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いくら仲良しでも適度な距離は必要です。
いくら仲良しでも言わないと伝わらない事もあります③※
しおりを挟む長くなって来ましたがピンクです。
2人の気持ちが盛り上がってきましたので苦手な方はお戻りくださいね。
今回はソフトです。
晴人が俺の事を好きって言ってくれたのに、俺は胸がいっぱいで固まったままだった。
「……なんか、言えよ」
「えっと……うん、あの」
俺も好きって言って信憑性あるんだろうかとか、頭がごちゃごちゃになって心を落ち着かせようとしたけど無理で。
「あ、ありがとう…」
「まさかのお礼か」
「いや、えーっとその、俺、風呂…お風呂入りたいっ今すぐ!」
拍子向けして呆れた顔をしてる晴人に赤くなった頰を見られないように抱きついて、耳元で囁いた。
「綺麗に洗ってから抱いて欲しい…だめ?」
そう言った後の展開は早かった。
俺はただシャワーに入りたかっただけなのに…晴人は嫌がる俺を抱き上げて強制的にバスルームに連れ込んだから。
「ほら、こっち来いって。頭乾かさなきゃ風邪ひくだろー?」
俺は晴人のベッドの上に体育座りしながら晴人を睨んだ。
「一緒に入りたいなんて言ってないだろ!俺はっ汗臭いから綺麗にして、それからって言ったのに!」
「いや、一緒に入った方が合理的だし。恥ずかしかったか?昔はよく一緒に入ったのに」
そんなの子供の時の話だし、俺はそんな事を言ってるんじゃないんだ。
晴人は俺の身体の隅々まで洗ってくれただけじゃなく…あんな事まで。
「あんな事するなんて聞いてない!」
「言ったら逃げると思って。でも必要な過程なんだよな」
あんなとこに指入れるなんて。
泣いて嫌だって言ったのに。
お湯が入ってきてパニックになって、バスルームに響く俺の変な声が耳を塞ぎたくなるほど恥ずかしくて、終わった頃には放心状態だった。
「ごめん。後で何度でも謝るから、とりあえずほら、ここおいで」
子供の頃、お泊まりすると決まって晴人が俺の髪を乾かしてくれて、その時みたいにベッドの下に座らされてタオルで優しく拭かれる。
「でも…すげー可愛かった」
そう言いながらドライヤーで乾かしてくれて、俺は脱力してされるがままになった。
人に頭を乾かしてもらうのも誰かに優しくされるのも、気持ちが良くてあったかい気持ちになる。
晴人は昔から俺を大事にしてくれてるし、今の今まで忘れてたけど俺、初恋は晴人だったんじゃなかっただろうか。
なんでこんな大事な事忘れてたんだろうって思いながら目を瞑ると、眠気が襲ってきて俺は少し微睡んだ。
「よく寝るよな…」
ドライヤーの音が止んで抱き上げられて晴人のベッドに寝かされると、晴人は優しくまたキスしてくれた。
「悠太…?このまま寝るか?」
「寝ないよ…んんっ、だって」
するんでしょ?って思いながら目を開けたら晴人と目が合って、ちょっと真面目な顔で呟いた。
「さっきの風呂よりもっと悠太が恥ずかしい事俺、多分するよ?」
良いって言ったのに、最終確認みたいにちゃんと聞いてくれて、ムードはないけどなんだか嬉しかった。
「痛い事するかも。多分俺は気持ち良いけどどうしても悠太には負担が…」
あ、やっぱ俺が下?って言うか、女の子みたいな感じなんだよねって心の中で思ったけど口には出さずに頷いた。
晴人の身体から俺と同じ石鹸の香りがするのが不思議で、緊張してるけど晴人とこうなるのに違和感も感じなくて蕩けていった。
もう何も考えられずに、晴人と繋がる事に集中すると自然に口から本音が出た。
「痛くてもいいから、しよ…?」
晴人が息を呑む音がして、自然に重なった唇からお互いの舌が絡み合って何度も声が漏れる。
「…んん、はる…と、あっ…」
だんだん下へ降りていく晴人の手の感触に、さっきよりもっと全神経が快感を拾ってすぐに張り詰める。
「……やばい、お前の声聞いてるだけで…イキそうなんだけど」
そんな事を囁かれると声を我慢する気持ちも無くなってきて、上手く出来ないけど晴人の首に手をかけて何度も蕩けるように舌を絡めた。
さっきバスルームで弄られた所が疼いて、触られてもいないのに先走りが溢れる感覚に気が遠くなった。
「…なるべく優しくするから」
愛されてる感覚が幸せでたまらなくて泣きそうで、晴人を好きだってまた思った。
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