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おじさん曰く。
この世界にはまれに他の異世界の知識を持って生まれる『恵の子』や、異世界にいた時の姿そのままにやってくる『恵の人』が現れるらしい。
そして、その人らは八割方が女なのだとか。
女の『恵の子』と『恵の人』が多い理由はいまだ解明されていないようだが、そのせいではるか昔から女尊男卑の傾向があったらしい。
その傾向に拍車がかかったのは約二百年前。変わった知識や技能を持つ『恵の人』の中でも、ひと際有能で実力者だった女性が『女尊男卑』に対して強い同意を示していた、という記録が残っているようだ。
なまじ優秀で、当時の政治的問題や食糧問題など、すべての問題を解決し、また、文明を発展させた功績もあったため、彼女の強い『女尊男卑』の思想に同調した人が増えたという。
そうして時が流れるにつれ、だんだんと思想の歪みが強まり、現在の行き過ぎた『女尊男卑』につながっているようだ。
ちなみに、現在この国で政治を担ってるのは総理大臣ではなく女王様だそうだ。その辺の、政治形態は日本と全然違うっぽい。
「恐ろしいのは、不満を抱く人は多いのですが、疑問を持つ人はいないんですよ」
おじさんは、どこか遠い目で言った。
それほどまでに、『女尊男卑』という思想はこの世界に根強く存在しているということか。
「それはそれとして、異世界人なら、明日『センター』に行って検査してもらうといいですよ。DNA型がこの世界の人間とは違うらしいので。証明書をもらえれば、戸籍も取得できますし」
それはわたしが今、一番欲しかった情報だ。何とかなりそうで、本当に助かる。
「何から何まですみません……」
このおじさんがいなければ、どうなっていたことやら。ぞっとする。
とりあえず今晩はここで夜を過ごして、明日の朝一で『センター』とやらを探してみよう。
おじさんの口ぶりだと異世界人も『センター』も結構周知されているみたいだし、その辺の通行人に聞けばたどり着けるだろう。
「男として、当然のことですから」
なんだか格好いいセリフなのに、頼りなく感じてしまうのは、おじさんの声が疲れているからだろうか。
「あの、お礼に、何かできることありませんか……?」
わたしは恐る恐る尋ねてみる。あとくされなくお金をスッとだせたらいいのだが、わたしはこの世界のお金を持っていない。……そうでなくても、わたしはニートだからお金らしいお金を持っていないのだが。
やらしい意味でなく、純粋に体で払うしかない。肉体労働というか、そういう意味で。
しかし、おじさんは力なく笑うだけで、何かを要求してくるということはなかった。
それは遠慮しているというより、本当にいらないと、確固たる距離があった。
本人がいらないと嫌がっているのに、無理に礼を押し付けるのは何か違うとは思うのだが、わたしもわたしで、ここまでしてもらっておいて「ありがとう」だけで済ませるのは後味が悪い。
「じゃあ、わたし、『センター』? っていうところに行って、証明書と戸籍を入手したら働きますから! お給料貰ったら、せめてお弁当代くらいは返させてください」
そういうと、おじさんのほうが渋々引き下がってくれた。「『恵の人』が働くようなことにはならないと思うがな……」とぼそっと言われた不穏な言葉は無視する。おじさんも独り言として言ってるみたいだし、聞こえるか聞こえないかくらいの声量だったから、聞かなかったことにする。
確かに、何かこの世界の人間に与えられるような知恵があれば、それを教えて、代価として生活の保障をねだってもいいのかもしれないが、あいにくわたしには何の知識も知恵もない。ほとんど現代日本と同じくらい成長しきっているのだ、今更わたしのネットで聞きかじった程度の、真偽が分からない知識なんて、なんの役にも立たないだろう。
というかむしろ高校中退している時点で学はない。学歴がない人間が皆そろって無知無能、とは言わないが、少なくともわたし自身に誇れるなにかはない。
「……じゃあ、何かあればここに」
そう言って、一枚の小さな紙を、おじさんはわたしにくれた。少し厚くてかたい――それは名刺だった。
文字は読めるかな、と少し不安だったが、そこはやはり日本人の影響を色濃く受けた世界。おおよそ日本語だった。
おおよそ、というのは、旧字体が混ざっていたり、とめ・はね・はらいが若干違っていたり、となんだか違和感のぬぐえない文字だから、正確な日本語とはちょっと違う。
とはいえ、読めなくはないし、読みを想像することもできる。
綿鷺(わたさぎ)。
それが彼の名前のようだった。
「苗字はないんですか?」
ペンネームのようなシンプルな名前に、思わずわたしは聞いてしまう。
「お貴族様ではなく、平民ですから」
「はあ……」
そういえば、ここは日本じゃないんだった。
おじさん――もとい綿鷺さんは黒髪で、黒に近い茶色い目をしている。顔もどちらかと言えば平坦で、実に東洋人らしい見た目をしているからか、どうにも、ここが異世界だということがぽっと抜けてしまう。
くたびれているとはいえ、スーツを着ているから、余計に。いや、よれているからこそ、生活感と言うか、培った自然さというものが増すと言うか。
「そうだ、あの、わたし、名前……。名前、葉のか(はのか)って言います」
綿鷺さんに名前を教えてもらったのだが、わたしも言わなきゃ、と焦ってしまい、唐突に変な切り出しになってしまった。さっきまで普通に話せていたのに、急におかしくなってしまった。
いつもは普通に話せるのに、ふとした瞬間、突拍子もないことを言い出してしまうのは昔からだ。
わたしの中では話がつながっているのだが、早く伝えなきゃ、と思うあまり、文脈がトンチンカンなことをしゃべってしまう。
治したい悪癖なのだが、ついぞ二十数年経った今でも治らないままだ。
しかし、綿鷺さんは馬鹿にするでもなく、戸惑うのでもなく、ごく自然に「そうですか、よい名前ですね」と言ってくれた。
神対応……! とありがたりながらも、わたしは次の話題を探す。次こそ自然に、と思えば思うほど、「そういえば」でつながらないくらい、全然違う話題転換になってしまうのだが。
「綿鷺さん、は、帰らないんですか?」
随分と夜遅くだし、明日も仕事があるんじゃないのか? わたしと駄弁ってて大丈夫、休まなくて平気?
そういう意味で言ったつもりだったのだが、綿鷺さんの表情が固まっているのをみて、完全にやらかしたことに気が付いた。
どう聞いても、「はよ帰れ」という風にしか聞こえないだろう。
「そうですね、そろそろ帰ります」
違うんです、と言うより早く、綿鷺さんはそう言って立ち上がった。あっという間にごみを片付けてしまう。その姿は少し怒っているようにも見えて、余計に声をかけづらい。
そりゃあ、親切にした相手から、暗に帰れと言われればカチンと来るだろう。たとえそれが、自分より立場が上の人間だったとしても。
「それでは」
どう弁解しよう、ともたついている間に、綿鷺さんは頭を下げてさっさと帰ってしまった。
せめてごめんなさい、と言えばよかった、と思った時には既に時遅し。綿鷺さんの背中は本当に小さく見えるくらいで、大声で叫んでも届かないくらいの距離だった。
「やらかした……!」
わたしは泣きそうになりながら、膝を抱える。
綿鷺さんから貰った名刺をいじりながら、どう会話をするべきだったか、反省と次の会話のシュミレーションを繰り返していたら、いつの間にか朝日が昇っていた。
この世界にはまれに他の異世界の知識を持って生まれる『恵の子』や、異世界にいた時の姿そのままにやってくる『恵の人』が現れるらしい。
そして、その人らは八割方が女なのだとか。
女の『恵の子』と『恵の人』が多い理由はいまだ解明されていないようだが、そのせいではるか昔から女尊男卑の傾向があったらしい。
その傾向に拍車がかかったのは約二百年前。変わった知識や技能を持つ『恵の人』の中でも、ひと際有能で実力者だった女性が『女尊男卑』に対して強い同意を示していた、という記録が残っているようだ。
なまじ優秀で、当時の政治的問題や食糧問題など、すべての問題を解決し、また、文明を発展させた功績もあったため、彼女の強い『女尊男卑』の思想に同調した人が増えたという。
そうして時が流れるにつれ、だんだんと思想の歪みが強まり、現在の行き過ぎた『女尊男卑』につながっているようだ。
ちなみに、現在この国で政治を担ってるのは総理大臣ではなく女王様だそうだ。その辺の、政治形態は日本と全然違うっぽい。
「恐ろしいのは、不満を抱く人は多いのですが、疑問を持つ人はいないんですよ」
おじさんは、どこか遠い目で言った。
それほどまでに、『女尊男卑』という思想はこの世界に根強く存在しているということか。
「それはそれとして、異世界人なら、明日『センター』に行って検査してもらうといいですよ。DNA型がこの世界の人間とは違うらしいので。証明書をもらえれば、戸籍も取得できますし」
それはわたしが今、一番欲しかった情報だ。何とかなりそうで、本当に助かる。
「何から何まですみません……」
このおじさんがいなければ、どうなっていたことやら。ぞっとする。
とりあえず今晩はここで夜を過ごして、明日の朝一で『センター』とやらを探してみよう。
おじさんの口ぶりだと異世界人も『センター』も結構周知されているみたいだし、その辺の通行人に聞けばたどり着けるだろう。
「男として、当然のことですから」
なんだか格好いいセリフなのに、頼りなく感じてしまうのは、おじさんの声が疲れているからだろうか。
「あの、お礼に、何かできることありませんか……?」
わたしは恐る恐る尋ねてみる。あとくされなくお金をスッとだせたらいいのだが、わたしはこの世界のお金を持っていない。……そうでなくても、わたしはニートだからお金らしいお金を持っていないのだが。
やらしい意味でなく、純粋に体で払うしかない。肉体労働というか、そういう意味で。
しかし、おじさんは力なく笑うだけで、何かを要求してくるということはなかった。
それは遠慮しているというより、本当にいらないと、確固たる距離があった。
本人がいらないと嫌がっているのに、無理に礼を押し付けるのは何か違うとは思うのだが、わたしもわたしで、ここまでしてもらっておいて「ありがとう」だけで済ませるのは後味が悪い。
「じゃあ、わたし、『センター』? っていうところに行って、証明書と戸籍を入手したら働きますから! お給料貰ったら、せめてお弁当代くらいは返させてください」
そういうと、おじさんのほうが渋々引き下がってくれた。「『恵の人』が働くようなことにはならないと思うがな……」とぼそっと言われた不穏な言葉は無視する。おじさんも独り言として言ってるみたいだし、聞こえるか聞こえないかくらいの声量だったから、聞かなかったことにする。
確かに、何かこの世界の人間に与えられるような知恵があれば、それを教えて、代価として生活の保障をねだってもいいのかもしれないが、あいにくわたしには何の知識も知恵もない。ほとんど現代日本と同じくらい成長しきっているのだ、今更わたしのネットで聞きかじった程度の、真偽が分からない知識なんて、なんの役にも立たないだろう。
というかむしろ高校中退している時点で学はない。学歴がない人間が皆そろって無知無能、とは言わないが、少なくともわたし自身に誇れるなにかはない。
「……じゃあ、何かあればここに」
そう言って、一枚の小さな紙を、おじさんはわたしにくれた。少し厚くてかたい――それは名刺だった。
文字は読めるかな、と少し不安だったが、そこはやはり日本人の影響を色濃く受けた世界。おおよそ日本語だった。
おおよそ、というのは、旧字体が混ざっていたり、とめ・はね・はらいが若干違っていたり、となんだか違和感のぬぐえない文字だから、正確な日本語とはちょっと違う。
とはいえ、読めなくはないし、読みを想像することもできる。
綿鷺(わたさぎ)。
それが彼の名前のようだった。
「苗字はないんですか?」
ペンネームのようなシンプルな名前に、思わずわたしは聞いてしまう。
「お貴族様ではなく、平民ですから」
「はあ……」
そういえば、ここは日本じゃないんだった。
おじさん――もとい綿鷺さんは黒髪で、黒に近い茶色い目をしている。顔もどちらかと言えば平坦で、実に東洋人らしい見た目をしているからか、どうにも、ここが異世界だということがぽっと抜けてしまう。
くたびれているとはいえ、スーツを着ているから、余計に。いや、よれているからこそ、生活感と言うか、培った自然さというものが増すと言うか。
「そうだ、あの、わたし、名前……。名前、葉のか(はのか)って言います」
綿鷺さんに名前を教えてもらったのだが、わたしも言わなきゃ、と焦ってしまい、唐突に変な切り出しになってしまった。さっきまで普通に話せていたのに、急におかしくなってしまった。
いつもは普通に話せるのに、ふとした瞬間、突拍子もないことを言い出してしまうのは昔からだ。
わたしの中では話がつながっているのだが、早く伝えなきゃ、と思うあまり、文脈がトンチンカンなことをしゃべってしまう。
治したい悪癖なのだが、ついぞ二十数年経った今でも治らないままだ。
しかし、綿鷺さんは馬鹿にするでもなく、戸惑うのでもなく、ごく自然に「そうですか、よい名前ですね」と言ってくれた。
神対応……! とありがたりながらも、わたしは次の話題を探す。次こそ自然に、と思えば思うほど、「そういえば」でつながらないくらい、全然違う話題転換になってしまうのだが。
「綿鷺さん、は、帰らないんですか?」
随分と夜遅くだし、明日も仕事があるんじゃないのか? わたしと駄弁ってて大丈夫、休まなくて平気?
そういう意味で言ったつもりだったのだが、綿鷺さんの表情が固まっているのをみて、完全にやらかしたことに気が付いた。
どう聞いても、「はよ帰れ」という風にしか聞こえないだろう。
「そうですね、そろそろ帰ります」
違うんです、と言うより早く、綿鷺さんはそう言って立ち上がった。あっという間にごみを片付けてしまう。その姿は少し怒っているようにも見えて、余計に声をかけづらい。
そりゃあ、親切にした相手から、暗に帰れと言われればカチンと来るだろう。たとえそれが、自分より立場が上の人間だったとしても。
「それでは」
どう弁解しよう、ともたついている間に、綿鷺さんは頭を下げてさっさと帰ってしまった。
せめてごめんなさい、と言えばよかった、と思った時には既に時遅し。綿鷺さんの背中は本当に小さく見えるくらいで、大声で叫んでも届かないくらいの距離だった。
「やらかした……!」
わたしは泣きそうになりながら、膝を抱える。
綿鷺さんから貰った名刺をいじりながら、どう会話をするべきだったか、反省と次の会話のシュミレーションを繰り返していたら、いつの間にか朝日が昇っていた。
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