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第三部『終焉と破滅と』
最上真紀子の場合ーその18
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「……で、だ。どうして我々がこんな場所に呼び出されたのかを尋ねたい」
柄の悪い顔をした壮年の顔の男性が同じく柄の悪い顔をした中年の男性に問い掛けた。
服装は壮年の男性が和服で、中年の男性がスーツ姿と対照的であったが、顔が同じ様に強面であったために通常の人間から見ればどちらも恐ろしかったに違いない。それもその筈、この二人は暴力団の組長なのである。それも関西でも一二を争う大手暴力団の。
壮年の男性が指示を出せば多くの組員たちが動いていく。
そんな男が中年男性を睨み付けたのだが、中年の男性とて負けてはいない。
というのも、彼が率いる組織は目の前の壮年の男性と匹敵する程の規模の組織であるからだ。故に二人は対等の立場にあると言ってもいい。
その上で、中年の男が壮年の男に偉そうに言わせているのは礼儀からである。
極道の世界では礼儀というのが重視される。故に歳上を立てているのだ。
彼自身も呼び出された理由の人物がわからなくて、曖昧な態度を取り続けていたのだが、その態度が気に食わなかったのだろう。壮年の男性はホテルの一室に置かれた机を強く叩いて中年の男性を怒鳴り付けていく。
「いい加減にしねぇか!この野郎ッ!そのハッキリしない態度が気にいらねぇぜッ!」
「わかりましたよ!じゃあ、私の方からもハッキリと言わせてもらいますよッ!私だって誰にどうして呼び出されのかーー」
「お呼び立てしたのは私ですわ」
中年の組長が激昂したものの突然背後から現れた女性が答えたのである。
「なんだテメェは!」
壮年の男性は自分たちを呼び出した女性に激昂したが、すぐにその顔を見て彼女が誰であるのかを悟った。
「ま、まさか、オメェは……」
「お久し振りです。菊岡秀子です」
彼女は丁寧に頭を下げたが、中年の男性は人差し指と声の両方を震わせながら小さな声を絞り出す様に呟いていく。
「菊岡秀子っていうのは偽名だった筈だ……あんたの本当の名前は最上真紀子……」
「フフッ、私のニュースを見ていてくださったんですね。光栄です」
秀子いや、真紀子は優しげな微笑を浮かべながら頭を下げたが、その姿を見て二人の組長はたじろぐしかなかった。
「……さて、本題に移させていただきましょうか。私無事に希空様のボディガードのお仕事を務め終える事ができまして、再びこの大阪の暗黒街の代表を務めさせていただく事になりました。つきましては大阪の中でも指折りの暴力団の組長であるあなた方に顔見せの意味で呼び出させていただいたのです」
二人の組長はそれを聞いて暫くの間真紀子を見つめていたが、やがて鋭い瞳で真紀子を睨み付けると言った。
「……また、あんたは例のパーティーを開くのかね?悪いが、うちの組織はもう既に新しい利権を獲得してしまってね。あの子たちは既に別の事業に使わせてもらっているよ」
「マスコミの見張りもやる余力がないんだ。外国のマフィアどもが最近は熱心に進出してきやがるからな」
中年の組長が忌々しげに吐き捨てる。
「……クックッ、外国のマフィア?そんなものを今更私が気にするとでも思われましたの?あなた様を再び私の傘下に加えるのですから、ただでいくとは思っておりませんでしたわ。故に、私手土産を用意して参りましたの」
真紀子は人差し指を鳴らし、入り口の前に待機していた部下を部屋の中に入れる。
真紀子の部下と思われる黒い服の男性は両手に布にかけられたものを持っている。美術品か何かなのだろうか。丁寧にカバーが掛けられている。それが机の上に置かれると、カバーが取り払われ、二人を大いに驚愕させた。
「こ、これは……」
「まさしく、皆様方を苦しめておられた南米マフィアの支部長カルロス・ベラスコ・イバラの首ですわ。どうかご検分くださいませ」
真紀子は机の上で両手の指を合わせて、丁寧に頭を下げていく。
二人の組長は手元の写真を見て、間違いなくその男が南米マフィアのボスであるという事を確認したのであった。
「し、しかし、お前はどうやってその男の首を?」
驚愕する中年の男性に対して、誘惑するかの様に唇の近く人差し指を当て、艶美な美しさを放つ笑みを浮かべながら言った。
「それは極秘にさせていただきますわ。それと手土産はこれだけではございませんのよ」
真紀子は再び男性ならば誰でも喜びかねない妖艶な笑みを浮かべた後に懐から一枚の書類を差し出す。
「こ、これは?」
「隣の京都府における麻薬利権に参入する許可証ですわ。つい先日京都の暗黒街にて話をつけて参りましたので、ここを足掛かりに大阪における御二方の組の力を増大させるのも一興かと」
二人の組長は顔を見合わせた。それは歓喜の表情に満ち溢れていた。
なにせ、少し前まで自分たちを率いていた菊岡秀子という女性が戻り、挙句の果てに素晴らしい手土産まで持参して戻ってきたのだから。
二人の組長はすぐに真紀子を迎え入れ、自分たちにとっての新たなリーダーとして迎え入れる事を了承したのである。
真紀子は再び麻薬と色とを手に成り上がるための力を手に入れた事になるのである。
真紀子は新たに購入したマンションの一室で赤ワインを片手に窓の外に広がる夜景を見て、口元を綻ばせていく。
自分は再び成り上がる事ができた。二度の逮捕を経験したが、それでもまた復活し、かつての栄光を取り戻した。
真紀子は殆ど家具のない。それでいて広々とした自身のマンションを眺めながら一人で笑う。
暴力団とのコネは取り返した。次は政治家や社長だ。パーティーそのものは自身の逮捕でお開きとなってしまったが、顧客リストは真紀子の頭の中にあった。
そればかりか、パーティーの姿を隠し撮りした映像も信頼できる場所に隠してある。あの映像があれば脅迫のネタには十分だろう。
真紀子は手元のスマートフォンを操作して、次々と電話を掛けていく。
最初の出だしはいつも同じであった。
『こんばんは。夜分遅くに失礼します。菊岡秀子と申します。少し先生にご相談がありますの。いいや、先生惚けないでくださいませ、例のパーティーの件の事ですよ』
その一言で政治家や社長は背筋を凍らせているだろう。加えて直接出るのではなく、秘書に取り次ぎなどをやらせていたら間違いなく焦る。
真紀子は意地の悪い笑みを浮かべながら、かつての自身の勢力図を取り戻していくのであった。
思えば大阪に着いてからというものは大変であった。その足で南米マフィアの壊滅に向かったり、京都府の暗黒街に乗り込んで手土産の用意をしたり、ホテルの予約を取って会合のセッティングを行なったりして、かつての自身の勢力を取り戻すための努力を行ったのであった。
真紀子はここ数日の涙ぐましい努力を思い返し、ニヤニヤとした笑みを浮かべていると、不意に自身のスマートフォンに着信が入った。
政治家や社長から折り返しの電話が来たのかと思って、歓喜の表情を浮かべた真紀子が電話を取ると、その電話はあろう事か神通恭介からのものであったのだ。
真紀子は舌を打ち、不機嫌さを態度に表しながらも電話を受け取った。
「おい、神通。テメェ何の用だよ?あたしは忙しいんだよ」
『悪い、明日空いてるか?重要な話があるんだ。それは世界を救うための話でな、長晟剛教授によるとーー』
真紀子は舌を打ち、長くなりそうな恭介の話を無理矢理に遮ったのである。
「ざけんな、いきなり電話を掛けてきた挙句にいきなり訳のわからねぇ事をピーチクパーチクほざきやがって、あたしは明日忙しいんだよッ!」
真紀子は乱暴にスマートフォンを切り、グラスの中に残っていたワインを飲み干していく。
今日は気分がよかったのに最後の最後で不愉快にさせられ、真紀子は心底から苛々とさせられたのだった。
柄の悪い顔をした壮年の顔の男性が同じく柄の悪い顔をした中年の男性に問い掛けた。
服装は壮年の男性が和服で、中年の男性がスーツ姿と対照的であったが、顔が同じ様に強面であったために通常の人間から見ればどちらも恐ろしかったに違いない。それもその筈、この二人は暴力団の組長なのである。それも関西でも一二を争う大手暴力団の。
壮年の男性が指示を出せば多くの組員たちが動いていく。
そんな男が中年男性を睨み付けたのだが、中年の男性とて負けてはいない。
というのも、彼が率いる組織は目の前の壮年の男性と匹敵する程の規模の組織であるからだ。故に二人は対等の立場にあると言ってもいい。
その上で、中年の男が壮年の男に偉そうに言わせているのは礼儀からである。
極道の世界では礼儀というのが重視される。故に歳上を立てているのだ。
彼自身も呼び出された理由の人物がわからなくて、曖昧な態度を取り続けていたのだが、その態度が気に食わなかったのだろう。壮年の男性はホテルの一室に置かれた机を強く叩いて中年の男性を怒鳴り付けていく。
「いい加減にしねぇか!この野郎ッ!そのハッキリしない態度が気にいらねぇぜッ!」
「わかりましたよ!じゃあ、私の方からもハッキリと言わせてもらいますよッ!私だって誰にどうして呼び出されのかーー」
「お呼び立てしたのは私ですわ」
中年の組長が激昂したものの突然背後から現れた女性が答えたのである。
「なんだテメェは!」
壮年の男性は自分たちを呼び出した女性に激昂したが、すぐにその顔を見て彼女が誰であるのかを悟った。
「ま、まさか、オメェは……」
「お久し振りです。菊岡秀子です」
彼女は丁寧に頭を下げたが、中年の男性は人差し指と声の両方を震わせながら小さな声を絞り出す様に呟いていく。
「菊岡秀子っていうのは偽名だった筈だ……あんたの本当の名前は最上真紀子……」
「フフッ、私のニュースを見ていてくださったんですね。光栄です」
秀子いや、真紀子は優しげな微笑を浮かべながら頭を下げたが、その姿を見て二人の組長はたじろぐしかなかった。
「……さて、本題に移させていただきましょうか。私無事に希空様のボディガードのお仕事を務め終える事ができまして、再びこの大阪の暗黒街の代表を務めさせていただく事になりました。つきましては大阪の中でも指折りの暴力団の組長であるあなた方に顔見せの意味で呼び出させていただいたのです」
二人の組長はそれを聞いて暫くの間真紀子を見つめていたが、やがて鋭い瞳で真紀子を睨み付けると言った。
「……また、あんたは例のパーティーを開くのかね?悪いが、うちの組織はもう既に新しい利権を獲得してしまってね。あの子たちは既に別の事業に使わせてもらっているよ」
「マスコミの見張りもやる余力がないんだ。外国のマフィアどもが最近は熱心に進出してきやがるからな」
中年の組長が忌々しげに吐き捨てる。
「……クックッ、外国のマフィア?そんなものを今更私が気にするとでも思われましたの?あなた様を再び私の傘下に加えるのですから、ただでいくとは思っておりませんでしたわ。故に、私手土産を用意して参りましたの」
真紀子は人差し指を鳴らし、入り口の前に待機していた部下を部屋の中に入れる。
真紀子の部下と思われる黒い服の男性は両手に布にかけられたものを持っている。美術品か何かなのだろうか。丁寧にカバーが掛けられている。それが机の上に置かれると、カバーが取り払われ、二人を大いに驚愕させた。
「こ、これは……」
「まさしく、皆様方を苦しめておられた南米マフィアの支部長カルロス・ベラスコ・イバラの首ですわ。どうかご検分くださいませ」
真紀子は机の上で両手の指を合わせて、丁寧に頭を下げていく。
二人の組長は手元の写真を見て、間違いなくその男が南米マフィアのボスであるという事を確認したのであった。
「し、しかし、お前はどうやってその男の首を?」
驚愕する中年の男性に対して、誘惑するかの様に唇の近く人差し指を当て、艶美な美しさを放つ笑みを浮かべながら言った。
「それは極秘にさせていただきますわ。それと手土産はこれだけではございませんのよ」
真紀子は再び男性ならば誰でも喜びかねない妖艶な笑みを浮かべた後に懐から一枚の書類を差し出す。
「こ、これは?」
「隣の京都府における麻薬利権に参入する許可証ですわ。つい先日京都の暗黒街にて話をつけて参りましたので、ここを足掛かりに大阪における御二方の組の力を増大させるのも一興かと」
二人の組長は顔を見合わせた。それは歓喜の表情に満ち溢れていた。
なにせ、少し前まで自分たちを率いていた菊岡秀子という女性が戻り、挙句の果てに素晴らしい手土産まで持参して戻ってきたのだから。
二人の組長はすぐに真紀子を迎え入れ、自分たちにとっての新たなリーダーとして迎え入れる事を了承したのである。
真紀子は再び麻薬と色とを手に成り上がるための力を手に入れた事になるのである。
真紀子は新たに購入したマンションの一室で赤ワインを片手に窓の外に広がる夜景を見て、口元を綻ばせていく。
自分は再び成り上がる事ができた。二度の逮捕を経験したが、それでもまた復活し、かつての栄光を取り戻した。
真紀子は殆ど家具のない。それでいて広々とした自身のマンションを眺めながら一人で笑う。
暴力団とのコネは取り返した。次は政治家や社長だ。パーティーそのものは自身の逮捕でお開きとなってしまったが、顧客リストは真紀子の頭の中にあった。
そればかりか、パーティーの姿を隠し撮りした映像も信頼できる場所に隠してある。あの映像があれば脅迫のネタには十分だろう。
真紀子は手元のスマートフォンを操作して、次々と電話を掛けていく。
最初の出だしはいつも同じであった。
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その一言で政治家や社長は背筋を凍らせているだろう。加えて直接出るのではなく、秘書に取り次ぎなどをやらせていたら間違いなく焦る。
真紀子は意地の悪い笑みを浮かべながら、かつての自身の勢力図を取り戻していくのであった。
思えば大阪に着いてからというものは大変であった。その足で南米マフィアの壊滅に向かったり、京都府の暗黒街に乗り込んで手土産の用意をしたり、ホテルの予約を取って会合のセッティングを行なったりして、かつての自身の勢力を取り戻すための努力を行ったのであった。
真紀子はここ数日の涙ぐましい努力を思い返し、ニヤニヤとした笑みを浮かべていると、不意に自身のスマートフォンに着信が入った。
政治家や社長から折り返しの電話が来たのかと思って、歓喜の表情を浮かべた真紀子が電話を取ると、その電話はあろう事か神通恭介からのものであったのだ。
真紀子は舌を打ち、不機嫌さを態度に表しながらも電話を受け取った。
「おい、神通。テメェ何の用だよ?あたしは忙しいんだよ」
『悪い、明日空いてるか?重要な話があるんだ。それは世界を救うための話でな、長晟剛教授によるとーー』
真紀子は舌を打ち、長くなりそうな恭介の話を無理矢理に遮ったのである。
「ざけんな、いきなり電話を掛けてきた挙句にいきなり訳のわからねぇ事をピーチクパーチクほざきやがって、あたしは明日忙しいんだよッ!」
真紀子は乱暴にスマートフォンを切り、グラスの中に残っていたワインを飲み干していく。
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