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魔王の譚
変態達
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「カルロス?」
「カルロス……」
記憶を探り思い出そうととぼけた顔で思考を巡らせるシャルロットに対して、ルークスは暗い顔になる。
そりゃそうだろう、サトシから聞いた話だと「アイ」って仲間を殺した仇敵だ。
挙句にサトシやルークスを上回る能力持ちと聞いている。場合によっては俺やカールでも苦戦するかもしれん。なにより、そんな奴を今まで気づかず放置していたことが問題だ。
「名前に聞き覚えは無いな。で、そのカルロスとやらは何をしたんじゃ?おぬしにちょっかいを掛けたのか?」
シャルロットは随分興味なさそうに手遊びをしながら尋ねてくる。
「いや。俺にちょっかいを駆けてきたわけじゃないんだが、どうやら俺を探してるらしい。詳しい事はそこの変態小僧(ルークス)に聞いてくれ」
「変態小僧?おぬし変態なのか?」
「な!?」
変態小僧(ルークス)がビクリと体を震わせ、恍惚とした表情を浮かべる。
おいおい、本格的に変態じゃねぇか。やっぱ帰ろうかな。
しかし、そう言う訳にもいかんだろうな。
「そういや風貌を聞いてなかったな。なあルークス。具体的にどんな奴だった?見た目はどんなだ?」
「見た目……か。そうだなぁ。……あ、わかるかなぁ。セ〇ィロス」
「は?」
「だから。セフィ〇ス」
「F〇7の?」
「そ。〇F7の」
「な!?な。な。」
ん?今度はシャルロットの様子がおかしいぞ。なんだ!?口を押えて体をわなわなと震わせている。
「セ!?」
セ?
「セェーーーーフィーーーーローーーー〇!!!!来たぁ!!!!! マジか!マジなのか!!!来たぁ!!!!!フォォォォォォ!!!!」
「「は!?」」
シャルロットが両手を天にかざし奇声を上げている。満面の笑みで涙目になっているようにさえ見える。なんだこいつ!?
ルークスも同じ感想だったようで、その場で呆然と立ち尽くしている。
「イヤァーーーーーー!!!イエス!イエス!ヤァーーーーーーーー!!!」
「おいおい、おい!正気に戻れ!何だ!何事だよ!おい!シャルロット!正気に戻れって!」
俺の声など届かいない様子でシャルロットがソファーの上を飛び跳ねている。なんだ?何がこいつの琴線に触れたんだ!?
俺とルークスは引き気味にその様子を眺めるしか術がなかった。
しばらく奇声を上げながら飛び回っていたが、どうやら疲れたらしく大きなため息を吐きながらソファーに深々と座り込んだ。
「やっとかよ。何事だよ?一体」
「セフィロ〇よ!?これが興奮せずにいられる!?この世に〇フィロスが現れたのよ!?」
シャルロットは口調すら変わるほどご満悦の様子だ。なんだかなぁ
「「現れたのよ」じゃねぇよ。どうなっちまったんだよ。一体。
それと、お喜びの所、誠に申し訳ありませんが、セフ〇ロス風の男って事だからな。本物じゃねぇぞ。タダのコスプレ野郎だろ。おそらく」
「何言ってるのよ。それくらいわかってるわよ。コスプレでも十分よ。存在自体が尊いんだから」
「左様け。コスプレ野郎で良いんなら、俺の部下にも居るけどなセフ〇ロス風。それと、キャラ設定は崩すなよ」
「おや。ワシとしたことが……」
今更戻してもなぁ……
すると、俺達の様子に割って入るタイミングを失っていたルーカスが、おずおずと尋ねる。
「え~っと。セフィ〇スがわかるって事は、その……シャルロットさんも転生者って事で良いのかな?」
「今更かよ」
「いや、その事前情報は貰ってないからさ」
「意外に察しが悪いな。「紡ぐ者」持ってるって事は記憶をそのまま引き継いでるって事じゃねぇか」
こいつ本当に研究者か?こんなニブちんで大丈夫か?
「なんじゃ。おぬしも前世の記憶があるのか?」
「前世のって言うか……」
『おい』
念話で慌てて言葉を遮る。こいつはかなりのうっかりさんだな。
「ほう。何か言いたいことがあるなら聞くぞ。さあ、言うてみろ」
シャルロットは不敵な笑みを浮かべながらルークスに促す。
「ああ、こいつを操ろうったって無駄だからな」
「なんじゃと!?おぬし。まさか!?」
「ノーコメントで」
先に手を打っておいてよかった。危うくルークスがペラペラしゃべるところだよ。
というわけで、ようやく場が落ち着いてきた。
それじゃぁそろそろ本題に入ろうか。
「カルロス……」
記憶を探り思い出そうととぼけた顔で思考を巡らせるシャルロットに対して、ルークスは暗い顔になる。
そりゃそうだろう、サトシから聞いた話だと「アイ」って仲間を殺した仇敵だ。
挙句にサトシやルークスを上回る能力持ちと聞いている。場合によっては俺やカールでも苦戦するかもしれん。なにより、そんな奴を今まで気づかず放置していたことが問題だ。
「名前に聞き覚えは無いな。で、そのカルロスとやらは何をしたんじゃ?おぬしにちょっかいを掛けたのか?」
シャルロットは随分興味なさそうに手遊びをしながら尋ねてくる。
「いや。俺にちょっかいを駆けてきたわけじゃないんだが、どうやら俺を探してるらしい。詳しい事はそこの変態小僧(ルークス)に聞いてくれ」
「変態小僧?おぬし変態なのか?」
「な!?」
変態小僧(ルークス)がビクリと体を震わせ、恍惚とした表情を浮かべる。
おいおい、本格的に変態じゃねぇか。やっぱ帰ろうかな。
しかし、そう言う訳にもいかんだろうな。
「そういや風貌を聞いてなかったな。なあルークス。具体的にどんな奴だった?見た目はどんなだ?」
「見た目……か。そうだなぁ。……あ、わかるかなぁ。セ〇ィロス」
「は?」
「だから。セフィ〇ス」
「F〇7の?」
「そ。〇F7の」
「な!?な。な。」
ん?今度はシャルロットの様子がおかしいぞ。なんだ!?口を押えて体をわなわなと震わせている。
「セ!?」
セ?
「セェーーーーフィーーーーローーーー〇!!!!来たぁ!!!!! マジか!マジなのか!!!来たぁ!!!!!フォォォォォォ!!!!」
「「は!?」」
シャルロットが両手を天にかざし奇声を上げている。満面の笑みで涙目になっているようにさえ見える。なんだこいつ!?
ルークスも同じ感想だったようで、その場で呆然と立ち尽くしている。
「イヤァーーーーーー!!!イエス!イエス!ヤァーーーーーーーー!!!」
「おいおい、おい!正気に戻れ!何だ!何事だよ!おい!シャルロット!正気に戻れって!」
俺の声など届かいない様子でシャルロットがソファーの上を飛び跳ねている。なんだ?何がこいつの琴線に触れたんだ!?
俺とルークスは引き気味にその様子を眺めるしか術がなかった。
しばらく奇声を上げながら飛び回っていたが、どうやら疲れたらしく大きなため息を吐きながらソファーに深々と座り込んだ。
「やっとかよ。何事だよ?一体」
「セフィロ〇よ!?これが興奮せずにいられる!?この世に〇フィロスが現れたのよ!?」
シャルロットは口調すら変わるほどご満悦の様子だ。なんだかなぁ
「「現れたのよ」じゃねぇよ。どうなっちまったんだよ。一体。
それと、お喜びの所、誠に申し訳ありませんが、セフ〇ロス風の男って事だからな。本物じゃねぇぞ。タダのコスプレ野郎だろ。おそらく」
「何言ってるのよ。それくらいわかってるわよ。コスプレでも十分よ。存在自体が尊いんだから」
「左様け。コスプレ野郎で良いんなら、俺の部下にも居るけどなセフ〇ロス風。それと、キャラ設定は崩すなよ」
「おや。ワシとしたことが……」
今更戻してもなぁ……
すると、俺達の様子に割って入るタイミングを失っていたルーカスが、おずおずと尋ねる。
「え~っと。セフィ〇スがわかるって事は、その……シャルロットさんも転生者って事で良いのかな?」
「今更かよ」
「いや、その事前情報は貰ってないからさ」
「意外に察しが悪いな。「紡ぐ者」持ってるって事は記憶をそのまま引き継いでるって事じゃねぇか」
こいつ本当に研究者か?こんなニブちんで大丈夫か?
「なんじゃ。おぬしも前世の記憶があるのか?」
「前世のって言うか……」
『おい』
念話で慌てて言葉を遮る。こいつはかなりのうっかりさんだな。
「ほう。何か言いたいことがあるなら聞くぞ。さあ、言うてみろ」
シャルロットは不敵な笑みを浮かべながらルークスに促す。
「ああ、こいつを操ろうったって無駄だからな」
「なんじゃと!?おぬし。まさか!?」
「ノーコメントで」
先に手を打っておいてよかった。危うくルークスがペラペラしゃべるところだよ。
というわけで、ようやく場が落ち着いてきた。
それじゃぁそろそろ本題に入ろうか。
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