野良猫の赤ちゃんを保護しました

轢き逃げ(⁠´⁠;⁠︵⁠;⁠`⁠)

正午を少し過ぎ
買い物をした帰り道
もうじきわが家に着くところ

道の真ん中に
血まみれで横たわっている子猫を見つけた　

うそ　うそ　うそ！
だめ　だめ　だめ　だめ！
やだ、やだよ！！

すぐさま車を止めて駆け寄った
いっさいの感情が吹き飛んでいた
２０２４年６月
夏日だった

なんてこと！
ひどい　ひどい　酷すぎる
かわいそうに　かわいそうに　かわいそうに
かわいそうに　かわいそうに　
かわいそうに

助けることは、叶わなかった

『え？　なに？　何が起きたの？』って
不思議そうな表情をしたまま
こと切れていた
かなり強く叩きつけられたんだね
顔半分が、ぐしゃぐしゃだった

からだつきから
生後４ヶ月くらいだろうか
いよいよ独り立ちして
自力で生きていこうとしてた頃と思われる
ふわふわの、茶シロの子猫

車内に常備していたタオルで
その小さなからだをくるみ、抱き上げた
タオルが みるみる血に染まった

轢き逃げだ
轢き逃げされたんだ！
だけど、
こんなこと ありえないよ！
こんなこと、いままでなかった！

なぜって、ここは住宅街で
子どもたちの通学路であり
お年寄りの散歩コースである上に
道幅が狭く、見通しも悪いため
徐行運転の区域なのだから

出かけた時も、同じ道を通った
すれ違う人も車も見なかった
そして買い物を済ませ、帰路についたのは
約２時間ほど後のこと
やはりすれ違う人も車も見なかった
事故は、その間に起きたってことだ

ここらの野良猫は
路上をうろつくなんてことは、まずないし
人や車には、ことのほか用心深い
それなのに
かわいそうな子猫

本当に不運だったとしか、言いようがない
たまたま道を横切ろうとした時に
たまたまルール無視の車にぶつかり
轢かれ
放置されてしまった

むごい
その場の様子を確認して
子猫の亡きがらは
わが家に連れ帰った

・・・
当地では、大切なペットが死ぬと、
市役所を通して手続きすれば
市と提携している霊園に埋葬してもらえる

死んだ子猫は
保護者がいない野良猫だったけど
うちの子とし
『茶シロ』と名付けた
きれいな絵柄の空き箱に
亡きがらを寝かせた

わが家の猫たちが寄ってきて
『おかあさん、この子どうしたの？』
と問うように
ミャオウー　と　鳴いた

東京都の事例で
鳩を轢き逃げした運転者が
目撃者の通報により逮捕された事例がある

私もそうするつもりで
まずは子猫の亡きがらを市役所に連れて行った

市役所にて
埋葬を依頼し、事の次第を報告した

地図の上で
事故現場を確認された後

担当の職員さんから
『市民の善意で依頼された埋葬ですから
無料でやらせていただきます
そしてこのようなことが、また起きてはいけませんので
警察への報告など、必要なことはすべて
市のほうにお任せください』
と言われた

……あれから数日経つ

事故現場に警察が来た様子は
いまだ　ない

茶シロ
あなたも願わくば
いつか私が迎えに行くまで
虹の橋のたもとに居てほしい