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いくら仲良しでも適度な距離は必要です。

いくら仲を深めると言っても同意の上でないといけません①※

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※ほんのりピンクです、背後注意。













侵入して来た晴人の舌に俺が何も考えられなくなって、じんわり心が震えてくる感覚に絡めた指に力が入ると握り返された。

「…っは、ちょ、やめ…」

角度を変えて何度も逃げる舌を追われて、押し付けられた太ももに晴人の大事な部分も固くなっているのを感じる。

手慣れたように制服のズボンのベルトが外されて、何でこんな事になったんだろうって考えた。

「悠太、腰…ちょっと上げて?」

「…っな、なんで」

「…窮屈だろ?制服皺になっちゃうし…な?」

キスの合間に息がかかる距離でもっともらしい事を言うけど、そのズボン脱がして俺に何をするつもりなんだよ…?

「…ん、そう、いい子」

心の声とは裏腹に無意識に少し腰を浮かせてしまったみたいで、晴人が素早く下ろしてベッドの下に落とした音がした。

そんな風にしたら制服のズボンは絶対皺になるじゃん。

ハンガーにかけるつもりなんか全くないだろう晴人の腕に縋って変な声が漏れる自分が恥ずかしくてたまらなかった。

「んん、ふ…っ」

余裕そうに俺の唇を塞いでる晴人は、誰かとこんな事した事あるんだろうか。

少し薄暗い部屋に差し込む夕陽に、晴人のおばさんが仕事終わって帰ってくるのは何時だっけ…?って急に現実的な事も頭を掠めた。

こんな所見られたらどうすんだろう、とか頭がごちゃごちゃになって晴人の胸を押して目を合わせる。

いつもと同じ見慣れた顔だけど、瞳の奥に少しの欲情が感じられて戸惑う。

「ん?どした」

「は、晴人…家族、帰って来る…だろ?」

「母さんは今日遅番。父さんは出張中。誰もいないよ」

「で、でも真由香姉ちゃんは?」

「ん、まだ帰って来るなってLINEしといたから遅くなるだろ」

はぁ?帰って来るなってなんで連絡してんの!?

驚いてぽかんと空いた口に舌を捻じ込まれて、いつの間にかシャツの下から入り込んだ手が俺の腹や胸の辺りを弄る手に思わず晴人の腰に自分の腰を押し付けてしまう。

「…それより集中して、悠太」

「……そんな事言われたって…っ、んん…ふぁ…ん」

長いキスは俺の身体の力も思考力もどんどん奪って、慣れない行為に息も上手く出来ないのに色んな所が熱を持つ。

どうしよう…キスってこんなに気持ちいいんだ。

舌を絡めて夢中になってキスを繰り返してると、下にいる俺の口の中に送り込まれて来る唾液を反射的に何度も呑み込んで、大事な部分がどんどん張り詰める。

でも何故か、それが嫌じゃないと思ってる自分に一番戸惑う。

いつの間にか繋いでた手が外されてて、晴人の背中に両手を回して遠慮がちに抱きしめると、嬉しそうにふっと笑った感じがして晴人の腰を押し付けられた。

「…あー、悠太。そんな可愛い顔されると止められなくなるなぁ…」

「あっ、やっ…んんっ」

オデコとオデコをくっつけて晴人が俺の足の間に膝を入れてぐっと押しつけてくるから気持ち良くて思わず変な声が出た。

「悠太、ちょっと辛いだろ…?ここ…出す?」

その意味は年頃の高校生の頭にはすぐ理解出来て、男同士なのにいいんだろうかとか、触られたらすぐ出ちゃいそうだとか口には出せない卑猥な妄想に顔が熱くなって目を逸らした。

「嫌だったらやんない」

嫌だったらきっと突き飛ばして逃げてるし、全然気持ちいいし嫌でもないと思ってるし、もっと触って欲しいって口に出そうで怖いくらいでさっきまでの戸惑いも忘れて頷いてしまう。

「………じゃない」

「ん?悠太、聞こえない」

「……嫌じゃ…ない」

そう呟くとちょっとだけ心配そうな顔をしてた晴人の眉が上がって嬉しそうに笑った。








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