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その日はやってきた⑶
思いがけず、生き延びて
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しばらくの間、頭上のUFOが特に何も動きを見せなかったから、人々は、気に留めないようにして、いつも通りの日常に戻って行った。
頭上に、あれほど巨体のUFOが迫っているというのに、まるで、何も無かったの如く平常を取り戻す人達が信じられないのは、自分だけだろうか?
24時間後、私達は、この世からいなくなるというのに......
たった24時間の猶予しか与えられていないというのに......
その事さえも気付かずに、頭上に有るUFOをも何も見なかったように行動し続ける、この異様な状態を見ている心はもしかすると、意外にも、UFOの中の宇宙人と共有しているのではなかろうか?
宣告したにも関わらず、地球人達は誰も動じず、普段通りの動きを取り戻した。
宇宙人は、この状態をどう思っているのだろう?
テレパシーが大多数の地球人に届かない有様を。
悲観的に思えているだろうか?
それとも想定内だろうか?
こういう時には、聴こえた私に責任が有って、大声張り上げて伝えるべき?
でも、私1人にしか聴こえていない声を、聴こえていない周囲の人々に信じてもらえるのだろうか?
「この状況下だからって、適当に出まかせを言って」
......と冷たくあしらわれたりしないだろうか?
せめて誰か私の他にも、テレパシーの届いた人がいてくれたら......
そうだ!
私と同じ首長族のような外見の人を探したら良いのかも知れない!
何度もぐるりと見渡してみたが、皆、細い手足と小顔の均整の取れた体形の今どきの人達ばかり通り過ぎて行く。
嫌でも、つくづく、自分のマイノリティさが痛感させられてしまうほど、この近辺の人々の中では、私だけかも知れない。
どうしよう?
悩んでいると、また頭の中にテレパシーが届いた。
『私達は、非常に残念です。せっかくこうして、24時間の猶予を与えてあげているというのに、その言葉を解する者がほとんどいない事を。これでは24時間の猶予の意味が有りません』
えっ、猶予時間を少なくしたり、まさか、無くすという事?
そんな......
あと24時間有っても、足りない人がほとんどかも知れないのに、それすら無くされてしまうかも知れないって!
どうすればいい?
ここで、私が大声で、その事を叫んだら、不審者として警察に連行されてしまう?
それより確実な方法は......
そうだ、Twitterで拡散させよう!
とはいえ、いつも家のパソコンでしかTwitterしてないし、私は今だに、私に相応しいようなガラケー利用者。
これで、自分のアカウントを検索して打ち込むのは、機械音痴だから大変そう......
いや、私にしか出来ない事なんだから、面倒は面倒だけど、躊躇っている暇なんて無い!
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宣告したにも関わらず、地球人達は誰も動じず、普段通りの動きを取り戻した。
宇宙人は、この状態をどう思っているのだろう?
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そうだ!
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どうしよう?
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