70 / 92
閑話 悪魔のような
しおりを挟む
「――ふざけないでよ!」
「分からない女だな!」
ライナ伯爵家、王都別邸。
他の伯爵家に比べても小規模な屋敷には今夜も怒声が飛び交っていた。ライナ伯爵と伯爵夫人が飽きることなくケンカをしているのだ。
また伯爵が庶民に手を出したか。
もしくは夫人の浪費がバレたか。
あるいは、その両方か。
小規模な屋敷であり、古いせいか立て付けも悪い。必然的に夫婦喧嘩の怒声は屋敷中に響き渡っていた。おそらくは外にまで聞こえていることだろう。
ベッドの中で布団に潜り込みながら、じっと息を潜めるアリス。
――こんなはずではなかった。
姉であるシャーロットが追放されれば、すべてが良くなるはずだった。父と母は昔のように仲良くなり、アリスと共に笑って日々を過ごせるようになるはずだった。
……冷静に考えれば。五年前からシャーロットは貴族学園で寮生活をしており、卒業後もすぐにルバートと婚約し、公爵邸に住んでいたのだから、今さら追放しようがしまいが伯爵夫妻の仲に影響があるはずがない。
だが、そんな冷静さを保てないほどアリスは精神的に追い詰められていた。
原因は、あの夫婦喧嘩。
アリスが直接怒鳴られているわけではない。
シャーロットのように義母から暴力を振るわれているわけではない。
父親からも溺愛されている。
もしもシャーロットが聞けば『ケンカの怒声くらいで何を』と呆れることだろう。
だが、昔からその恵まれた容姿のおかげで周囲から大切にされてきたアリスにとって、まるで愛を感じ取れない父と母の怒声は耐えがたいものがあった。
どこか、声がもっと響かない場所はないか。
布団を被ったまま部屋を出たアリスは屋敷を彷徨う。
「――だから、もうヤバいんだって」
曲がり角の向こうから聞こえてきたのは、アリス付きのメイドであるチェシャの声。話し相手は厨房専門のメイドだろうか?
「お嬢様がよりにもよって王太子殿下にケンカを売ったらしくてさぁ」
「あー、王宮に通い詰めて口説いているんだっけ?」
「違う違う。それもヤバいんだけどさぁ……。この前シャーロット様が始めた花屋に行ってきたのよ。お嬢様を連れて」
「ふへぇ。ほんとに店を始めたんだ? よくそんな金があったじゃない」
「公爵閣下から上手いこと金をせびったんでしょうね。やっぱりあの人はお嬢様と違って要領いいわ。あーあ、あんなワガママお嬢様じゃなくてシャーロット様のお付きだったらなぁ」
「それだとあなたまでも別邸に押し込まれるじゃない」
「でも、そのあとは二年間も公爵邸でメイドができるし、婚約破棄後は花屋で雇ってくれそうじゃない?」
「はいはい。妄想たくましいわね。で? その花屋でどうして王太子殿下にケンカを売ることになったのよ?」
「その花屋に王太子殿下がいたのよ! で、いつものように虐めているところを見られちゃったんだって!」
「それで王太子殿下が怒ったの? シャーロット様のために?」
「さすがにシャーロット様のために怒りはしないでしょう。『貴族らしくない』振る舞いに怒ったんじゃない?」
「あーなるほど。貴族が庶民街で騒ぐのはたしかに『貴族らしくない』わね」
「とにかく、王太子殿下を怒らせちゃったんだからマズいわよ! 下手をすれば伯爵家お取りつぶしかも! 今のうちから転職先を探さないと!」
「うわぁ、私も探そうかなぁ。伯爵たちもケンカばかりで嫌になるし」
「そうよね! いい転職先があったら私にも紹介して!」
「はいはい。そんな簡単に見つからないっての」
メイドたちの雑談から逃れるようにアリスは踵を返した。
――上手くいかない。
別に王太子殿下に興味があったわけではない。アルバート様に興味があったわけではない。結婚なんてどうでもいいし、まだまだ結婚相手なんて探さなくてもいいと思っている。
だから。アリスは、ただ――
――上手くいかない。
どうすれば上手くいくだろう?
疲弊した心でアリスは悩む。悩み、現状を打開できる方法を探す。
そして。
「そうだわ! お姉様が伯爵家に戻ってくれば、すべてが解決するはずよ!」
無論、そんなはずはない。シャーロットが戻ってきたところで伯爵夫妻の喧嘩が収まるとは思えないし、シャーロットが喧嘩の八つ当たりを受けるだけだろう。
むしろ伯爵家での虐待が疑われている今、シャーロットが伯爵家に戻るようなことがあればクルードやアルバートたちも本格的に動くはずだ。
シャーロットが戻ってきても、何の解決にもならない。逆に状況が悪化するだけだろう。
しかしアリスには理解できない。平穏な心境ではない以上、冷静な判断を下せるはずもない。……たとえ冷静であっても彼女では無理かもしれないが。
「どうすればお姉様は帰ってきてくださるかしら? お姉様が謝ればお父様とお母様も許してくださるはず」
そんなはずはないと理解できないまま、名案を思いついたとばかりにアリスは両手を打ち鳴らした。
「そうだわ! あのお店がなくなればお姉様も帰ってきてくださるはずよ!」
天使のような笑顔で。
悪魔のような考えに至るアリスであった。
「分からない女だな!」
ライナ伯爵家、王都別邸。
他の伯爵家に比べても小規模な屋敷には今夜も怒声が飛び交っていた。ライナ伯爵と伯爵夫人が飽きることなくケンカをしているのだ。
また伯爵が庶民に手を出したか。
もしくは夫人の浪費がバレたか。
あるいは、その両方か。
小規模な屋敷であり、古いせいか立て付けも悪い。必然的に夫婦喧嘩の怒声は屋敷中に響き渡っていた。おそらくは外にまで聞こえていることだろう。
ベッドの中で布団に潜り込みながら、じっと息を潜めるアリス。
――こんなはずではなかった。
姉であるシャーロットが追放されれば、すべてが良くなるはずだった。父と母は昔のように仲良くなり、アリスと共に笑って日々を過ごせるようになるはずだった。
……冷静に考えれば。五年前からシャーロットは貴族学園で寮生活をしており、卒業後もすぐにルバートと婚約し、公爵邸に住んでいたのだから、今さら追放しようがしまいが伯爵夫妻の仲に影響があるはずがない。
だが、そんな冷静さを保てないほどアリスは精神的に追い詰められていた。
原因は、あの夫婦喧嘩。
アリスが直接怒鳴られているわけではない。
シャーロットのように義母から暴力を振るわれているわけではない。
父親からも溺愛されている。
もしもシャーロットが聞けば『ケンカの怒声くらいで何を』と呆れることだろう。
だが、昔からその恵まれた容姿のおかげで周囲から大切にされてきたアリスにとって、まるで愛を感じ取れない父と母の怒声は耐えがたいものがあった。
どこか、声がもっと響かない場所はないか。
布団を被ったまま部屋を出たアリスは屋敷を彷徨う。
「――だから、もうヤバいんだって」
曲がり角の向こうから聞こえてきたのは、アリス付きのメイドであるチェシャの声。話し相手は厨房専門のメイドだろうか?
「お嬢様がよりにもよって王太子殿下にケンカを売ったらしくてさぁ」
「あー、王宮に通い詰めて口説いているんだっけ?」
「違う違う。それもヤバいんだけどさぁ……。この前シャーロット様が始めた花屋に行ってきたのよ。お嬢様を連れて」
「ふへぇ。ほんとに店を始めたんだ? よくそんな金があったじゃない」
「公爵閣下から上手いこと金をせびったんでしょうね。やっぱりあの人はお嬢様と違って要領いいわ。あーあ、あんなワガママお嬢様じゃなくてシャーロット様のお付きだったらなぁ」
「それだとあなたまでも別邸に押し込まれるじゃない」
「でも、そのあとは二年間も公爵邸でメイドができるし、婚約破棄後は花屋で雇ってくれそうじゃない?」
「はいはい。妄想たくましいわね。で? その花屋でどうして王太子殿下にケンカを売ることになったのよ?」
「その花屋に王太子殿下がいたのよ! で、いつものように虐めているところを見られちゃったんだって!」
「それで王太子殿下が怒ったの? シャーロット様のために?」
「さすがにシャーロット様のために怒りはしないでしょう。『貴族らしくない』振る舞いに怒ったんじゃない?」
「あーなるほど。貴族が庶民街で騒ぐのはたしかに『貴族らしくない』わね」
「とにかく、王太子殿下を怒らせちゃったんだからマズいわよ! 下手をすれば伯爵家お取りつぶしかも! 今のうちから転職先を探さないと!」
「うわぁ、私も探そうかなぁ。伯爵たちもケンカばかりで嫌になるし」
「そうよね! いい転職先があったら私にも紹介して!」
「はいはい。そんな簡単に見つからないっての」
メイドたちの雑談から逃れるようにアリスは踵を返した。
――上手くいかない。
別に王太子殿下に興味があったわけではない。アルバート様に興味があったわけではない。結婚なんてどうでもいいし、まだまだ結婚相手なんて探さなくてもいいと思っている。
だから。アリスは、ただ――
――上手くいかない。
どうすれば上手くいくだろう?
疲弊した心でアリスは悩む。悩み、現状を打開できる方法を探す。
そして。
「そうだわ! お姉様が伯爵家に戻ってくれば、すべてが解決するはずよ!」
無論、そんなはずはない。シャーロットが戻ってきたところで伯爵夫妻の喧嘩が収まるとは思えないし、シャーロットが喧嘩の八つ当たりを受けるだけだろう。
むしろ伯爵家での虐待が疑われている今、シャーロットが伯爵家に戻るようなことがあればクルードやアルバートたちも本格的に動くはずだ。
シャーロットが戻ってきても、何の解決にもならない。逆に状況が悪化するだけだろう。
しかしアリスには理解できない。平穏な心境ではない以上、冷静な判断を下せるはずもない。……たとえ冷静であっても彼女では無理かもしれないが。
「どうすればお姉様は帰ってきてくださるかしら? お姉様が謝ればお父様とお母様も許してくださるはず」
そんなはずはないと理解できないまま、名案を思いついたとばかりにアリスは両手を打ち鳴らした。
「そうだわ! あのお店がなくなればお姉様も帰ってきてくださるはずよ!」
天使のような笑顔で。
悪魔のような考えに至るアリスであった。
283
お気に入りに追加
1,963
あなたにおすすめの小説
婚約破棄られ令嬢がカフェ経営を始めたらなぜか王宮から求婚状が届きました!?
江原里奈
恋愛
【婚約破棄? 慰謝料いただければ喜んで^^ 復縁についてはお断りでございます】
ベルクロン王国の田舎の伯爵令嬢カタリナは突然婚約者フィリップから手紙で婚約破棄されてしまう。ショックのあまり寝込んだのは母親だけで、カタリナはなぜか手紙を踏みつけながらもニヤニヤし始める。なぜなら、婚約破棄されたら相手から慰謝料が入る。それを元手に夢を実現させられるかもしれない……! 実はカタリナには前世の記憶がある。前世、彼女はカフェでバイトをしながら、夜間の製菓学校に通っている苦学生だった。夢のカフェ経営をこの世界で実現するために、カタリナの奮闘がいま始まる!
※カクヨム、ノベルバなど複数サイトに投稿中。
カクヨムコン9最終選考・第4回アイリス異世界ファンタジー大賞最終選考通過!
※ブクマしてくださるとモチベ上がります♪
※厳格なヒストリカルではなく、縦コミ漫画をイメージしたゆるふわ飯テロ系ロマンスファンタジー。作品内の事象・人間関係はすべてフィクション。法制度等々細かな部分を気にせず、寛大なお気持ちでお楽しみください<(_ _)>
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
【完結】さようなら、婚約者様。私を騙していたあなたの顔など二度と見たくありません
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
婚約者とその家族に虐げられる日々を送っていたアイリーンは、赤ん坊の頃に森に捨てられていたところを、貧乏なのに拾って育ててくれた家族のために、つらい毎日を耐える日々を送っていた。
そんなアイリーンには、密かな夢があった。それは、世界的に有名な魔法学園に入学して勉強をし、宮廷魔術師になり、両親を楽させてあげたいというものだった。
婚約を結ぶ際に、両親を支援する約束をしていたアイリーンだったが、夢自体は諦めきれずに過ごしていたある日、別の女性と恋に落ちていた婚約者は、アイリーンなど体のいい使用人程度にしか思っておらず、支援も行っていないことを知る。
どういうことか問い詰めると、お前とは婚約破棄をすると言われてしまったアイリーンは、ついに我慢の限界に達し、婚約者に別れを告げてから婚約者の家を飛び出した。
実家に帰ってきたアイリーンは、唯一の知人で特別な男性であるエルヴィンから、とあることを提案される。
それは、特待生として魔法学園の編入試験を受けてみないかというものだった。
これは一人の少女が、夢を掴むために奮闘し、時には婚約者達の妨害に立ち向かいながら、幸せを手に入れる物語。
☆すでに最終話まで執筆、予約投稿済みの作品となっております☆
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ふしだらな悪役令嬢として公開処刑される直前に聖女覚醒、婚約破棄の破棄?ご冗談でしょ(笑)
青の雀
恋愛
病弱な公爵令嬢ビクトリアは、卒業式の日にロバート王太子殿下から婚約破棄されてしまう。病弱なためあまり学園に行っていなかったことを男と浮気していたせいだ。おまけに王太子の浮気相手の令嬢を虐めていたとさえも、と勝手に冤罪を吹っかけられ、断罪されてしまいます。
父のストロベリー公爵は、王家に冤罪だと掛け合うものの、公開処刑の日時が決まる。
断頭台に引きずり出されたビクトリアは、最後に神に祈りを捧げます。
ビクトリアの身体から突然、黄金色の光が放たれ、苛立っていた観衆は穏やかな気持ちに変わっていく。
慌てた王家は、処刑を取りやめにするが……という話にする予定です。
お気づきになられている方もいらっしゃるかと存じますが
この小説は、同じ世界観で
1.みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
2.婚約破棄された悪役令嬢は女神様!? 開国の祖を追放した国は滅びの道まっしぐら
3.転生者のヒロインを虐めた悪役令嬢は聖女様!? 国外追放の罪を許してやるからと言っても後の祭りです。
全部、話として続いています。ひとつずつ読んでいただいても、わかるようにはしています。
続編というのか?スピンオフというのかは、わかりません。
本来は、章として区切るべきだったとは、思います。
コンテンツを分けずに章として連載することにしました。
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる