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自分の気持ち
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あれから体調も良くなり退院することになった。
泉先生は何度も謝ってくれた。しかも先生が結婚したい人がいるとは驚きだった。
どういうことかは知らないが、亘くんと泉先生の噂がなくなっていた。
仕事にも復帰して毎日、大変だけど充実していた。
「詩織…明日休みだろ?先輩のところ行かないか?」
「春くんの?」
「うん。髪の毛だいぶ生えてきたし、先輩がそろそろ詩織の顔見たいって」
「うん。私も行きたい」
春くんは、一人一人のお客さんに向き合いたい癒やしたい。と2年前、新しくできる店舗の店長を断りヘッドスパ専用サロンをオープンさせた。癒やされる。気持ちがいい。と有名になりTVにも出るようになった。予約がいっぱいなので今は紹介じゃないとヘットスパは受けられない。
その中でも一部の常連さんのみがヘッドスパだけじゃなく春くんの美容師としての施術を受けられる。私も亘くんに紹介してもらって行くようになって、最近はカットもすべて春くんにお任せしている。
「春くん、こんにちは」
「詩織ちゃん会いたかったよ。頭はもう大丈夫なの?」
「はい。仕事にも復帰してるし大丈夫です」
「色々と疲れてるだろうから癒やしてあげるね」
「お休みなのにごめんなさい」
「いいんだよ。詩織ちゃんに会いたかったんだから。先にカットもしていい?」
「お願いします」
「だいぶ伸びたね」
ハサミの音が心地よく、重かった髪の毛が軽くなった。
久しぶりのヘッドスパは気持ちが良くて、そのまま眠ってしまった。
「詩織ちゃん元気そうで安心したよ」
「あぁ…色々あったからな」
「ちゃんと守ってやれよ」
「わかっています。この前、色々あって…もう二度と裏切らないと誓ったんで…」
「そうか…早くいい報告待ってるよ」
「それが、なかなか距離が縮まらなくて…」
「くっくっく…あの百戦錬磨のお前がか?信じられないな」
「百戦錬磨なんて…そんなわけないじゃないですか…」
「いつまで片思いなんだよ。無理なら俺が…幸せにしようかな?」
「なに言ってるんですか先輩っ」
「冗談だよ」
「…んっ…う…ん…」
「詩織ちゃん、目覚めた?よく寝てたね。終わったよ」
「あっ春くん…また寝ちゃった」
「いいんだよ。寝てくれてるとリラックスしてくれてるってわかるから」
「詩織…よかったな」
「亘くん、ありがとう」
春くんは用事があるので2人でご飯を食べに行った。リクエストで焼肉屋さんに行って食べていると
亘くんのスマホが鳴った…オンコールだ…亘くんに執刀してもらいたい患者さんなんだろう。
「詩織ごめん。気をつけて帰れよ」お金を置いて足早にお店を出てってしまった。
仕方ない。そう理解していても淋しくなった。一気に食べる気がなくなり店を出た。
まだ昼過ぎの街並みを歩くと色んな人が目に入る。
待ち合わせして待ってる人。寄り添いながら歩くカップル。仲良く手を繋いでいる親子。泣いている子供。
笑ってる顔、泣いてる顔。怒ってる顔。困ってる顔。みんな色んな思いをして生きてる。
私だけが辛いんじゃない。寂しいわけじゃない。わかってる…わかってるけど…
亘くんがいないと寂しくて、いつか離れていっちゃいそうで…
街の雑踏の中、1人立ち尽くしていた。
亘くんが好き…いつの間にか好きになってしまった。
好きになっちゃいけないと思ってた。私はお姉ちゃんの代わりだから…
でも…神さま…私からもう奪わないですか?
いつの間にか真っ暗になっていて、なんとか家に帰ってきたものの電気もつけずにソファー座り込んでしまった。
泉先生は何度も謝ってくれた。しかも先生が結婚したい人がいるとは驚きだった。
どういうことかは知らないが、亘くんと泉先生の噂がなくなっていた。
仕事にも復帰して毎日、大変だけど充実していた。
「詩織…明日休みだろ?先輩のところ行かないか?」
「春くんの?」
「うん。髪の毛だいぶ生えてきたし、先輩がそろそろ詩織の顔見たいって」
「うん。私も行きたい」
春くんは、一人一人のお客さんに向き合いたい癒やしたい。と2年前、新しくできる店舗の店長を断りヘッドスパ専用サロンをオープンさせた。癒やされる。気持ちがいい。と有名になりTVにも出るようになった。予約がいっぱいなので今は紹介じゃないとヘットスパは受けられない。
その中でも一部の常連さんのみがヘッドスパだけじゃなく春くんの美容師としての施術を受けられる。私も亘くんに紹介してもらって行くようになって、最近はカットもすべて春くんにお任せしている。
「春くん、こんにちは」
「詩織ちゃん会いたかったよ。頭はもう大丈夫なの?」
「はい。仕事にも復帰してるし大丈夫です」
「色々と疲れてるだろうから癒やしてあげるね」
「お休みなのにごめんなさい」
「いいんだよ。詩織ちゃんに会いたかったんだから。先にカットもしていい?」
「お願いします」
「だいぶ伸びたね」
ハサミの音が心地よく、重かった髪の毛が軽くなった。
久しぶりのヘッドスパは気持ちが良くて、そのまま眠ってしまった。
「詩織ちゃん元気そうで安心したよ」
「あぁ…色々あったからな」
「ちゃんと守ってやれよ」
「わかっています。この前、色々あって…もう二度と裏切らないと誓ったんで…」
「そうか…早くいい報告待ってるよ」
「それが、なかなか距離が縮まらなくて…」
「くっくっく…あの百戦錬磨のお前がか?信じられないな」
「百戦錬磨なんて…そんなわけないじゃないですか…」
「いつまで片思いなんだよ。無理なら俺が…幸せにしようかな?」
「なに言ってるんですか先輩っ」
「冗談だよ」
「…んっ…う…ん…」
「詩織ちゃん、目覚めた?よく寝てたね。終わったよ」
「あっ春くん…また寝ちゃった」
「いいんだよ。寝てくれてるとリラックスしてくれてるってわかるから」
「詩織…よかったな」
「亘くん、ありがとう」
春くんは用事があるので2人でご飯を食べに行った。リクエストで焼肉屋さんに行って食べていると
亘くんのスマホが鳴った…オンコールだ…亘くんに執刀してもらいたい患者さんなんだろう。
「詩織ごめん。気をつけて帰れよ」お金を置いて足早にお店を出てってしまった。
仕方ない。そう理解していても淋しくなった。一気に食べる気がなくなり店を出た。
まだ昼過ぎの街並みを歩くと色んな人が目に入る。
待ち合わせして待ってる人。寄り添いながら歩くカップル。仲良く手を繋いでいる親子。泣いている子供。
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街の雑踏の中、1人立ち尽くしていた。
亘くんが好き…いつの間にか好きになってしまった。
好きになっちゃいけないと思ってた。私はお姉ちゃんの代わりだから…
でも…神さま…私からもう奪わないですか?
いつの間にか真っ暗になっていて、なんとか家に帰ってきたものの電気もつけずにソファー座り込んでしまった。
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