2011年3月11日 金曜日
西日本の地へ嫁いでいた見紅は、里帰りを明日にひかえ、おおはしゃぎしながら旅支度をしていた。
帰省先は、福島県相馬市松川浦。
まだ一度も見たことがない故郷であった。
嫁いだ後に、父の仕事の関係で、両親は当地に転居していたからである。
帰省先は、福島県相馬市松川浦。
まだ一度も見たことがない故郷であった。
嫁いだ後に、父の仕事の関係で、両親は当地に転居していたからである。
あなたにおすすめの小説
平成讃歌 ~4トントラックで雪山を越えた夜~
みるく♪
現代文学
田之倉大賀《たのくらおおが》は 丸山運送㈱に勤める長距離トラック運転手。
愛妻の見紅《みるく》と結婚して、ちょうど一年が過ぎた。
ほんとなら、かわいい嫁さんと毎晩団らんできる暮らしがいい。
だが、オレは男だ。意地がある。必ず一旗あげてみせるぜ!
見紅よ、オレを信じて待っていてくれ!
ころは3月の末。桜の花盛り。
大賀は雨のしと降る山道を、一心にトラックを走らせていた。
ところが夜になると、おだやかに降っていた春雨が、冷たい雪に変わり……。
無垢で透明
はぎわら歓
現代文学
真琴は奨学金の返済のために会社勤めをしながら夜、水商売のバイトをしている。苦学生だった頃から一日中働きづくめだった。夜の店で、過去の恩人に似ている葵と出会う。葵は真琴を気に入ったようで、初めて店外デートをすることになった。
★ランブルフィッシュ
菊池昭仁
現代文学
元ヤクザだった川村忠は事業に失敗し、何もかも失った。
そして夜の街で働き始め、そこで様々な人間模様を垣間見る。
生きることの辛さ、切なさの中に生きることの意味を見つけて行く川村。
何が正しくて何が間違っているか? そんなことは人間が後から付けた言い訳に過ぎない。
川村たちは闘魚、ランブルフィッシュのように闘い生きていた。
First Light ー ファーストライト
ふじさわ 北透(ほくと)
青春
鹿児島県の女子高生・山科愛は、曾祖父・重太郎の遺品の中から一枚の風景画を見つけた。
残雪を抱く高嶺を見晴るかす北国らしき山里の風景。その絵に魅かれた愛は、絵が描かれた場所を知りたいと思い、調べはじめる。
そして、かつて曾祖父が終戦直後に代用教員を務めていた街で、その絵は岩手県出身の特攻隊員・中屋敷哲が、出撃の前に曽祖父に渡したものであることを知った。
翌年、東京の大学に進学した愛は、入会した天文同好会で岩手県出身の男子学生・北条哲と出会い、絵に描かれた山が、遠野市から見上げた早池峰山であるらしいことを知る。
二人は種山ヶ原での夏合宿あと遠野を訪問。しかし、確たる場所は見つけられなかった。
やがて新学期。学園祭後に起きたある事件のあと、北条は同好会を退会。一時疎遠になる二人だったが、愛は、自身の中に北条に対する特別な感情があることに気付く。
また、女性カメラマン・川村小夜が撮った遠野の写真集を書店で偶然手にした愛は、遠野郷に対して「これから出合う過去のような、出合ったことがある未来のような」不思議な感覚を抱きはじめた。
「私は、この絵に、遠野に、どうしてこんなに魅かれるの?」
翌春、遠野へ向かおうとした愛は、東京駅で、岩手に帰省する北条と偶然再会する。
愛の遠野行きに同行を申し出る北条。愛と北条は、遠野駅で待ち合わせた小夜とともに「絵の場所探し」を再開する。
中屋敷哲と重太郎。七十年前に交錯した二人の思い。
そして、たどり着いた〝絵が描かれた場所〟で、愛は、曾祖父らの思いの先に、自分自身が立っていたことを知る――。
※ この話は「カクヨム」様のサイトにも投稿しています。
妻(さい)
谷川流慕
現代文学
リストラで職を失い、バイトで食いつなぐが、生まれつきの不器用さで、どこへ行っても仕事がうまくいかない。そんなダメ男である僕にとって唯一の宝は、良妻賢母の妻とやんちゃだが可愛い子どもたちだった。妻は再婚であり、前夫とは死別していたのだが、なぜかその死因については話そうとしない。気になりつつ平穏な家庭生活を送るのだが……
この作品は感想を受け付けておりません。