サマージャンボドリーム

アニメ制作という挑戦

第3章 3

アニメ制作会社との契約が無事に成立し、直樹はほっと胸を撫で下ろした。これで一歩前進できた。そんな思いが彼の心を満たしていた。契約が完了した後、西村美咲が笑顔で提案してきた。

「直樹さん、お疲れ様でした。せっかくだから、この成功を一緒にお祝いしませんか？」

「え…あ、はい、ぜひ！」

美咲に誘われるまま、直樹は近くのファミリーレストランへと向かった。契約を終えたばかりの彼には、まだ緊張が残っていたが、美咲のリードで、徐々にリラックスした雰囲気が流れてきた。

「まずは、契約成立おめでとうございます」と、美咲はグラスを掲げ、乾杯を提案した。

直樹も照れながらグラスを持ち上げた。「ありがとうございます、咲美さん。本当に…全部あなたのおかげです」

「いえいえ、直樹さんが本気でアニメを作りたいと思ったからこそ、私も全力でサポートできたんですよ」

乾杯の後、二人はしばらく食事を楽しんでいたが、ふとしたきっかけで、アニメの話題が持ち上がった。

「ところで、直樹さんってどんなアニメが好きなんですか？」と美咲が尋ねると、直樹は少し驚いた様子で彼女を見つめた。

「え、咲美さんもアニメを？」

「実はね、私も隠れアニオタなんです。仕事では言えないけど、アニメやマンガが大好きで…」

美咲のこの告白に、直樹は驚きと喜びを感じた。まさか、彼女が同じ趣味を持っているとは思ってもみなかった。

「それなら、最近見た作品で気になったのは…」と、直樹はアニメの話題に花を咲かせ始めた。二人は次第に、アニメの名シーンやキャラクター、制作の裏話に至るまで、話が尽きることなく盛り上がっていった。

「本当に直樹さん、アニメが好きなんですね」と美咲は微笑みながら言った。

「はい、アニメは僕にとって大切なものです」と直樹は答えた。その言葉に、彼女もまた、心からの共感を抱いた。

この時間を通じて、直樹と美咲の間には、確かな絆が生まれた。アニメという共通の趣味が二人を結びつけ、仕事の関係を越えた親しい関係が築かれていくのを直樹は感じていた。