秋良と伊織のHappy Ending

最高のはじまり

第二話

　☆

「はい……誓い……ます……」

「ふふ。なにを誓うの？」

「う、ん……結婚……」

　身体がふわふわとする。

　まるで水鳥の羽にでも潜り込んだかのように、柔らかくて気持ちいい何かがぼくを包み込む。それから頬に優しく触れる温かな手。これはきっと伊織さんのものだ。

　自然と頬が緩み笑顔となる。

　すごく幸せで、とても安らかな、ぼくの居場所。

「んふふ。今朝も秋良は、結婚式の夢を見てるんだ」

　夢？

　夢、夢……夢――そうだ、これは夢だ。

　そしてぼくに語りかけるのは、世界一大切なぼくの最愛なる夫―――

「……伊織、さん？」

「ふふ。うん、おはよう。秋良」