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新しい時代の守護者編
光と影の紋章
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ジョー・ハンセンは未だに手裏剣が刺さった場所が痛む。一体、自分が何をしたと言うのか。自分はただ刺激に身を置き、戦いを楽しんでいただけだ。
また、人とは違う。そして、多少、法に触れるやり方で人生最大の快楽を味わっただけに過ぎない。
それなのに、どうしてみんなは自分を責めるのだろう。
ジョー・ハンセンは目の前から刀を構えた女性が向かってくるのを見て、思わず叫んでしまう。
「……覚悟はできましたか?まぁ、出来ていなかったとしても、あなたは殺した黒崎さんの元に行ってもらいますがね」
彼女は刀の先を突き付けて言う。先程も見た黒い笑顔。彼女はそれに加えて毒舌も繰り出すので更に厄介だ。
彼が恐怖のためにギリギリと歯を鳴らしていく。彼女が最初に刀を突き付けた時の様にあの生意気な口を叩ける自信は今の彼にはない。つまり、あの毒舌以上の気取ったギザな表現や茶化した様な表現がもうできなくなりつつあるのだ。
彼はその場から逃げ出そうと考えたのだが、その前に彼女の手によってそれを防がれてしまう。
「待ってください。あなたはここで死ぬべきです。ジョー・ハンセンさん。あなたの起こした事件も被害者も全て知っています。無駄な足掻きはやめなさい」
やめろ、何故、貴様まで、あの忌々しい軍の上官と似たような言葉を吐くのだ。
ジョーは心の中で憤った。差し詰め、堪忍袋の尾が切れたという事だろう。
彼は一か八かの可能性に賭けた。妖鬼となって以来、日本人と変わらない日本語を取得できた自分なら、いや、軍の中でも多くの戦場を生き残り、常にその身を危険に晒してきた彼だからこそ、出来た選択肢であったとも言えなくはない。
だが、それはあまりにも危険過ぎた。と、言うのもそれは彼自身の体をピンク色の粘着体に飲み込ませ、攻撃させていくというものであったからだ。
これならば、彼女の敵ではあるまい。ジョーはそう固く信じていた。
だが、その時だ。綺蝶の持つ刀は眩しく光り輝き、本当の光とは思えない程の熱で彼の体を纏い、同時に彼の体を守っていたピンク色の粘着体を蒸発させていく。
「ば、バカな!?」
と、悲鳴を上げるジョー。だが、綺蝶は容赦する事なく刀を振って彼の首を跳ね飛ばす。
彼の首が地面の上に転がるのと同時に、彼の体も光に包まれて消滅していく。
これで、この男が人々を呪う心配もあるまい。
だが、問題はまだある。その場に居合わせた対魔師の全員の脳裏に映ったのが、先程の男、戦雲玄竜の存在。そして、黒崎の死後に赴任するという新しい天道騎士団団長の存在。
この二つが今の彼ら彼女らを悩ます当面の課題だろう。
全員で話し合いを続けたものの、結論は出なかった。
『会議は踊る。されど進まず』正妖大学で歴史を学んでいる学生の中ではそんな課題が頭の中を過っていく。
結局はその日は宿を取り、疲れを癒す事になっていく。
その日は夕食を取った後には特にする事もなかったので、全員が早く寝る事になった。部屋は男女合同の三部屋ずつ。
勿論、下手な事をすれば対魔師の女性は怒らせれば怖い事を知っているから、手を出そうとした男性の対魔師はこれまでの長い歴史の中でも数える程しかいないらしい。
つまり、この合同部屋は長年の上からの対魔師たちへの信頼とも言えなくもない。
風太郎はこれまでの綺蝶との任務の中でそれを嫌と言う程に味わってきていた。
いや、そもそも風太郎にはそんな気はないが……。
だからこそ、その晩、風太郎が何も考えずに夢の世界から起き上がると、目に差し込む光を感じて布団の上から起き上がっていく。
寝ぼけた様子で辺りを見渡し、光の正体を探っている中で、彼は机の端で灯りが灯っている事に気が付く。
風太郎が光の漏れる方向に目をやると、そこには懸命に筆を走らせる綺蝶の姿。
彼女は真剣に尋ね人欄に何を書くのか、悩んでいるらしい。
心配になった風太郎が背後から声を掛けると、綺蝶は可愛らしい悲鳴を上げて風太郎の方に向き直る。
「な、なんだ。獅子王院さんですか……脅かさないでくださいよ」
「なんだって事はないだろ?でも、お前、そんな遅くにまで……」
「あの男との決闘の日を決めるのは私です。そのためには、まずは仲間の対魔師たちが納得する様な日を選ばなくてはいけまんし、あの男を挑発する様な文句にしなくてもいけない……苦労しますよ」
綺蝶が最後に吐いた言葉の中には確実に重みがあった。
徹夜をして考えているだけあって、その様子を見た風太郎は苦笑いした表情を浮かべるばかり。
だが、どうしても彼女を支えたいと思った彼は何とか良い案が出ないかを思案していくが、いい案は出てこない。
いや、案どころか腹の虫が鳴く始末。
当初は綺蝶は意外そう顔を浮かべていたが、直ぐに可愛らしい様子で笑って、
「そうですね。外でチャルメラの吹いた屋台でも来たら、二人で食べましょうか」
「そうだな。蕎麦でも中華蕎麦でもどっちでもいいから、食いたいなぁ~」
と、風太郎は無邪気に笑う。
「ええ、何なら、うどんも美味しいですよ。昔、母と一度だけ食べた時の事を今でもハッキリと覚えてますから」
「うどんかぁ~それもいいなぁ~」
風太郎も過去に食べた事があったのか、涎を垂らさんばかりに頬の筋肉を弛緩させて言った。
だが、何故かここで不意に彼の顔が険しくなり、妙に真剣な声色を出して、
「そうだ。うどんと蕎麦といえば、綺蝶。おれ、昔から思っていた事があってさ」
「何でしょう?」
「うどんと蕎麦の関係って宮本武蔵と佐々木小次郎との関係に似てるなぁと思ってさぁ~そっくりだというか、妙に似通っている場所があるとは思わないか?ライバル同士の関係な所とか」
と、風太郎は無邪気に笑ってそう言ったのだが、それを聞いた後にそれまで浮かべていた笑顔を引っ込めて、真剣な様子で何やら白い紙に文字を書き並べていく。
「お手柄ですよ。獅子王院さん。あなたのお陰で良い案が手に入りましたよ」
彼女はそう言うと必死に筆を走らせて、莫大な量を尋ね人の広告欄用に縮小させて書き上げた内容を風太郎に読ませていく。
「あ、討滅寮が株式会社になってる!!それに、玄海の果てにいる竜に乗ったつもりで有頂天になっている佐々木小次郎の様な男を……の午後、東京郊外の高尾山の入り口前で待つという内容はもしかしてだけど……」
「ええ、その“もしかして”です。あの男を挑発しているんですよ。あの男は恐らく乗りますよ。どんなに威張っていてもあなたは負け組、佐々木小次郎でしかないと言っているんですから」
恐らく、あの男は求人広告にこれが貼られたものを読んだ時に気が付くだろう。
『玄海の果て』と言う単語と『竜に乗る』と言うあからさまな単語とその直後に来る負け組の佐々木小次郎を自分を揶揄する存在だと気付いて、即刻、日時の日に決闘に乗り込む準備は行うだろう。
風太郎は玄竜のみが分かる尋ね人の探し文句を見て一人、笑う。
中々に傑作である。
また、人とは違う。そして、多少、法に触れるやり方で人生最大の快楽を味わっただけに過ぎない。
それなのに、どうしてみんなは自分を責めるのだろう。
ジョー・ハンセンは目の前から刀を構えた女性が向かってくるのを見て、思わず叫んでしまう。
「……覚悟はできましたか?まぁ、出来ていなかったとしても、あなたは殺した黒崎さんの元に行ってもらいますがね」
彼女は刀の先を突き付けて言う。先程も見た黒い笑顔。彼女はそれに加えて毒舌も繰り出すので更に厄介だ。
彼が恐怖のためにギリギリと歯を鳴らしていく。彼女が最初に刀を突き付けた時の様にあの生意気な口を叩ける自信は今の彼にはない。つまり、あの毒舌以上の気取ったギザな表現や茶化した様な表現がもうできなくなりつつあるのだ。
彼はその場から逃げ出そうと考えたのだが、その前に彼女の手によってそれを防がれてしまう。
「待ってください。あなたはここで死ぬべきです。ジョー・ハンセンさん。あなたの起こした事件も被害者も全て知っています。無駄な足掻きはやめなさい」
やめろ、何故、貴様まで、あの忌々しい軍の上官と似たような言葉を吐くのだ。
ジョーは心の中で憤った。差し詰め、堪忍袋の尾が切れたという事だろう。
彼は一か八かの可能性に賭けた。妖鬼となって以来、日本人と変わらない日本語を取得できた自分なら、いや、軍の中でも多くの戦場を生き残り、常にその身を危険に晒してきた彼だからこそ、出来た選択肢であったとも言えなくはない。
だが、それはあまりにも危険過ぎた。と、言うのもそれは彼自身の体をピンク色の粘着体に飲み込ませ、攻撃させていくというものであったからだ。
これならば、彼女の敵ではあるまい。ジョーはそう固く信じていた。
だが、その時だ。綺蝶の持つ刀は眩しく光り輝き、本当の光とは思えない程の熱で彼の体を纏い、同時に彼の体を守っていたピンク色の粘着体を蒸発させていく。
「ば、バカな!?」
と、悲鳴を上げるジョー。だが、綺蝶は容赦する事なく刀を振って彼の首を跳ね飛ばす。
彼の首が地面の上に転がるのと同時に、彼の体も光に包まれて消滅していく。
これで、この男が人々を呪う心配もあるまい。
だが、問題はまだある。その場に居合わせた対魔師の全員の脳裏に映ったのが、先程の男、戦雲玄竜の存在。そして、黒崎の死後に赴任するという新しい天道騎士団団長の存在。
この二つが今の彼ら彼女らを悩ます当面の課題だろう。
全員で話し合いを続けたものの、結論は出なかった。
『会議は踊る。されど進まず』正妖大学で歴史を学んでいる学生の中ではそんな課題が頭の中を過っていく。
結局はその日は宿を取り、疲れを癒す事になっていく。
その日は夕食を取った後には特にする事もなかったので、全員が早く寝る事になった。部屋は男女合同の三部屋ずつ。
勿論、下手な事をすれば対魔師の女性は怒らせれば怖い事を知っているから、手を出そうとした男性の対魔師はこれまでの長い歴史の中でも数える程しかいないらしい。
つまり、この合同部屋は長年の上からの対魔師たちへの信頼とも言えなくもない。
風太郎はこれまでの綺蝶との任務の中でそれを嫌と言う程に味わってきていた。
いや、そもそも風太郎にはそんな気はないが……。
だからこそ、その晩、風太郎が何も考えずに夢の世界から起き上がると、目に差し込む光を感じて布団の上から起き上がっていく。
寝ぼけた様子で辺りを見渡し、光の正体を探っている中で、彼は机の端で灯りが灯っている事に気が付く。
風太郎が光の漏れる方向に目をやると、そこには懸命に筆を走らせる綺蝶の姿。
彼女は真剣に尋ね人欄に何を書くのか、悩んでいるらしい。
心配になった風太郎が背後から声を掛けると、綺蝶は可愛らしい悲鳴を上げて風太郎の方に向き直る。
「な、なんだ。獅子王院さんですか……脅かさないでくださいよ」
「なんだって事はないだろ?でも、お前、そんな遅くにまで……」
「あの男との決闘の日を決めるのは私です。そのためには、まずは仲間の対魔師たちが納得する様な日を選ばなくてはいけまんし、あの男を挑発する様な文句にしなくてもいけない……苦労しますよ」
綺蝶が最後に吐いた言葉の中には確実に重みがあった。
徹夜をして考えているだけあって、その様子を見た風太郎は苦笑いした表情を浮かべるばかり。
だが、どうしても彼女を支えたいと思った彼は何とか良い案が出ないかを思案していくが、いい案は出てこない。
いや、案どころか腹の虫が鳴く始末。
当初は綺蝶は意外そう顔を浮かべていたが、直ぐに可愛らしい様子で笑って、
「そうですね。外でチャルメラの吹いた屋台でも来たら、二人で食べましょうか」
「そうだな。蕎麦でも中華蕎麦でもどっちでもいいから、食いたいなぁ~」
と、風太郎は無邪気に笑う。
「ええ、何なら、うどんも美味しいですよ。昔、母と一度だけ食べた時の事を今でもハッキリと覚えてますから」
「うどんかぁ~それもいいなぁ~」
風太郎も過去に食べた事があったのか、涎を垂らさんばかりに頬の筋肉を弛緩させて言った。
だが、何故かここで不意に彼の顔が険しくなり、妙に真剣な声色を出して、
「そうだ。うどんと蕎麦といえば、綺蝶。おれ、昔から思っていた事があってさ」
「何でしょう?」
「うどんと蕎麦の関係って宮本武蔵と佐々木小次郎との関係に似てるなぁと思ってさぁ~そっくりだというか、妙に似通っている場所があるとは思わないか?ライバル同士の関係な所とか」
と、風太郎は無邪気に笑ってそう言ったのだが、それを聞いた後にそれまで浮かべていた笑顔を引っ込めて、真剣な様子で何やら白い紙に文字を書き並べていく。
「お手柄ですよ。獅子王院さん。あなたのお陰で良い案が手に入りましたよ」
彼女はそう言うと必死に筆を走らせて、莫大な量を尋ね人の広告欄用に縮小させて書き上げた内容を風太郎に読ませていく。
「あ、討滅寮が株式会社になってる!!それに、玄海の果てにいる竜に乗ったつもりで有頂天になっている佐々木小次郎の様な男を……の午後、東京郊外の高尾山の入り口前で待つという内容はもしかしてだけど……」
「ええ、その“もしかして”です。あの男を挑発しているんですよ。あの男は恐らく乗りますよ。どんなに威張っていてもあなたは負け組、佐々木小次郎でしかないと言っているんですから」
恐らく、あの男は求人広告にこれが貼られたものを読んだ時に気が付くだろう。
『玄海の果て』と言う単語と『竜に乗る』と言うあからさまな単語とその直後に来る負け組の佐々木小次郎を自分を揶揄する存在だと気付いて、即刻、日時の日に決闘に乗り込む準備は行うだろう。
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