231 / 321
生方蒼甫の譚
邂逅
しおりを挟む
色を失うほど輝く空を見上げながらしばらく呆然と立ち尽くしていた。
「どっすか?」
その声でハッと我に返る。
「な!何やった!?」
サトシを問い詰めるが、サトシはにやにや笑いながら満足そうだ。
上空では天使たちが動きを止めている。と、思ったら一気に上空から降下してきた。
ザザザザザァァァァーーーーーーー!!!
虹色の殺人虫(キラーバグ)ドローンが視界を覆う勢いで降り注いでくる。
慌ててティンクルバリアで避けるが、雹の様に降り積もり地面を虹色に染めてゆく。
何が起こった!?
「電……パ……すよ」
サトシはしたり顔で俺に話しかける。が、ざあざあと降り注ぐ殺人虫(キラーバグ)ドローンの音で良く聞こえない。
「なんだって!?」
それを察してか念話で伝えてきた。
『電磁パルスです』
『電磁パルス!?あ、EMPって言ってたのはそれか!』
『です。覿面でしょ?』
『なるほど。電磁パルスでドローンの制御回路を焼き切ったか。でもどうやって?』
『核ですよ』
核?あ!
『覚えてます?核弾頭拾ったの。前回の殺人虫(キラーバグ)ドローン見たときに、使えそうだなぁと思ったんですよね』
サトシはいたずらが成功した少年のような笑顔で嬉々としていかにこの作戦を思いついたかを語り始める。
いや、確かにすごいけどさ。でも……
『俺たちの街に被害はないか?』
『それは大丈夫ですよ。まあ、多少はあるかもしれませんが、俺電子回路はあんまり作ってないですから。すぐに復旧できる程度ですよ』
『まあ、それなら良いけど……あ、これも買い取ってもらえるんじゃね?』
『これっすか?いけますかね?』
『でも、見た目奇麗だろ?』
『まあ、そっすけど。価値ありますかね?』
『こんだけの数だぞ。玉虫厨子も大量生産できるんじゃないか?』
『要ります?それ』
『しらんけど。まあ、欲しがる奴は居るんじゃない?』
そんなことを話しなしていると、ようやく殺人虫(キラーバグ)ドローンの雨は降り切ったようだ。
サトシは辺りに降り積もる殺人虫(キラーバグ)ドローンの亡骸を燃やし始める。
「おい!燃やすのかよ!」
「要りませんよぉ。やっぱり」
まあ、確かに要らんか。
ただここまで大量だと何かに使えそうなんだよなぁ。貧乏性なのかなぁ。と、虹色の大地を眺めていると、かなり遠くの方からこちらに駆けてくる人影が見えた。
ゾクッ!
なんだ!?この気配。えげつないのが来るぞ。おい。
慌てて俺はステータスを確認する。
『カール 職業:ルーキ冒険者 LV:60 HP:43200/43200 MP:5,062,653,600/5,062,653,600 MPPS:1,000,000 STR:1200 ATK:4200 VIT:1200 INT:150 DEF:4200 RES:510 AGI:2400 LUK:64
スキル:結晶操作「極」 観念動力「極」 剣:Lv788 棍棒:Lv622 槍:Lv531 斧:Lv382 体術:Lv882 魔術 火:Lv8』
なんだよおい。一難去ってまた一難か。ある意味カルロスよりやべえじゃねぇか。
ん?
化け物じみた魔力で……
ルーキー冒険者のカール?
こいつか?サトシが言ってたやつは。
その周りにはどうやらSランク冒険者らしき奴らもいる。うわぁ。ヤバいのに見つかっちゃったな。
と、周囲を見回していると、その先にあるひときわ大きな気配に気づいた。
こいつか。さっきの悪寒の原因は……
『フリードリヒ 職業:??? LV:666 HP:820360/820360 MP:700,002,112/760,072,896 MPPS:700,000 STR:5994 ATK:8494 VIT:5994 INT:999 DEF:8494 RES:15651 AGI:3996 LUK:672』
まずいな。こいつは。
その男がサトシに向かって声をかける。
「お前は誰だ。何てことしてくれるんだ!」
フリードリヒと表示されている男が詰問する。
が、サトシは返答に困っているのか、カールの出現に戸惑っているのか……黙ってしまった。
その様子を見て返答が来ないと察したからか、今度は俺に視線を向ける。
「おい。お前一体なんだ?」
「どっすか?」
その声でハッと我に返る。
「な!何やった!?」
サトシを問い詰めるが、サトシはにやにや笑いながら満足そうだ。
上空では天使たちが動きを止めている。と、思ったら一気に上空から降下してきた。
ザザザザザァァァァーーーーーーー!!!
虹色の殺人虫(キラーバグ)ドローンが視界を覆う勢いで降り注いでくる。
慌ててティンクルバリアで避けるが、雹の様に降り積もり地面を虹色に染めてゆく。
何が起こった!?
「電……パ……すよ」
サトシはしたり顔で俺に話しかける。が、ざあざあと降り注ぐ殺人虫(キラーバグ)ドローンの音で良く聞こえない。
「なんだって!?」
それを察してか念話で伝えてきた。
『電磁パルスです』
『電磁パルス!?あ、EMPって言ってたのはそれか!』
『です。覿面でしょ?』
『なるほど。電磁パルスでドローンの制御回路を焼き切ったか。でもどうやって?』
『核ですよ』
核?あ!
『覚えてます?核弾頭拾ったの。前回の殺人虫(キラーバグ)ドローン見たときに、使えそうだなぁと思ったんですよね』
サトシはいたずらが成功した少年のような笑顔で嬉々としていかにこの作戦を思いついたかを語り始める。
いや、確かにすごいけどさ。でも……
『俺たちの街に被害はないか?』
『それは大丈夫ですよ。まあ、多少はあるかもしれませんが、俺電子回路はあんまり作ってないですから。すぐに復旧できる程度ですよ』
『まあ、それなら良いけど……あ、これも買い取ってもらえるんじゃね?』
『これっすか?いけますかね?』
『でも、見た目奇麗だろ?』
『まあ、そっすけど。価値ありますかね?』
『こんだけの数だぞ。玉虫厨子も大量生産できるんじゃないか?』
『要ります?それ』
『しらんけど。まあ、欲しがる奴は居るんじゃない?』
そんなことを話しなしていると、ようやく殺人虫(キラーバグ)ドローンの雨は降り切ったようだ。
サトシは辺りに降り積もる殺人虫(キラーバグ)ドローンの亡骸を燃やし始める。
「おい!燃やすのかよ!」
「要りませんよぉ。やっぱり」
まあ、確かに要らんか。
ただここまで大量だと何かに使えそうなんだよなぁ。貧乏性なのかなぁ。と、虹色の大地を眺めていると、かなり遠くの方からこちらに駆けてくる人影が見えた。
ゾクッ!
なんだ!?この気配。えげつないのが来るぞ。おい。
慌てて俺はステータスを確認する。
『カール 職業:ルーキ冒険者 LV:60 HP:43200/43200 MP:5,062,653,600/5,062,653,600 MPPS:1,000,000 STR:1200 ATK:4200 VIT:1200 INT:150 DEF:4200 RES:510 AGI:2400 LUK:64
スキル:結晶操作「極」 観念動力「極」 剣:Lv788 棍棒:Lv622 槍:Lv531 斧:Lv382 体術:Lv882 魔術 火:Lv8』
なんだよおい。一難去ってまた一難か。ある意味カルロスよりやべえじゃねぇか。
ん?
化け物じみた魔力で……
ルーキー冒険者のカール?
こいつか?サトシが言ってたやつは。
その周りにはどうやらSランク冒険者らしき奴らもいる。うわぁ。ヤバいのに見つかっちゃったな。
と、周囲を見回していると、その先にあるひときわ大きな気配に気づいた。
こいつか。さっきの悪寒の原因は……
『フリードリヒ 職業:??? LV:666 HP:820360/820360 MP:700,002,112/760,072,896 MPPS:700,000 STR:5994 ATK:8494 VIT:5994 INT:999 DEF:8494 RES:15651 AGI:3996 LUK:672』
まずいな。こいつは。
その男がサトシに向かって声をかける。
「お前は誰だ。何てことしてくれるんだ!」
フリードリヒと表示されている男が詰問する。
が、サトシは返答に困っているのか、カールの出現に戸惑っているのか……黙ってしまった。
その様子を見て返答が来ないと察したからか、今度は俺に視線を向ける。
「おい。お前一体なんだ?」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる