6 / 7
第五章:絆の試練
しおりを挟む「次の試練は何だろう……」
森の中で休息を取りながら、俺、相川翔太はリアとリリスに尋ねた。リリスは静かに頷き、次の試練について説明を始めた。
「第二の試練は『絆の試練』。あなたたちがどれほど強い絆で結ばれているかを試されることになる」
「絆……?」
リアが不思議そうに首をかしげた。俺も何を意味しているのか理解できなかったが、リリスの言葉に耳を傾けた。
「この試練では、あなたたちが互いに信じ合い、支え合うことができるかどうかが試される。困難な状況に直面し、お互いを信じる力が試されるのだ」
「なるほど……」
俺は頷き、リアと目を合わせた。彼女も決意を新たにしているようだ。俺たちはリリスの案内で試練の場所へと向かった。
試練の場所に到着すると、そこには大きな石碑が立っていた。石碑には古代の文字が刻まれており、リリスがそれを読み上げた。
「ここに立つ者たちよ、絆を試される時が来た。互いに信じ、支え合い、困難を乗り越えよ」
その瞬間、石碑から光が放たれ、俺とリアは別々の空間に引き裂かれた。俺は周囲を見渡したが、リアの姿はどこにも見当たらない。
「リア!どこだ!」
俺は叫んだが、返事はない。代わりに、目の前に巨大な迷宮が現れた。迷宮の中には数々の罠や魔物が待ち構えているようだ。
「くそ、こんなところでリアを見失うなんて……」
俺は迷宮の中を進むことを決意した。迷宮の中では、次々と罠や魔物が襲いかかってきたが、俺はリアのために戦い続けた。
「リア、待ってろ……必ず助けに行く!」
一方、リアも同じように迷宮の中で翔太を探していた。彼女も数々の困難に直面しながらも、翔太を信じて進んでいた。
「翔太さん……信じてる。必ず会えるって」
リアは治癒の力を駆使しながら、迷宮を進んでいった。途中、彼女もまた数々の試練に立ち向かいながら、翔太との再会を夢見ていた。
数時間が経ち、俺たちはついに迷宮の中心で再会を果たした。お互いの姿を見た瞬間、安心と喜びが溢れ出した。
「リア……無事でよかった」
「翔太さん……私も信じてました」
俺たちは抱き合い、絆の強さを確かめ合った。その時、リリスの声が響いた。
「見事だ。あなたたちは絆の試練を乗り越えた」
光が再び放たれ、俺たちは元の場所に戻った。リリスが微笑みながら近づいてきた。
「あなたたちの絆は本物だ。次の試練に進む資格を得た」
俺たちは疲れながらも、達成感に満ちていた。これからもお互いを信じ、支え合いながら進んでいくことを誓った。
「これからも、一緒に頑張ろうな、リア」
「はい、翔太さん」
異世界での冒険はまだまだ続く。次の試練に向けて、俺たちは新たな決意を胸に進んでいくのだった。
2
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
死亡フラグしかない世界へようこそ 〜男装皇女の悪あがき奮闘記〜
餡子
ファンタジー
生まれ変わったら、男として育てられた皇女になっていた!?
オタク趣味のOLだったのに、乙女ゲームの世界に転生する羽目に。それも転生先がよりによって、攻略対象である第二皇子。
しかも一番の問題はこの皇子、国を謀って王位継承権のない《女》であることを隠している始末。
父である王も、第一王位継承者である異母兄やその乳兄弟である騎士にも、絶対に誰にも知られるわけにはいかない。もしもバレたら、処刑コース一直線……!
──これは死にたくない私が、死なないために悪足掻きをする物語。
※全130話…完結まで毎日更新
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
年増公爵令嬢は、皇太子に早く婚約破棄されたい
富士とまと
恋愛
公爵令嬢15歳。皇太子10歳。
どう考えても、釣り合いが取れません。ダンスを踊っても、姉と弟にしか見えない。皇太子が成人するころには、私はとっくに適齢期を過ぎたただの年増になってます。そんなころに婚約破棄されるくらいなら、今すぐに婚約破棄してっ!
*短篇10本ノック3本目です*
転生?異世界?チート?貴族?ちょっと!意味わからないんですけど!?
のい
ファンタジー
高校2年生の田中紗貴(たなかさき)は、図書室で委員会の仕事をしている最中に本棚が倒れてきて、本に埋もれて死んでしまいます。次に目覚めたのは真っ白な空間…そこで待ち受けていたのは…?
異世界召喚されたのは、『元』勇者です
ユモア
ファンタジー
突如異世界『ルーファス』に召喚された一ノ瀬凍夜ーは、5年と言う年月を経て異世界を救った。そして、平和まで後一歩かと思ったその時、信頼していた仲間たちに裏切られ、深手を負いながらも異世界から強制的に送還された。
それから3年後、凍夜はクラスメイトから虐めを受けていた。しかし、そんな時、再度異世界に召喚された世界は、凍夜が送還されてから10年が経過した異世界『ルーファス』だった。自分を裏切った世界、裏切った仲間たちがいる世界で凍夜はどのように生きて行くのか、それは誰にも分からない。
お飾り妻は離縁されたい。「君を愛する事はできない」とおっしゃった筈の旦那様。なぜか聖女と呼んで溺愛してきます!!
友坂 悠
ファンタジー
この先はファンタジー色が強くなりすぎて恋愛ジャンルではどうかとの思いもあって完結させていましたが、ジャンルを移し連載再開することにしました。
よろしくお願いします。
「君を愛する事はできない」
新婚初夜に旦那様から聞かされたのはこんな台詞でした。
貴族同士の婚姻です。愛情も何もありませんでしたけれどそれでも結婚し妻となったからにはそれなりに責務を果たすつもりでした。
元々貧乏男爵家の次女のシルフィーナに、良縁など望むべくもないことはよく理解しているつもりで。
それでもまさかの侯爵家、それも騎士団総長を務めるサイラス様の伴侶として望んで頂けたと知った時には父も母も手放しで喜んで。
決定的だったのが、スタンフォード侯爵家から提示された結納金の金額でした。
それもあって本人の希望であるとかそういったものは全く考慮されることなく、年齢が倍以上も違うことにも目を瞑り、それこそ両親と同年代のサイラス様のもとに嫁ぐこととなったのです。
何かを期待をしていた訳では無いのです。
幸せとか、そんなものは二の次であったはずだったのです。
貴族女性の人生など、嫁ぎ先の為に使う物だと割り切っていたはずでした。
だから。縁談の話があったのも、ひとえに彼女のその魔力量を買われたのだと、
魔力的に優秀な子を望まれているとばかり。
それなのに。
「三年でいい。今から話す条件を守ってくれさえすれば、あとは君の好きにすればいい」
とこんなことを言われるとは思ってもいなくて。
まさか世継ぎを残す義務さえも課せられないとは、思ってもいなくって。
「それって要するに、ただのお飾り妻ってことですか!?」
「何故わたくしに白羽の矢が立ったのですか!? どうして!?」
事情もわからずただただやるせない気持ちになるシルフィーナでした。
それでも、侯爵夫人としての務めは果たそうと、頑張ろうと思うのでしたが……。
※本編完結済デス。番外編を開始しました。
※第二部開始しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる