SNS心象風景・狐と猟師

からんで辛み

愚。　

　キツネがいつもとは違った道を
歩いていると、狐狩りをする
猟師らを偶然にも見つけた。

　幸いなことに、キツネの存在には
猟師らはまだ気が付いておらずに
いつもキツネが歩いている獣道に
銃口を向けている。

「ああ、ラッキーだ。
あの道を歩いていたのなら、
今頃は撃ち殺されていたろう」

　キツネは自分の運の良さを喜び、
同時に、来るはずのない自分を
待っている猟師らが滑稽に思えた。

「アイツらをからかってやろう」

　イタズラ心が湧き上がってきた
キツネは、そっと猟師らの背後へ
回り込んで、コ～んと鳴いた。

　その鳴き声に猟師たちは一斉に
振り返って、鉄砲を射掛けてきた。

　キツネはたまらず、命からがら
そこから逃げ出したとさ。

　わざわざ自分から近づいていって
絡んで嫌な思いして逃げ出す…愚。