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第十一章:満月の夜、レオンとの再会
しおりを挟むミコは、レオン・アルディスとの再会の日を迎えていた。再び満月の夜を指定されたことに、ミコは少しの緊張と期待を感じていた。彼がなぜ満月の夜を選ぶのか、その理由を知りたいという思いが強くなっていた。
「お嬢様、すべての準備が整いました。」
エリスが静かに報告し、ミコは深呼吸をしてから庭園に向かった。庭園には、再びレオンが現れる予定の場所が整えられており、満月の光が美しく庭全体を照らしていた。
しばらくして、遠くからレオンの姿が見えてきた。彼は今回も高貴な身なりをしていたが、前回とは違い、顔を覆う布は外していた。ミコはその変化に驚き、彼の美しい顔立ちが明らかになるのを見つめた。
「ミコ嬢、お会いできて光栄です。」
レオンは深々と頭を下げ、静かに挨拶をした。その顔立ちは信じられないほど美しく、まるで彫刻のような完璧さを持っていた。ミコは一瞬息を呑んだが、すぐに微笑みを浮かべた。
「レオン様、こちらこそお会いできて嬉しいですわ。」
二人はしばらく庭園を歩きながら話をしたが、ミコはどうしてもレオンの素顔に関する疑問を解消したくてたまらなかった。
「レオン様、前回お会いしたときと今回とで、少し違うと感じました。なぜ満月の夜を選ばれたのでしょうか?」
ミコが慎重に問いかけると、レオンは少し躊躇いながらも、静かに答えた。
「実は、私には呪いがかけられているのです。この呪いのせいで、普段は醜い顔をしているのですが、満月の夜だけはこのような姿に戻ることができるのです。」
ミコはその告白に驚き、思わず彼を見つめた。レオンは淡々と話を続けた。
「私がこうして素顔を見せることができるのは、この満月の夜だけなのです。そのため、前回も今回も満月の夜を選ばせていただきました。」
ミコはレオンの言葉に胸が締め付けられるような思いを感じた。彼が抱える重い運命を理解し、彼に寄り添いたいという気持ちが強くなった。
「レオン様、そのような運命を抱えていらっしゃるとは知らずに……でも、私はあなたの本当の姿を知ることができて嬉しいです。」
ミコの言葉に、レオンは少し驚いた様子を見せたが、次第に穏やかな表情に変わった。
「ミコ嬢、あなたは私が想像していた以上に優しい方ですね。私がこの姿を見せることができるのも、あなたが相手だからこそだと思います。」
二人はその後も穏やかな時間を過ごし、ミコはレオンに対する信頼と親しみが一層深まるのを感じた。彼が抱える呪いは確かに重いものだったが、ミコは彼を支えたいと思った。
満月の光が二人を優しく照らし、庭園は静かな時間に包まれた。ミコはこの再会が、彼らの絆をさらに強めるものになると感じ、心からその瞬間を大切にした。
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