2 / 10
02
しおりを挟む
結局、わたしはあの河川敷に戻っていた。街中には怖くていられない。無駄に体力を使っただけな気もするが、あのままあそこにいるよりはマシだと思う。
河川敷にある橋の下で、膝を抱えて座り込む。少なくとも雨は防げるはずだ。
走り回ったので汗が気持ち悪いし、ごみ袋が頭に当たったので妙に臭い。お風呂に入りたい、と思うが、それ以上に問題があった。
食料である。
部屋着のまま、異世界に放り出されたわたしは、なんの所持品もなかった。お金は一円もなく、そもそもここの世界で日本のお金が使えるかは、分からない。単位は円で、一緒だったけれど。
しかも、どうやら泥棒に刺されるまでの空腹感は引き継いでいるようだ。先ほどまでは混乱と恐怖が強くて全然気が付かなかったが、今になって猛烈にお腹が空いてきた。
山の中に放り出されていたら逆に山菜なんかが採れたんだろうか……と一瞬思ったが、わたしは首を横に振った。
山菜を生で食べられるかなんてわからないし、そもそもどれが食べることのできる山菜か、わたしには判断できない。毒のある草花を口にしてしまう可能性は否定できないし、野生動物と遭遇してしまったら完全に詰みだ。
大体、山を探索できるほどの体力が、今のわたしにあるとは思えない。
もう夜になってしまったし、今日はこのまま寝てしまうとしても、明日からどうしよう……。
女性優位の世界なら働き口を探すのも難しくないかな、とちょっと思ったが、冷静になればそれも難しいと分かる。
これほど日本に酷似しているのなら、戸籍関連もしっかりしているだろう。住所がなくても働く方法はゼロではないと思うが、戸籍がなくてもできる仕事の安全性なんてみじんもないだろう。
どうしようか悩んでいると、ふと、人の気配がする。
橋の陰にわたしがいるからか、それとも、こんな場所に、ましてや夜に誰かがいると思ってないのか、男が一人、わたしの近くに座った。
スーツ姿で、随分とくたびれた三〇代後半くらいに見えるおじさんだった。顔の造形はいいのだろうが、あふれ出る倦怠感と酷いクマ、くたびれたスーツをまとう彼に覇気はなく、あんまりモテなさそうだった。いや、引きこもりニートで街を駆けずり回り、汗でどろどろのわたしが下していい判断じゃない気がするけど。
すぐ隣、というほど近くもないが、会話ができるくらいの距離にいるにも関わらず、まったくこちらに気が付く様子のない男性を、思わず観察してしまう。
おじさんはビニール袋から缶を取り出し、プルトップを起こし、それを飲む。暗い中では缶のラベルの詳細までは見えないが、プシュ、といい音がしたので、多分炭酸系。ビールか発泡酒か、そのあたりだろう。
ごくごくと勢いよく飲むおじさんは、ようやくわたしの視線に気が付いたのか、ちら、とこちらを見た。
一瞬固まった後、露骨に動揺したおじさんは缶を落とす。胡坐をかいていた彼の股の隙間に丁度落ちたようだ。「あぶねっ!」という声が聞こえる。思ったよりおじさんの声は低かった。
「なん、なんで、女が、こんなとこに……!」
――ぐるるぅ……。
慌てるおじさんの声をかき消すほどの大音量で、わたしのお腹が鳴った。これだけ大きいのだ。絶対おじさんに聞かれた。
思わず抱えていた膝をさらに引き寄せる。手遅れだろうが、少しでも聞こえなければ――と思ったのに、もう一度、大きな音でお腹が鳴った。もう駄目だ。引きこもりニートは羞恥心で死ぬ。
「……食べますか?」
しかし、おじさんが言ったのは、からかいの言葉なんかではなかった。
あまつさえ、お弁当まで差し出してくれた。
「で、でも、あの……それ、おじさんの分ですよね」
彼の夕飯なのだろう、と思って遠慮したのだが、ぴしり、とおじさんが固まった――ような気がする。
しまった。もしかしたら彼はおじさん、なんて歳じゃなかったのかもしれない。随分とお疲れのようだし、ちょっと老け込んでいるだけで、実年齢は若いのかも……。
お兄さんと呼ぶべきだったか、と後悔したが、ふと、ここはわたしのいた日本ではなく、女尊男卑の異世界であることに気が付いた。
一般的な女性だったら、さっきの場面では「当たり前でしょ、さっさとよこしなさいよ!」くらいの態度をとるものだったのだろうか……?
いや、いくら女尊男卑の世界だからって、そんなこと言う奴は単純にその人の性格が悪すぎる。
悶々としていると、おじさんはビニール袋を軽く掲げた。
「まだおにぎりと焼き鳥があるので。だから遠慮しなくても平気です」
「えっ、でも……。……うぅ、お言葉に甘えて……」
初対面の人間に、対価も払えないのに物をもらうのは抵抗があるものの、飢えと、今逃したら次の食料を入手する方法がない現状を鑑みて、受け取ることにした。
「いただきます……」
おじさんから受け取ったカルビ弁当は、温めてから時間が経っているのか、ほんのりと温いだけだったが、今まで食べたどんなコンビニ弁当よりおいしい。
あんまりがっつくのはみっともない、と我に返った時には、すでにお弁当の三分の二がお腹に収まった時だった。
やってしまった、と思ったが、もはやここまできたら今更上品に食べるのもな、と思い、そのまま勢いで完食した。
「ごちそうさまでした……。あの、本当に助かりました」
おじさんにそう言うと、またも彼は驚いたようは表情をした。お礼すら言わないのか、この世界の女性は……と引いてしまったが、それはわたしが別の世界から来ているからだろう。
わたしだって、もしこの世界に生まれていて、男は女より下の立場にいる生き物だ、と教育されてきたらそう信じて育っただろう。
「……その、違ったら悪いんですが、貴女、この世界の人間じゃない……んですか?」
「えっ!?」
驚いて二の句が継げない。現代日本とほとんど同じこの世界では、やはり非科学的なことは受け入れられないものだろう、と無意識に決めつけていたので、おじさんの言葉に驚きを隠せない。
正直に言うかどうか迷ったが、おじさんは「今の態度で分かります」と言いながらおにぎりの封を切った。
「この世界の女だったら男に対して遠慮も感謝もしません。そもそも、敬語も男が使うものという認識でしょう」
「あ、あの、異世界人って信じられているもの、なんですかね……?」
いまだにわたしはこの世界が現実している異世界だとちょっと認めたくないところにいるというのに。
混乱しているわたしが面白いのか、おじさんは軽く笑った。
「二百年ほど前にこの世界にやってきた、ニホンジン、という異世界の女性が急速に文明を進化させた、と授業で習いますよ」
だから女尊の世界なんです、とおじさんは言う。
どうやらこの世界も、なかなかにファンタジーな世界だったらしい。
河川敷にある橋の下で、膝を抱えて座り込む。少なくとも雨は防げるはずだ。
走り回ったので汗が気持ち悪いし、ごみ袋が頭に当たったので妙に臭い。お風呂に入りたい、と思うが、それ以上に問題があった。
食料である。
部屋着のまま、異世界に放り出されたわたしは、なんの所持品もなかった。お金は一円もなく、そもそもここの世界で日本のお金が使えるかは、分からない。単位は円で、一緒だったけれど。
しかも、どうやら泥棒に刺されるまでの空腹感は引き継いでいるようだ。先ほどまでは混乱と恐怖が強くて全然気が付かなかったが、今になって猛烈にお腹が空いてきた。
山の中に放り出されていたら逆に山菜なんかが採れたんだろうか……と一瞬思ったが、わたしは首を横に振った。
山菜を生で食べられるかなんてわからないし、そもそもどれが食べることのできる山菜か、わたしには判断できない。毒のある草花を口にしてしまう可能性は否定できないし、野生動物と遭遇してしまったら完全に詰みだ。
大体、山を探索できるほどの体力が、今のわたしにあるとは思えない。
もう夜になってしまったし、今日はこのまま寝てしまうとしても、明日からどうしよう……。
女性優位の世界なら働き口を探すのも難しくないかな、とちょっと思ったが、冷静になればそれも難しいと分かる。
これほど日本に酷似しているのなら、戸籍関連もしっかりしているだろう。住所がなくても働く方法はゼロではないと思うが、戸籍がなくてもできる仕事の安全性なんてみじんもないだろう。
どうしようか悩んでいると、ふと、人の気配がする。
橋の陰にわたしがいるからか、それとも、こんな場所に、ましてや夜に誰かがいると思ってないのか、男が一人、わたしの近くに座った。
スーツ姿で、随分とくたびれた三〇代後半くらいに見えるおじさんだった。顔の造形はいいのだろうが、あふれ出る倦怠感と酷いクマ、くたびれたスーツをまとう彼に覇気はなく、あんまりモテなさそうだった。いや、引きこもりニートで街を駆けずり回り、汗でどろどろのわたしが下していい判断じゃない気がするけど。
すぐ隣、というほど近くもないが、会話ができるくらいの距離にいるにも関わらず、まったくこちらに気が付く様子のない男性を、思わず観察してしまう。
おじさんはビニール袋から缶を取り出し、プルトップを起こし、それを飲む。暗い中では缶のラベルの詳細までは見えないが、プシュ、といい音がしたので、多分炭酸系。ビールか発泡酒か、そのあたりだろう。
ごくごくと勢いよく飲むおじさんは、ようやくわたしの視線に気が付いたのか、ちら、とこちらを見た。
一瞬固まった後、露骨に動揺したおじさんは缶を落とす。胡坐をかいていた彼の股の隙間に丁度落ちたようだ。「あぶねっ!」という声が聞こえる。思ったよりおじさんの声は低かった。
「なん、なんで、女が、こんなとこに……!」
――ぐるるぅ……。
慌てるおじさんの声をかき消すほどの大音量で、わたしのお腹が鳴った。これだけ大きいのだ。絶対おじさんに聞かれた。
思わず抱えていた膝をさらに引き寄せる。手遅れだろうが、少しでも聞こえなければ――と思ったのに、もう一度、大きな音でお腹が鳴った。もう駄目だ。引きこもりニートは羞恥心で死ぬ。
「……食べますか?」
しかし、おじさんが言ったのは、からかいの言葉なんかではなかった。
あまつさえ、お弁当まで差し出してくれた。
「で、でも、あの……それ、おじさんの分ですよね」
彼の夕飯なのだろう、と思って遠慮したのだが、ぴしり、とおじさんが固まった――ような気がする。
しまった。もしかしたら彼はおじさん、なんて歳じゃなかったのかもしれない。随分とお疲れのようだし、ちょっと老け込んでいるだけで、実年齢は若いのかも……。
お兄さんと呼ぶべきだったか、と後悔したが、ふと、ここはわたしのいた日本ではなく、女尊男卑の異世界であることに気が付いた。
一般的な女性だったら、さっきの場面では「当たり前でしょ、さっさとよこしなさいよ!」くらいの態度をとるものだったのだろうか……?
いや、いくら女尊男卑の世界だからって、そんなこと言う奴は単純にその人の性格が悪すぎる。
悶々としていると、おじさんはビニール袋を軽く掲げた。
「まだおにぎりと焼き鳥があるので。だから遠慮しなくても平気です」
「えっ、でも……。……うぅ、お言葉に甘えて……」
初対面の人間に、対価も払えないのに物をもらうのは抵抗があるものの、飢えと、今逃したら次の食料を入手する方法がない現状を鑑みて、受け取ることにした。
「いただきます……」
おじさんから受け取ったカルビ弁当は、温めてから時間が経っているのか、ほんのりと温いだけだったが、今まで食べたどんなコンビニ弁当よりおいしい。
あんまりがっつくのはみっともない、と我に返った時には、すでにお弁当の三分の二がお腹に収まった時だった。
やってしまった、と思ったが、もはやここまできたら今更上品に食べるのもな、と思い、そのまま勢いで完食した。
「ごちそうさまでした……。あの、本当に助かりました」
おじさんにそう言うと、またも彼は驚いたようは表情をした。お礼すら言わないのか、この世界の女性は……と引いてしまったが、それはわたしが別の世界から来ているからだろう。
わたしだって、もしこの世界に生まれていて、男は女より下の立場にいる生き物だ、と教育されてきたらそう信じて育っただろう。
「……その、違ったら悪いんですが、貴女、この世界の人間じゃない……んですか?」
「えっ!?」
驚いて二の句が継げない。現代日本とほとんど同じこの世界では、やはり非科学的なことは受け入れられないものだろう、と無意識に決めつけていたので、おじさんの言葉に驚きを隠せない。
正直に言うかどうか迷ったが、おじさんは「今の態度で分かります」と言いながらおにぎりの封を切った。
「この世界の女だったら男に対して遠慮も感謝もしません。そもそも、敬語も男が使うものという認識でしょう」
「あ、あの、異世界人って信じられているもの、なんですかね……?」
いまだにわたしはこの世界が現実している異世界だとちょっと認めたくないところにいるというのに。
混乱しているわたしが面白いのか、おじさんは軽く笑った。
「二百年ほど前にこの世界にやってきた、ニホンジン、という異世界の女性が急速に文明を進化させた、と授業で習いますよ」
だから女尊の世界なんです、とおじさんは言う。
どうやらこの世界も、なかなかにファンタジーな世界だったらしい。
5
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
【完結】「今日から私は好きに生きます! 殿下、美しくなった私を見て婚約破棄したことを後悔しても遅いですよ!」
まほりろ
恋愛
婚約者に浮気され公衆の面前で婚約破棄されました。
やったーー!
これで誰に咎められることなく、好きな服が着れるわ!
髪を黒く染めるのも、瞳が黒く見える眼鏡をかけるのも、黒か茶色の地味なドレスを着るのも今日で終わりよーー!
今まで私は元婚約者(王太子)の母親(王妃)の命令で、地味な格好をすることを強要されてきた。
ですが王太子との婚約は今日付けで破棄されました。
これで王妃様の理不尽な命令に従う必要はありませんね。
―――翌日―――
あら殿下? 本来の姿の私に見惚れているようですね。
今さら寄りを戻そうなどと言われても、迷惑ですわ。
だって私にはもう……。
※他サイトにも投稿しています。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
妻と夫と元妻と
キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では?
わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。
数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。
しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。
そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。
まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。
なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。
そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて………
相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。
不治の誤字脱字病患者の作品です。
作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。
性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。
小説家になろうさんでも投稿します。
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
【完結】もったいないですわ!乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢は、今日も生徒会活動に勤しむ~経済を回してる?それってただの無駄遣いですわ!~
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
内容も知らない乙女ゲームの世界に転生してしまった悪役令嬢は、ヒロインや攻略対象者たちを放って今日も生徒会活動に勤しむ。もったいないおばけは日本人の心! まだ使える物を捨ててしまうなんて、もったいないですわ! 悪役令嬢が取り組む『もったいない革命』に、だんだん生徒会役員たちは巻き込まれていく。「このゲームのヒロインは私なのよ!?」荒れるヒロインから一方的に恨まれる悪役令嬢はどうなってしまうのか?
義妹が本物、私は偽物? 追放されたら幸せが待っていました。
みこと。
恋愛
その国には、古くからの取り決めがあった。
"海の神女(みこ)は、最も高貴な者の妃とされるべし"
そして、数十年ぶりの"海神の大祭"前夜、王子の声が響き渡る。
「偽神女スザナを追放しろ! 本当の神女は、ここにいる彼女の妹レンゲだ」
神女として努めて来たスザナは、義妹にその地位を取って変わられ、罪人として国を追われる。彼女に従うのは、たった一人の従者。
過酷な夜の海に、スザナたちは放り出されるが、それは彼女にとって待ち望んだ展開だった──。
果たしてスザナの目的は。さらにスザナを不当に虐げた、王子と義妹に待ち受ける未来とは。
ドアマットからの"ざまぁ"を、うつ展開なしで書きたくて綴った短編。海洋ロマンス・ファンタジーをお楽しみください!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
サロン勤めで拘束時間は長く、休みもなかなか取れずに働きに働いた結果。
貯金残高はビックリするほど貯まってたけど、使う時間もないまま転生してた。
そして通勤の電車の中で暇つぶしに、ちょろーっとだけ遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したっぽい?
あんまり内容覚えてないけど…
悪役令嬢がムチムチしてたのだけは許せなかった!
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドを堪能してくださいませ?
********************
初投稿です。
転生侍女シリーズ第一弾。
短編全4話で、投稿予約済みです。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる