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第二話 帝都へ

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 第二話


 幼なじみとの約束を律儀に守り、結婚適齢期を逃してしまう。

 人によっては『操を立てた』と高評価してくれるかもしれないけれど、当人としてはたまったものじゃない。

 特にこの国ではまだまだ『男は外で稼ぎ、女は家を守る』という価値観に縛られている。女の幸せはいい男と結婚し、夫を支え、家を守ること。結婚ができないのならそのような世間一般的な人生を送ることもできないので、自分の生活に必要なお金は自分で稼がなければならない。

「……姉さん、無理しなくても実家の仕事を手伝っていただければ……」

 父の後を継ぐであろう弟はそう言ってくれるけれど、いつまでも私(小姑)が実家にいたのでは弟の結婚に差し障る。

 もはや一生独身の決意を固めた私(2○歳)は近いうちに実家を離れなければならないわけで。

 一人で金を稼ぎ、一人で生きていこうと決めた私が選んだ職業は――神仙術士だった。


                      ◇


 神仙術士とはいえ、不老不死の仁丹(霊薬)なんて作れないし、皇帝陛下に水銀を売りつけるわけでもない。というか、そんな薬を作れるなら今ごろ大金持ちの楽隠居だ。

 仕事としては仙薬と呼ばれる薬の配合や、鍼灸整体、回復術。少し特殊な“瞳”を使った鑑定士の真似事といったところ。

 あとはまぁ、個人的な趣味として西洋の科学や“魔術”に関する知識が豊富なので、その知識を活かした仕事を任されることも多い。井戸の滑車修理とか、雑草の根絶とか、壁の塗り直しとか。

 ……うん、よく考えなくても神仙術士の仕事じゃないわね。どちらかというと便利屋扱いのような……。

 私が自分の仕事を見つめ直していると、木簡を持った弟が部屋に入ってきた。

「姉さん。永安(帝都)の張さんから書簡が届いています。腰を痛めてしまったので往診を早めて欲しいそうです」

「あら、また腰をやっちゃったのかしら? じゃあちょっと行ってくるわね。おみやげはなにがいい?」

「もう子供じゃないのですからお土産はいいですよ。それより今日は肌寒いのですから厚着をしていってくださいね。“仙人”だからといって油断してはいけません」

「……弟が立派に成長してくれてお姉ちゃん嬉しいわぁ……」

 もはやどちらが年上か分からない。
 いっそ思い切り豪華なお土産を買ってきてあげよう。そして姉としての威厳を取り戻さねば。そう決意した私は神仙術の一つ“縮地”を用いて帝都へと移動することにした。

 縮地。
 欧羅(オウロ)(西洋)の魔術においては転移魔法と呼ばれる移動術。
 師匠であればそれこそ大華国から海を越えた先にある欧羅にまで瞬時に移動できるみたいだけど、私はそこまで非常識じゃないので実家から帝都まで移動するくらいがせいぜいだ。

 ……なにやら愛しの弟が「いえ帝都までの距離百二十里を瞬時に移動するのは十分に非常識ですが」という指摘(ツツコミ)をした気がするけれど、きっと気のせいにちがいない。

 せっかくの帝都だから神仙術士っぽい格好で出向くか、ということで頭に頭纱(ベール)を被り、顔も面纱(フェイスベール)で覆う。普通の漢服や胡服を着て「神仙術士です」と名乗っても説得力がないからね。まずは見た目から入らないと。

 それと切実な問題として、私は童顔なので顔を晒していると説得力が薄くなってしまうというのもある。子供より大人、ただの大人より神秘的な大人の方が『神仙術士らしい』のだ。

「さて、いきますか」

 神仙術は大きく分けて薬草などから薬を精製する『錬丹術』と、“気”を用いて様々な事象を引き起こす『仙術』に区分することができる。

 今からやろうとしている縮地は仙術の一種だ。

 気とは大気中 (空気中)などに含まれている“力”のこと。それは『大いなる気』であると同時に『空(うつ)ろな気』であり、そのままの状態では何も成すことはない。

 大気中の“気”を呼吸で以て体内という器に納め、方向性を定めた後、形ある術として出力する。

 基本的な考えは西洋の魔法も同じだ。大気中の“魔力”を体内に取り入れ、魔法として出力する。

 出力の方向性を明確にするために呪文詠唱をする人もいるけれど、私は無詠唱で術を行使する。だって『急急如律令!』とか叫ぶのは恥ずかしいから。

 もちろん呪文詠唱をしないと難易度が跳ね上がるけれど、問題はない。術の行使において大切なのは想見(イメージ)。どのような術でどのような事象を起こしたいのか明瞭に思い浮かべ、気、あるいは魔力でそれを実現させるのだ。

 だからこそ重要なのは想見と、それをするための集中力となる。“縮地”なら行きたい場所の光景を脳裏に思い浮かべ、“今この場所(点)”と“目的地(点)”を重ね合わせ、そして――

「――は、くしょんっ!」

 肌寒さのせいか、くしゃみをしてしまう私だった。
 そう、術を起動させる直前に。集中力が途切れることを。

「あ、やっちゃた」

 後悔してももう遅い。
 くしゃみのせいで予定よりも少しズレた形で術は起動し、私の身体は地元から帝都へ向けて転移して――


 ――ばっしゃーん、と。


 まず認識したのは水に何かを落としたような音と、全身の冷たさ。
 これは水の中に落ちたなと察し、溺れないうちに何とか水面にあがらなければ、と藻掻いているうちに気がついた。今いる場所の水深はずいぶん浅いわねと。

 地面をしっかりと踏みしめて立ち上がり、とりあえず水に濡れた前髪を掻き上げる。

「……おや、何かと思ったら凜風かい。また術に失敗したんだね?」

 そんな声を掛けてきたのは帝都の下町で食堂を営んでいる杏(シン)さんだった。この国では珍しい赤茶色の髪が特徴的なおばさ――おねえさんだ。

 どうやらここは帝都、下町の食堂近くにある“噴水”らしい。百二十里を飛ぶことはできたけど少しばかり着地地点がズレたみたいだ。

 今いる場所を確認してから私は杏さんに微笑みかけた。

「ははは、勘違いしないでください杏さん。失敗じゃありません。ちょっと水浴びをしたかっただけですよ」

「……この肌寒い日に水浴びとは、仙人様の克己心には感心するしかないねぇ」

 吹かしてんじゃねぇよエセ仙人、と顔に書いてある杏さんだった。体と心がとっても冷たいわー。

 苦笑いをしつつ落下した噴水から出る。元々この国には噴水という文化はなかったのだけど、前の皇帝陛下の西洋趣味によって帝都のあちこちに噴水が作られたのだ。

 噴水を製作する過程で欧羅のような上水道も整備されたので、前帝陛下の浪費癖も全部が全部無駄じゃなかったのかしらね?

 仙術によって濡れた服を乾かしていると、知り合いがわらわらと集まってきた。

「あらあら、また凜風ちゃんが何かやらかしたの?」

「やらかしたとは失礼ですね。ちょっと水浴びしただけですよ」

「まだ往診の時期じゃないだろ? 誰かぶっ倒れたのか?」

「青屋根の張さんが腰を痛めたらしくてですね」

「あ~、あのじいさんまたやったのか……。じゃあそのあとでいいからうちに来てくれ。ばあさんがまた変なものを拾ってきてな」

「はいはい鑑定依頼ですね。おまかせを」

「そのあとはうちをよろしく。娘が彼氏を連れてきたんだ」

「相性占いですか?」

「いや何か粗探ししてくれ。結婚など認めないが、妻からの評判はいいんでな」

「……そろそろ娘離れした方がいいのでは?」

「まだ20歳だぞ!? 結婚なんて早すぎる!」

 この国で20はそろそろ行き遅れを心配する歳だ。医術水準的にあまり遅く結婚すると子供を産むのが難しくなるし。

 これが欧羅だったら20代の後半でも問題ないのだけれどね。残念ながら大華国は科学や医学の発展が(西洋に比べて)遅れているのだ。

 まぁでも相性は結婚前に分かっていた方がいいからあとで占ってあげよう。娘さんはいい子だし、なるべくならいい人と結婚して欲しいもの。

「お、そうだ知っているか凜風? “四夫人”の一人がご懐妊――あいた!?」

 大工の李さんがそんな話題を出そうとして、杏さんに頭を叩かれていた。杏さんは私の事情を知っているので気を遣ってくれたのだろう。

 四夫人とは簡単に言うと皇帝陛下のお妃様であり、その名の通り四人いる。どうでもいいからよく知らないけど。うん、どうでもいいし。あんな昔口説いた女のことなんか綺麗さっぱり忘れて後宮(ハーレム)に入り浸っているいるような薄情者(幼なじみ)が妃を何人囲おうが子供を何人作ろうが関係ないし。

「……ほれ見ろ凜風が不機嫌になったじゃないか! ちょっとは考えて話題を振れこのバカ!」

「いや、でもよぉ、いつかは知ることになるんだから早い方が……」

 なにやらコソコソ話をする杏さんと李さんだった。

 その後も屋根の修理や井戸の滑車修理、果てには子供に弓矢を教えて欲しいなど「神仙術士って何だっけ?」という仕事を頼まれていると――


『――お前ら、仙人を便利屋と勘違いしてないか?』


 人混みの後ろの方からそんな不機嫌な声が飛んできた。いいぞもっと言ってやれー。
 私が内心で応援していると人混みが割れ、不機嫌な声の主が姿を現した。

 白い、鹿。

 体高が人の身長を優に超える牡鹿が剣呑な雰囲気を発しながら私に近づいてくる。
 普通、こんなデカくて白い鹿(雄なので立派な角つき)が登場したら周りの人は叫んだり逃げたりしそうなものだけど、みんな良くも悪くも慣れているのか距離を取る様子すらない。

「浄(ジン)。いつの間にこっちにきたの?」

 この子、実家の庭でお昼寝していたはずなのだけど。

 私がひらひらと手を振ると、浄は呆れたようにため息をついた。鹿が喋ったりため息をつく光景はいつまで経っても慣れないものだ。

『ついさっきだ。凜風が転移したと知って慌てて追いかけてきたんだよ。……どこかに出かけるなら俺を連れて行けといつも言っているだろう? お前は仙人としての自覚がなさ過ぎる』

「え~? 自覚と言われてもねぇ?」

 みんなの反応が証明しているように、私って仙人というより便利屋扱いされているし……。

『不老不死の妙薬を求めるバカは凜風が考えているよりずっと多いぞ? 誘拐されたり事件に巻き込まれたらどうする? 護衛の一人くらい連れ歩け』

「仙人は不老不死の霊薬(仙丹)を作れるってやつ? おとぎ話を本気にされてもねぇ。そんな薬が本当に作れるのなら今ごろ私は大金持ちになっているわよ」

『……まったく以て危機感が足りん』

 不愉快そうに首を振った浄の身体が淡い光に包まれた。目を逸らすほどのまばゆさはないけれど、凝視することが何となく憚られる、そんな不思議な光。

 光が収まったとき、そこに牡鹿の姿はなく……代わりに、身の丈六尺(180cm強)を優に超える美丈夫が立っていた。

 男の名前は、浄。

 先ほどの白い牡鹿と同一人物――いや、同一鹿? まぁとにかく同じ存在だ。髪の毛も白いし。

 浄は普通の鹿のはずなのに、どうして人間の姿になれるのかというと……私にもよく分からない。仙人に育てられると鹿も特殊な存在になるのかしら? 縮地をはじめとした仙術も使えるし……。いやでも浄を拾ったときまだ私は仙人じゃなかったしなぁ?

 とにかく、世の中には不思議なことがたくさんあって、浄もその一つ(一人?)というわけだ。

『あまり長居をしていてはあの“バカ男”が話を聞きつけてやって来るかもしれん。さっさと用事を済ませて帰るぞ』

 ここで浄の言う“バカ男”とは皇帝陛下(私の幼なじみ)のことだ。浄は面識がないはずなのだけど、周りの人間から話は聞いているので迷うことなく“バカ男”扱いしている。

 不敬罪に問われると色々面倒くさいので控えて欲しいのだけど、本気で止めない私も心の奥底で“バカ男”と思っているのだろう。

「やって来るってねぇ……。あのバカ男――じゃなくて皇帝陛下はもう私になんて興味ないでしょう。今度産まれてくる子供は三人目か四人目のはずだし。私なんかより綺麗な人に囲まれているんだから、私が帝都にいたって気にしないわよきっと」

『……まったく以て自覚がなさ過ぎる。はやく張の爺さんのところに行くぞ。そして帰るぞ』

 私の首根っこを掴んでズルズルと引っ張り始める浄だった。あの、私、結婚適齢期を過ぎたとはいえ女性なのだからもう少し優しくしていただけません……?

『お前は下手な男より頑丈なのだから、多少乱雑に扱っても壊れはせん』

「……育て方を間違えたかー」

 子供の頃はあんなに可愛い子鹿だったのに……。私が嘆いている間にも浄は引きずりを止めることなく目的地である張さんの家へと歩を進めるのだった。




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