212 / 233
モスト・オブ・デンジャラス・ゲーム編
プログラム起動
しおりを挟む
石川葵は都庁近くの公園から、中村孝太郎に電話をかけていた。
公園の雑踏が向こうにも聞こえているだろうが、白籠市からはいささか距離が離れすぎている。
自分を逮捕するのはいささか困難というものだろう。
そう考えながら、ゲームの内容を聞いて唖然としている孝太郎の姿を想像しつつ、葵はゲームを喋り続ける。
「そうね、ルールとしては簡単よ。宇宙究明学会が再発足するのを防ぐこと……単純明快でしょう?あたしは昌原を殺したから、無理でしょうけど……他のメンバーならどうかしら?今ワイドショーを騒がせている天野と赤川がタッグを組んだら、厄介そうね。新井さんをあなた倒せるの?川岸さんを敵に回すと恐ろしいわよ」
葵は自分以外の幹部の名前を次々に並び立てて、孝太郎の恐怖を煽っていく。
自分に与えられた役割は三原青子東京都知事のために孝太郎たちの目を知事の問題から、この問題に目を逸らさせる事。
それこそが、葵が娑婆に戻ったたった一つの理由である。
「現在、娑婆にいる宇宙究明学会の幹部連中の名前を教えろ」
「残念だけれど、あたしにも分からないの。東京都知事はあたしの目の届かない所から拘置されている人たちを出しているみたいだし……」
孝太郎の落胆する姿が目に浮かぶようだ。葵は思わずに唇を一文字に歪めてしまう。
とにかく、今は笑みが止まらなかったのだ。
「そうだわ! 最後にもう一つ教えておきましょう! 女の嫉妬と執念は怖いものよ! 頑張ってね刑事さん! 」
その言葉を最後に葵からの電話は切られてしまう。
孝太郎は腹立ち紛れに拳を空振りさせる。
孝太郎の右手の拳が空気を少しだけ歪ませた。
「で、石川葵のヤローはなんて言ったんだ?」
「ゲームだとよ。今からゲームをするから、それを当ててみろときやがった」
「ゲーム?」
絵里子が眉を寄せるのも無理はない。石川葵がそんな愉快犯のような事をするだろうと考えたからだ。
石川葵は都内有数の理科系大学を優秀な成績で卒業して、その大学の学院でも博士課程も取得したが、そこではあまり人付き合いが良くなかったと言う話を聞く。
彼女は頭も良くて、美人だが、ずっと講義以外の事は昌原と宇宙究明学会に関する事ばかりだったので、葵と同じ研究所の人々は辟易してしまったと言う。
そんな葵が自分たちへの復讐のためだけにこんな馬鹿げた事をする筈はない。何か黒幕がいる筈だと姉は考えたくなってしまったのだろう。
気持ちは分かる。だが、どんな勢力が葵の背後にいるのかは分からないのだ。
今は気持ちを落ち着けるべきではないのだろうか。
孝太郎が絵里子にそう提案しようとした時だ。
再び孝太郎の携帯端末のバイブ音が鳴り響く。
「孝太郎だな?」
「どうしたんだ?慎太郎?」
今度の電話の相手は孝太郎のかつての捜査における相棒竹宮慎太郎であった。
彼はJIOに所属するエージェントの1人であり、かつては孝太郎が制服警官時代にタッグを組んだ事があり、それ以来孝太郎と友人付き合いをしている男だった。
慎太郎は相変わらずの屈託の無い声で、
「決まってるだろ?街で伝えられている噂だよ。おれも少し前に宇宙究明学会の東信徒庁潰しに奔走していたからな。東信徒庁の一斉摘発が行われてからも、おれは独自に宇宙究明学会がどう出るかを調査していたんだ」
「それで?」
「驚くべき事が分かったんだよ。北海道道場のあたりに他の弟子たちの救出目的に訪れるらしいな」
「誰が?」
「知らなかったのか?ロシアにおける宇宙究明学会の大物ボリス・レオニード……奴が東京都知事三原青子の手引きによって、来るらしい。何でも奴は白籠市の昌原道明邸を訪れてから、仲間が捕らえられている拘置所に向かうらしい」
孝太郎はその言葉に思わず絶句してしまう。まさか、ロシアまでもこれから起こるであろうゲームに関わっていたとは。いや、それだけでは無い。
慎太郎は何と言ったのだろう。都知事?三原青子がこの件に関わっているのだろうか。
孝太郎は再度慎太郎に聞き返す。
慎太郎は真剣な声で孝太郎の言葉を首肯する。
「クソッタレ、あの都知事がまた関わっていたのか?」
「そうだ。あの都知事も色々な事をやっていたからな、田山浩三郎は歴代の東京都知事に媚を売って、自分の犯罪を目溢ししてもらっていたが、その中でも一番田山と密接に関わっていた知事が三原だ。それだけじゃあない、九頭龍の小野良美に賭け金のことを教えたのは、アイツだ。お陰で今年の大会は色々と起こっちまった」
孝太郎はここ最近に起きた大きな事件の黒幕を知る。
彼女は東京都知事という立場を活かして、自分たちの目を別の事件に向けさせていたのだろう。
孝太郎は無意識のうちに拳を震わせてしまう。
「とにかく、ありがとうよ。恩にきるよ」
「まあな、スパイで培った技術を活かせば、こんなものだろうさ」
慎太郎はそう言って電話を切る。孝太郎は携帯アプリが、もう慎太郎に繋がっていない事を確認すると、室内にいた全員に向き直り、
「いいか、おれ達の今からの目的はたった一つ……宇宙究明学会の再結成を阻止して、三原青子を監獄に送る事! それだけだ……」
その言葉に全員が首を縦に動かす。
「よし、慎太郎の電話によると、宇宙究明学会の大物が拘置所の前に寄るのは、白籠市にある昌原道明邸だ……。恐らく、まだ拘置所の方で事件は起きていない筈だから、奴はまだ拘置所には行っていないだろうからな、昌原道明邸にいるだろうさ」
孝太郎は自分の推理が当たっている事を祈りつつ、白籠市の郊外に位置する昌原道明邸跡へと向かう。
「素晴らしい……これが、昌原道明会長の屋敷……」
既に昌原道明の家は取り壊し作業に入っているが、ボリスはそんな事はお構いなしに昌原が住んでいた土地に魅入られていた。
ボリスが更に近付こうと足を踏み出そうとした時だ。背後から低い声が聞こえた。
「な、何者だね?」
「ボリス・レオニードさんでしょうか?警察の方でお話があるのですが……」
ボリスは何故自分の情報が日本にバレているのかと冷や汗をかいてしまう。
あの施設で演説を行ってから、既に1日という時間が経過しているが、誰が自分たちの情報をリークしたのだろう。
ボリスは一瞬だけ悩んだ表情を見せたが、すぐにその顔は怒りに変わっていく。
孝太郎はボリスが何故怒っているのかが理解できなかったが、それは当たり前とも言えるだろう。
この怒りの原因はボリスにしか分からなかったのだから。
ボリスの怒りを向けた相手はモスクワ支部の支部長である。
元から、支部長は昌原に反抗的な天野の影響を受けたためだろうか、昌原の強硬姿勢に反抗的であった。
ボリスはそんな支部長と何度も意見を衝突させ、喧嘩別れしてから、自分の言う事に賛同する信者を集めて日本に向かったと言うのに。
ボリスは怒りのあまりに頭がどうかなってしまいそうだった。
孝太郎の方に不機嫌な顔で向き合いながら、
「どうしたんですかな?私はこの建物を見つめていただけですが……」
「この建物は取り壊し中ですよ。あのショベルカーやらクレーン車やらが見えないのですか?」
孝太郎の指摘にボリスは言葉を詰まらせてしまう。
宇宙究明学会の信者だと今、警察にバラすのもどうだろうと考えた、ボリスは苦笑いを浮かべながら、
「そうだ! 日本へは初めて来たから、道を間違えていたんだッ!それで、休憩がてらにこの光景を見つめていたんだよ」
だが、ボリスの必至の言い訳にも関わらずに孝太郎は懐疑的な目で見つめ続けるばかりだった。
公園の雑踏が向こうにも聞こえているだろうが、白籠市からはいささか距離が離れすぎている。
自分を逮捕するのはいささか困難というものだろう。
そう考えながら、ゲームの内容を聞いて唖然としている孝太郎の姿を想像しつつ、葵はゲームを喋り続ける。
「そうね、ルールとしては簡単よ。宇宙究明学会が再発足するのを防ぐこと……単純明快でしょう?あたしは昌原を殺したから、無理でしょうけど……他のメンバーならどうかしら?今ワイドショーを騒がせている天野と赤川がタッグを組んだら、厄介そうね。新井さんをあなた倒せるの?川岸さんを敵に回すと恐ろしいわよ」
葵は自分以外の幹部の名前を次々に並び立てて、孝太郎の恐怖を煽っていく。
自分に与えられた役割は三原青子東京都知事のために孝太郎たちの目を知事の問題から、この問題に目を逸らさせる事。
それこそが、葵が娑婆に戻ったたった一つの理由である。
「現在、娑婆にいる宇宙究明学会の幹部連中の名前を教えろ」
「残念だけれど、あたしにも分からないの。東京都知事はあたしの目の届かない所から拘置されている人たちを出しているみたいだし……」
孝太郎の落胆する姿が目に浮かぶようだ。葵は思わずに唇を一文字に歪めてしまう。
とにかく、今は笑みが止まらなかったのだ。
「そうだわ! 最後にもう一つ教えておきましょう! 女の嫉妬と執念は怖いものよ! 頑張ってね刑事さん! 」
その言葉を最後に葵からの電話は切られてしまう。
孝太郎は腹立ち紛れに拳を空振りさせる。
孝太郎の右手の拳が空気を少しだけ歪ませた。
「で、石川葵のヤローはなんて言ったんだ?」
「ゲームだとよ。今からゲームをするから、それを当ててみろときやがった」
「ゲーム?」
絵里子が眉を寄せるのも無理はない。石川葵がそんな愉快犯のような事をするだろうと考えたからだ。
石川葵は都内有数の理科系大学を優秀な成績で卒業して、その大学の学院でも博士課程も取得したが、そこではあまり人付き合いが良くなかったと言う話を聞く。
彼女は頭も良くて、美人だが、ずっと講義以外の事は昌原と宇宙究明学会に関する事ばかりだったので、葵と同じ研究所の人々は辟易してしまったと言う。
そんな葵が自分たちへの復讐のためだけにこんな馬鹿げた事をする筈はない。何か黒幕がいる筈だと姉は考えたくなってしまったのだろう。
気持ちは分かる。だが、どんな勢力が葵の背後にいるのかは分からないのだ。
今は気持ちを落ち着けるべきではないのだろうか。
孝太郎が絵里子にそう提案しようとした時だ。
再び孝太郎の携帯端末のバイブ音が鳴り響く。
「孝太郎だな?」
「どうしたんだ?慎太郎?」
今度の電話の相手は孝太郎のかつての捜査における相棒竹宮慎太郎であった。
彼はJIOに所属するエージェントの1人であり、かつては孝太郎が制服警官時代にタッグを組んだ事があり、それ以来孝太郎と友人付き合いをしている男だった。
慎太郎は相変わらずの屈託の無い声で、
「決まってるだろ?街で伝えられている噂だよ。おれも少し前に宇宙究明学会の東信徒庁潰しに奔走していたからな。東信徒庁の一斉摘発が行われてからも、おれは独自に宇宙究明学会がどう出るかを調査していたんだ」
「それで?」
「驚くべき事が分かったんだよ。北海道道場のあたりに他の弟子たちの救出目的に訪れるらしいな」
「誰が?」
「知らなかったのか?ロシアにおける宇宙究明学会の大物ボリス・レオニード……奴が東京都知事三原青子の手引きによって、来るらしい。何でも奴は白籠市の昌原道明邸を訪れてから、仲間が捕らえられている拘置所に向かうらしい」
孝太郎はその言葉に思わず絶句してしまう。まさか、ロシアまでもこれから起こるであろうゲームに関わっていたとは。いや、それだけでは無い。
慎太郎は何と言ったのだろう。都知事?三原青子がこの件に関わっているのだろうか。
孝太郎は再度慎太郎に聞き返す。
慎太郎は真剣な声で孝太郎の言葉を首肯する。
「クソッタレ、あの都知事がまた関わっていたのか?」
「そうだ。あの都知事も色々な事をやっていたからな、田山浩三郎は歴代の東京都知事に媚を売って、自分の犯罪を目溢ししてもらっていたが、その中でも一番田山と密接に関わっていた知事が三原だ。それだけじゃあない、九頭龍の小野良美に賭け金のことを教えたのは、アイツだ。お陰で今年の大会は色々と起こっちまった」
孝太郎はここ最近に起きた大きな事件の黒幕を知る。
彼女は東京都知事という立場を活かして、自分たちの目を別の事件に向けさせていたのだろう。
孝太郎は無意識のうちに拳を震わせてしまう。
「とにかく、ありがとうよ。恩にきるよ」
「まあな、スパイで培った技術を活かせば、こんなものだろうさ」
慎太郎はそう言って電話を切る。孝太郎は携帯アプリが、もう慎太郎に繋がっていない事を確認すると、室内にいた全員に向き直り、
「いいか、おれ達の今からの目的はたった一つ……宇宙究明学会の再結成を阻止して、三原青子を監獄に送る事! それだけだ……」
その言葉に全員が首を縦に動かす。
「よし、慎太郎の電話によると、宇宙究明学会の大物が拘置所の前に寄るのは、白籠市にある昌原道明邸だ……。恐らく、まだ拘置所の方で事件は起きていない筈だから、奴はまだ拘置所には行っていないだろうからな、昌原道明邸にいるだろうさ」
孝太郎は自分の推理が当たっている事を祈りつつ、白籠市の郊外に位置する昌原道明邸跡へと向かう。
「素晴らしい……これが、昌原道明会長の屋敷……」
既に昌原道明の家は取り壊し作業に入っているが、ボリスはそんな事はお構いなしに昌原が住んでいた土地に魅入られていた。
ボリスが更に近付こうと足を踏み出そうとした時だ。背後から低い声が聞こえた。
「な、何者だね?」
「ボリス・レオニードさんでしょうか?警察の方でお話があるのですが……」
ボリスは何故自分の情報が日本にバレているのかと冷や汗をかいてしまう。
あの施設で演説を行ってから、既に1日という時間が経過しているが、誰が自分たちの情報をリークしたのだろう。
ボリスは一瞬だけ悩んだ表情を見せたが、すぐにその顔は怒りに変わっていく。
孝太郎はボリスが何故怒っているのかが理解できなかったが、それは当たり前とも言えるだろう。
この怒りの原因はボリスにしか分からなかったのだから。
ボリスの怒りを向けた相手はモスクワ支部の支部長である。
元から、支部長は昌原に反抗的な天野の影響を受けたためだろうか、昌原の強硬姿勢に反抗的であった。
ボリスはそんな支部長と何度も意見を衝突させ、喧嘩別れしてから、自分の言う事に賛同する信者を集めて日本に向かったと言うのに。
ボリスは怒りのあまりに頭がどうかなってしまいそうだった。
孝太郎の方に不機嫌な顔で向き合いながら、
「どうしたんですかな?私はこの建物を見つめていただけですが……」
「この建物は取り壊し中ですよ。あのショベルカーやらクレーン車やらが見えないのですか?」
孝太郎の指摘にボリスは言葉を詰まらせてしまう。
宇宙究明学会の信者だと今、警察にバラすのもどうだろうと考えた、ボリスは苦笑いを浮かべながら、
「そうだ! 日本へは初めて来たから、道を間違えていたんだッ!それで、休憩がてらにこの光景を見つめていたんだよ」
だが、ボリスの必至の言い訳にも関わらずに孝太郎は懐疑的な目で見つめ続けるばかりだった。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
サクラメント[赦しの秘跡]~楽園15~
志賀雅基
SF
◆アサガオの種が視る夢/1ペタバイトの情報で得た秘跡/続きを俺は抹消する◆
惑星警察刑事×テラ連邦軍別室員Part15[全48話]
上流階級のみに出回っていた違法ドラッグが広まり始めた。シドとハイファは製造元の星系へ。その製薬会社でシドは六歳の時に宙艦事故で死んだ家族が電脳世界で生きているのを見る。彼らを収めたメディアをアンドロイドに載せる計画だがテラでアンドロイドは製作禁止物。何を以て人とするか。法は、倫理は、そしてシドの答えは……?
▼▼▼
【シリーズ中、何処からでもどうぞ】
【全性別対応/BL特有シーンはストーリーに支障なく回避可能です】
【Nolaノベル・小説家になろう・ノベルアップ+・ステキブンゲイにR無指定版/エブリスタにR15版を掲載】
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
【完結】新人機動隊員と弁当屋のお姉さん。あるいは失われた五年間の話
古都まとい
ライト文芸
【第6回ライト文芸大賞 奨励賞受賞作】
食べることは生きること。食べるために生きているといっても過言ではない新人機動隊員、加藤将太巡査は寮の共用キッチンを使えないことから夕食難民となる。
コンビニ弁当やスーパーの惣菜で飢えをしのいでいたある日、空きビルの一階に弁当屋がオープンしているのを発見する。そこは若い女店主が一人で切り盛りする、こぢんまりとした温かな店だった。
将太は弁当屋へ通いつめるうちに女店主へ惹かれはじめ、女店主も将太を常連以上の存在として意識しはじめる。
しかし暑い夏の盛り、警察本部長の妻子が殺害されたことから日常は一変する。彼女にはなにか、秘密があるようで――。
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
VRMMOで神様の使徒、始めました。
一 八重
SF
真崎宵が高校に進学して3ヶ月が経過した頃、彼は自分がクラスメイトから避けられている事に気がついた。その原因に全く心当たりのなかった彼は幼馴染である夏間藍香に恥を忍んで相談する。
「週末に発売される"Continued in Legend"を買うのはどうかしら」
これは幼馴染からクラスメイトとの共通の話題を作るために新作ゲームを勧められたことで、再びゲームの世界へと戻ることになった元動画配信者の青年のお話。
「人間にはクリア不可能になってるって話じゃなかった?」
「彼、クリアしちゃったんですよね……」
あるいは彼に振り回される運営やプレイヤーのお話。
ラストフライト スペースシャトル エンデバー号のラスト・ミッショ
のせ しげる
SF
2017年9月、11年ぶりに大規模は太陽フレアが発生した。幸い地球には大きな被害はなかったが、バーストは7日間に及び、第24期太陽活動期中、最大級とされた。
同じころ、NASAの、若い宇宙物理学者ロジャーは、自身が開発したシミレーションプログラムの完成を急いでいた。2018年、新型のスパコン「エイトケン」が導入されテストプログラムが実行された。その結果は、2021年の夏に、黒点が合体成長し超巨大黒点となり、人類史上最大級の「フレア・バースト」が発生するとの結果を出した。このバーストは、地球に正対し発生し、地球の生物を滅ぼし地球の大気と水を宇宙空間へ持ち去ってしまう。地球の存続に係る重大な問題だった。
アメリカ政府は、人工衛星の打ち上げコストを削減する為、老朽化した衛星の回収にスペースシャトルを利用するとして、2018年の年の暮れに、アメリカ各地で展示していた「スペースシャトル」4機を搬出した。ロシアは、旧ソ連時代に開発し中断していた、ソ連版シャトル「ブラン」を再整備し、ISSへの大型資材の運搬に使用すると発表した。中国は、自国の宇宙ステイションの建設の為シャトル「天空」を打ち上げると発表した。
2020年の春から夏にかけ、シャトル七機が次々と打ち上げられた。実は、無人シャトル六機には核弾頭が搭載され、太陽黒点にシャトルごと打ち込み、黒点の成長を阻止しようとするミッションだった。そして、このミッションを成功させる為には、誰かが太陽まで行かなければならなかった。選ばれたのは、身寄りの無い、60歳代の元アメリカ空軍パイロット。もう一人が20歳代の日本人自衛官だった。この、二人が搭乗した「エンデバー号」が2020年7月4日に打ち上げられたのだ。
本作は、太陽活動を題材とし創作しております。しかしながら、このコ○ナ禍で「コ○ナ」はNGワードとされており、入力できませんので文中では「プラズマ」と表現しておりますので御容赦ください。
この物語はフィクションです。実際に起きた事象や、現代の技術、現存する設備を参考に創作した物語です。登場する人物・企業・団体・名称等は、実在のものとは関係ありません。
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
♀→♂への異世界転生~年上キラーの勝ち組人生、姉様はみんな僕の虜~
高嶺 蒼
ファンタジー
痴情のもつれ(?)であっさり29歳の命を散らした高遠瑞希(♀)は、これまたあっさりと異世界転生を果たす。生まれたばかりの超絶美形の赤ん坊・シュリ(♂)として。
チートらしきスキルをもらったはいいが、どうも様子がおかしい。
[年上キラー]という高威力&変てこなそのスキルは、彼女を助けてくれもするが厄介ごとも大いに運んでくれるスキルだった。
その名の通り、年上との縁を多大に結んでくれるスキルのおかげで、たくさんのお姉様方に過剰に愛される日々を送るシュリ。
変なスキルばかり手に入る日々にへこたれそうになりつつも、健全で平凡な生活を夢見る元女の非凡な少年が、持ち前の性格で毎日をのほほんと生きていく、そんなお話です。
どんなに変てこなお話か、それは読んでみてのお楽しみです。
感想・ブックマーク・評価などなど、気が向いたらぜひお願いします♪
頂いた感想はいつも楽しみに読ませていただいています!!!
※ほんのりHな表現もあるので、一応R18とさせていただいてます。
※前世の話に関しては少々百合百合しい内容も入ると思います。苦手な方はご注意下さい。
※他に小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる