へと降りてきた使命感が緊張を打ち消していたのだ。
だが、修也の中に存在していたのは緊張の念ばかりではない。もう一つ別の使命感が修也を突き動かしていた。幼い少女の前で平然と人を殺し、あまつさえは人質にするその心が気に食わなかった。ここで生かしておいても碌な人間にはなるまい。それならばここで悪の芽を摘んでいくというのが当然のことだ。
修也は子どもの時分に観た大昔の時代劇に登場する殺し屋の心境だった。
表向きは八丁堀の同心すなわち警察官だという殺し屋は人々を害する存在であれば相手がどんな人物であっても決して容赦することはなかったが、今の修也も同じ気持ちだ。
先に動くのはどちらだ。修也が歯を軋ませながらヘンリーを見つめていると、突然それまで決闘を見守っていたはずのギャラリーの一人が動いた。
いや、正確にいえば人質にされているイブリンの父親だった。彼の中で撃たれる恐怖と自らの娘を失うかもしれないという恐怖のうち自らの娘を失うという恐怖心の方が勝ったのだろう。少なくともそれは賞賛に値する勇気だった。
ヘンリーに飛び掛かり、イブリンをヘンリーの悪魔のように汚い左手から逃したのだった。
倒す瞬間は今しかあるまい。修也は人質を失った怒りをその父親にぶつけて発散させようとして修也のことをすっかりと忘れてしまったヘンリーに向けて躊躇うこともなく引き金を引いた。
しかし往々にして悪党というのは悪運が強いものだ。ヘンリーは父親を苛立ち紛れに突き飛ばし、身を翻すことでレーザー光線という死神の鎌を紙一重で交わしたのだった。それから二発目を放とうとする修也に対してもう一度レーザーガンを構えて牽制していった。
こうして睨み合いが行われることになったのだった。修也は自身の運の悪さを呪ったものの、幸運であったのは父親が人質になっていたイブリンを抱きしめられたことだろう。
修也は自身の脇で繰り広げられる感動の場面を見て決意した。必ずやこの邪智暴虐なる男をこの町から排除し、この二人の笑顔を守ってみせよう、と。
しばらくの間両者は息もせぬかのように睨み合っていたが、ヘンリーは自身の身の上にのしかかってくるプレッシャーに耐え切れなくなったのか、人差し指を仕切りに引き金へと伸ばそうとしていた。
相手を倒すのならば相手の精神が弱っているこの瞬間しかあるまい。修也は決意を固めた。男が引き金に手をかけるよりも先にレーザー光線を発射してヘンリーの息の根を止めようとしたのだ。
結論からいえば引き金を撃つのが早かったのは修也の方だった。西部劇の映画であれば修也は確実に決闘に勝利していたに違いなかった。
だが、ここは開拓時代の西部というわかりきった世界ではなく惑星ヒッポタス。すなわち未知の世界なのだ。何が起こるか分からない世界といってもいい。
そのことを証明するかのように修也のレーザー光線が直撃するよりも先に男の体に対して青白い光が直撃した。修也のレーザー光線が弾き返されるのと同時に辺り一帯を地震が発生したかのような震動が走っていく。震動に耐え切れず、修也は地面の上を転がっていった。
やっとの思いで地面の上から起き上がると、目の前にはシンプルな飾り一つないシンプルな銀色のパワードスーツを身に纏った男の姿が見えた。
なんの変哲もないパワードスーツであったが、唯一特徴といえたのはそのヘルメットであった。ヘルメットは地球で見るイカの姿そっくりだったのだ。いや、イカがそのまま頭の上に載っていると評してもいい。
イカに足が生えたような不気味な姿に唖然としていた時だ。ヘンリーが指を鳴らし、無からエネルギーを発生させて例の鎧を作り出していった。
やはりあの男の話通り鎧は外部の知的生命たちによって意図的に作られた天敵であったのだ。答え合わせの場面が見れて修也は嬉しい気持ちだった。
「やれ! お前たち!!」
ヘンリーはヒッポタスの言葉で自分が作り出した鎧に向かって指示を出していく。修也も麗俐も言葉の意味を介してはいなかったが、男が勢いよく腕を振り上げたことやその後で鎧たちが襲い掛かってきた様子からなんとなくではあるが、二人は言葉の意味を理解した。
そのため戦闘体制に入って鎧たちを正面から迎え撃つことに決めた。
だが、戦闘にあって罪のない人々を巻き込むわけにはいかない。
「ジョウジさん! みなさんの避難誘導をお願い致します!」
修也は背後にいたジョウジに大きな声で指示を出す。ジョウジもそれに対して何も言うことをせずに黙って周囲にいた人々の避難誘導を行なっていった。
これで周りにいる人々を気にすることなく戦うことができる。修也はレーザーガンをしまい、ビームソードを握り締めて迫ってくる鎧たちを相手にしていった。
弱点は既にジョウジから宇宙船の中で聞いている。鎧はあくまでも囮。本体は剣。それだけを意識して戦えばいいのだ。
修也と麗俐は互いに背中を預け合いながら迫り来る鎧たちを相手にしていった。
やはり背中を任せられる相手がいるというのは戦闘においては大きいものだ。
10体ほどの相手だが、そのうちの半分を相手にするというのならば楽なものだ。
正面から迫り来る相手の剣を受け流し、鎧ではなくその剣に向かって攻撃を繰り出す。その際に繰り出す攻撃は剣道における『突き』の動きだ。これによって相手の剣にビームソードの先端が突き刺さり、小さな稲妻を生じさせた後で小規模の爆発を起こしていくのが見えた。
自分たちの天敵がなす術もなく破れていく姿を見た人々は遠くからではあったが、喝采の音頭を取った。
まるで、祭りの最中であるかのように盛り上がる人々を見たヘンリーはヘルメットの下で忌々しげな顔を浮かべていた。
「クソッタレ!」
ヘンリーは忌々しげに吐き捨ててから頭上へと手を伸ばした。するとヘンリーの声に答えかのように自身の頭上から落ちてきたビームサーベルが落ちてきたのだ。
ヘンリーはビームサーベルを構えながら修也の元へと違法な速度で走るダンプカーのように無謀な格好で突っ込んでいった。
猪突猛進ともいえる行動であったが、今の修也にとっては大きな的が現れたようにしか思えなかったのだ。
修也はすれ違いざまにビームソードを振り払い、ヘンリーのパワードスーツの装甲へと突き立てたのだった。
修也にとってヘンリーは外道。生かしておいてはためにならぬ相手なのだ。
そのため容赦などするはずがなかった。ヘンリーの腹部にビームソードが突き刺さり、青い火花を立ててバチバチという不穏な音を立てていくのが聞こえた。
修也はそれから一気にヘンリーの装甲から自身のビームソードを引き抜いていく。同時にヘンリーの体を覆っていた装甲が粉々に砕け、小規模の爆発が生じていった。
今の一撃でヘンリーは完全に倒れた。だが、修也にとって予想外であったのは地面の上に転がっているヘンリーの体が無傷であったことだ。あれだけの戦闘を繰り広げたというのにヘンリーの体には傷一つ見えなかった。
「どういうことだ?」
修也がヘンリーの元へと近付こうとした時のことだ。既に物言わぬ体となったヘンリーを先ほどの光が回収していったのだ。ヘンリーの体は引っ張り上げられるように空の上へと回収されていった。
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