1 / 2
第1話 猫と異世界 前編
しおりを挟む
<1>
ドアを開けると春の日差しが容赦なく体に突き刺さっていく。あぁ、今日からは高校2年生になるのか……そう思うと嬉しさなんかよりは憂鬱という二文字が頭にこびり付く
「ったく、さっさと授業が終われば気が楽なんだけどな」
そう言いながらも足は止まらず学校へと運んでしまう、しかし何故か足が止まった。見たくはなかった、決して見たくはないし遅刻ギリギリということもあって関わりたくはなかった──三歩下がるとそこには白色の猫が横たわってぐったりとしていた
「おい、大丈夫か? ──おい! くそっ、大丈夫じゃないなこれは」
よく見れば猫の足に切り傷のようなものがありそこから血がぽたぽたと流れ落ちていっている。ポケットからハンカチを取り出して猫の足に結びつける、止血だ
「ふぅ、ひとまずこれで血は止まるだろう。でもこのまま放置はさすがに危ないよな」
「ニャー」
白い猫はこちらに顔を向けると小さく甘えるような声で鳴いた
結局学校の1時限目が終わっているであろう時間帯にやっと猫が歩き出し古い屋敷に入ってくのを見届けてから学校へと歩き出した
「そういえば──こんなとこに屋敷なんてあったかな?」
誰にも聞こえないくらいの小さな声で自分自身に問うてみる、しかし答えは見つからない
「ニャー」
猫の鳴き声が聞こえたような気がして後ろを振り向くがそこには古い屋敷がぽつんとあるだけだった
「気のせいか」
<2>
「遅い! 一体なんで遅刻なんてするのさ、ほら怒らないから理由を言ってごらん?」
学校へ着くなり生徒会長に捕まりこうして生徒会室で正座させられているこの状況に頭が追いつかないが遅刻は遅刻だ、理由をきちんと話すべきだろう
「実はさ、怪我した猫がいてそいつを助けてたらこんな時間になった。すまん白井」
生徒会長こと白井優菜はため息をついてプリントをこちらに手渡す
「如月ってほんとバカよね、お人好しっていうかただのバカっていうか、バカだけど優しいし……じゃなくて! はい、これ一応反省文ね。形だけでも書いてくれないと私が困るからね」
渋々受け取り枚数を数えるが5枚はあるようだ、見間違いだと嬉しいが現実のようだ。まぁ帰ったらすぐに書けばいいか
「わかった、次からは気をつけるよ。またな」
ドアノブに手を置いて開けようとしたとき白井が肩に手を置いた
「なんだ?」
「あのね、実は一つだけお願いがあるの」
「お願い?」
白井からお願いなんて初めてだ、だがそれと裏腹に凄く嫌な予感がするのは気のせいだろうか、それともなにか気になるというか聞かなければならないような気がしてならない。とても不思議な気持ちだ
「実はね、この住所の屋敷にこれを持って行ってほしいの」
そう言って箱をこちらに押しつけてくる。中身を見るとみたらし団子が大量に入っていた、思わず白井をみる
「勘違いしないで」
言おうとしたことを読んだのか白井は目を釣り上げる。そして箱を指を置いてトントントンと軽やかなリズムで音を立てていく
「その屋敷に住む人がこの高校の名物を買いたいって言ってくれてね。でも私は生徒会の雑務で忙しいし、なら遅刻魔の如月にやらせたほうが楽できるかなーって」
おい、本音がめっちゃ混じってるぞ。楽できるかなーじゃねえよ。こっちの気持ちはどうなるんだよと心の中で思わずツッコミをいれる。しかしこの流れは完全に行かなければならない空気だ。それになんだがほんとに行かなければならないような気がしてならない。どうも気になる
「わかったよ、行くよ。行けばいいんだろ?」
「あら、話が速いわね。じゃあ頼んだわよ遅刻犯の如月くん」
後ろでやったー休みが増えた等と喜びながら紅茶を飲んでる会長はほっといて生徒会室から出て教室へ向かう。この時間なら3時間目に間に合いそうだな
教室へ着くなり机に突っ伏して寝たりと時間を有意義に潰していく。そんな感じで放課後になった
「さてと、この住所の屋敷へ行けばいいんだな? あれ、ここって」
目の前の屋敷には見覚えがある。というか朝見たばっかだった、ここは確か──
「ニャー」
そう、猫が帰っていった屋敷だ
「偶然か……? とにかく中に入ろう」
玄関と思われる扉に手を触れるとまたしても中から猫の鳴き声が聞こえてきた
「何がどうなってんだよ……まったく」
悪態をつきながら玄関の扉を開け中に入り込む
「お邪魔しまーす。お届けものです、誰かいませんかー?」
反応がない、というか玄関に靴なんてない。もしかして誰も住んでないのか? いや、そんなはずがない。だとしたらなんで、なんのために──
「ニャー」
「うわっ、びっくりした。朝の白猫じゃないか」
真横で鳴き声が聞こえた時はかなりびっくりしてしまったがこの屋敷には猫しかいなさそうだ
「うーん、また出直すか」
「まって」
「え、声……?」
帰ろうとしたとき、後ろから中学生くらいの女子の声がした。振り返るとそこには──猫がいた
「気のせい、なのか? にしても」
「ようこそ、私の屋敷に」
「え、え、は? 待ってくれ、どういうことだよ、なんで猫が喋って……」
すると猫がみるみる人間の形になっていった。白色の髪が肩の高さまで伸びていて頭の上には耳がついていて水色の瞳に外国人みたいな可愛らしい顔立ち、身長は150センチくらいだろうか。一言でその猫──猫少女(?)を表すなら美少女だった
「さて、自己紹介をしよう。私は猫宮咲という」
猫宮咲と名乗った少女はニコリと笑って
「ただの、猫だ」
そう付け加えた
ドアを開けると春の日差しが容赦なく体に突き刺さっていく。あぁ、今日からは高校2年生になるのか……そう思うと嬉しさなんかよりは憂鬱という二文字が頭にこびり付く
「ったく、さっさと授業が終われば気が楽なんだけどな」
そう言いながらも足は止まらず学校へと運んでしまう、しかし何故か足が止まった。見たくはなかった、決して見たくはないし遅刻ギリギリということもあって関わりたくはなかった──三歩下がるとそこには白色の猫が横たわってぐったりとしていた
「おい、大丈夫か? ──おい! くそっ、大丈夫じゃないなこれは」
よく見れば猫の足に切り傷のようなものがありそこから血がぽたぽたと流れ落ちていっている。ポケットからハンカチを取り出して猫の足に結びつける、止血だ
「ふぅ、ひとまずこれで血は止まるだろう。でもこのまま放置はさすがに危ないよな」
「ニャー」
白い猫はこちらに顔を向けると小さく甘えるような声で鳴いた
結局学校の1時限目が終わっているであろう時間帯にやっと猫が歩き出し古い屋敷に入ってくのを見届けてから学校へと歩き出した
「そういえば──こんなとこに屋敷なんてあったかな?」
誰にも聞こえないくらいの小さな声で自分自身に問うてみる、しかし答えは見つからない
「ニャー」
猫の鳴き声が聞こえたような気がして後ろを振り向くがそこには古い屋敷がぽつんとあるだけだった
「気のせいか」
<2>
「遅い! 一体なんで遅刻なんてするのさ、ほら怒らないから理由を言ってごらん?」
学校へ着くなり生徒会長に捕まりこうして生徒会室で正座させられているこの状況に頭が追いつかないが遅刻は遅刻だ、理由をきちんと話すべきだろう
「実はさ、怪我した猫がいてそいつを助けてたらこんな時間になった。すまん白井」
生徒会長こと白井優菜はため息をついてプリントをこちらに手渡す
「如月ってほんとバカよね、お人好しっていうかただのバカっていうか、バカだけど優しいし……じゃなくて! はい、これ一応反省文ね。形だけでも書いてくれないと私が困るからね」
渋々受け取り枚数を数えるが5枚はあるようだ、見間違いだと嬉しいが現実のようだ。まぁ帰ったらすぐに書けばいいか
「わかった、次からは気をつけるよ。またな」
ドアノブに手を置いて開けようとしたとき白井が肩に手を置いた
「なんだ?」
「あのね、実は一つだけお願いがあるの」
「お願い?」
白井からお願いなんて初めてだ、だがそれと裏腹に凄く嫌な予感がするのは気のせいだろうか、それともなにか気になるというか聞かなければならないような気がしてならない。とても不思議な気持ちだ
「実はね、この住所の屋敷にこれを持って行ってほしいの」
そう言って箱をこちらに押しつけてくる。中身を見るとみたらし団子が大量に入っていた、思わず白井をみる
「勘違いしないで」
言おうとしたことを読んだのか白井は目を釣り上げる。そして箱を指を置いてトントントンと軽やかなリズムで音を立てていく
「その屋敷に住む人がこの高校の名物を買いたいって言ってくれてね。でも私は生徒会の雑務で忙しいし、なら遅刻魔の如月にやらせたほうが楽できるかなーって」
おい、本音がめっちゃ混じってるぞ。楽できるかなーじゃねえよ。こっちの気持ちはどうなるんだよと心の中で思わずツッコミをいれる。しかしこの流れは完全に行かなければならない空気だ。それになんだがほんとに行かなければならないような気がしてならない。どうも気になる
「わかったよ、行くよ。行けばいいんだろ?」
「あら、話が速いわね。じゃあ頼んだわよ遅刻犯の如月くん」
後ろでやったー休みが増えた等と喜びながら紅茶を飲んでる会長はほっといて生徒会室から出て教室へ向かう。この時間なら3時間目に間に合いそうだな
教室へ着くなり机に突っ伏して寝たりと時間を有意義に潰していく。そんな感じで放課後になった
「さてと、この住所の屋敷へ行けばいいんだな? あれ、ここって」
目の前の屋敷には見覚えがある。というか朝見たばっかだった、ここは確か──
「ニャー」
そう、猫が帰っていった屋敷だ
「偶然か……? とにかく中に入ろう」
玄関と思われる扉に手を触れるとまたしても中から猫の鳴き声が聞こえてきた
「何がどうなってんだよ……まったく」
悪態をつきながら玄関の扉を開け中に入り込む
「お邪魔しまーす。お届けものです、誰かいませんかー?」
反応がない、というか玄関に靴なんてない。もしかして誰も住んでないのか? いや、そんなはずがない。だとしたらなんで、なんのために──
「ニャー」
「うわっ、びっくりした。朝の白猫じゃないか」
真横で鳴き声が聞こえた時はかなりびっくりしてしまったがこの屋敷には猫しかいなさそうだ
「うーん、また出直すか」
「まって」
「え、声……?」
帰ろうとしたとき、後ろから中学生くらいの女子の声がした。振り返るとそこには──猫がいた
「気のせい、なのか? にしても」
「ようこそ、私の屋敷に」
「え、え、は? 待ってくれ、どういうことだよ、なんで猫が喋って……」
すると猫がみるみる人間の形になっていった。白色の髪が肩の高さまで伸びていて頭の上には耳がついていて水色の瞳に外国人みたいな可愛らしい顔立ち、身長は150センチくらいだろうか。一言でその猫──猫少女(?)を表すなら美少女だった
「さて、自己紹介をしよう。私は猫宮咲という」
猫宮咲と名乗った少女はニコリと笑って
「ただの、猫だ」
そう付け加えた
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い
八神 凪
ファンタジー
旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い
【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】
高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
彼女も居ないごく普通の男である。
そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
繁華街へ繰り出す陸。
まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。
陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。
魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。
次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。
「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。
困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。
『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』
そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。
「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」
陸はしがないただのサラリーマン。
しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。
今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる