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Q.E.D

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『ナツ、元気なのか?』
「あぁ、うん。っ……あ、私は、だいじょ、ぶ」

 耳元に押し付けられたスマホから聞こえてくるのは、大好きな恋人の声。

「凄いよ、ナツ」

 耳元で囁かれるのも、大好きな彼の声。

『広げて見せろよ――――あぁ、本当だ。
 画面越しでも、濡れてるのがよくわかる。ナツはえっちいな』
「やぁ、言わないでっ……!」

 私はふるふると頭を揺らす。
 でも手は優しくも強引に、足を開いた私の大切な部分を、丁寧にヒダまでめくっていく。
 その優しい動きに、蜜があふれる。
 ぐちゅぐちゅとイヤらしいこえをあげて、私の抵抗は嘘だって教えてる。

 今日の行為エッチは、一人あおいは直接私の体を触って、一人みどりは画面越しに言葉で責める。
 見つめる瞳の代わりになるのは、WEBカメラだ。


 ――私を絶対に抜け駆けなしで、共有する。
 二人の中で、これだけは決めていたらしい。
 でも、進路もライフスタイルも違う二人の都合が合うのは難しくて、だからと言って、やっと両想いになれた私たちが、我慢ができる訳もなく……といっても私は普通のデートだけでも満足なんだけど、二人ともえっちい。翠ならともかく、そう言う事には潔癖に見えていた蒼まで、そんな風に甘々になるのは私には意外な一面だった。

 必ず三人でという約束が難しいと分った二人は、どちらかが不在の時には、出来事を共有するために動画を撮る事にしたらしい。
 でももし二人以外の誰かに、この動画を見られたら……そう思ったら、恐くて仕方なくって。
 嫌がって不安がってる私の為に、見終わったら確実に消してくれたけど。
 二人からすると秘密がばれる事よりも、私のこんな姿を誰にも見せたくないって方が強くて、許せないらしい……二人ともちょっとずれてる。

 今は、離れた場所にサッカー遠征に行っている翠に、ネットで実況中。
 翠が居ない分、蒼が彼の言葉通りに動く。

 普段の蒼ならしない動きに、かといっても慣れていない動きに、ますます私はもどかしくて翻弄されている。
 直接の視線よりも、カメラの無機質なレンズ越し、っていうのが撮られてるって感じがしてさらに恥ずかしい。
 三人でエッチすることには、初めはかなりの抵抗感があったけど、もう今ではそれが自然な事のように慣れてしまった。一対一でする方が、なんだか不自然で。二人が私の一番大事な人なんだな、って実感する。

 ……ただ、エッチなことするのは、やっぱりまだ恥ずかしいけど。

 二人同時に受け入れるために、いつかお尻の方でもヤらせてって言われてて。
 翠が言うには二穴責めっていうのしたいらしいけど、まだ怖くて待ってもらっている。
 いまの挿れられながら、口で頑張るだけでも精一杯なのに。
 あんなのを口になんて……と思っていたフェラも今では抵抗なんてなくなってる。あそこで受け止められなかった方の私の躰を見てそそり立ったモノに答えるようにぱくっと咥える。すごく愛しくてもっともっと二人同時に喜ばせたくなる。愛しあいたい。だからきっと、お尻の方もすぐになれるだろう。

 ――それにしても、翠はえっちい。
 今まで彼女が一杯いただけあって、嘘こんな事しちゃうの? っていう事を私に教え込んでくる。
 二穴攻めだってそうだ。
 前ならともかく、後ろなんて、そんなところに入れるなんて今まで考えたことなんてなかったから。
 反対に蒼は初めてだった……それってかなり嬉しい。
 翠の歴代の彼女たちにかなり嫉妬するけど、でもその分上手くて、蒼とは違った愛し方をする。
 蒼は慣れないけど、めいっぱい気遣って私を愛してくれる。

 どっちも、好き。

 処女は翠にあげた。
 本当は二人同時に私に射れたかったみたい。どちらも私の処女が譲れないって、の末にでた翠の提案。
 だけど、そんな行為自体あることを初めて知った処女の私には無理という事で、優しい蒼が退いてくれた。その優しさの分だけ、帳尻を合わせなきゃいけない。
 申し訳なくて、蒼の初めてをもらった分、結婚も蒼とすると思う。
 子供は――どっちの子供だってかまわないけど。
 どちらかに偏ってしまえば、終わる私達だから――バランスが難しい。
 将来は続き扉のあるマンションを隣同士で買いたいね、って言ってる。

 絶対にばれてはいけない関係だから、私たちは用心深くなる。
 その分反比例して、常識とはかけ離れながら。
 それが私達の「当たり前」になっていく。
 何で初めはあんなに抵抗してたのかな? こんなに幸せなのに。

 おかしい、おかしいけど、それでも三人で一緒に堕ちてく。
 ――二人を愛し愛されることが、私の幸せだから。

 一線を踏み越えたそれが、私の答えだ。
 
 
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