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第三十話 王都でひと騒動  ②

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 レジオの街中には、こんな大きな川はないが、すぐそばにレーヌ川の支流がある。
 今回俺の掘った落とし穴が、城門の前まで水を運んできた。
 俺の考えは、そこに川港を建設して、水運の拠点とすることだ。
 それには、中流域にいるサイレーンが問題だ。
 立ち泳ぎで水底から一気に浮上して、尖った口を船底に突き刺して舟を沈めてしまう。
 水深一〇メートルで、それをやってのけるんだから、魔物ってのはあなどれないね。
 そいつをどうやって退治するか。
 ここが思案のしどころだ。
「卵が貴重で、おいしいんですよね。」
 ティリスの声がよみがえる。

 卵か、そいつは大事だな。
「ティリス、なんでサイレーンはレーヌ川の中流域にしかいないんだろう。」
「私にはわからないわよ、サイレーンじゃないもの。」
 簡単に切って捨てやがった。
 ひどいやつだ。
「産卵場所として、なにか適当な場所があるんじゃないですか?」
 アリスが突然口にした言葉は、なにか天恵のようだった。
「そうだな、サイレーンがあそこでがんばっている理由がそこにあるんだ。ウォルフ、あとで調べておいてくれ。」
「わかりました。」
「あ!こぼしちゃった!」
 チコが、クリームの入った器を倒してしまった。
 細い器から、クリームがテーブルに広がる。
「ああ、なるほど。そうすればいいのか。」
「どういうことだい?兄ちゃん。」
 ラルが、怪訝な顔で覗き込む。

 テーブルには丸く広がったクリーム。
 俺はそこに一本の筋を入れた。
「ここがレーヌ川で、川岸がここだとすると、このクリームの形はどうだ?」
「えっと、池?」
 チコが、首をひねりながら問う。
「そう、レーヌ川から直接引き込む池だ。俺がレジオで掘った落とし穴と同じ要領さ。」
 ラルは、合点がいったというように、うなずいている。
「はは~ん、ここに大きな池を掘って、サイレーンを追い込むんだね。」
「そう言うこと。サイレーンの居るところは決まっているんだから、上流と下流から網で追えば、自然とこっちの池に逃げる。」
「そこで、出入り口を閉じるわけだ。」
「そうすれば、卵だって取れるじゃん。またもうかるぜ。」
「さ・サイレーンの養殖ですか!すごいこと考えますね。」
 ウォルフが、感嘆の声を上げる。
「おいおい、声が大きい。まだ秘密だよ。ウチの領内でなんとかするんだから。」

「自領を持っていると、いろいろ便利ですね。」
 アリスティアは法衣騎士爵家だから、領地がない。
「まあね、ただあそこで自家繁殖が可能かも検討の内だけどな。」
 条件が悪いと、全滅って事も視野に入る。
 なにしろ、これから手探りでやる事業だし。
 ただまあ、魚型の魔物だもん、そこまでひ弱だとは思ってないよ。
 たくましいものだよ。
「それは、だれか川魚に詳しいものに任せましょう。」
 ウォルフも、目を輝かせている。
「そうだな、公共事業にしてもいい。」
「領地の予算で行う訳ですね。」
「そうだよ、ちったぁ領主らしいこともしないとなあ。」
「レジオを復興させるのは、難事業ですね。」
 鹿爪らしいことを言うウォルフに、爆弾を投げる。
「そうだな、ウォルフには精一杯がんばってもらおうかな。」
「ええ?」
「事務方のトップをウォルフにするつもり、頼むよ。」

「えええ~!」
 ウォルフは、びっくりして大声を出した。
「声がでかいって。いくらカフェの外席だからって。」
「いや、失礼。でも、トップって…」
「だって、俺の手のものってここにいるメンバーだけだぜ、その中で事務方できるのは、ウォルフだけじゃん。」
「だけじゃんって…」
「がたがた言うな、やってみてから言え。」
「わかりました、やってみます。」
「それでいいんだよ。」
 俺って若干えらそう?

「ラルとチコはどうするんだ?このまま一緒にいるならそれでもいい。ただ、チコはチグリスの許可がいるぞ。」

「あたし、カズマのそばにいるよ。」
 チコはブレない。
「おれは、行くところもないし、親もいないしな。」
 ラルもブレない。
「じゃあ、それでいい。」
 俺は、みんなに今後の進路について確認していく。
「ティリスは、このまま一緒にいるのか?教会に戻るのか?」
 ティリスに聞くと、言うまでもないと言うように、うなずいている。
「あたし?あたしはカズマと一緒にいるよ。」
 アリスもブレないな~。
「私も、マゼランの教会は出ます。カズマさまのそばにいないと聖女としての職務が。」
「わかった。じゃあ、住むところについては、レジオに戻ってからだな。」

「あたしはあそこがいいなあ。」
 ティリスは、しばらく住んだ家を思っているのか?
「あの商人の家か?」
「ええ。」
「でもあそこは、他人の家だしなあ、便宜上居ただけだからな。」
「でも、あそこの人はみんな死んでしまったんでしょ?」
「そうらしいよ、姉ちゃん。」
 ラルがさっそくチャチャを入れる。
「ねえちゃんはやめてよ~、聖女さまとか、ティリスさまとかー。」
「なんでそこに ”さま” が付くのかわからんわ。」
 俺の声に、ティリスはぶんむくれた。
「ああ、ひどーい。」

 それでも、それぞれに着る物や土産などを買い込んで、宿屋に戻った。
 王都には、気の利いたものがたくさんあるし。
 チグリスには、見本になるような飾り短剣を買ってみた。
 気に入ればいいが。

「なんだあれは?」
 宿屋の前には、黒山の人だかり。
「どうしたんですか~?」
 ティリスの声に、黒山はいっせいに顔を向けた。
「レジオ男爵だ!」
 わあっと人に囲まれた。
「マイルズ伯爵家の四男坊です!ぜひお身内に!」
「いえいえ、リョービ騎士爵の八男です!家来に加えてくださ…ああ!」
 あ~、踏まれてる。
「マキタ子爵の三男です!」
 わいわいとまくしたてる男たちに、みな辟易としてしまった。

「だれ!聖女のわたしのお尻に触るのは!」
 ティリスが怒る。
「ああ!胸を押さないでください!」
 アリスが怒る。

 あ~あ、もういやになるなあ。

「さわぐな!」

 おれの大声で、一度ぴたりと静かになる。
「場を変えて、順次話を聞く。紹介状のあるものが優先!陣借りはそっちに並べ!」
 わさわさと黒山が分かれて、一列に並ぶ。

「オヤジ!食堂を貸切にしてくれ!」
 俺は、銀貨を十枚テーブルに置く。
「へい、かしこまりました。どうぞ。」
 どうやら、納得したようだ。
 俺とラル、ウォルフで机を動かして、会場を作る。
 オヤジは、水差しとコップを持ってきた。
 ティリスとアリスは、後ろに避難した。
「部屋を真ん中で分けて、そっちはウォルフとラルで、陣借り者の名簿を作ってくれ。俺は紹介状持ちを作る。」
 聖女たちは、俺の後ろに控えている。
「わかりました。」
「チコ、二人ずつ中に入れてくれ、言うことを聞かない奴はお帰り願え。」
「かしこまり!」
 チコはすぐに外に出た。

「二人ずつ入ってください。紹介状のある人と、ない人で順番に入ること。横入りした人は、その場でお帰りくださいとのことです。」
 チコは、本当にかしこいなあ。
 みな一斉に静かになった。
 本来、宿屋の前で騒いでいた時点で、全員追いかえすんだけど、せっかく待っていたのでしかたがない。
 まあ、温情かけてやるさ。
「紹介状のある方は、こちらへどうぞ。」
「はい、マキタ子爵の三男マルノです。寄り親のカンナバ伯爵の紹介状で…」
「ふむ、魔物の討伐経験は?ふむ、軍隊の従軍経験はなしですか。」
 俺は、紹介状を受け取って、名前を確認し連絡先を聞いた。
「?そこは親許ではないんですか?」
「ええ、やはり居心地はよくないですよ。」
「そうですか、追ってお知らせします。」
「は、どうかよしなに。」

 こんなやり取りを百人もすると、やっと落ち着いてきた。
「外にはあと何人だ?」
「紹介状持ちはもういません、陣借りはあと百人くらいいます。」
「じゃあ、こんどはこっちにも回していいよ。」
 チコは、入り口の所であっちこっちと指示を出している。
「ふうん、男爵領の内部抗争に従軍したのかー、槍は得意なの?魔物は狩ったことある?」
 ざっくばらんに聞いてみる。
「わかった、連絡先はどこへ?了解、結果はのちほど。」
 いささか型にはまったやりとりを延々と続けてきたので、疲れてきた。

「おやっさん、お茶ください。」
「へい!」
「チコも入って休め。のどかわいたろう?」
「あ、はーい。」
 ドワーフ娘は、頑丈が取り柄だが、アルコール切れには弱い。
 親父にたのんで、エールを出してやると、うまそうに飲んでいる。
 チコの赤毛がゆれる。
「ウォルフ、ラル、どうだ?使えそうな奴はいるか?」
「う~ん、まあまあなやつらばかりで、使えるかって聞かれると、あいまいだな。」
 ラルが、わかったようなことを言う。
 おまえ、偉そうだぞ。
「なに、たいしたことはない、そこそこ使えそうなのを、ウォルフが鍛えればいいんだ。」
「文官は、それでもいいですが、男爵の私兵となりますと。」
 ウォルフは、またぞろ心配性が顔を出すようだ。


「いいって、そいつもオークとは言わんが、ゴブリンが余裕で狩れるくらいで十分だ。あとは、実戦で鍛える。」
 俺は、あんま期待してないんだ。
 貴族の子弟も、陣借り者も、いますぐ使えるかどうかなんてわからんしな。
 ゴルテスに預けるかして、陸軍方式で鍛えてみればいい。
「半年は、お試し期間で様子見しかなかろう。急いで復興したいが、そう言う訳にもいかん。」
「気が長いですね。」
「三年でどうにかなるようなものでもない。十年スパンで見たほうがいい。」
「あとは、不正を働いたり、汚職に手を染めたりしないように見張るんですね。」
「領主っていうのは、行政と司法を両方持ってるようなもんだからな。まず決断ありきだ。」
「カズマはよくやっていると思いますけどね。」
 ティリスは、俺の肩に手を置いて言う。
「そうですね、カズマさまは上手に遣り繰りしてますね。今日の対応だって、普通は追い返してしまいますよ。」
 アリスティアも、ティリスの意見に同意らしい。

「え?追い返してもよかったの?」
 チコがアリスに聞いた。
「だああああ~、真面目に対応して損した~。」
 チコ、ごくろうさん。
 でも、何人かは使えそうなので、得した!って気もする。
「あと残り少しだ、がんばって片付けよう。」
「「「おっしゃー」」」
 最終的に、陣借りは二百五十人くらい来た。あとから噂を聞いてやってきたやつもいて、少し増えたんだ。
 紹介状持ちだって、九十八人に上る。
 書く方も大変だったろうな。
   ろくに知りもしない相手を持ち上げるように書かなきゃならんのだ、精神的苦痛もハンパねぇ。
 その中でも、リョービ子爵ん所の、八男マルス=リョービは使えそうだ。
 土魔法特化の剣士で、オークとやったことがある。
 まあ、三人でタコ殴りだったようだが、それでも十分だ。

 ホルスト=ヒターチ男爵三男は、他国との小競り合いに従軍して、軍功も上げている。
 ゲオルグ=ベルンという男は、隣国から一人で旅してきた強者で、信頼できそうだ。
 そんな玉石混合の三百五十人は、基本全員召し抱えてもいいと思っている。
 ただ、全部に給金が行きわたるかどうかが問題。
「半年の試用期間中に、全額の給金を払うこたぁありませんよ。」
 ウォルフは、軽い調子で言うのだが、ホンマにええのかな?
「それほどひどいことではありません。使えない奴は半年経たずにやめるか逃げるかします。」
 メシ食わせるだけでもいいそうだ。
 それじゃかわいそうだから、小遣いくらいは出すよ。
「そういうもんか。」

 昔、農業で自立したいとか言うやつが農協に来たけど、一日で逃げたことがある。
 体力に自信がなくなったそうだ。
 まあ、それと一緒で、根性の無い奴なんかはすぐ辞めてしまうわな。

 俺は、表に張り紙をしておくことにした。
 合格者の名前を張り出すのだ。
「なんか、試験の合格発表みたいだな。」
「こんなことする人を、初めて見ましたよ。」
 ウォルフは、しきりに腕を組んだまま紙を眺めている。
「ウォルフが初めてって言うんだから、画期的じゃないか。」
「まあ、そうとも言いますが。」
「どうだ?文官として使えそうなのは、早々に連れて帰るか?」
「そうですね、できればそうしたいです。男爵さまの言っていた、人別帳の作成をいそいでやらないと。」
「ああ、それ急務だな。文官の一番最初の仕事だ。」
「本当に四千人分の人別を作るんですか?」

「当たり前だのクラッカー!いいか、誰がどこでどんな仕事をしているか、しっかり把握しないで税金が取れるか?」
「そりゃまあ…」
「徴税官が、自分の懐を肥やすために税金を集めてるんじゃないんだ。こんど、そういうやつが現れたら、目の前で首をはねてやる。」
 俺は、戦国大名かって勢いでうなった。
「過激ですね~。」
 ウォルフは、冷や汗をかいて笑った。
「税金は国の礎だよ。人は石垣人は城、情けは味方仇は敵ってんだ。いいか、税金は民を助けるために使うんだ。」
「男爵さまの考えとも思えませんがね。」
 往時の貴族は、税収のほとんどに公共事業への予算割などしていなかったのだ。
 それでも、水道や領地開拓などには、予算を割かざるを得なかったようだが。
 基本、殿様の懐に入っていた。
「これからのレジオは、この国で一番住みやすい街にするんだ。」
 俺がブチあげると、ウォルフもうなずいた。
「不詳私もがんばります!」
「たのむぜ、ウォルフ=マイヤー!」
「あれ?私に苗字が?」


「あたりめえだ、俺の一番の文官だぞ、苗字帯刀を許す。」
「ははー!」
 ふたりは時を同じくして吹き出した。
「あははははは」
 時はすでに夕食の時間になっていた。
「旦那、そろそろ店を開けてもよろしゅうございますか?」
「おう、長い時間悪かったな。こっちはしまいだ、ティリス、アリス、俺たちも夕飯にしようぜ。」
「ウチのお館さまは、がさつでこまりますねー。」
「ねー。」
 二人の聖女は、お互いにうなずき合って笑っている。


 俺も、そんなにまじめに考えてたわけじゃないけどな。
「どうせ、たいした貴族じゃねーじゃん、これから立て直さなきゃならない、ドイナカだぜ。」
「そう言えば…もうお見合いの話が来てるの?」
 さっきのパーティでも、年頃の娘の居る貴族は目の色変えているしな。
 新興の貴族だけど、今後の発展が見こめるから、次女三女くらいならくれてやってもいいんじゃないのかな?
「そりゃまあ、新興の貴族でしがらみねーもんよ、目端の利くやつはそのくらいするぜ。」
「ウチのお館さまは、若いですからね。いいように操ろうとか考えるんじゃないですか?」
「こんな金ばっかかかる、ビンボーな領地でかい?」
「将来の伸び代はありますよ、領地はけっこう広いですしね。ケモノ・魔物対策さえしてあれば、農地の広がりも期待できます。」
「なるほど。それはやろうと思ってた。」
「でしょう?」
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