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しおりを挟む目が見えるようになってから
はや5年が経過した
5年間父と母の話を聞いていると
ここは前世の僕がいた場所の近くみたいだ
いつも群れで孤立していた僕に優しくしてくれた猫のおばさんや蜘蛛のお兄ちゃんは元気だろうか
なんて懐かしく思いながら日々を過ごしていたらあっという間に5歳になっていた
5歳になってからは村の中でなら遊びに行ってもいいと言う両親の許可がでて
村を散策するようになった
村は凄く小さいし裕福でもないけど
この村の人は優しい人ばかりだった
「ねえ君!!」
村を歩いていると
急に声をかけられて振り返ると冒険者のようなとても綺麗な女の人が立っていた
「はい?僕ですか??」
「ええ、君よ!
この村の近くにアングリーウルフが近づいてきているわ
早くお家に帰ってお家でじっとしてた方がいいわよ」
「アングリーウルフですか??」
アングリーウルフとは普段森の奥から滅多に出てこないオオカミ型の魔物だ
「ええ、この本あげるからお家に帰って読んでなさい
アングリーウルフは私たち冒険者がやっつけてくるわ!!」
そう言って冒険者のお姉さんは本を渡して
立ち去って行った
貰った本はラルク英雄譚だった
母から寝物語で聞いた事はあるけど
本を読むのは始めてだ
アングリーウルフのことは心配だけど
僕に出来ることはないから
お姉さんに言われた通り家に帰って本を読むことにした
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