1 / 1
きんのおのぎんのおの
しおりを挟む
正直者には良い事がある…らしい。
ひと知れぬ山深い秘密の研究所の
そばにそれはそれは美しい湖がある。
さしたる広さはないのだが、
湛える水の美しさと透明度は
神秘の湖と称しても差し支えない。
ここには湖の精・妖精さまが住んでいる。
澄んだ水に住んでいる妖精だ。
よく女神と間違われる、そんな時は
出現の要請があってもシカトする。
元来、妖精にはヒネくれた奴が多い。
◾️◾️◾️
湖畔には、ごく稀にキコリがやって来て
木を切り倒しては、エンコラせと木材を
切り出していく。
妖精は、カンカンと斧を打ち込む音が
迷惑な騒音に感じ、腹立たしかった。
どぼッ~ん
派手な水音が水面でしたかと思うと
木こりが使うギラギラのどデカい斧が
頭の上に落ちて来た。
あっぶねぇ~!
スンデのところで衝突を回避した
妖精が顔を真っ赤に染めて怒る。
怒りに任せて、妖精が使う金と銀の
斧を掴むと水面へと浮上した。
「お前が落としたのはコレか?」
どデカい鉄の斧を差し出して
岸辺で斧を探す木こりに問い質した。
「その通りです、それが私のです」
申し訳なさそうに木こりが答える。
頭に血の上った妖精が後先考えずに
手にした鉄斧を男をめがけて投げる。
〈コレでもくらえッ〉
妖精は言葉にこそ出さなかったが、
斧に当たって怪我しろと願った。
幸か不幸か妖精の非力さでどデカい
鉄斧は木こりの目の前にボトりと
落ちる結果になった。
「ああ、女神さま、ありがとう」
男は優しく拾って戻してくれたと思い
感謝の言葉を口にして拾い上げた。
〈きぃ~ッ!くやしいッ〉
斧が当たるどころか、易々と拾い上げ
あまつさえ、女神だとッ⁉︎
妖精の怒りは最大限を迎えた。
手にした金の斧、銀の斧も投げつけ
男にブチ当てようとしたが
思うようにはならなかった。
「ありがたい、女神さま
これらも、もらっていいのですか?」
やけっぱちの妖精は言い放った。
「勝手に持っていきやがれ!」
□ □ □
それ以来、この湖はお宝を手に入れられる
不思議な場所として大小様々な斧が
毎日、投げ入れられポイントと化した。
湖の底で降り注ぐような危険な斧を
右に左に避けながら、妖精は怒りに
任せて斧を投げ返した事を反省した。
「欲の深い人間どもめ」
ひと知れぬ山深い秘密の研究所の
そばにそれはそれは美しい湖がある。
さしたる広さはないのだが、
湛える水の美しさと透明度は
神秘の湖と称しても差し支えない。
ここには湖の精・妖精さまが住んでいる。
澄んだ水に住んでいる妖精だ。
よく女神と間違われる、そんな時は
出現の要請があってもシカトする。
元来、妖精にはヒネくれた奴が多い。
◾️◾️◾️
湖畔には、ごく稀にキコリがやって来て
木を切り倒しては、エンコラせと木材を
切り出していく。
妖精は、カンカンと斧を打ち込む音が
迷惑な騒音に感じ、腹立たしかった。
どぼッ~ん
派手な水音が水面でしたかと思うと
木こりが使うギラギラのどデカい斧が
頭の上に落ちて来た。
あっぶねぇ~!
スンデのところで衝突を回避した
妖精が顔を真っ赤に染めて怒る。
怒りに任せて、妖精が使う金と銀の
斧を掴むと水面へと浮上した。
「お前が落としたのはコレか?」
どデカい鉄の斧を差し出して
岸辺で斧を探す木こりに問い質した。
「その通りです、それが私のです」
申し訳なさそうに木こりが答える。
頭に血の上った妖精が後先考えずに
手にした鉄斧を男をめがけて投げる。
〈コレでもくらえッ〉
妖精は言葉にこそ出さなかったが、
斧に当たって怪我しろと願った。
幸か不幸か妖精の非力さでどデカい
鉄斧は木こりの目の前にボトりと
落ちる結果になった。
「ああ、女神さま、ありがとう」
男は優しく拾って戻してくれたと思い
感謝の言葉を口にして拾い上げた。
〈きぃ~ッ!くやしいッ〉
斧が当たるどころか、易々と拾い上げ
あまつさえ、女神だとッ⁉︎
妖精の怒りは最大限を迎えた。
手にした金の斧、銀の斧も投げつけ
男にブチ当てようとしたが
思うようにはならなかった。
「ありがたい、女神さま
これらも、もらっていいのですか?」
やけっぱちの妖精は言い放った。
「勝手に持っていきやがれ!」
□ □ □
それ以来、この湖はお宝を手に入れられる
不思議な場所として大小様々な斧が
毎日、投げ入れられポイントと化した。
湖の底で降り注ぐような危険な斧を
右に左に避けながら、妖精は怒りに
任せて斧を投げ返した事を反省した。
「欲の深い人間どもめ」
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる