上 下
13 / 32
いくら仲良しでも適度な距離は必要です。

いくら仲良しでも言わないと伝わらない事もあります②※

しおりを挟む

しつこいけどピンクです、閲覧注意。














「あ…ふ、はる…と、俺……」

触れるだけのキスの合間に途切れ途切れに出た言葉は、自分でもさっきとはまるで違う意味を含んだ声色になってしまった。

晴人がそれに気づいたかはわからないけど俺の身体をまた優しく撫でて、ゆっくりと唇をこじ開けて舌を割り入れてきた。

そのまま蕩けそうなキスを繰り返してくれて、上手く息が出来なくなって来て晴人の首筋に腕を回す。

胸まで捲り上げられたTシャツが俺の首元で少し邪魔だったから、晴人は唇を離してそれを素早く首から抜いて、自分もTシャツを脱いで俺の耳元で少し掠れた声で言う。

「……悠太、今すっごくエロい顔してる」

恥ずかしい事を言われたけど多分間違ってないから何も言い返せなくて頰が熱くなる。

キスだけで溶けそうで、そして自分がずっと前から晴人への気持ちを押し殺してた事を自覚した今は状況がまだ飲み込めない。

「もっと、悠太が感じてる声が聞きたい」

「…んん、っあ、やだ…そこっ…?」

右の耳に晴人の舌が入り込んで、びっくりして肩が上がって熱い息が漏れる。

「……っく、やぁっ、かき回さないで…ッ」

何度も出し入れされると卑猥な音が脳まで響くみたいで、何度も変な喘ぎ声が出て恥ずかしくてシーツを握り締めた。

自分の口からこんな声が出るなんて知らなかったし、耳元で響く晴人の息遣いがゾクゾクして身体が震える。

思わず逃げを打つ俺の身体を抱き寄せて、逃がさないように指を絡められてシーツに縫い付けられた。

「は…っ、いた…ッ」

首筋に顔を埋められて、晴人の唇が触れた所からどんどん熱くなって、時々ちくっと痛みが走って薄目で見ると赤い跡が身体についてた。

「な、なにしてんの…?」

「大丈夫、見えないとこにつけてるから」

「そ、そういう問題じゃ…あ…んんっ」

それがキスマークだと理解した時恥ずかしさに頭が沸騰して狼狽えて、でもなんだかそれが『晴人の物』みたいな気がして嫌じゃないと思った。

「…ん…っ、や…はぁっ」

いくつかの赤い印をつけられてる感触を追うだけで痛いのに気持ち良くて、晴人の頭が少しずつ下がっていって、太ももを開かされて俺自身を口に含んだ感触に強く目を瞑った。

晴人の口内に俺のモノが咥えられてる事実を受け入れるだけで精一杯なのに、あまりの快感におかしくなりそうで思わず両手で口を抑える。

「…う…ッんんっ…は、やだ、もう」

そんな事はまるで意味がないかのように口から喘ぎ声が絶え間なく部屋に響いた。

今にもイッてしまいそうな射精感に泣きそうになった俺に気づいて、晴人が両手を取って覆いかぶさって頰にキスをする。

「悠太…嫌だったらこれ以上はやめるけど、本当に嫌か?」

「……え…?やめるの?」

「同意が得られない行為はやらないよ。悠太が嫌な事は出来ないし…」

晴人はちゃんと俺の気持ちを考えてくれてる。

「晴人…あのさ、晴人はこういう事…その、誰かとした事…ある?」

だって全然迷いがなくて手慣れてる気がしたんだ。

「俺が誰かを抱いてたら、嫌ってこと?」

「………嫌だよ。だって…俺」

晴人の事好きなんだって言いそうになって言えなくて唇を噛んだ。

さっきまで散々、嫌だの無理だの言ってたのに急に手のひら返したみたいに俺は何を言おうとしてるんだろう。

「お前と一緒にいる時間が長いのに、気づかれないでそういう事出来るわけないじゃん」

「じゃ、その、なんで慣れてるの…?」

「だから、それは…」

言葉を濁しかけて、晴人はバツが悪そうに呟いた。

「脳内でお前の事何百回も抱いたからだよ」

晴人は言ってしまってから少し恥ずかしそうに目を逸らした。

「あ、やべ…俺が変態みたいな事言ってないか?」

「それって…」

どういう意味かわかんなくて、でも晴人が誰かと関係を持ってなかった事は理解してすごく嬉しかった。

晴人はこういう時、嘘は言わない。

「ずっと言えなかったから、いざ言おうとするとなかなか言えないんだよ、かっこ悪いけど」

かっこ悪くないしちゃんと言って欲しくて、泣きそうになりながら晴人の言葉を待った。





「悠太しか好きじゃないから誰とも経験ないよ。ずっと抱きたかったのはお前だけだ」




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ノンケだけどオカマバーで働いてビッチになりましたが彼氏が出来て幸せです

うずみどり
BL
ノンケのおけつぷりぷり大学生がオカマバーでバイトを始めて流されてアレコレされちゃう第一部、大学生が他の男としている閑話、大学生の先輩がアパートを追い出されてオカマバーのオーナーのマンションに世話になる第二部という構成になっています。

好きな人とエレベーターに閉じ込められました。

蒼乃 奏
BL
雨の降る夜、あるマンションのエレベーターが止まった。 乗っていたのは俺ともう一人の男。 完全密室に閉じ込められた俺達は、2人で助けが来るまで待つしかなかった。 「エレベーターってスマホ電波悪いんだなぁ。そういや鉄の箱だもんな。ははっお前知ってた?」 呑気に笑ってる男は確かによく知ってるけど、世界で一番閉じ込められたくなかった相手。 神様、よりによって何故コイツなのですか? 俺の知られたくない秘密だけは隠し通したい。 俺の人生最大の危機と心の葛藤が今、始まる。 BLです。R18です。 過激な表現には※がついてます。 苦手な方はお戻りください。

絶滅危惧種の俺様王子に婚約を突きつけられた小物ですが

古森きり
BL
前世、腐男子サラリーマンである俺、ホノカ・ルトソーは”女は王族だけ”という特殊な異世界『ゼブンス・デェ・フェ』に転生した。 女と結婚し、女と子どもを残せるのは伯爵家以上の男だけ。 平民と伯爵家以下の男は、同家格の男と結婚してうなじを噛まれた側が子宮を体内で生成して子どもを産むように進化する。 そんな常識を聞いた時は「は?」と宇宙猫になった。 いや、だって、そんなことある? あぶれたモブの運命が過酷すぎん? ――言いたいことはたくさんあるが、どうせモブなので流れに身を任せようと思っていたところ王女殿下の誕生日お披露目パーティーで第二王子エルン殿下にキスされてしまい――! BLoveさん、カクヨム、アルファポリス、小説家になろうに掲載。

愛欲の炎に抱かれて

藤波蕚
BL
ベータの夫と政略結婚したオメガの理人。しかし夫には昔からの恋人が居て、ほとんど家に帰って来ない。 とある日、夫や理人の父の経営する会社の業界のパーティーに、パートナーとして参加する。そこで出会ったのは、ハーフリムの眼鏡をかけた怜悧な背の高い青年だった ▽追記 2023/09/15 感想にてご指摘頂いたので、登場人物の名前にふりがなをふりました

そこにワナがあればハマるのが礼儀でしょ!~ビッチ勇者とガチムチ戦士のエロ冒険譚~

天岸 あおい
BL
ビッチ勇者がワザと魔物に捕まってエッチされたがるので、頑張って戦士が庇って大変な目にあうエロコメディ。 ※ビッチ勇者×ガチムチ戦士。同じ村に住んでいた幼馴染コンビ。 ※魔物×戦士の描写も多め。戦士がエロい災難に遭いまくるお話。 ※エッチな描写ありの話は話タイトルの前に印が入ります。勇者×戦士『○』。魔物×戦士『▼』。また勇者視点の時は『※』が入ります。

平凡くんと【特別】だらけの王道学園

蜂蜜
BL
自分以外の家族全員が美形という家庭に生まれ育った平凡顔な主人公(ぼっち拗らせて表情筋死んでる)が【自分】を見てくれる人を求めて家族から逃げた先の男子校(全寮制)での話。 王道の転校生や生徒会、風紀委員、不良に振り回されながら愛されていきます。 ※今のところは主人公総受予定。

オメガ嫌いなアルファ公爵は、執事の僕だけはお気に入りのオメガらしい。

天災
BL
 僕だけはお気に入りらしい。

初恋を諦めるために惚れ薬を飲んだら寵妃になった僕のお話

トウ子
BL
惚れ薬を持たされて、故国のために皇帝の後宮に嫁いだ。後宮で皇帝ではない人に、初めての恋をしてしまった。初恋を諦めるために惚れ薬を飲んだら、きちんと皇帝を愛することができた。心からの愛を捧げたら皇帝にも愛されて、僕は寵妃になった。それだけの幸せなお話。 2022年の惚れ薬自飲BL企画参加作品。ムーンライトノベルズでも投稿しています。

処理中です...