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第二部『箱舟』
最上真紀子の場合ーその⑧
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「あーあー、つまんねーの」
真紀子は最近のゲームにマンネリ状態がきている事を薄々感じ取っていた。
志恩と自分が誘拐されてから既に一ヶ月という長い時間が経とうとしている。誘拐事件からしばらくの後はしばらくはゲームが発生しなかったが、それでも進行は大事なためか、ゲームは再開させられた。これまで通りに惰性的で動くゲームは真紀子には退屈極まった。お陰で上手くストレス発散をする事もできない。
そのためにそのお鉢が別の人間に回るのだから、彼ら彼女らからしてもたまったものではないだろう。
真紀子は煙草を左手の人差し指と中指に挟みながら目の前で吊るされる中年の男性を眺めていた。
吊るされる様子を眺めるのも飽きたのか、真紀子は立ち上がり男の目の前で煙草を吸う。それから男に向かって思いっきり白い煙を吐き捨てた。
「まだ吐かないつもりかい?あんたがどっかのスパイだって事はよくわかってるんだよ!さっさと吐いた方が楽だぜ」
「……吐くわけがないだろう?」
「そうか、なら是が非でも吐かせてやるよッ!おい、準備しなッ!」
真紀子は周囲を囲む黒服に命令を下し、ペンチを持ってこさせた。
「見覚えがないのかい?スパイさん……ペンチだよ。ペンチ……こいつであんたの爪を剥がせてもらうぜ」
男の表情がみるみるうちに青ざめていく。生唾を飲み込む姿も真紀子には確認できた。
だが、容赦はしない。真紀子は男の手の元へと近付き、自らの手で男の爪をペンチで剥がしていくのだった。
「ァァァァァァ~!!!」
「まだ吐くつもりはないのかい?」
「うっ……ぐっ……誰が貴様なんかに」
「そうか、ならもっと爪を剥いでやらぁ!」
真紀子は更に爪を剥がしていく。自身の爪が無惨に剥がされていくのを男は黙って見つめていた。
あまりの痛みに泣き叫ぶ男の髪を強く掴んで真紀子は叫んだ。
「さっさと吐きやがれッ!ぶっ殺されてぇのかッ!」
「こ、殺せ……組織の秘密を守れるのならば命など惜しくはない」
「そうか、なら望み通り……というわけにもいかねぇんだ。口が割れるまでこちらの方で楽しまさせてもらうぜ」
真紀子の表情は狂気を帯びていた。心底から嬉しいと言わんばかりの微笑みが彼女の顔に浮かんでいた。
あまりにも恐ろしい姿に男は全身を震わせた。
「今度は足だ」
真紀子は男の靴と靴下を脱がし、ペンチで足の爪を引き抜いていく。この瞬間まさしく地獄の様な苦しみが男を襲った。
地獄の底から亡者が許しを乞う時の悲鳴というのは今の男の状況の事を指していうのだろう。
数々の血みどろの抗争を生き抜いてきた男たちも思わず目を背けてしまう。
「どいつもこいつもイライラさせやがって……どうしてここ最近はうまくいかねぇんだよ」
真紀子は男の割れた腹筋を懸命に叩いていた。苛立ち紛れに履いていたヒールの踵で男の腹を踏み潰そうとした時だ。
「よしな、そんな奴のためにあんたがそこまで汚れたら気の毒だ。そんな美しい靴をそんな男の血で汚したくはないだろ?」
その声を聞いた真紀子が振り返る。そこには特製のショットガンを構えた柄の悪い顔をした男が立っていた。
「……牙塚さんか……なにか御用ですかい?」
真紀子は折角のストレス発散を邪魔された苛立ちからか不機嫌な声で尋ねた。
「なぁに、寄っただけさ……あんたに逆らった六星会を壊滅させたとね」
牙塚は口元に悪い微笑を浮かべて言った。牙塚賀次郎は最上真紀子の息のかかった刑事であり、彼女にとって最も便利な手駒の一つであった。
牙塚は彼女に貢ぐのを生き甲斐とする他の恋人とは一線を画しており、彼は高価なプレゼントや金銭援助などの方法ではなく、彼女にとって邪魔な暴力団を消す事によって彼女と付き合う事を許されていたのだ。
「六星会を?そりゃあご苦労様でした。でも、悪いな。今日は見ての通り忙しいんだ。明日に延期してくれ」
「おいおい、そりゃあないぜ……お前のためにわざわざ暴対を動かして、六星会を壊滅させたってのに」
「よく言うよ、本当はその腰に下げているショットガンだけで壊滅できるっていうのに」
「正当防衛を証明するには証人が必要だからねぇ」
牙塚は自身の愛銃であるレミトン社製の小型ショットガンを振り回しながら言った。
それはレミトン社と呼ばれるアメリカの銃製造会社から特注した特別製の散弾銃であった。別名『ハンディショットガン』とも呼称され、口径は15mmと大型であり、10m以内であるのならば人間の体を木っ端微塵に破壊できるという優れものであった。
「へぇ~そこまで言われたんだったらしょうがねぇや……もう少し拷問をあたしの手で楽しみたかったけど仕方ねぇかな」
「し、信じられん……まさか、大阪府警の刑事が悪党と手を組んで、邪魔な勢力の排除をおこなっていたなんて……」
「クックッ、刑事だって聖人じゃあねぇからな。いい暮らしをしたいし、いいもんだって買いたい。楽しい事だってしたい。そのためには悪い奴らとも組む。そうだろ?」
「……ふざけるな。お前は刑事の恥晒しだッ!暗黒街の大物を捕まえるという我々の使命を忘れたのか!?」
「……牙塚、今夜は付き合えるぜ。もうこいつを拷問する必要がなくなったからな」
「らしいな」
牙塚がハンディショットガンの銃口を向ける。
「お前……どこから来たかと思ったら公安か……成る程大方お偉いさんにでも頼まれて逮捕しにきたって事か」
男は沈黙していたが、牙塚はそれを肯定と捉えたらしい。少しばかり距離を取ってからハンディショットガンの銃口を向けて全身から冷や汗を流す男を撃ち殺したのだった。
男の凄惨な光景に目を背ける黒服の男たちに向かって牙塚は素気なく言った。
「……それはちゃんと片付けておけよ」
牙塚の言葉に他の男たちは思わず両肩を震わせた。
真紀子はそのまま拷問部屋の外に出ると、牙塚の運転する覆面パトカーに乗り込んだ。
「覆面パトカーなんていう割には随分といい車だよな」
「あぁ、そりゃあ国産の中でも上等の部類に位置する車だからな」
「あー、確か名称はーー」
「そんな事よりもだ。ちゃんと約束は守れよ」
「へいへいわかってますよ。だが、その前にあんたに一つ聞いておきたい事があってよぉ」
「なんだ?」
「箱舟会だよ。あのカルト教団が本格的に大阪に本部を移すらしいからな、そいつらの情報を今日教えてほしい」
「生憎とカルト教団は暴対の管轄外でね。そういうのは公安警察の仕事でね」
「そこら辺は頑張れよ。それに今警察全体がやけに騒いでるじゃあねぇか、16年前の再来を防ぐためとかなんとか言って」
その言葉を聞いて牙塚の表情が変わった。真紀子が口に出した情報は間違いがなかったからだ。
「…‥その通りだ。しかも事態は16年前よりも悪化してる。例のカルトと違って目立った行動が誘拐事件以来起きてないからな。確固たる証拠もねぇから踏み込めないのも大きい」
「警察ってのも万能の組織じゃあないんだねぇ」
真紀子は皮肉混じりに言った。
「まぁ、そういうなよ。箱舟会に関する情報なら今度ーー」
ここで牙塚の表情が変わった。慌ててバックミラーを眺めていると、そこには得体の知れない車が自分たちの背後を尾けていたからだ。
「……敵のヤクザか?それとも公安の連中か?」
「お前色々なところで恨みを買ってるからな……いざという時に敵を特定できんのは辛いよな」
「ブローカーというのは因果な商売だからねぇ」
「よく言うよ、麻薬商人のくせに」
牙塚は真紀子の冗談を皮肉混じりに揶揄すると、そのままアクセルを大きく踏んで覆面パトカーを加速させたのだった。
真紀子は最近のゲームにマンネリ状態がきている事を薄々感じ取っていた。
志恩と自分が誘拐されてから既に一ヶ月という長い時間が経とうとしている。誘拐事件からしばらくの後はしばらくはゲームが発生しなかったが、それでも進行は大事なためか、ゲームは再開させられた。これまで通りに惰性的で動くゲームは真紀子には退屈極まった。お陰で上手くストレス発散をする事もできない。
そのためにそのお鉢が別の人間に回るのだから、彼ら彼女らからしてもたまったものではないだろう。
真紀子は煙草を左手の人差し指と中指に挟みながら目の前で吊るされる中年の男性を眺めていた。
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「まだ吐かないつもりかい?あんたがどっかのスパイだって事はよくわかってるんだよ!さっさと吐いた方が楽だぜ」
「……吐くわけがないだろう?」
「そうか、なら是が非でも吐かせてやるよッ!おい、準備しなッ!」
真紀子は周囲を囲む黒服に命令を下し、ペンチを持ってこさせた。
「見覚えがないのかい?スパイさん……ペンチだよ。ペンチ……こいつであんたの爪を剥がせてもらうぜ」
男の表情がみるみるうちに青ざめていく。生唾を飲み込む姿も真紀子には確認できた。
だが、容赦はしない。真紀子は男の手の元へと近付き、自らの手で男の爪をペンチで剥がしていくのだった。
「ァァァァァァ~!!!」
「まだ吐くつもりはないのかい?」
「うっ……ぐっ……誰が貴様なんかに」
「そうか、ならもっと爪を剥いでやらぁ!」
真紀子は更に爪を剥がしていく。自身の爪が無惨に剥がされていくのを男は黙って見つめていた。
あまりの痛みに泣き叫ぶ男の髪を強く掴んで真紀子は叫んだ。
「さっさと吐きやがれッ!ぶっ殺されてぇのかッ!」
「こ、殺せ……組織の秘密を守れるのならば命など惜しくはない」
「そうか、なら望み通り……というわけにもいかねぇんだ。口が割れるまでこちらの方で楽しまさせてもらうぜ」
真紀子の表情は狂気を帯びていた。心底から嬉しいと言わんばかりの微笑みが彼女の顔に浮かんでいた。
あまりにも恐ろしい姿に男は全身を震わせた。
「今度は足だ」
真紀子は男の靴と靴下を脱がし、ペンチで足の爪を引き抜いていく。この瞬間まさしく地獄の様な苦しみが男を襲った。
地獄の底から亡者が許しを乞う時の悲鳴というのは今の男の状況の事を指していうのだろう。
数々の血みどろの抗争を生き抜いてきた男たちも思わず目を背けてしまう。
「どいつもこいつもイライラさせやがって……どうしてここ最近はうまくいかねぇんだよ」
真紀子は男の割れた腹筋を懸命に叩いていた。苛立ち紛れに履いていたヒールの踵で男の腹を踏み潰そうとした時だ。
「よしな、そんな奴のためにあんたがそこまで汚れたら気の毒だ。そんな美しい靴をそんな男の血で汚したくはないだろ?」
その声を聞いた真紀子が振り返る。そこには特製のショットガンを構えた柄の悪い顔をした男が立っていた。
「……牙塚さんか……なにか御用ですかい?」
真紀子は折角のストレス発散を邪魔された苛立ちからか不機嫌な声で尋ねた。
「なぁに、寄っただけさ……あんたに逆らった六星会を壊滅させたとね」
牙塚は口元に悪い微笑を浮かべて言った。牙塚賀次郎は最上真紀子の息のかかった刑事であり、彼女にとって最も便利な手駒の一つであった。
牙塚は彼女に貢ぐのを生き甲斐とする他の恋人とは一線を画しており、彼は高価なプレゼントや金銭援助などの方法ではなく、彼女にとって邪魔な暴力団を消す事によって彼女と付き合う事を許されていたのだ。
「六星会を?そりゃあご苦労様でした。でも、悪いな。今日は見ての通り忙しいんだ。明日に延期してくれ」
「おいおい、そりゃあないぜ……お前のためにわざわざ暴対を動かして、六星会を壊滅させたってのに」
「よく言うよ、本当はその腰に下げているショットガンだけで壊滅できるっていうのに」
「正当防衛を証明するには証人が必要だからねぇ」
牙塚は自身の愛銃であるレミトン社製の小型ショットガンを振り回しながら言った。
それはレミトン社と呼ばれるアメリカの銃製造会社から特注した特別製の散弾銃であった。別名『ハンディショットガン』とも呼称され、口径は15mmと大型であり、10m以内であるのならば人間の体を木っ端微塵に破壊できるという優れものであった。
「へぇ~そこまで言われたんだったらしょうがねぇや……もう少し拷問をあたしの手で楽しみたかったけど仕方ねぇかな」
「し、信じられん……まさか、大阪府警の刑事が悪党と手を組んで、邪魔な勢力の排除をおこなっていたなんて……」
「クックッ、刑事だって聖人じゃあねぇからな。いい暮らしをしたいし、いいもんだって買いたい。楽しい事だってしたい。そのためには悪い奴らとも組む。そうだろ?」
「……ふざけるな。お前は刑事の恥晒しだッ!暗黒街の大物を捕まえるという我々の使命を忘れたのか!?」
「……牙塚、今夜は付き合えるぜ。もうこいつを拷問する必要がなくなったからな」
「らしいな」
牙塚がハンディショットガンの銃口を向ける。
「お前……どこから来たかと思ったら公安か……成る程大方お偉いさんにでも頼まれて逮捕しにきたって事か」
男は沈黙していたが、牙塚はそれを肯定と捉えたらしい。少しばかり距離を取ってからハンディショットガンの銃口を向けて全身から冷や汗を流す男を撃ち殺したのだった。
男の凄惨な光景に目を背ける黒服の男たちに向かって牙塚は素気なく言った。
「……それはちゃんと片付けておけよ」
牙塚の言葉に他の男たちは思わず両肩を震わせた。
真紀子はそのまま拷問部屋の外に出ると、牙塚の運転する覆面パトカーに乗り込んだ。
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「あぁ、そりゃあ国産の中でも上等の部類に位置する車だからな」
「あー、確か名称はーー」
「そんな事よりもだ。ちゃんと約束は守れよ」
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「なんだ?」
「箱舟会だよ。あのカルト教団が本格的に大阪に本部を移すらしいからな、そいつらの情報を今日教えてほしい」
「生憎とカルト教団は暴対の管轄外でね。そういうのは公安警察の仕事でね」
「そこら辺は頑張れよ。それに今警察全体がやけに騒いでるじゃあねぇか、16年前の再来を防ぐためとかなんとか言って」
その言葉を聞いて牙塚の表情が変わった。真紀子が口に出した情報は間違いがなかったからだ。
「…‥その通りだ。しかも事態は16年前よりも悪化してる。例のカルトと違って目立った行動が誘拐事件以来起きてないからな。確固たる証拠もねぇから踏み込めないのも大きい」
「警察ってのも万能の組織じゃあないんだねぇ」
真紀子は皮肉混じりに言った。
「まぁ、そういうなよ。箱舟会に関する情報なら今度ーー」
ここで牙塚の表情が変わった。慌ててバックミラーを眺めていると、そこには得体の知れない車が自分たちの背後を尾けていたからだ。
「……敵のヤクザか?それとも公安の連中か?」
「お前色々なところで恨みを買ってるからな……いざという時に敵を特定できんのは辛いよな」
「ブローカーというのは因果な商売だからねぇ」
「よく言うよ、麻薬商人のくせに」
牙塚は真紀子の冗談を皮肉混じりに揶揄すると、そのままアクセルを大きく踏んで覆面パトカーを加速させたのだった。
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