幼馴染

なつり

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そのいち!

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【はやく
きて
トイレ
一階の
いちばん向こう】

朝一番のLINEをみて教室をとびだす。

「何やってんだよ、ばか…っ」

一階の男子トイレ。
その前の廊下に差し掛かると人通りはとてもすくなくなる。
情報の先生が向かいのコンピュータ室でパソコンをいじっているくらいなものだ。
日当たりが悪いし、そもそも今日は曇りなので朝7:00を回ったというのに薄暗い廊下に駆け抜け、例のトイレにむかう。

「景っ!」

いちばん奥の様式の引き戸をたたく。
驚かせないように割と軽めだが、声に余裕はない。

がちゃん、という音がして引き戸がかららと開く。

「おはよ~よーすけ~」

そこには呑気な顔をした幼馴染が便座に座っていた。


梅宮陽介と氷川景は10年を越す幼馴染だ。
出会いは保育園だった。
母親の年が近いのもあって意気投合し、2人はママントークをう繰り広げる母親たちの傍ら、遊ぶようになった。
そして、2人が小学2年に上がった春、事件は起きる。
卵アレルギーだったことを知らなかった陽介が景に給食ででた卵スープを渡してしまったのだ。
景も自分の事情をすっかり忘れ、ごくごく飲み干したものの、数秒たって失態に気づき、泣き始めたが、あとの祭り。全身にアレルギー反応がでて、景は呼吸困難に陥る。
当然ながら、少年少女のランチタイムは騒然となり、陽介はいちばん近くで苦しむ景を見守ることになった。
担任の対応が遅ければ普通に亡くなっていたところをそれぞれの迅速な対応により、一命をとりとめた景は数日後見舞いにいった陽介に元気な顔を見せたが、間近でみた陽介のトラウマと罪悪感は消えずに、16さいになった現在も続いている。


「へんなLINE送ってくんなよ…びっくりするだろ」
「へへ、ごめんごめん、こうしたらうよーすけに早く会えるでしょ?ふふ、もー日直なんてついてないなぁ」
景はそういって陽介の腰にまとわりつく。
「どーせ1日なんだから頑張れよ…、ほら、もう直ぐ授業始まるぞ、ん?」
立ち上がる気配がないことに気づいた陽介は振り返り、景をみる。
おなじく景も陽介をみていた。

「…なんだよ」

「今日の朝し忘れたことにきづかないの?陽介~~」

「…遅刻する」

「んんんー」

景はぐいっと力任せに陽介と向かい合う。
そして自分も立ち上がる。
背丈はたいして変わらない。
景は細い体を陽介にからませ、耳元でこういう。

「よーちゃん、お願い」

「ーーーっ!!!」

陽介がびくりと震え心臓の鼓動を早めた。
どくんどくん、と波打つのが景にもわかる
それくらい近い距離。

陽介にはこのあとの言葉をいつも勝手に連想する。
そして自己嫌悪に陥る。
『よーちゃん、助けて』

「け、」
「フェラが、いんだけど」
「なあ、じゅぎょ、あるか、ら」
「よーちゃん」
「…っ」

目をみれなくて思わず目をそらした陽介をしゃがませて、景は便座に座る。
露わになった下半身に陽介の顔を持っていく。

「け、い、っんむ」

「よーちゃん、舐めて。」

陽介の小さな抵抗を無視し、景は無理やりくわえさせた。
景をちろちろとくすぐったい感覚が襲う。

「のど、開けないの?」

陽介はぎゅっと目を閉じる。
そしてそっと首をそらす。

ぐぷ、と異物が入ってくる。
「~~っ!!!、う、」
「よー」
「ふ、う…っ」


戻しそうになるのをこらえて、陽介が景の制服のズボンをぎゅっとにぎる。
「よーすけ、うまいね」
その瞬間、濃いせいえきが陽介の口内にあふれた。
ずるる、と異物が戻っていく。

「う、ぇええぇ」
飲み込めなかったせいえきが床に落ちる。
ぴしゃっと音をたててそれは床を濡らした  
「は、はぁっは、う、あ、」
力尽きたようにぐったりとする陽介を景が
し支えた

そのとき、チャイムが鳴った
「あ、遅刻」



【陽介ー遅刻ごくろーさまー
今日マクド行くっていっち達といってるけど
陽介くる??
しんちゃんがクーポンあるって】

放課後。陽介の携帯には高校に入ってできた友人のLINEがきていだ
なかでもこいつはいちばん仲が良く、2人で遊びにいったりもしている。
中学を卒業するまで景以外とそんなことをしたことがなかった陽介にとってそれはとても新鮮だった。

教室を出ながら陽介は文書をうつ。
今日は部活もないし、家にも用事はない。
メガマックなんか食べてもいいかな、と財布を確認しようとしたとき後ろから聞きなれた声が聞こえた。
「よーすけ~」
「あ、景。」
今朝あんなことがあってもこんなに普通にいられるのはこうなってからもう随分とたつせいだ。
「よーすけ今日部活ないの?」
「あ、うん。ノー部活デーって知ってるだろー?」
軽く景をこづくと景はふふ、と微笑んで訪ねた
「あー部活とか縁がなさすぎて~じゃーよーすけはこれからどーすんの」
「ああ、部活のメンツとマクドいって帰るよ」
「えー俺とはかえってくんないの~?」
ぷーと頬を膨らませた景に陽介は手を合わせる。
「わっり!今日はメガマックが待ってるから!」
「なにそれ~もー」
呆れたようにでも仕方ないなあと景はわらう。

ゔーゔー
と突然着信音がなった

「あ、やべ、既読無視してたからか、」

陽介はあわてて携帯を耳に当て応対する

《陽介ー!》
「うわっ日向じゃねーのかよww、」
電話にでたのは繋がった携帯の持ち主の日向ではなく、噂のしんちゃんだった。
《しんちゃんでーす、そんなに日向がこいしいかー》
《おい、しんちゃんww》
笑いをこらえているのであろう、少し遠い日向の声が聞こえる。
「少なくともお前に用はねーよw」
いつもの雰囲気に思わす陽介も笑いながら、しんちゃんを一蹴すると、しんちゃんガラス抗議の声があがった。

「じょーだんだって、うそうそ、好きだから」
《うわっきもちわりー!助けて日向!》
「まっておれも寒気した」

「してないじゃん」

突然携帯を当てていない方の耳から低めの声が伝わる。

「ひっーーー!?け、景…?」
《え、どしたの、陽介、大丈夫?》
《いやてかそろそろ返せって、おーい陽介?それでくんの?》
景は陽介に体をぴったりくっつけたまま、離れない。
陽介の頭に景のことばがよみがえる。

『よーちゃん、おれは』

「お、おれ、」
「…行ってきなよ」
「え…」
ぱっと体が離れた。陽介は拍子抜けして思わず間抜けな顔になる。
《おい陽介??》
日向の声が陽介を現実にもどす。
「あっうん、いまから行くから!てか席とっとけ!」
《え?あーうんりょーかいー…だれか居たのか?》
「えっと…」
陽介はそろーっと景をみた。
「じゃ、後で家きてよ」
「あ、おっけ、えっとな…」
景は踵を返して家に向かう駅の方へ向かって行った

「友達…かな」





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