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聖杯争奪戦編
大坂の陣ーその②
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「う、うう……」
一人の制服警官が大阪城の天守閣の一室で、胸を押さえて倒れ込む。彼は聖杯の欠片を賊から守るためにビッグ・オオサカから派遣された有望な警察官であったのだが、一人の男の前にはなす術もない。ただ、倒れる事しか出来なかったのだ。それくらい、警察官を倒した男の魔法は強力であったのだ。
「悪いな、この大阪城の聖杯の欠片は我々宇宙究明学会の物として使わせてもらうぞ」
ネズミ顔の男は倒れた警察官を見下ろしながら言った。男は警察官を倒すために使ったであろう赤の球体を引っ込め、聖杯の欠片に触れた。
「素晴らしい、これが時を操る魔法の聖杯の欠片……」
赤川友信がグレーのスーツの胸ポケットに聖杯の欠片を仕舞った、まさにその時に……。
「動くなッ!警察だッ!赤川友信! お前を殺人未遂と窃盗の現行犯で逮捕するッ!」
と、聖杯の欠片が保管されている大阪城の旧開かずの間の赤い木の扉が破れる音がした。銃を掲げた四人の男女が50畳はありそうな和室に侵入する。赤川友信には銃を掲げているメンバーに見覚えがあった。そう、一番先頭で、赤川を威嚇していたのは、白籠市のアンタッチャブルのリーダーたる中村孝太郎であった。彼の背後を同じく銃を掲げた3人の女性が立っていた。
「私が何かしたとでも言うのか?」
赤川は何も悪い事はしていないとばかりに居直る子供のように開き直った顔で、孝太郎に問い掛ける。
「惚けるのはよせよ、お前はここにある聖杯の欠片を奪って、昌原道明の野望に貢献しようとしていた、そのオレの考えに間違いは無いはずだが?」
「考え?そんなもので、私を逮捕するのかい?言っておくが、この件は警察の横暴以外の何者でも無いぞッ!国家による宗教弾圧とでも言えば、周りの人々は納得するだろうなッ!」
赤川の言葉には説得力がある。確かに、自分が朝に宇宙究明学会か、或いはロシア人の過激派が聖杯の欠片を入手しに、ここに来るのだろうと踏んではいた。だが、もし孝太郎の推理が外れていたとしたら?
もし、赤川が何か別の目的でやって来たのだと、強く訴えたら?孝太郎にはどうする事もできないだろう。実家との縁が強ければ、何とかなるだろうかもしれないだろが、孝太郎は実家から縁を切られており、実家のコネクションが使えないのは火を見るよりも明らか。だとすれば訴えた赤川の方が有利なのではないか?孝太郎がそんな考えを抱き始めた時……。
「待ってください! 孝太郎さんは間違っていないと、思います! 」
孝太郎の弁護を始めたのは、チーム一の頭脳派倉本明美だった。明美は緊張のためか、両手を軽く震わせている。
その様子を赤川も見たのだろう。勝利を確信したような笑みを浮かべていた。
「根拠を示してくださいよ、法廷では根拠が全てなんですよ、そして、私は宇宙究明の弁護士としての……」
だが、その言葉は最後まで発せられなかった。聡子が大声で叫んだためである。
「ごちゃごちゃうるせぇなッ!今、明美が話してんだろうがッ!黙って聞きやがれッ!」
聡子の20世紀後半に流行ったスケバンドラマの主人公のような声で、怒鳴ったのと、聡子が依然リボルバーを自分の額に狙いを定めているというのも手伝ったのだろう。赤川は石のように黙り込む。
「まず、あなた方がどうして、大阪城にやって来たのかという点です。観光に来た?いいえ、違いますね、それならば、何故9時というまだ開いてもいない時間に観光客の立ち入りが制限されている開かずの間に来るのでしょうか?」
赤川はこれについては言い訳ができないと考えたのだろう。明美から視線を逸らす。
明美は赤川の変化には気が付いたのだが、敢えて黙っておく。ここで、突っ込んではまた赤川が何か言いそうだから。
「第2にわたし達はその部屋の金庫が破られているのを今、この場でも確認できます。開けたのは誰、警備をしていた警察官?違う、彼らは倒れているのですから、となると、誰?」
明美はまさに探偵ドラマの探偵のように大袈裟に首を横に振ってみせる。孝太郎にはその時に垣間見た明美の表情が健やかなのを確認し、そして確信した意地の悪い人だ、と。
それとは対照的なのが、部屋の真ん中で立っていた赤川友信であった。みるみるうちに顔から血の気が失せていく。
「あなたよ、赤川友信さん! あなたがこの金庫を破って、中にあった聖杯の欠片を強奪したのよッ!」
赤川は歯をギリギリと唸らせる。そして、親の仇でも見るかのような目で明美を睨み付ける。何なのだ、この小娘はとも言わんばかりに。
だが、赤川には最後の切り札があった。
「憶測だッ!お前らには証拠がない! これ以上私に濡れ衣を着せるのなら、法廷でお前らを……」
と、ここで孝太郎が有無を言わせずに胸ポケットがあるであろう、胸囲に銃口を向ける。
「何なら、試してみるか?あんたの胸ポケットには聖杯の欠片が入っている筈だからな、オレが弾を撃っても、助かる筈さ」
何て、乱暴な奴らだと、怒りを隠し得ない。勿論、孝太郎の言う通り、自分の胸ポケットには聖杯の欠片がある。撃たれても恐らく弾丸は欠片に吸収されるだろう。だが、聖杯の欠片を破壊し、昌原道明会長に怒鳴られるのだけは避けたい。赤川にとっての目下の大問題はその事だけであったから。きっと、昌原会長は自分のミスで欠片を破壊したのだと知ったら、きっと自分を宇宙に返せと周りの信者に命令するだろう。それだけは嫌なのだ。何があっても、昌原会長の信頼を失う事だけはあってはならない。
赤川が孝太郎に内緒で、赤の球体を浮かせる。だが、孝太郎はそんな微かな変化にも気付いてしまう。リボルバーの撃鉄を鳴らし、引き金に手を当てて叫ぶ。
「今すぐ、その魔法を停止させろッ!」
「断るッ!この聖杯の欠片は昌原道明会長の野望を実現させるために必要なのだッ!お前には分からんだろうがなッ!」
赤川は暗黒時代のギリシャの演説家が自分の演説に酔いしれるかのように、空いた左手を胸に抑えて、理性を吹き飛ばす勢いで、叫んでいる。
「そうか、なら力尽くでも止めてやる……」
孝太郎が銃を武器保存に戻し、自分の破壊の魔法で赤川に立ち向かおうとした、まさにその時だ。
「遅い、その拳銃はオレのものだッ!」
そんな心地よいアルトの声が孝太郎たちの背後から聞こえ、それが、部屋の中に響くのと同時に、孝太郎の銃がその場から消失した。一体、何事だろうか。孝太郎がその声のした背後へと振り向くと。
「この拳銃は貰ったぞ」
と、一人のロシア人の男が孝太郎が先程まで持っていた拳銃を触りながら呟く。
「おっ、お前一体何者だ……?」
赤川は震える指でロシア人の男を指差す。
「イワン・トロツキー。お前に殺されたセレブロの同胞さ」
セレブロの言葉を聞き、赤川は思わず生唾を飲み込む。まさか、あの男の仲間が報復に訪れるなんて……。
赤川が赤の球体を男にぶつけようとした時だ。イワン・トロツキーを名乗る男が赤川の頭に狙いを定めるのを孝太郎は目撃した。咄嗟に赤川にタックルし、彼を横転させ、イワンが放つ銃弾から救う。
「後、一歩だったのにな」
イワンは心底残念だと言う表情を浮かべながら、孝太郎を見下すように見ていた。
「あんたが宇宙究明学会の連中ならびにこの男に家族を殺されたのは、心底同情するよ、だけれど、法でこの男に対処するべきだと思うぜ」
孝太郎の言葉にイワンは一瞬だけ、表情を曇らせたが、すぐに冷徹な鬼のような顔を取り戻す。
「悪いが、その男は私が殺す、そして、聖杯も我々が頂こうか」
「断ると言ったら?」
「お前も死ぬ事になるな」
イワンの銃口が自分と赤川の両方に向けられている事から、本気だというのは孝太郎にも理解できた。
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ネズミ顔の男は倒れた警察官を見下ろしながら言った。男は警察官を倒すために使ったであろう赤の球体を引っ込め、聖杯の欠片に触れた。
「素晴らしい、これが時を操る魔法の聖杯の欠片……」
赤川友信がグレーのスーツの胸ポケットに聖杯の欠片を仕舞った、まさにその時に……。
「動くなッ!警察だッ!赤川友信! お前を殺人未遂と窃盗の現行犯で逮捕するッ!」
と、聖杯の欠片が保管されている大阪城の旧開かずの間の赤い木の扉が破れる音がした。銃を掲げた四人の男女が50畳はありそうな和室に侵入する。赤川友信には銃を掲げているメンバーに見覚えがあった。そう、一番先頭で、赤川を威嚇していたのは、白籠市のアンタッチャブルのリーダーたる中村孝太郎であった。彼の背後を同じく銃を掲げた3人の女性が立っていた。
「私が何かしたとでも言うのか?」
赤川は何も悪い事はしていないとばかりに居直る子供のように開き直った顔で、孝太郎に問い掛ける。
「惚けるのはよせよ、お前はここにある聖杯の欠片を奪って、昌原道明の野望に貢献しようとしていた、そのオレの考えに間違いは無いはずだが?」
「考え?そんなもので、私を逮捕するのかい?言っておくが、この件は警察の横暴以外の何者でも無いぞッ!国家による宗教弾圧とでも言えば、周りの人々は納得するだろうなッ!」
赤川の言葉には説得力がある。確かに、自分が朝に宇宙究明学会か、或いはロシア人の過激派が聖杯の欠片を入手しに、ここに来るのだろうと踏んではいた。だが、もし孝太郎の推理が外れていたとしたら?
もし、赤川が何か別の目的でやって来たのだと、強く訴えたら?孝太郎にはどうする事もできないだろう。実家との縁が強ければ、何とかなるだろうかもしれないだろが、孝太郎は実家から縁を切られており、実家のコネクションが使えないのは火を見るよりも明らか。だとすれば訴えた赤川の方が有利なのではないか?孝太郎がそんな考えを抱き始めた時……。
「待ってください! 孝太郎さんは間違っていないと、思います! 」
孝太郎の弁護を始めたのは、チーム一の頭脳派倉本明美だった。明美は緊張のためか、両手を軽く震わせている。
その様子を赤川も見たのだろう。勝利を確信したような笑みを浮かべていた。
「根拠を示してくださいよ、法廷では根拠が全てなんですよ、そして、私は宇宙究明の弁護士としての……」
だが、その言葉は最後まで発せられなかった。聡子が大声で叫んだためである。
「ごちゃごちゃうるせぇなッ!今、明美が話してんだろうがッ!黙って聞きやがれッ!」
聡子の20世紀後半に流行ったスケバンドラマの主人公のような声で、怒鳴ったのと、聡子が依然リボルバーを自分の額に狙いを定めているというのも手伝ったのだろう。赤川は石のように黙り込む。
「まず、あなた方がどうして、大阪城にやって来たのかという点です。観光に来た?いいえ、違いますね、それならば、何故9時というまだ開いてもいない時間に観光客の立ち入りが制限されている開かずの間に来るのでしょうか?」
赤川はこれについては言い訳ができないと考えたのだろう。明美から視線を逸らす。
明美は赤川の変化には気が付いたのだが、敢えて黙っておく。ここで、突っ込んではまた赤川が何か言いそうだから。
「第2にわたし達はその部屋の金庫が破られているのを今、この場でも確認できます。開けたのは誰、警備をしていた警察官?違う、彼らは倒れているのですから、となると、誰?」
明美はまさに探偵ドラマの探偵のように大袈裟に首を横に振ってみせる。孝太郎にはその時に垣間見た明美の表情が健やかなのを確認し、そして確信した意地の悪い人だ、と。
それとは対照的なのが、部屋の真ん中で立っていた赤川友信であった。みるみるうちに顔から血の気が失せていく。
「あなたよ、赤川友信さん! あなたがこの金庫を破って、中にあった聖杯の欠片を強奪したのよッ!」
赤川は歯をギリギリと唸らせる。そして、親の仇でも見るかのような目で明美を睨み付ける。何なのだ、この小娘はとも言わんばかりに。
だが、赤川には最後の切り札があった。
「憶測だッ!お前らには証拠がない! これ以上私に濡れ衣を着せるのなら、法廷でお前らを……」
と、ここで孝太郎が有無を言わせずに胸ポケットがあるであろう、胸囲に銃口を向ける。
「何なら、試してみるか?あんたの胸ポケットには聖杯の欠片が入っている筈だからな、オレが弾を撃っても、助かる筈さ」
何て、乱暴な奴らだと、怒りを隠し得ない。勿論、孝太郎の言う通り、自分の胸ポケットには聖杯の欠片がある。撃たれても恐らく弾丸は欠片に吸収されるだろう。だが、聖杯の欠片を破壊し、昌原道明会長に怒鳴られるのだけは避けたい。赤川にとっての目下の大問題はその事だけであったから。きっと、昌原会長は自分のミスで欠片を破壊したのだと知ったら、きっと自分を宇宙に返せと周りの信者に命令するだろう。それだけは嫌なのだ。何があっても、昌原会長の信頼を失う事だけはあってはならない。
赤川が孝太郎に内緒で、赤の球体を浮かせる。だが、孝太郎はそんな微かな変化にも気付いてしまう。リボルバーの撃鉄を鳴らし、引き金に手を当てて叫ぶ。
「今すぐ、その魔法を停止させろッ!」
「断るッ!この聖杯の欠片は昌原道明会長の野望を実現させるために必要なのだッ!お前には分からんだろうがなッ!」
赤川は暗黒時代のギリシャの演説家が自分の演説に酔いしれるかのように、空いた左手を胸に抑えて、理性を吹き飛ばす勢いで、叫んでいる。
「そうか、なら力尽くでも止めてやる……」
孝太郎が銃を武器保存に戻し、自分の破壊の魔法で赤川に立ち向かおうとした、まさにその時だ。
「遅い、その拳銃はオレのものだッ!」
そんな心地よいアルトの声が孝太郎たちの背後から聞こえ、それが、部屋の中に響くのと同時に、孝太郎の銃がその場から消失した。一体、何事だろうか。孝太郎がその声のした背後へと振り向くと。
「この拳銃は貰ったぞ」
と、一人のロシア人の男が孝太郎が先程まで持っていた拳銃を触りながら呟く。
「おっ、お前一体何者だ……?」
赤川は震える指でロシア人の男を指差す。
「イワン・トロツキー。お前に殺されたセレブロの同胞さ」
セレブロの言葉を聞き、赤川は思わず生唾を飲み込む。まさか、あの男の仲間が報復に訪れるなんて……。
赤川が赤の球体を男にぶつけようとした時だ。イワン・トロツキーを名乗る男が赤川の頭に狙いを定めるのを孝太郎は目撃した。咄嗟に赤川にタックルし、彼を横転させ、イワンが放つ銃弾から救う。
「後、一歩だったのにな」
イワンは心底残念だと言う表情を浮かべながら、孝太郎を見下すように見ていた。
「あんたが宇宙究明学会の連中ならびにこの男に家族を殺されたのは、心底同情するよ、だけれど、法でこの男に対処するべきだと思うぜ」
孝太郎の言葉にイワンは一瞬だけ、表情を曇らせたが、すぐに冷徹な鬼のような顔を取り戻す。
「悪いが、その男は私が殺す、そして、聖杯も我々が頂こうか」
「断ると言ったら?」
「お前も死ぬ事になるな」
イワンの銃口が自分と赤川の両方に向けられている事から、本気だというのは孝太郎にも理解できた。
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