玉音同

紫雲寺 篝

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2018年に読んだ本ランキング 後編 13位〜18位(2018/12/29)

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13位は「上野さんは不器用」。

アニメ化も決まったラブコメ系漫画。上野さんが面白おかしな発明をして、田中になんとか気持ちを伝えようとする、というのがメインストーリーで、面白おかしな発明がこの世の次元を超えた道具ばかりなのと、上野さんの努力が常に明後日の方向で、実を結びそうになると日和ってしまう、というのが作品の様式美となっている。

何はともあれ台詞回しが強い作品だと思う。一番好きなのは唐突に現れた「アトラスオオカブト!!!」の回かな。



14位は「天国大魔境」。

石黒正数の新作。

兼ねてより、「すこしふしぎ」の系譜大本命の作者が「サイエンスフィクション」のSFの方で描いてるっぽいのが本作。自分は結構天才って言葉は嫌いで、失礼な話、何か一つに打ち込めば成し得られるかも知れない人を天才と呼ぶのはどうかと思っている(その人の努力を見ろって話)。でも石黒正数については無理。彼は天才。私が何度生まれ変わったとしてもこの人に到達できる未来が見えない。自分の想像し得ない世界にいる人の描く漫画がこんなに面白くて幸せだな。ずっと読んでいきたい。



15位は「水上悟志短編集「放浪世界」」。

アニメ「プラネット・ウィズ」でやっと知名度も上がって来た作者の最新短編集。

どこで聞いたか忘れたけれど、「短編が面白い漫画家は、長編も面白い。逆がどうかは知らないけど、短編が出来りゃ長編でも闘えるから、短編集をいくつか出せるような漫画家になりたい」みたいな事を作者は何かに書いていた気がする。そんな漫画家が短編集をいくつか出しているんだけど、気になりませんか?

作者の趣味全開な所もあるけれど、水上節は心に残るものがある。



16位は「蒼き鋼のアルペジオ」。

いやはや展開が遅くて敵わないけれど、物語自体は多くの事象が複雑に絡み合って先が気になる展開続き。「引き伸ばし」とか言うのはお門違いで、ちゃんと丁寧に描いているだけの密度がある。あとアメリカ行くのとか文化祭やるのとかは目的ではなく手段だから、「早く着かないかな」「早く文化祭始まらないかな」とワクワクしながら読むとしんどいと思う。目的は霧との付き合い方についてなんだから。

てか、なんかランキングのここ3作品、ヤングキングアワーズ縁の作者が続いちゃったな。



17位は「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」。

序盤のぼっち展開が嘘のようなキャラが立つ百合漫画みたいな変貌を遂げた漫画である。再アニメ化もあり得ると思うけどどうだろう。

最初の方は高校のクラスの打ち上げに行くけど輪に入れず一人でゲーセン行く回があったりして、それが翌年にはちゃんとクラス会に参加できるようになっているから智子の成長っぷりが窺える。細部の作りも何だかんだ丁寧なのが凄いなぁ。

「俺もこっちで強くなりすぎた」、メンタル的に。



18位は「漫画学科のない大学」。

最近ツイッターで、ゲッサンで描いてた漫画家が人気なのがよく目につく。山本崇一朗、斉藤ゆう、そしてゆずチリである。ゲッサンって凄い雑誌だったんだなぁ。

本作はゆずチリが、自身の体験をベースに多少の脚色をしながら漫画家を目指す物語。どこかカッコつけたスカした男は、等身大然とした小心者っぽさも持ち合わせている。漫画・アニメ・特撮、そういうのが好きなやつが、ひねくれながらどう漫画家になるのか、嫌味なく描かれていて素直に楽しい。



以上18作品。すごい作品とか、好きな作品とかはまた別であるけど、個人的にもっと認知されて欲しくて、かつ、世間の人気や期待に耐え得る漫画を選出したら、この中途半端な数になった、という感じ。

今年は「化物語」とかコミカライズも強かったし、「君に愛されて痛かった」とか「図書館の大魔術師」とか、すごい作品も多かったな。あと「BLUE」とか「恐竜大紀行」とかの復刊にも心踊った。過去の作品だと、「ゴッホちゃん」、「大斬─オオギリ─」、「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」、「つまさきおとしと私」とかを読めたのは良かった。

それにしても今年は本当に積ん読多くなったなぁ。読まなきゃ読まなきゃと思いつつも、読みたい奴から気が向いた時に読むからまあ溜まるわな。おまけに部屋から前の巻を発掘するのも苦労するし。

2019年も面白い漫画はたくさん出るだろうから、それに巡り会える努力を惜しまないようにしたいな。

全部読んでいただけた方は、ここまでお付き合いありがとうございました。また1年後あたりに書くと思います。
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