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【4】欲しいもの
4−2
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フォークを置いて、両手で抱きしめる。
「優太君は?何かしたいことがありますか?」
あまり期待しないで問いかける。が、優太君の返答は想像とは異なっていて。
「俺は……あります。鹿賀さんと付き合えたらって……いろいろ、想像してたから」
耳まで赤くして、そんないじらしいことを言う。
君が望むなら、こちらはどこまでもする覚悟だ。決定的な行為は、親御さんに挨拶をしてからにしたいが……。
「いいですよ。……何がしたい?」
うなじにキスをすると、ふ、という小さい声を漏らして体を跳ねさせた。
やばい。止まらないかもしれない。
「教えて。優太がしたいこと」
「おっ、俺っ……」
「ん?」
すぐにその唇を塞ごうと狙いを定め、後ろから顔を覗き込むようにして優太の言葉を待つ。
ーー何がしたいの?キス?それ以上のこと?
密着した体に響く鼓動は、私のものか、それとも彼のものか。もはやわからないほどにドキドキしている。
柔らかそうな唇から紡がれた言葉は。
「すっ水族館にも、行きたいし……もう少ししたら、お花見とか……」
「え?」
「あっ、でも、ラヴェルも一緒に行けるところがいいですよね?」
待て待て待て。恋人らしいことって。
「デート、ですか?」
拍子抜けして聞き返すと、首から上を真っ赤にしてから両手で顔を覆った。
ーーあ……っぶねぇ!
一気に寿命が縮んだ。あんなに自分基準で考えてはいけないと肝に銘じたというのに。勘違いしたままフライングするところだった。
「優太……ダメだよ、可愛すぎるよ……」
「えっ?えっ!?」
脱力して肩口に額を載せる。今どきの若い子ってこんなに初心なのか?
したいことがデートって。それも、こんなに照れながら言うことがそれって。
はーっと大きく息を吐いて、精神統一する。
「すみません。ちょっと今、素が出そうになりました。水族館とお花見ですね。行きましょう」
間一髪だった。誤った愛情表現を回避し、胸を撫で下ろす。
それによく考えたら、デートの一つもしていないのはたしかに問題だ。彼から提案してもらえてよかった。
「優太君は?何かしたいことがありますか?」
あまり期待しないで問いかける。が、優太君の返答は想像とは異なっていて。
「俺は……あります。鹿賀さんと付き合えたらって……いろいろ、想像してたから」
耳まで赤くして、そんないじらしいことを言う。
君が望むなら、こちらはどこまでもする覚悟だ。決定的な行為は、親御さんに挨拶をしてからにしたいが……。
「いいですよ。……何がしたい?」
うなじにキスをすると、ふ、という小さい声を漏らして体を跳ねさせた。
やばい。止まらないかもしれない。
「教えて。優太がしたいこと」
「おっ、俺っ……」
「ん?」
すぐにその唇を塞ごうと狙いを定め、後ろから顔を覗き込むようにして優太の言葉を待つ。
ーー何がしたいの?キス?それ以上のこと?
密着した体に響く鼓動は、私のものか、それとも彼のものか。もはやわからないほどにドキドキしている。
柔らかそうな唇から紡がれた言葉は。
「すっ水族館にも、行きたいし……もう少ししたら、お花見とか……」
「え?」
「あっ、でも、ラヴェルも一緒に行けるところがいいですよね?」
待て待て待て。恋人らしいことって。
「デート、ですか?」
拍子抜けして聞き返すと、首から上を真っ赤にしてから両手で顔を覆った。
ーーあ……っぶねぇ!
一気に寿命が縮んだ。あんなに自分基準で考えてはいけないと肝に銘じたというのに。勘違いしたままフライングするところだった。
「優太……ダメだよ、可愛すぎるよ……」
「えっ?えっ!?」
脱力して肩口に額を載せる。今どきの若い子ってこんなに初心なのか?
したいことがデートって。それも、こんなに照れながら言うことがそれって。
はーっと大きく息を吐いて、精神統一する。
「すみません。ちょっと今、素が出そうになりました。水族館とお花見ですね。行きましょう」
間一髪だった。誤った愛情表現を回避し、胸を撫で下ろす。
それによく考えたら、デートの一つもしていないのはたしかに問題だ。彼から提案してもらえてよかった。
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