上 下
9 / 21
9.違う見え方の謎

この余韻に包まれながら......

しおりを挟む
「それじゃあ、お前は、誰に似ていると?」

 同じ色素薄い系でいくと、美少女かどうかは疑問だが、宇宙人にも見えなくもないような、モディリアーニの「おさげ髪の少女」だろうか?
 いやいや、「真珠の耳飾りの少女」の方が断然近い!!
 俺の見る目の方が確かだ!!

「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢だよ」

 『美術史上最強の美少女』と言われの高いイレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢......そう来たか!
 けど、イレーヌ嬢は、わずか8歳......
 髪や目の色も違うし......
 名前の響きは近いとはいえ、あの美しいミレーユさんを、似てもいないのに、そんなロリ丸出しの絵画の女の子に例えるとは!

 そうか......道下はロリコンだった!

 だから、ほんのりとお色気の有る♡『真珠の耳飾りの少女』によく似たミレーユさんには、そこまで関心無いのだろう。
 道下の好みだったら、わざわざ俺を紹介するなんて不利になる事をするわけがない。

 そうかそうか♪
 道下は、俺のライバルではないという事だ!
 良かった!安心した!
 後からしゃしゃり出た俺の方がミレーユさんとより仲良くなっても、文句言われる筋合いは無いのだな!
 
「実は、ミレーユさんは宇宙人なだけにシェイプシフターで、相手の目からは、理想の女性像で映る能力を持っているんだ。それで、浅間には、どういう外見で見えているのかと気になってね......」

 そんな冗談みたいな事を、冗談と思えないように話した道下。

 シェイプシフター......!

 道下は、日頃から、冗談など言う奴ではなく、正直さだけが取り柄の人間......

 って事は.......
   やっぱり、ミレーユさんは、変幻自在!!

 俄かには信じ難いが、多分、真実なのだろう......

「俺には、真珠の耳飾りの少女のように見えるミレーユさんが、お前の目には、イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢のように見えているのか?」

 もう道下を疑うわけではないが、一応確認すると、頷いた......
 ミレーユさんは、相手の好みの姿に映る事の出来る能力を持っていた!
 道下には、全くタイプの違う女性に見えていたとは!

「宇宙人の能力って、計り知れないよな!
 あの手の平からのエネルギーも凄かったろう?」

「あれは、まだ疑問なんだけど、
 本当にあれだけで終わってもいいものだったのか?」

 俺の言葉に、意味分からないように笑いながら去って行った道下。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件

フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。 寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。 プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い? そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない! スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...